Web3.0の詐欺対策を講じているScamSnifferのレポートによると、2023年のフィッシング詐欺による被害額は3億ドル（約450億円）弱に及ぶとのこと。
こうした被害を受けないためにも、KEKKAIのようなセキュリティサービスを利用する必要があるでしょう。
しかし、
- どうやってスキャム（詐欺）を対策すればいいのか分からない
- KEKKAIでどんな機能が使えるのか気になる
- 始め方や使い方を知りたい
上記のような悩みを持つ方も多いでしょう。
結論から言うと、KEKKAIは仮想通貨やNFTの取引で危険性を知らせてくれる機能を持ったプラグインおよびスマホアプリです。
今回の記事では、KEKKAIの特徴や機能、使い方を解説します。
スキャムの被害に遭わないよう資産を守りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
KEKKAI（結界）とは？概要および特徴5つ
KEKKAIの特徴を5つ解説します。
- 危険なサイトや取引があれば警告するセキュリティサービス
- 日本の会社によって開発・運営されている
- 対応するブロックチェーンの数が100種類以上
- PCとスマホでリリースされている
- Revokeやショップなどのサービスも展開
１.危険なサイトや取引があれば警告するセキュリティサービス
KEKKAIはWeb3.0向けのセキュリティサービスであり、ユーザーの資産を守るプラグインおよびアプリです。
具体的には、危険なサイトにアクセスしたり、ウォレットで怪しい取引をしたりする際に警告してくれます。
仮想通貨やNFTを利用した案件は大きく稼げるチャンスがある反面、スキャムによって資産を騙しとられる危険性に注意しなければなりません。
とくに初心者は、KEKKAIのようなセキュリティサービスを利用して身を守りましょう。
KEKKAIで防止できるリスクおよび詐欺
KEKKAIで防止できるのは、以下のようなリスクです。
| リスクの種類 | 概要 |
|---|---|
| Set Approval For All | 特定のトークンのコレクションすべてを移動させる権限を渡す取引 |
| Giving Approval | 特定のトークンを移動させる権限を渡す取引 |
| ガスレストランザクション（Seaportサイン） | 詐欺用マーケットプレイスにタダ同然の価格でNFTを出品してしまう取引 |
| 旧OSコントラクト詐欺 | 無料でNFTが手に入るように見せかけてNFTの所有権を奪い取る詐欺 |
| ETHサイン | ウォレットの秘密鍵が漏洩する可能性がある極めて危険な取引 |
| ハニーポット | 売却が難しいトークンを価値があるように見せかけて売りつける詐欺 |
| セキュリティアップデート | セキュリティアップデートを装って資産を抜き取る詐欺 |
| フェイクトークン | 実在するトークンを真似した無価値の偽物を売りつける詐欺 |
上記のような危険があると知ったうえでKEKKAIを利用すれば、詐欺に遭う確率を大きく減らせるでしょう。
２.日本の会社によって開発・運営されている
KEKKAIを開発しているのは、東京を拠点としている株式会社KEKKAIです。
日本の有名なプロジェクトがいくつもパートナーとして提携しています。
もちろんKEKKAIが提供しているサービスは日本語に対応。
海外のサービスが苦手なユーザーでも、安心してKEKKAIを利用できるでしょう。
資金調達を2回実施している
KEKKAI社は過去に2回の資金調達を実施しています。
2回目の資金調達のほうが金額が高い点から、KEKKAI社に対する信頼性の高さがわかるでしょう。
３.対応するブロックチェーンの数が100種類以上
KEKKAIが対応しているブロックチェーンの数は100種類を超えています。
イーサリアムやポリゴンなどのメジャーなものから、テスト目的で使われるテストネットまで幅広く対応しています。
新しく作られたブロックチェーンなどサポート外のものもありますが、順次対応されていくでしょう。
４.PCとスマホでリリースされている
KEKKAIはPCとスマホの両プラットフォームで公開されています。
ただし、アプリの形態にはプラットフォームによって少し異なる点も。
- PC：ブラウザにインストールする拡張機能プラグイン（アドオン）
- スマホ：セキュリティ機能を持ったブラウザアプリ
PCではGoogle Chromeなどに追加する一機能ですが、スマホだとブラウザそのものとして利用します。
どちらの場合も、MetaMaskなどのウォレットで取引しようとすると危険性をチェックする点は共通です。
５.Revokeやショップなどのサービスも展開
KEKKAI社が提供しているサービスはセキュリティアプリだけではありません。
たとえば、接続済みのサイトからウォレットを切り離すRevoke機能や、ウォレットの内容を一覧表示するポートフォリオ機能が使えるダッシュボードが提供されています。
ハードウォレットなどのWeb3.0セキュリティグッズを販売しているOneKey社と提携したKEKKAIショップも利用可能です。
物理的に持ち運べる暗号資産用ウォレット。
ネットワークから切り離して保管できるためセキュリティ性が高い。
ほかにも、開発者向けサービスとしてセキュリティ監査やAPIのサービスを提供しています。
KEKKAIアプリで利用できる機能
KEKKAIアプリ内で利用できる、以下の5つの機能を解説します。
- トランザクションの結果を事前にシミュレートする
- 危険なサイトや取引を検知して警告する
- ホワイトリストやポーズ機能で一時的に停止する
- スキャムを通報する
- （スマホのみ）KEKKAIポイントを獲得できる
１.トランザクションの結果を事前にシミュレートする
KEKKAIのメインとなるのは、これから承認しようとしている取引（トランザクション）の結果を先にシミュレートする機能です。
どのトークンが増減するかが具体的な数とともに表示され、承認すれば本来のトランザクション承認へと続きます。
イーサリアムのNFTコレクションを取引しようとしている場合、NFTの市場価格も確認可能です。
もしトークンが奪われる結果になるようであれば、KEKKAIで否認して取引を中止してしまいましょう。
KEKKAIのシミュレート結果と実際の処理結果が異なる可能性もあるので、警告の有無までチェックしたうえで慎重に判断してください。
２.危険なサイトや取引を検知して警告する
取引の結果をシミュレートするだけでなく、危険性が高い場合は警告も表示されます。
たとえば、公式のサイトに似せたページにアクセスすると、スキャムであると知らせてくれます。
また、リスクの高いトランザクションを承認しようとしているときも同様です。
警告が出たらアクセスを中止し、ウォレットを接続していた場合は接続解除やRevokeをしてください。
なお、警告が出たとしても、自己責任で取引を続行することもできます。
３.ホワイトリストやポーズ機能で一時的に停止する
ホワイトリストやポーズ機能を利用すれば、KEKKAIの機能を通さずに直接ウォレットでの承認を確認できます。
ホワイトリストは、登録しているURLのサイトで実行されるトランザクションをチェックしないようにする機能です。
ポーズ機能は、一定時間の間だけKEKKAIの機能をオフにできるものです。
毎日のように利用しているサイトがある場合や、信頼できるセールなどで早く承認したい場合に役立つでしょう。
慣れた取引でも用心しよう
信頼できるサイトでトランザクションを承認するときも、用心する気持ちを忘れないようにしてください。
なぜなら、サイトがハッキングされて取引内容を変更される可能性もあるからです。
実際に2023年10月頃、多くのプロジェクトが利用しているプラットフォームGalxeが攻撃を受け、フィッシング詐欺の被害が相次ぎました。
「いつもどおりに承認したら資産を抜き取られてしまった……」などと後悔しないように、できるだけKEKKAIは有効にしておきましょう。
４.スキャムを通報する
危険なサイトやトランザクションを見つけたときに通報する機能も、KEKKAIには備わっています。
通報されたスキャムはブラックリストに登録し、ほかのユーザーがアクセスしたときに警告を出すように。
KEKKAIのセキュリティ性をさらに高められるよう、スキャム（詐欺）を見つけたらできるだけ通報しましょう。
将来的には、通報したユーザーが特典を得られるようになる予定です。
５.（スマホのみ）KEKKAIポイントを獲得できる
スマホだけの機能として、KEKKAIポイントが実装されています。
KEKKAIポイントを貯めると、獲得量に応じた報酬を受け取る権利を得られます。
また、近日公開されるポイントストアで、KEKKAIポイントと引き換えに特典を入手できるようになる予定です。
KEKKAIアプリの準備方法や使い方
スマホでKEKKAIアプリを使うには、以下の手順で準備してください。
- アプリをダウンロードする
- チュートリアルを読み進める
- ウォレットを接続する
- KEKKAI EVO SBTをミント（Mint）する
- 特定のアクションをしてKEKKAIポイントを集める
PCでKEKKAIを使用する場合は、ブラウザに拡張機能をインストールするだけでOKです。
以下のブラウザが対応しているので、ストアページからKEKKAIをインストールしましょう。
- Google Chrome
- Firefox
- Edge
- Brave
拡張機能が有効であれば、とくに設定しなくてもウォレットを使うときに動作します。
ホワイトリストなどの機能を使いたい場合は、拡張機能のアイコンをクリックしてください。
アプリをダウンロードする
KEKKAIを利用するスマホにアプリをダウンロードします。
公式サイトまたはアプリストアにアクセスしてKEKKAIをダウンロードしてください。
ダウンロードしたアプリを起動すれば、KEKKAIの利用を開始できます。
チュートリアルを読み進める
はじめて起動したとき、アプリの概要やチュートリアルが表示されます。
ブラウザの使い方などを説明しているので、チュートリアルを見ながらページを閲覧したりNFTをミント（生成）したりしてみましょう。
チュートリアルはスキップすることも可能ですが、あとで見直すことはできないので要注意。
ウォレットを接続する
チュートリアル中もしくはホーム画面右上で、手持ちのウォレットをKEKKAIに接続します。
接続できるウォレットは以下のとおり。
- MetaMask
- Trust Wallet
- OKX Wallet
- TokenPocket
ウォレットを接続して連携させると、KEKKAIアプリ内でウォレットを使用できるようになります。
KEKKAI EVO SBTをミント（Mint）する
KEKKAIポイントで報酬を獲得するために、KEKKAI EVO SBTをミント（生成）します。
チュートリアルの流れに従い、ウォレットを接続してミントしてください。
ミントするときにPolygonチェーンのガス代がかかるため、仮想通貨MATICをあらかじめ用意しておきましょう。
ミントに成功すると、KEKKAI EVO SBTのレベルやポイントが表示されるようになります。
特定のアクションをしてKEKKAIポイントを集める
KEKKAI EVO SBTをミントできたら、KEKKAIアプリのブラウザを利用して取引を始めましょう。
なお、アプリを使う中で以下のようにアクションするとKEKKAIポイントを得られます。
- 安全なトランザクションを実行する
- 危険なトランザクションを拒否する
- バグやフィードバックを共有する
- 友達をアプリに招待する
トランザクションの実行や拒否で得られるポイントには上限があるので注意してください。
KEKKAIポイントを集めてKEKKAI EVO SBTのレベルが上がれば、のちに得られる報酬が豪華になります。
KEKKAIに関するQ&A
KEKKAIに関する、よくある質問と回答を紹介します。
- 無料で使えますか？
- KEKKAI Genesis NFTとは何ですか？
- 独自トークンとは？いつ発行される？
- 信頼できる取引なのに警告が出てしまいました
- KEKKAIがうまく機能せず取引できないときの対処法は？
- 無料で使えますか？
-
2024年4月時点で、KEKKAIアプリは無料で利用可能です。
ただし、将来的には有料になる予定であるとリリース当初からアナウンスされています。
永久的にKEKKAIを無料で利用するには、KEKKAI Genesis NFTが必要です。
- KEKKAI Genesis NFTとは何ですか？
-
出典：KEKKAI｜ハンドブック 以下の特典が付与される、KEKKAIから発行予定のNFTです。
- アプリを永久的に無料で使用できる
- 発行予定の独自トークンを受け取れる
- KEKKAI利用時に優遇措置がある
2024年4月時点では、確定でミントできるホワイトリスト（WL）や、優先購入権となるアローリスト（AL）が配布されています。
気になる方は公式のDiscordをチェックしてみてください。
- KEKKAIの独自トークンとは？いつ発行される？
-
独自トークンKEKを発行する計画がありますが、詳細および発行日は未定です。
KEKトークンが発行されれば、フィードバックを送信したユーザーに対して配布されるとのこと。
KEKKAIポイントが同じ条件で配布されている点から、KEKトークンも同様の扱い方になるかもしれません。
- 信頼できる取引なのに警告が出てしまいました
-
検証不十分なサイトや、SBT（ソウルバインドトークン）の取引は、問題ない内容であっても警告が出る可能性があります。
SBTとは？会員証などに使用される、譲渡したり売買したりできないNFT。
KEKKAIではハニーポットの可能性があると警告される。
取引先は信頼できるという確信があれば、リスクを承知したうえで取引を続行しましょう。
なりすましやハッキングなど、あらゆるリスクの可能性を事前に調べておくのを忘れないでください。
- KEKKAIがうまく機能せず取引できないときの対処法は？
-
動作が途中で止まるなど、KEKKAIがうまく機能しないときは以下を試してみてください。
- しばらく待ってみる
- ウォレットのネットワーク（ブロックチェーン）を変更する
- いったん設定画面を開いて戻す
- トランザクションを拒否して再び実行する
- アプリを最新版にアップデートする
どうしても動かない場合は、フィードバックとしてバグを報告するとよいでしょう。
まとめ
本記事では、KEKKAIについて解説しました。
最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- KEKKAIはスキャムからユーザーを守るWeb3.0セキュリティサービス
- リスクのあるサイトや取引について警告してくれる
- PCでは、ブラウザの拡張機能としてダウンロードすれば自動的に動作する
- スマホでは、ウォレットを接続できるブラウザアプリとして利用する
- スマホのアプリを利用するとKEKKAIポイントが貯まる
KEKKAIを利用すると取引のリスクを抑えられるだけでなく、将来的には報酬を受け取れるメリットもあります。
まだKEKKAIを利用していなければ、ぜひアプリをインストールしてあなたの資産を守ってくださいね。
