近年、Web3.0やメタバースという言葉を耳にする機会が増えてきました。
しかし、
- Web3.0とは何か知りたい
- メタバースとは何か知りたい
- Web3.0とメタバースにはどのような関係があるのか知りたい
このように思っている方は多いのではないでしょうか?
結論から言うと、Web3.0とメタバースは相性がよく、新しいサービスを生み出す可能性を秘めています。
今回はWeb3.0とメタバースの定義や違い、メリットや活用事例を解説。本記事を読めばWeb3.0とメタバースの大部分を理解できます。
私たちの暮らしに深く関わる点が多いので、ぜひ最後までご覧ください。
メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。
ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。
メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。
Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。
メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
Web3.0とメタバースとは?違いや関係を解説
最初に、以下の点を理解しておきましょう。
- Web3.0とメタバースの定義
- それぞれの違い
- Web3.0とメタバースの関係性
例え話などをまじえてわかりやすく解説します。
Web3.0とは?より自由なインターネット
Web3.0を一言で表すと「権力が分散したインターネット」です。
従来までは、GAFAMをはじめとした大企業が、ユーザーの個人情報や収益を独占していました(中央集権)。
- GAFAMとは?
-
Google、Apple、Facebook(現Meta)、Amazon、Microsoftの頭文字を取った言葉。
提供されるプラットフォームを使うには、企業が設定したルールや規則に従う必要があります。
しかし2020年代に入ってから、ブロックチェーン技術が注目されはじめました。
ブロックチェーン技術によって、大企業のサービスを介さず、個人間でコンテンツやお金のやり取りができるようになったのです。
大企業に権力が集中した状態を抜け出し、より自由にインターネットを利用できるのがWeb3.0です。
Web1.0と2.0とは何だったのか?
Web1.0と2.0に関して知っておくと、Web3.0に対する理解がより深まります。
Web1.0は「一方通行のインターネット」で、年代でいうと1990年代に当たります。
この時代にはSNSやチャット、掲示板は存在せず、発信者の情報を受信するくらいしか利用方法がありませんでした。
Web2.0は「コミュニケーションのインターネット」で、年代で言うと2000年から2018年あたりまでを指します。
発信者の情報を受信するだけでなく、受信者が反応したり、またユーザーが簡単に情報を発信したりできるようになりました。
しかし上図にあるように、Web2.0ではプラットフォーマー、つまり大企業が個人情報や利益を独占していました。
Web3.0はブロックチェーンやNFTをはじめとした技術を活用。個人が自由にインターネットを使えるようにすることが目的なのです。
ブロックチェーンとは?情報をブロックとして繋げる技術
ブロックチェーンとは、Web上の一定期間のデータ(取引・発信内容など)を「ブロック」とし、それを時系列のチェーン状につなげる技術です。
ブロックごとに「ハッシュリンク」という複雑な番号が振られています。この番号どおりでないと、ブロック同士はつながりません。
ハッシュリンクによりデータの改ざんによる不正がほぼ不可能になりました。改ざんするとハッシュリンクも変わってしまうため、ブロック同士がつながらず、直ちに不正が発覚します。
これによりより安全な取引やコミュニケーションが可能になりました。
NFTとは?デジタルデータの唯一性と所有者を証明する技術
NFTは「代替不可能なトークン」を意味します。デジタルデータを世界で一つだけのものだと証明し、所有者を明確にする技術です。
以下のイメージがわかりやすいでしょう。
NFTの一例としてデジタルアートや音楽、メタバース内で購入した土地などが挙げられます。
NFTには、それぞれ固有のシリアルナンバーのようなものが振られており、同じものは存在しません。
同じものを作ろうとしても、先ほど触れたブロックチェーン技術によって偽造が発覚します。
NFTは企業が用意するプラットフォームを利用する必要がないため、ユーザー間で直接取引できるのです。
NFTとメタバースについて詳しく解説している記事があるので、そちらも参考にしてください。
メタバースとは?仮想空間上にあるもう一つの「社会」
メタバースとは、仮想空間上に存在する、もう一つの社会を意味します。アバターを作成し、空間内で現実世界と変わらない生活を送ります。
メタバース内部では、ユーザー同士でコミュニケーションを取ったり、建築物やゲームを作ったりすることが可能です。
さらに、NFTを売買する経済圏が存在することも。
The Sandbox(ザ・サンドボックス)は、メタバースの代表格として知られてます。
The Sandboxについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
総務省・大企業がなぜメタバースに注目するのか?
近年、総務省がメタバース開発や関連法整備に注力しています。
総務省は「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」を立ち上げ、見識を深めるようになりました。
また博報堂やSoftBankなどの大企業も、投資に積極的です。
メタバースが総務省や大企業から注目される理由は、大きく分けて4つあります。
- メタバースをより魅力的にするVR機器の普及
- NFTや仮想通貨など、メタバースに関係した技術の発展
- 新型コロナウイルスの影響によるオンラインコミュニケーションの加速
- Facebookなどによるメタバースへの巨額投資
上記の要因から高い将来性が予測され、政府や大企業から注目されるようになりました。
メタバースの市場規模について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
Web3.0とメタバースは関係ない?
Web3.0とメタバースには、一定の関係性があります。
先ほど、Web3.0はブロックチェーンやNFTなどの新しい技術によって成り立っていると解説しました。
そしてメタバースには、デジタルアートやゲーム内のアイテムやアバターなどが存在します。それらの大半はNFTとして扱われ、ユーザー間で売買することも可能です。
つまりメタバースとWeb3.0は別物で、単体で存在するものですが、相性がよく相互が支え合う関係にあると言えます。
メタバースによってはブロックチェーン技術を使わないものも存在します。
DAO(分散型自立組織)とは?
Web3.0に関わるDAOなどの意味もおさえましょう。
DAOとは、「分散型自立組織」を意味し、わかりやすくいうと、「全員で多数決する仕組み」です。主に仮想通貨や共同資金プールを扱う組織で採用されます。
会社は経営者が運営方針を判断しますが、DAOの形態を取っている場合は、全員の投票で意思決定を図ります。
意思決定が成立したら、スマートコントラクトという技術で自動的に実施される仕組みです。
一例として、仮想通貨運営組織「MakerDAO」の例を見てみましょう。
MakerDAOでは仮想通貨DAIを所有していれば、誰でも提案したり、それに対して投票したりすることが可能。
DAOを活用することで公平に意思決定したり、スマートコントラクトで約束が破られることなく決定事項を実行できるようになりました。
これらのキーワードは、Web3.0やメタバースを利用するうえで理解しておく必要があるものです。この機会に理解しておきましょう。
Web3.0やメタバースがもたらすメリット3選
Web3.0やメタバースがもたらすメリットとして、主に下記の3つが挙げられます。
- より自由な取引ができるようになる
- 個人が新しい副業を始められる
- VRをはじめとした新たな体験を提供できる
Web3.0やメタバースが拡大すれば、今まで以上に自由な取引ができるようになります。
さらに個人でも新しいビジネスができる、VR技術を活用できるなど、Web2.0時代にはなかったメリットがあります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
1.より自由な取引ができるようになる
Web3.0によって、より自由な取引ができるようになりました。その理由は3つあります。
ひとつはNFTが誕生したことです。偽造品の作成が困難になり、安心して取引できるように。
また、ブロックチェーンの登場により大企業の管理や規制から脱却し、ユーザー同士で自由に商取引できるようになったのです。
さらに、メタバースとブロックチェーン技術を組み合わせることで、アバターやキャラクター、土地やチケットなどがNFT化されました。
今までにない新しい取引ができるようになったのです。
2.個人が新しい副業を始められる
Web3.0やメタバースの登場で、個人が新しい副業を始められるようになりました。
手法の一例として以下が挙げられます。
- 制作したNFTアートを販売する
- メタバースのアバターやキャラクター、土地を販売する
- NFTゲームをプレイして収益を得る(Play to Earn)
- ゲームのキャラクターや仮想通貨をステーキングして報酬を得る
このようにWeb2.0時代にはなかった方法で、副業ビジネスを展開できます。
中にはNFTゲームだけで生計を立てる人も存在します。
副業に関してはこちらで解説しているので参考にしてください。
3.VRを活用した新たな体験を楽しめる
メタバースでは、VR(バーチャルリアリティ)による新しい体験を楽しめます。
VRゴーグルを装着してメタバースを利用すると、実際に仮想世界にいるかのような感覚を体験可能。
臨場感ある空間を探検したり、他のユーザーとのコミュニケーションがスムーズになります。
またメタバースではイベントや施設を作り、VRによるアトラクションも作成可能。
イベントに入場料を設定して、収益を得る方法もあります。
Web3.0とメタバースの活用事例4選
Web3.0とメタバースには、すでに数多くの活用事例があります。
主な活用事例は以下の通り。
- The Sandbox|Web3.0とメタバースの組み合わせによる新しい経済
- 手塚プロダクション|手塚作品をメタバースでNFT化
- Axie infinity|ゲーム内NFT運用で個人での副業も可能
- メタパ|バーチャルショップによるECサイト展開
これら4つの事例から、Web3.0とメタバースを利用したビジネスのヒントが得られるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
1.The Sandbox|Web3.0とメタバースの組み合わせによる新しい経済
The Sandboxは、3Dボクセルアートで構築されるメタバースプラットフォームです。
アバターを作成して参加し、空間を体験したり、アイテムやゲームを作ったり、土地を運用したりして楽しむことが可能。
他のユーザーと仮想空間を共有するスタイルは、メタバースの基本形と言われています。
The Sandboxでは、作ったアイテムやゲーム、購入した土地を売却可能。
アイテムや土地はブロックチェーンによってNFT化するため、偽造や盗難などのリスクを抑えられます。
The Sandboxで収益化する方法について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
2.手塚プロダクション|手塚作品をメタバースでNFT化
手塚プロダクションは、メタバースプラットフォームACG WORLDSプロジェクトで、手塚作品をNFTとして販売。NFTはプロフィールアイコンなどに利用できます。
「鉄腕アトム」のイラストをNFTアートとして販売し、約1,000点がわずか1時間で完売しました。
その後も「火の鳥」や「ブラックジャック」のNFTアートを販売しています。
入手困難で、多くのユーザーから注目を集めています。
3.Axie Infinity|ゲーム内NFT運用で個人での副業も可能
Axie Infinity(アクシーインフィニティ)は2021年にブームとなったNFTゲーム。「アクシー」と呼ばれるモンスターを育成したり、対戦させたりします。
Axie Infinityでは、対戦で勝利すると仮想通貨を獲得可能。
また、アクシーがNFTとして取引される点も特徴です。優秀な能力を持っているアクシーは高値で販売されます。
ゲームをプレイするだけで収入が得られるため、副業のひとつとして注目されています。
4.メタパ|バーチャルショップによるECサイト展開
メタパは、バーチャルショップを出店するためのプラットフォームです。
メタバース内に自社の店舗を開き、商品を陳列できます。さらにそのまま注文を受けることも可能ですよ。
たとえばSoftBankがショップを出しており、スマートフォンを展示し、その場で販売しています。
web3.0とメタバースに関するQ&A
本記事ではWeb3.0とメタバースに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- メタバースとオンラインゲームで何が違うのか?
- Web3.0とメタバースに関する本を読みたい
- DAO・Web3.0のおすすめ銘柄は?
新しいキーワードであるWeb3.0とメタバースに関しては、まだわからないことが多くあるでしょう。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
- メタバースとオンラインゲームで何が違うのか?
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メタバースとオンラインゲームの違いは以下のとおりです。
スクロールできます項目 メタバース オンラインゲーム ブロックチェーン技術の活用 ある ない NFTの活用 ある ほぼない Play to Earn(遊んで稼ぐ) する しない 経済圏の有無 ある ない ゲームの目的 ないことが多い ある アバター操作 する する アイテムをマーケットに出品 一部可能 一部可能 ブロックチェーンとNFTが使われているかどうかが、最大の違いです。
ほとんどのメタバースではアイテムやアバターがNFT化されていますが、オンラインゲームには存在しません。
また一部のメタバースでは、NFTを中心にした経済が成立しています。
たとえばゲーム内区画を購入できるThe Sandboxや、施設を作って利用料を得られるclusterには、本格的な経済が存在するといえるでしょう。
- Web3.0とメタバースに関する本を読みたい
-
Web3.0とメタバースに関して学ぶなら、以下の書籍がおすすめです。
- 図解入門ビジネス最新 Web3とメタバースがよ〜くわかる本(長橋 健吾著)
- メタバースとWeb3(國光 宏尚著)
- Web3.0の教科書(のぶめい著)
おすすめは図解入門ビジネス最新 Web3とメタバースがよ〜くわかる本です。
以下のように多数の図を使って、Web3.0やメタバースに関してわかりやすく解説しています。
本書を読めば、Web3.0とメタバースの基本がほぼ理解できます。
より多くを知りたいなら、内容が少し難しくなりますが、メタバースとWeb3(國光 宏尚著)もおすすめです。
メタバース関連の本について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバースはこれで完璧!おすすめ本17選|初級・中級・上級にわけて徹底紹介 メタバースはデジタル上の仮想空間で、新たなビジネスチャンスの宝庫として政府も力を入れている分野です。しかし新しい分野のため、情報が少ないのも事実。 メタバース… - DAO・Web3.0のおすすめ銘柄は?
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DAOやWeb3.0のおすすめ銘柄は以下のとおりです。
- Argon(ANT)
- DAOstack(GEN)
- Filecoin(FIL)
- The Graph(GRT)
DAOやWeb3.0は、総務省やMeta社(旧Facebook)など、あらゆる組織が注目する分野です。
Web3.0に関連する上記銘柄の株価は近年上昇しており、投資すれば稼げるかもしれません。
ただし株式投資である以上、価格下落などのリスクはあります。必ず儲かるわけではなく、場合によっては損をする可能性がある点には注意しましょう。
メタバース関連の仮想通貨について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバース関連の仮想通貨銘柄13選を紹介!選び方や今後の将来性、購入方法を解説 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています 近年、多くのメタバースプラットフォームがリリースされ、それぞれ独自の仮想通貨を発行しています。 メタバース市場の…
まとめ
本記事では、Web3.0とメタバースに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- Web3.0とはブロックチェーンなどによって権力が分散したインターネット
- メタバースはインターネット上に作られた仮想空間
- 大企業の管理から脱却してユーザーが自由に取引できるようになることが目的
- NFTは、メタバースに深くかかわっている
- Web3.0時代では、より自由な取引や個人による新しい副業の拡大が期待される
- The Sandboxや手塚プロダクションなど、Web3.0とメタバースを活かした事例は数多くある
Web3.0とメタバースの台頭により、私たちはより自由にインターネットを楽しめるようになりました。
大企業のプラットフォームを必ずしも使う必要はなくなり、個人間で自由に取引できるようになったのは大きな進歩です。
またメタバース自体の発展や、VR技術の進化にも期待が持てるでしょう。
一方でWeb3.0とメタバースには、危険性も指摘されています。この点はこちらで解説しているので参考にしてください。