メタバースは失敗する?ザッカーバーグやセカンドライフの事例をもとにその将来性を徹底検証

  • メタバースは失敗するのだろうか?
  • セカンドライフの二の舞になるのだろうか?
  • 成功するとしたら、その要因は何か?

上記にように考えている人は多いのではないでしょうか?

結論から言えばメタバースが失敗する可能性は低いでしょう。色々な理由で「うまくいかないだろう」と言われていますが、そのほとんどは的外れです。

一方でメタバースの隆盛を後押しする要因は多々あり、今まで以上に普及すると考えられます。そこで本記事では以下の点を解説します。

  • メタバースが失敗しない理由
  • 成功するであろう要因
  • メタバースとユーザーが乗り越えるべき課題

本記事を読めばメタバースが成功する要因がおわかりいただけるかと思います。ぜひ参考にしてください。

そもそもメタバースとは?

メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。

ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。

メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。

Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。

メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。

目次

メタバースとは?失敗するという見立ては正しいか?

最初に以下の点を解説します。

  • そもそもメタバースとは何か?
  • 「メタバースは失敗する」という意見は正しいか?
  • セカンドライフの失敗を引きずるべきではない
  • メタバースの利用状況

まずは、やや難解なメタバースについておさらいしましょう。

そもそもメタバースの定義を正しく理解しよう

メタバースとはつまり、インターネット上に現れたもう一つの社会、と捉えるとよいでしょう。

上記に補足すると、VRゴーグルでより強い現実感を体感したり、メタバース上でイベントを開催したりすることも可能です。

また自治体がメタバース上での業務に関して求人を出し、実際に勤務している人もいます。

まさに新しい社会が誕生した、といえるでしょう。

「メタバースは失敗する」という意見は正しいか?

ネット上では「メタバースは失敗する」という意見が散見されます。例えば「VRデバイスが普及していない」などを理由に語られることが多いようです。

しかしデバイスに関しては、そもそもすさまじい勢いで普及している事実があります。

(引用:Yahoo!

上記は情報通信白書によるVRデバイスの出荷台数を年ごとでまとめたものです。2016年以降、右肩上がり、2021年からはさらなる出荷拡大が予測されています。

メタバースは、他の理由でも失敗すると言われています。しかし多少知見があったり、冷静に考えたりすれば、その指摘点は大きな問題ではないとわかるでしょう。それぞれ見ていきます。

  1. 詐欺やハッキング被害の可能性がある:オンラインのサービス全般に当てはまるが、大成した事例も多数。セキュリティ設定に気を配ることで十分に回避可能。
  2. 既存のオンラインゲームと変わらない:ゲームの要素がある一方で、土地やアイテムの売買など、ひとつの経済圏を成す要素がそろっている。
  3. VRゴーグルなどの準備が面倒:特別な装備が必要ないメタバースが多数存在する。中にはスマホに対応しているものも。
  4. 相手の表情が見えずコミュニケーションが取りづらい:確かに表情が見えない分言葉遣いには気を配る必要があるが、既存のチャットやメールと大差はない。
  5. Metaの株価が下がっている:会社全体の株価と、その事業のひとつに必ずしも相関があるわけではない。メタバースに関わる企業が軒並み株価を下げたら心配する必要があるかもしれないが、現在のところその傾向はない。
  6. セカンドライフと同じように失敗する:セカンドライフがリリースされた当時よりも機器やネットの性能が上がり、快適なプレイが可能になった。また、人々の新しい技術に対する許容度も高くなったと言える。

【補足】成功とよべそうな例もたくさんある

そもそもメタバースに関しては、以下のようにすでに成功と呼べそうな事例が存在します。

  • あつまれ!どうぶつの森▶︎単一タイトルのゲームとして日本でもっとも売れたゲームに
  • リネージュ▶︎1998年リリース、2023年現在も存続
  • FORTNITE▶︎全世界で4億人のユーザーが存在
  • Cluster▶︎イベント開催時は1,000万人近くを動員

一旦、メタバースは「Web上の3D空間であり、アバターによる交流が行われる場所」として考えてみましょう。

そうすると”あつ森”やリネージュ、FORTNITEは、圧倒的なユーザー数や販売本数を記録したメタバースです。

一方で「同時接続できるユーザー数が無制限である」条件を満たす”狭義のメタバース”としては、Clustarがすでに成功しています。イベント開催時には1,000万人近くのユーザーを動員しました。

(引用:cluster

何をもって成功とするか難しいところですが、一千万人単位の人を動かしているのは事実です。

実際にはメタバースは誰もやっていない?

「メタバースは誰もやっていない」とする意見もありますが、これは間違いだといえそうです。

主要なプラットフォームのひとつであるRobloxは、2021年中、デイリーでおよそ5,000万人のアクティブユーザーを獲得しています。

(引用:Roblox

ClusterやThe sandbox、あるいはFORTNITEなどをプレイする人の数も合わせれば、もっと多くの人がメタバースにいると判断できるでしょう。

したがって「誰もやっていない(利用者は限られている)」とする意見は間違いだといえそうです。

とはいえ、プラットフォームによっては過疎状態があるのも事実です。

どれくらいログインがあるのか確かめるには、実際に参加してみるのがよいでしょう。

メタバースが将来成功するといえる5つの要素

一方で、メタバースが将来成功するといえる要因は多数挙げられます。中でも以下の5つは重要視すべきでしょう。

  1. 利用環境が圧倒的に成長している
  2. 人との関わりが制限されるコロナ禍の生活と相性が良い
  3. NFT・ブロックチェーン・仮想通貨が普及した
  4. ザッカーバーグやソフトバンクなどから投資を受けている
  5. VRデバイスが爆発的に普及している

それぞれの要素がメタバースをどう後押ししているのか、詳しく解説します。

①利用環境が圧倒的に成長している

まず、利用環境が圧倒的に成功している点が挙げられます。

一例として、失敗に終わったとされるセカンドライフがリリースされた2003年前後と比較してみましょう。通信回線も端末のスペックも、大幅に進化しています。

2003年ごろの主流な通信方式はADSL、極端なケースではダイヤルアップ接続でした。

現在(2023年)は光回線が当たり前で、今後は5G回線の運用まで控えています。

端末も進化しました。当時のAppleコンピュターの最新機はiMacG4。メモリは最大1GB、ストレージは60GBでした。

一方で2022年に発売されたMacBookAirのメモリは最低でも8GB。ストレージに関しては最大で2TBです。

上記のようにユーザーの利用環境は、メタバースを快適にプレイするに足る水準まで成長しました。セカンドライフの時代とは異なり、一般的なスペックでメタバースを楽しめるようになっています。

②人との関わりが制限されるコロナ禍の生活と相性が良い

コロナ禍において、メタバースはさらなる注目を集めています。

多くの企業は感染防止の観点から、テレワークを導入しました。東京都によれば、2022年8月の段階で、従業員が30人以上在籍する企業のうち58.6%が実施しています。

(引用:東京都

大規模なイベントの一部は中止され、また自主的に外出を制限する人も少なくありません。

つまり現実世界で人との関わりが制限されることが増えたわけです。そんな中、オンラインで人と関わり、社会生活に近い感覚を得られるメタバースに興味を持つ人が増加しています。

③NFT・ブロックチェーン・仮想通貨が普及した

メタバースは、NFTや仮想通貨、ブロックチェーンと密接に関わる存在です。NFTアートやアイテムは高値で取引され、流通には仮想通貨が使われています。

そしてそれらの取引情報はブロックチェーン技術を用いて記録されているわけです。

これはメタバース内での活動を円滑にするうえで役立ち、さらにはビジネスチャンスも創出しています。これに魅力を感じてメタバースに参入する個人や企業も少なくありません。

つまりこれらの先進的な技術が、ユーザーを惹きつけ、メタバース全体を成功へと導く要因のひとつとなっています。

④ザッカーバーグやソフトバンクなどから投資を受けている

巨額の投資を受けているのも、メタバースにとって追い風です。

Meta社のマーク・ザッカーバーグは兼ねてからメタバースに注目。2021年には「年間1.5兆円を投資する」と述べています。

(引用:DIAMOND SIGNAL

あまりにも投資額が大きいため、Meta社株主である米投資コンサル会社アルティメーターキャピタルが、「リスクがあるから、投資額を制限しろ」と要求するレベルです。

もちろん日本企業も、メタバースに興味を示しています。ソフトバンクグループはメタバースを手がけるSoul Maxhinesへの約80億円もの資金調達をリードし、実現しました

メタバースは世界中の大企業から巨額の投資を受けており、より迅速で高度な技術開発が可能となっています。これも大きな成功要因だと言えるでしょう。

⑤VRデバイスが爆発的に普及している

VRデバイスが爆発的に普及しているのも、メタバースに対する強い追い風です。

先ほども触れたように、ARとVRの市場規模は、2016年以降継続して拡大しています。

(引用:Yahoo!

2021年以降も予測値ではあるものの右肩上がりです。よりリアルな仮想世界を感じられるVRデバイスの市場が拡大しているのは、メタバースにとっても大きな助けとなるでしょう。

メタバースとユーザーが乗り越えるべき壁

一方で、メタバースにも課題はあります。以下が今後超えなければいけない壁と言えるでしょう。

  1. 法整備を進めなければいけない
  2. 端末のスペックはもう少し欲しい
  3. セキュリティはより強固に

先ほど、セカンドライフは早すぎた、と解説しました。メタバースが同じ状況に陥らないためにも、この3点を改善する必要があります。

①法整備を進めなければいけない

まずメタバースにおける法整備を進めなければいけません。現行の法律が仮想空間を想定しきれていないからです。

例えばメタバース上で土地を騙し取っても、窃盗の罪に問われない可能性があります。

刑法によれば、窃盗罪は、”財物(財布・携帯電話など)”を盗み取るから成立する罪状です。

しかし現行の法律で、メタバース上の土地は財物であるとは定義されていません。よって、騙し取っても窃盗罪にならない可能性があります。

他にも現行の法律がメタバースに対応できていない点は否めません。現実では許されないことが仮想空間上ではまかり通る状況を避けるためにも、法整備は必要です。

②端末のスペックはもう少しほしい

端末のスペックは随分と進化しましたが、まだ十分だとは言えません。やはりメタバースを満足に動作させるには、相当な性能が必要です。

下記は中京テレビが24時間テレビをメタバース内で放送するとした際、ユーザーに要求した端末のスペック。

(引用:中京テレビ

Macの場合、2017年モデル以上でなければ利用できません。つまり10年選手のMacBookなどは、メタバースについてこれないわけです。

また上記はあくまでも最低限求められるスペック。より安定した動作を求めるなら、さらなる性能が必要です。

③セキュリティをより強固にする必要がある

セキュリティをより強固にする必要もあるでしょう。メタバースの登場により、犯罪行為も巧妙化すると見られています。

ボイスチェンジャーなどを使った”なりすまし”や認証情報を盗んだうえでの”リプレイアタック”など、あらゆる脅威が想定されるでしょう。

セキュリティに関しては、少なくとも日本はセキュアIoTプラットフォーム協議会により、セキュリティガイドラインが整備されるなど、努力が続けられています。

(引用:Security NEXT

しかし現実世界やWeb2.0がそうであるように、不正行為とセキュリティはいたちごっこです。常に完璧な世界はなく、メタバースも常にこの問題と向き合い、ユーザーには自衛が求められるでしょう。

どうやって楽しむか・稼ぐか追求する必要がある

ユーザー側は、メタバースに対する理解を深め、楽しみ方や稼ぎ方を知る必要があるでしょう。仮想空間、と一言で片付けられない複雑さがあるからです。

メタバースには、ゲームやバーチャルライブ、不動産運用やEコーマスなど、Web2.0時代では考えられない活用方法があります。

ユーザーがメタバースの活用方法を知り、そして実践できる水準に到達しなければ、少なくとも一般層への普及は望めません。

まだメタバースに対する理解度が低い人は大勢います。メタバースを「どこかの会社が作ったサービスの名称」と勘違いしている人すらいるレベルです。

わたしたちはかつてパソコンに触れて、インターネットを知り、オンラインゲームを理解しました。次はメタバースを理解するフェーズです。

まとめ:メタバースに未来あり

本記事ではメタバースの成功と失敗に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。

  • メタバースはおそらく失敗しない
  • 「失敗するだろう」と指摘する意見のほとんどが熟考されていない
  • セカンドライフの失敗体験に引きずられるなどして、バイアスがかかっている
  • 成功要因として、ユーザー利用環境の向上や莫大な投資、VRデバイスの普及などが挙げられる
  • 一方でセキュリティの精度を高めたり、ユーザーのメタバースに対する理解を深めるなどの課題は残っている

今までにない大規模な試みは、あの手この手で失敗すると予測されがちです。

しかしメタバースには、様々な成功要因がそろっています。もちろん必ず成功するとは言えませんが、「失敗する」と断言するには無理がある状況でしょう。

ユーザーにとって重要なのは、メタバースを理解し、日々の暮らしやビジネスにどう活かすか考えることです。新しい技術や情報が毎日のように飛び込んできて、時代についていくのは大変かもしれません。

しかしより多くのユーザーが情報を処理してメタバースとの向き合い方を見つけられたら、成功はより確かなものとなるでしょう。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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