近年さまざまなメタバースプラットフォームがリリースされ、話題に挙がることが増えてきています。
大手企業が参入したニュースなどを目にすることも多いでしょう。
しかし、
- そもそもメタバースが何かわからない
- どのように活用されているか知りたい
- 将来性があるのか知りたい
などの悩みをもつ方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、メタバースはさまざまな分野で活用されており、将来性が期待されています。
そこで、今回は初心者でもわかりやすいように、メタバースの特徴や活用事例、将来性や課題について解説します。
メタバースについての知識を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
メタバースとは?他者との交流がある仮想空間
メタバースとはインターネット上に構築された仮想空間。Meta(超越)とUniverse(宇宙)を組み合わせた造語です。
1992年に発行されたニール・スティーブンスン氏のSF小説「スノウ・クラッシュ」で、初めてメタバースという単語が登場しました。
メタバースはコンシューマーゲームと違い、他のユーザーとの交流がある点が大きな特徴です。
そのほかの主な特徴は以下の通り。
- ゲームやエンターテイメントから始まった
- ビジネスシーンでも利用されるように
- Facebookなどの海外大手企業が参入
- 数多くの日本企業も参入
それぞれ解説します。
メタバースはゲームやエンターテイメントから始まった
メタバースは、ゲームやエンターテイメントでの活用から始まりました。
2003年にLinden Labがメタバースプラットフォーム「セカンドライフ」をリリース。
当時あまり普及していなかった、3Dグラフィックスでの多人数コミュニケーションが新しく、爆発的な人気を誇りました。
また、日本では2010年にアメーバピグなどのブラウザゲームが、メタバースの前身として存在。多くのユーザーが仮想空間でのコミュニケーションを楽しみました。
しかし、初期のメタバースは通信回線やPCスペックが十分に追いついていなかったことを原因に、徐々にユーザーは減少。ブームは一過性のものとなりました。
2023年6月現在、それらの整備が進み、メタバースゲームやエンターテイメントは大きく進化を遂げています。
メタバースゲーム「Star Atlas」では、映画にも採用されるゲームエンジンを採用しており、高品質なグラフィックが話題となっています。
新たなメタバースゲームは多くのタイトルが開発中。今後の将来性が期待されています。
ビジネスシーンでも利用されるように
ゲーム・エンターテイメント領域から始まったメタバース、世界的なオンライン化の加速によりビジネスシーンでも利用されるようになりました。
メタバース上でバーチャルオフィスを構築することで、離れた場所でもスムーズなコミュニケーションをとれます。
メタバースプラットフォーム「Remo」では、自由なデジタルオフィスを構築可能。オフィス内のどこに誰がいるかひと目でわかります。同僚に細かい業務の質問するなど、現実世界に近いオフィス環境を体験できます。
メタバースオフィスを導入することで、業務効率化や新たなビジネスモデルの構築などさまざまな効果があるでしょう。
メタバースのビジネス利用について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバース区画を広告として利用する形も
メタバースプラットフォームThe Sandboxでは、ゲーム内区画「LAND」をグッチやパリス・ヒルトンなどの大手企業が購入しています。
LANDを多く購入するほどブランドロゴが大きく表示されるため、多くのユーザーが集まるプラットフォームで多大な広告効果を及ぼすのです。
また、LANDでは各企業独自のイベントが開催されています。グッチはThe Sandbox内に期間限定エリア「GUCCI Vault Land」をオープン。
謎解きゲームやヴィンテージバッグの修復イベントが開催され、グッチオリジナルのNFTも販売されました。
NFTアイテムを着用したユーザーがメタバース内を探索すれば、グッチのNFTを持っていることが一目でわかります。
メタバース内での存在感を高めれば、現実世界での認知度向上につながるのです。
個人でメタバースを利用するのではなく、企業がメタバースを開発する際には多額の資金が必要です。
しかし、メタバース開発に対応するさまざまな補助金が存在します。利用できる主な補助金・助成金は以下の通り。
- 人材開発支援助成金
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
たとえばIT導入補助金なら、バーチャルオフィスの導入や、メタバース展示会でのPR活動に対応しています。
補助金・助成金をうまく利用すれば、メタバースの導入・開発コストを抑えられますよ。
しかし、資金調達のプロセスは複雑で、疑問や不安がつきものです。そこで、meta lnadは特別なサポートをご用意しました!
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Facebookなどの海外大手企業が参入
メタバースには、Facebookなどの大手企業が参入しています。
Facebookはメタバースに社運をかけ、2021年10月にMetaに社名を変更しました。さらにメタバース事業には約5,000億円を投資。(参考:基礎から学ぶメタバース~なぜFacebookは巨額の投資を決めたのか)
具体的にはVR機器「Meta Quest」を開発し、個人ユーザー向けのサービスを展開しています。
Metaに続き、Microsoftもメタバース市場に参入。産業用メタバースをメインに開発を進めました。
日本航空では航空機の整備訓練などに利用されています。
Metaが開発する「Meta Quest」との連携も発表。両社のサービスを連携して利用できるようになりました。
大手企業の参入と連携により、今後の新しいメタバースの誕生が期待されます。
数多くの日本企業も参入
グリーやパナソニックをはじめとする数多くの日本企業もメタバースに参入しています。
グリーは2018年にメタバースの1種であるREALITYをリリースしており、オリジナルアバターを使ってライブ配信からゲームまで楽しめます。
創業から100年を超えるパナソニックは、長年培った技術を活かし、VRグラス「MeganeX」を開発しました。
VR機器の「軽さ」を追求した製品で、メタバースのヘビーユーザーでも快適なプレイ環境を提供します。
また、NTTドコモやKDDIもメタバースに参入。NTTドコモは「XR World」、KDDIは「αU(アルファユー)」と、両者独自のメタバースプラットフォームを展開しています。
国内企業はこれまで培ってきた、独自の技術を活かしてメタバース開発に取り組んでいます。
メタバースの活用事例と代表的なプラットフォーム8選
メタバースには、ユーザー同士の交流やゲーム、NFT売買、ビジネス利用など、さまざまな目的があります。
ここではメタバースの活用事例と、代表的なプラットフォームを8例紹介します。
1.エンターテイメント|ホロライブ
メタバースが最も得意とする分野はエンターテイメントだと言えるでしょう。代表的な事例として、VYouTuberバーチャルアイドルグループ事務所「ホロライブ」が挙げられます。
ホロライブのメタバースライブイベントでは、観客は客席からだけでなく、ステージのあらゆる場所からライブを鑑賞可能。
現実世界では不可能なライブ体験ができるため、多くのファンから支持を得ています。
また、ホロライブはレーシングチーム「PACIFIC RACING TEAM」とタイアップするなど、スポーツ分野にも参加しています。
ホロライブ、メタバーススポーツについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
2.アート・デザイン・美術館|OnCyber
メタバースはアート・デザイン領域でも活用されており、美術館としても利用されています。
OnCyberは所有しているNFTをメタバース空間上に飾って、自身のオリジナルギャラリーを作れるサービス。
NFT自体は登場当初、コレクションすることが目的でしたが、今やメタバース空間上で展示できるようになりました。
OnCyber上に展示した自分のNFT作品を多くの人に見てもらうことで、プロモーションにつながります。
アバターを使った音声コミュニケーションが可能なため、現実世界のギャラリーと同じような商談も可能です。
3.メタバースゲーム|The Sandbox
The Sandboxは、イーサリアムのブロックチェーン技術を使ったメタバースプラットフォームです。明確な目標は設定されておらず、ユーザー主導でゲームを楽しみます。
3Dボクセルアートで構築された世界観は、世界的な人気を誇るマインクラフトのゲーム性に似ています。
- マインクラフトとは?
-
メタバースゲームの代表格。無料で利用できるエディターを利用すれば、オリジナルキャラクターやアイテムも作成可能。
作成したアイテムはNFTマーケットプレイスで販売でき、仮想通貨を稼げます。
また、ゲーム内区画「LAND」を購入すれば、ジオラマを作ったりオリジナルのゲームを作ってイベントを開催したりなど、独自のサービスを作成可能。
オリジナルゲームには入場料を設定できるため、収入を得られます。
The Sandboxでの稼ぎ方について詳しく解説している記事があるので参考にしてください。
4.観光・旅行|バーチャルOKINAWA
メタバースは観光・旅行事業にも活用されています。代表的なサービスとして、沖縄の自然や文化を体験できる「バーチャルOKINAWA」が挙げられます。
PCやVRデバイスを使ったVRChatや、スマートフォンを使ったVket Cloudを通して、沖縄の生活を体験可能。
さらに、沖縄の学校やコミュニティなどをバーチャルで再現しており、現地と同じような体験が可能です。
住居の探索やイベントの体験などもでき、沖縄の魅力を広く発信しているプラットフォームです。
メタバースの観光・旅行について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
5.メタバースショッピング|REV WORLD
メタバースはオンラインショッピングのプラットフォームとしても活用されています。代表的なサービスとして、三越伊勢丹が運営している仮想都市「REV WORLD」が挙げられます。
新宿を舞台としたメタバース内には、仮想伊勢丹新宿本店が出店。
仮想店舗内では、伊勢丹新宿本店で販売されている商品の一部を実際に購入できます。また、定期的にオンラインスタッフが店頭に立ち、接客業務を行います。
メタバースショッピングについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
6.オンライン会議|Mesh for Microsoft Teams
メタバースはオンライン会議にも積極的に活用されています。
Mesh for Microsoft Teamsは、Microsoftが運用するTeamを強化したコミュニケーションツールです。
ビデオ会議、ミーティングサービスとして開発されたMicrosoft Teamsにメタバースを導入することで、より現実に近い会議ができるようになりました。
メタバースを利用することで、ジェスチャーで感情や細かいニュアンスが伝わるようになります。
オンラインでの会議がよりスムーズに進むため、生産性の向上を目的に多くの企業で活用されています。
メタバースの会議利用について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
7.教育・研修|VictoryXR
メタバースは教育・研修分野でも活用されています。
VictoryXRは、デジタルツイン技術を使うことで既存の学校を正確に再現できる教育企業です。
- デジタルツインとは?
-
リアル空間に存在するデータを仮想空間で再現する技術。
Meta社と提携し、メタバーシティとよばれるVR技術を活用したメタバース上の学校を設立しています。
VRヘッドセットを使って講義を受けられ、世界各国で現地の授業を体験可能。
デジタルツインについては、以下の記事で詳しく解説しています。
8.建築|comony
メタバースの3D空間を活かした、建築分野での活用も進んでいます。
comonyは、建築や不動産に特化したメタバース。
モデルルームをメタバースに建築することで、建物の建築コストを削減できます。
また、現実世界では再現の難しい建築物のシミュレーションが可能。設計や検証段階の試行錯誤を減らし、生産効率向上が期待されています。
メタバースでの建築について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバースの将来性が期待される5つの理由
メタバースの将来性が期待される理由を5つ紹介します。
- 新たな経済圏の形成
- VR・AR技術の発展と5G通信の普及
- メタバース内での雇用の創出
- 市場規模の拡大
- 参入企業の成長による投資銘柄としての魅力
1.新たな経済圏の形成
メタバースを活用した、新たな経済圏の形成が期待されています。
メタバース内のアイテムや区画は、NFT技術を活用して唯一無二のデジタルコンテンツとして扱われます。
- NFTとは?
-
ブロックチェーン技術を利用して、デジタルデータの唯一性を証明する技術。
デジタルコンテンツに希少性が生まれるため価値が高まり、有名なアーティストの作品は高値で取引されています。
また、NFTは主に仮想通貨を通じて取引されます。仮想通貨は銀行口座を持てなかったり、自国の通貨価格が安定していない国の人達が多く利用しています。
そのため、これまで経済活動に参加できなかったユーザーを獲得できる可能性が考えられるのです。
メタバース、NFT、仮想通貨を利用すれば、これまでにない新しい経済圏の形成が可能となります。
メタバースとNFT・仮想通貨の関係性
メタバースとNFT・仮想通貨は、前項で解説した通り非常に相性の良い関係ですが、必須の関係ではありません。
NFT・仮想通貨を利用しないメタバースとして、日産が提供するメタバースサービス「NISSAN HYPE LAB」が挙げられます。
NISSAN HYPE LABは、ディーラーとの商談から購入までワンストップで行えるプラットフォーム。メタバース上での試乗も可能です。仮想通貨やNFTの利用はありません。
NFTや仮想通貨は、メタバースサービスの性質により利用されるかが決まります。
メタバースとNFTの関連性について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
2.VR・AR技術の発展と5G通信の普及
VR・AR技術の進化と普及は、メタバースの将来性が期待できる要因の一つです。
総務省でとりまとめている「情報通信白書」によると、AR / VR市場規模は着実に拡大中。
個人向けにはゲームや観光地の疑似体験、企業向けでは不動産会社のモデルルームや設備点検の作業手順などに活用されています。
また、5Gサービスの普及もメタバースの将来性が期待できるポイントです。
5Gは「超高速」だけでなく「超低遅延」「多数同時接続」といった新しい特長を持つ第5世代移動通信システムです。
日本の5G普及は着実に進んでおり、2023年の終わりには5Gの基盤展開率は98%以上に達する予定。
基盤の整備が整えば、メタバースで表現できる世界の幅が広がるでしょう。
メタバースとVRの違いは、主に2つの点が挙げられます。
- メタバースは他者と交流できるが、VRは1人で体験する
- メタバースは仮想空間そのものを指すが、VRは手段や技術を指す
VRを体験する際には、ほとんどの場合専用のゴーグルを使いますが、メタバースではVRゴーグルなどの機器を使用しなくても仮想空間を楽しめます。
ただ、メタバースプラットフォームDecentralandのように、VRゴーグルを利用した没入感の高いメタバース体験を提供しているサービスもあります。
また、メタバースと似た意味を持つ言葉に「ユニバース」があります。
ユニバースは、宇宙全体やすべての物質・時空などが存在するたった一つの世界を意味する言葉。映画や小説などフィクションの文脈で使われる際は、世界観やキャラクターを意味します。
メタバースとVR、ユニバースの違いを詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
3.メタバース内での雇用の創出
メタバースで新たな雇用が創出されている点も、将来性が期待できるポイントです。
メタバースの開発・運用などといった専門的な仕事だけでなく、アバターを使ったプラットフォーム案内などの仕事が生まれています。
以下のツイートでは、大丸松坂屋がメタバース接客アルバイトを募集しています。
メタバースに関連する仕事は、次のような求人サイトで探すとよいでしょう。
- MetaJob!
- Indeed
- doda
MetaJob!はVRやメタバースに関連するデジタルワークに特化したマッチングサイトです。アバターワークが多いため性別や年齢、容姿を気にしないで仕事を探せます。
Indeedは一般求人を扱う検索サービスですが、メタバースに関連する仕事も数多くヒット。
dodaは経営者や即戦力に特化しています。エンジニアの求人が多いため、メタバースとも相性の良い点が特徴です。
将来的にメタバースで働くことが当たり前になるかもしれません。
4.市場規模の拡大
メタバースの将来性が期待されるポイントとして、将来的な市場規模の拡大が予想されている点が挙げられます。
総務省によれば、2030年までに世界のメタバースの市場規模は78兆8,705億円まで拡大するとのこと。
2021年の4兆2,640億円から、約75兆円もの成長が期待されています。
日本国内のメタバース市場規模は、株式会社矢野経済研究所が発表。2026年までに1兆42億円規模まで拡大すると予想しています。
メタバースの市場規模の高まりを見込み、多くの企業がメタバースに参入しているのです。
5.参入企業の成長による投資銘柄としての魅力
メタバースに参入した企業の成長が追い風となり、有望な投資銘柄としても注目されています。
市場規模の拡大により、メタバースを開発する企業が大きく成長。例えば「NVIDIA」は3Dグラフィック制作に欠かせない半導体を製造する企業です。
近年ではAI技術の発展なども加わり、成長を続けています。
そのほかにもUnity Softwareや、Electronic Artsなど、メタバースに関連する企業は多数存在。
メタバースプラットフォームを利用するのではなく、株式や投資信託で利益を得られる可能性があります。
メタバース関連のおすすめ銘柄や投資方法について解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバースが抱える課題や注意点
メタバースが抱える課題や注意点はおもに次の3つです。
- 法整備が進んでいない
- 依存などのリスクがある
- 現状は一部のユーザーにしか普及していない
順に見ていきましょう。
1.法整備が進んでいない
メタバースはまだ新しい技術のため、法整備が進んでいない点が課題として挙げられます。
たとえば、NFTは法的な所有権が明確ではなく、万が一盗まれたとしても所有権に基づいて返還を要求するのが困難です。
法律が整備されていない現時点では、トラブルに巻き込まれても、泣き寝入りの可能性もあります。
しかし、メタバースに関する法整備は現在急ピッチで進行中。
内閣府知的財産戦略推進事務局による「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題等に関する論点の整理(案)」では、メタバースをめぐる法的課題について論点を整理しています。
- メタバースコンテンツの知的財産権
- 仮想空間における知財利用
- 権利者の権利保護
- アバターの肖像権
- アバター間の行為をめぐるルール形成
ほかにも電子取引に関する法や金融規制や税制なども整える必要があります。
まだ完全に法的な整備がととのっていない状態のため、メタバースを利用する際はトラブルに巻き込まれないように注意しましょう。
2.依存のリスクがある
VR機器を利用するメタバースは没入感が強く、依存性が高いと言われています。
厚生労働省のゲーム依存症対策関係者連絡会議の資料によると、国内でネットやゲーム依存が疑われる人は男性が総人口の約3%、女性が約1%、少なくとも100万人以上いると推測されます。
とくに子供への影響が心配されており、学業不振・不登校・使用制限すると暴れる・不規則な生活リズム ・摂食障害・発育不全などの問題も。
メタバースを利用する際は、意識して休憩をとるなど依存を防ぐ対策をしておきましょう。
メタバースの危険性について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
3.現状は一部のユーザーにしか普及していない
デロイトの消費者調査「Digital Consumer Trends 2022」によると、VRヘッドセットの保有率はわずか3%という結果でした。この数字から、メタバースは一部のユーザーにしか普及していないことがわかります。
ただし使用率は上昇傾向にあります。世界的なVRヘッドセット出荷台数も増えており、今後の可能性は感じます。
今後、VR機器の性能向上や、スマホでも利用できる高性能なメタバースがリリースされれば、ユーザー数の増加が期待できるでしょう。
メタバースに関するQ&A
メタバースに関するよくある質問と回答を紹介します。
- メタバースのおすすめの本はありますか?
- ディズニーがメタバース事業から撤退した理由は?
- セカンドライフが失敗した原因は?
- メタバースは失敗する?
- Googleはメタバースに参入している?
疑問をお持ちの方は参考にしてください。
- メタバースのおすすめの本はありますか?
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メタバース関連本は多数出版されていますが、その中から初心者・中級者・上級者向けに1冊ずつ紹介します。
初級者向け『60分でわかる!メタバース超入門』(武井勇樹著/技術評論社/1,320円)
出典:Amazon メタバースの概念や事例を紹介したうえで、メタバースを活用したビジネスモデルを紹介しています。図解やカラーページでわかりやすく、この1冊でメタバースの全体像を把握できると口コミでも好評です。
中級者向け『メタバース さよならアトムの時代』(加藤直人/集英社/1,650円)
出典:Amazon メタバースの概念や現状を整理したうえで、NFTやWeb3.0との関係性やビジネスでの活用方法などを解説。メタバース開発者である著者自身がメタバースの未来を描いた1冊です。経済産業省の推薦図書にも選ばれています。
上級者向け『Web3とメタバースは人間を自由にするか』(佐々木俊尚著/KADOKAWA/1,650円)
出典:Amazon メタバースやWeb3.0によって変化する社会や経済について言及しています。テクノロジーの進化が私たちの社会や生活におよぼす影響がわかり、どのように社会に組み込んでいくべきかを考えるために役立つでしょう。
そのほかのおすすめ本については、こちらの記事で詳しく解説しています。
メタバースはこれで完璧!おすすめ本17選|初級・中級・上級にわけて徹底紹介 | meta land メタバースを学べるおすすめ本17選を紹介します。理解度別に初級・中級・上級にカテゴリー分けしました。概念から理解したい、ビジネス活用したい、メタバースを構築したい… - ディズニーがメタバース事業から撤退した理由は?
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2020年からメタバース事業に進出していたディズニーは、積極的な投資をおこなっていました。ディズニーが取り組んだメタバース事業には次のようなものがあります。
- 「バーチャルディズニーストア」をオープン
- 「仮想世界シミュレーター」の特許を取得
- テーマパーク内でARイベントを開催
- VR技術を搭載したオンラインゲームを発売
- ディズニーのNFTを発売
しかし動画配信部門の業績悪化の影響を受け、2023年3月に7,000人規模の大規模レイオフを実地。その際にメタバース部門も解体しています。
ほかにも次のような原因も考えられます。
- 参入企業の増加と市場の飽和
- メタバース事業への高額投資
- イーサリアムのガス代高騰
業績悪化とメタバース事業の収益化が難しいことから、いったんメタバース事業から撤退せざるを得なかったようです。
ディズニーがメタバース事業から撤退した理由の詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ディズニーがメタバースに参入していた!?事業背景と撤退理由を解説 「ディズニーがメタバース事業から撤退」 このニュースで、ディズニーがメタバース事業に参入していたことを初めて知った方も多いかもしれません。 そんな方の中には、 … - セカンドライフが失敗した原因は?
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セカンドライフとは、2003年に米国リンデンラボ社からリリースされたサービスです。ユーザーはアバターを作成し、仮想世界(Secondlife)での生活を楽しめます。
2006年ごろに大ブームとなり、世界中の個人や法人が次々と参入。日本でも電通主導でバーチャル東京をオープン。みずほ銀行やTBSなど大手企業も参加しています。
しかしブームは続かず実質的には失敗とされています。その理由は主に次のとおりです。
- パソコンや通信環境のスペックが追い付いていなかった
- デザインやグラフィック技術が未発達だった
- ユーザーが仮想空間に慣れていなかった
- 仮想空間の魅力が一般に浸透しなかった
しかし、セカンドライフは現在も開発を続けており、2023年後半にはスマホアプリのβ版がリリースされる予定です。
スマホで手軽に利用できるようになれば、人気が再熱する可能性もあります。
メタバースとセカンドライフの違いは?二の舞にならない理由4選 よく混同されるメタバースとセカンドライフ。この記事では、両者の違いと、メタバースが流行らないと言われる訳について掘り下げます。 - メタバースは失敗する?
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メタバースが失敗するといわれる理由は、おもに次のとおりです。
- 詐欺やハッキングの可能性
- VRゴーグルやハイスペックPCなどデバイスが必要
- 参入企業が撤退している
- 興味のある層が限定的
メタバースに対する盛り上がりは、いったん落ち着いています。ただし5G回線の普及で通信速度が速まり、VRゴーグルがバージョンアップされ使用しやすくなるなど、メタバース普及のための環境的な要因は整いつつあります。
前回のブームと違う点は、NFTや仮想通貨、ブロックチェーンによりビジネス的な活用も広がっていることです。政府や地方自治体も参入しており、むしろ本格的な広がりはこれからだといえます。
メタバースは失敗する?ザッカーバーグやセカンドライフの事例をもとにその将来性を徹底検証 メタバースは失敗するのだろうか? セカンドライフの二の舞になるのだろうか? 成功するとしたら、その要因は何か? 上記にように考えている人は多いのではないでしょう… - Googleはメタバースに参入している?
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Googleはメタバース開発には消極的ですが、AR(拡張現実)には積極的です。Androidで検索結果をAR表示するGoogle ARなどのサービスを提供しています。
もともとGoogleは、コミュニティやSNSサービス作りとの相性が悪いため、VRよりもARの分野で突破しようとしているようです。そのためARに強い企業の買収も進めています。
メタバース業界はGoogleがリード?GAFAM各社の動向 Googleはメタバースに投資しているのか? それ以外のA・F・A・Mたちの動向は? これからメタバースはどう変化するのか? 上記のように考えている人は多いでしょう。 各…
まとめ
この記事では、メタバースの特徴から活用事例、将来性や課題点について解説しました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- メタバースはゲームやエンターテイメントから始まり、ビジネスシーンでも活用されている
- 観光や教育、建築領域でも活用されている
- 市場規模の拡大が予想されており新たな経済圏の創出が期待されている
- メタバース内での雇用も生まれ、専門技術がなくても働ける
- 法的な整備はまだ整っていないが急ピッチで検討が進められている
メタバースはさまざまな分野で活用されており、分野ごとに新たなサービスが続々とリリースされています。
本記事を参考にして、将来性が期待できるメタバースを体験してみましょう。