AIには何ができる?ビジネス・生活シーンでの活用事例10選

ChatGPTのリリースを皮切りに、ビジネス・生活どちらの面でも、AIが活用されるようになりました。

すでにあちこちでAIツールを利用している人も多いでしょう。

しかし、

  • AIがどのように活用されているか知りたい
  • 活用されている分野が知りたい
  • 具体的な活用事例を知りたい

このように思っている人も多いのではないでしょうか?結論から言うと、AIはすでに様々な分野で活用されています。

そこで本記事ではビジネス・生活・その他の三面に切り分け、AIの活用事例を解説します。

AIの活用方法などを模索している、あるいはどこまでのことができるのか気になる人はぜひ参考にしてください。

目次

ビジネス面における最新AI活用事例4選

AIを活用する女性

まずはビジネス面における、AIの活用事例を解説します。

  • 建築/AI搭載ドローンで高所の外壁調査を実施
  • web/「いらすとや」に近いイラストを自動生成
  • 行政/ChatGPTによる企画立案・諸業務の円滑化
  • マーケティング/AIアルゴリズムで需要を予測

順番に解説します。

建築/AI搭載ドローンで高所の外壁調査を実施|竹中工務店

AIは、建築業界で目覚ましい活躍を見せています。

竹中工務店の場合、AI搭載のドローンを飛ばし、高層建築物の外壁調査にて活用しています。

搭載されたAIはスマートタイルセイバーと呼ばれます。これは高所にあるタイルを撮影し、重大な不具合である「タイル浮き」を検知します。

従来、高層建築物の外壁調査は、足場を立てる、屋上からラペリングするなど、作業員を動員する必要がありました。もちろん費用がかかるうえ、事故のリスクなども小さくありませんでした。

しかしドローンを飛ばすことで、地上からタイルの状態を確認できるようになりました。

従来は、タイル浮きに関して人の感覚に頼って判断していましたが、赤外線分析を実施することで、より高精度に浮き具合を確認できるように進歩しています。

Web/「いらすとや」に近いイラストを自動生成|AI Picasso株式会社

AI素材提供を主業とするAI Picassoは、フリー素材提供サービス「いらすとや」と協業し、「AIいらすとや」というサービスをスタートさせました。いらすとやの画風の画像素材を自由に生成可能です。

AI Picassoとフリー素材提供サービス「いらすとや」との協業
出典:PRTIMES

いらすとやで画像を探す手間が省け、自身が必要とする画像をピンポイントで生成できるようになりました。AIによってユーザーの利便性が大幅に向上した一例といえるでしょう。

無制限に生成でき、画像は商業利用可能。非常に使い勝手がよいのが特徴です。

行政/ChatGPTによる企画立案・諸業務の円滑化|神戸市役所

行政でも、AIは幅広く運用されています。

神戸市役所では、ChatGPTがフル活用されています。企画のアイデア出し、文章の執筆や要約、プログラミングコードの打ち込みなどを実施するために使われているとのこと。

民間企業と比べてテクノロジー面で遅れをとりがちな行政機関ですが、神戸市役所のようにAIを積極的に活用するケースは多々あります。

まだ運用は始まったばかりですが、適切に活用できるようになれば、支出削減や行政サービスの充実などにつながるかもしれません。

神戸市はAIの利用しながらガイドラインの制定も進めています。ガイドラインが完成すれば、ほかの行政機関でもAIの導入が活発化するかもしれません。

マーケティング/AIアルゴリズムで需要を予測|ソフトバンク・日本気象協会

マーケティング分野でもAIは活躍しています。

ソフトバンクと日本気象協会は、飲食店などを対象とした需要予測ツール、サキミルを共同開発。サキミルは天候と人流をデータとして分析し、来店者数などを予測できます。

ソフトバンクと日本気象協会で共同開発した需要予測ツール:サキミル
出典:ソフトバンク

サキミルを導入した飲食店などは、どのような仕入れや人員配置をなすべきか判断しやすくなりました。

飲食業界では、需要がどの程度あるか予測するのは非常に重要です。そのなかで、ビッグデータとAIの掛け合わせから導き出された需要予測を参照できるようになったことには、大きな意味があるといえるでしょう。

生活面における身近なAI活用事例4選

自宅でVRを楽しむ女性

ビジネス面のみならず、生活面においてもAIの活用事例が登場しつつあります。一例として以下を紹介します。

  • 家電/折り畳みまで実施できる全自動洗濯ロボット
  • 美容/AI肌解析システムで訪問販売をバックアップ
  • イラスト/イラスト生成AIを活用したクリエイターの支援
  • 顧客対応/AIチャットボットを活用したLINE返信

AIによる生活面のサポートは、かつては未来の話にしかすぎませんでした。しかし上述のとおり、それは次々と実現しつつあります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

家電/折り畳みまで実施できる全自動洗濯ロボット|パナソニックなど

家電では、AIが積極的に活用され、消費者の暮らしはより便利になりつつあります。

たとえばパナソニックの最新型エアコンのエオリアは、AIを搭載し、より快適な温度調整能力を獲得しています。

パナソニックのエアコン・エオリア
出典:Panasonic
パナソニックのエアコン・エオリアのECONAVI
出典:Panasonic

 AIは人の存在や室温、外気温や活動量などを認識します。認識したデータを元に、快適だと考えられる温度と風速を出力。これにより、ユーザーがリモコンで微調整しなくとも、快適な環境下で過ごせるようになります。

エアコンだけでなく、扇風機や掃除機、電子レンジや冷蔵庫など、あらゆる種類の家電がAI化しています。

美容/AI肌解析システムで訪問販売をバックアップ|株式会社アイビー化粧品

化粧品を総合的に扱う株式会社アイビー化粧品は、AIを活用した肌解析システムを有しています。

このシステムは、機械学習などを用いて、顧客の肌の状態を判定する能力を有しています。精度を高めるため大量のデータを蓄積。肌の性質やほくろの数、しわの本数まで検出することが可能です。

株式会社アイビー化粧品のAIを活用した肌解析システム
出典:Monstarlab

このシステムは訪問販売員の使用する社内アプリに搭載され、販売活動をサポートしています。販売員は、これにより商品をサジェストする際の根拠をより明確に伝えられるようになりました。

需要の高い美容・化粧品の業界にも、AIは影響を与えています。

AIを活用して、手軽に肌タイプなどを診断できるアプリを以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。

顧客対応/AIチャットボットを活用したLINE返信|ヤマト運輸

ヤマト運輸のAIチャットボット
出典:ヤマト運輸

株式会社クロネコヤマトでは、LINEを使ったAIチャットボットを活用しています。LINE公式アカウントに登録することで、配送時間の変更や集荷依頼が可能。

「いつ届く?」や「配達状況」などのテキストを入力すれば、AIがテキストを認識して適した応答をしてくれます。

配送センターに電話しなくても、LINEのチャットのみで再配達の依頼や受け取り日時の変更が可能です。

その他の特殊なAI活用事例3選

AIが世界に広がるイメージ

そのほかにも、AIの活用事例はさまざま存在します。すこし特殊な例をいくつか紹介します。

  • 医療/AI画像分析を活用した診断
  • 文化・エンターテイメント/AI搭載コンピュータが囲碁のプロ棋士に勝利
  • その他/AIで自社専属モデルを生成してインフルエンス活動

医療/AI画像分析を活用した診断

医療業界でもAIは活用されています。医療機器の開発や販売を主業とする富士フィルムと神戸大学は、AIによってを使って膵臓がんを発見するプログラムを確立しました。

富士フィルムと神戸大学の共同研究
出典:NHK

AIに膵臓がんのCT画像をインプットし、患者に同様の特徴が見受けられる場合、膵臓がんの疑いがあると知らせる仕組みです。

その精度は非常に高く、9割ほどの確率でがんを発見できています。膵臓がんは発見が困難だとされるなか、当該プログラムが確立された意義は非常に大きいといえるでしょう。

今後はAIが、がんをはじめとした難病を早期発見、もしくは完治させるようになっていくかもしれませんね。

文化・エンターテイメント/AI搭載コンピュータが囲碁のプロ棋士に勝利

AIの優秀さがはっきりとあらわれた興味深い事例として、囲碁の事例が挙げられます。

韓国で最強と謳われたプロ棋士のイ・セドルは、人工知能(AI)アルファ碁の5番勝負で対戦。多くの人は「イ・セドルが5勝、もしくは4勝する」と考えていましたが、結果はアルファ碁が4勝する形になりました。

第一局から三連勝を飾り、ストレートでイ・セドルを退けました。

なお、これは2016年段階での事例であり、8年以上経過した今は囲碁AIはさらに進化。より効果的な打ち筋を実現しています。

一方で2023年には、アマチュア棋士が「マイナーかつ悪い打ち筋をあえて実践する」という手段で15戦戦い、うち14勝したというニュースも。

いかにAIが優秀とはいえ、完璧ではないことを示唆する興味深い事例です。

その他/AIで自社専属モデルを生成してインフルエンス活動|KINDLER株式会社

AI技術開発を主業とするKINDLER株式会社は、ChatGPTをベースにデザインされた架空の女子大生、SARIをAIインフルエンサーとして運用しています。

KINDLER株式会社のAI女子大生SARI
出典:AI女子大生SARI

SARIは主にLINE上で活用されます。ユーザーが質問する、悩みを相談するなどした場合、AI特有の高い言語処理能力を活かし、自然な回答をアウトプットします。

また、InstagramやX(Twitter)でも注目を集めており、インフルエンサーとしての役割をきちんと果たしているといえるでしょう。

有料プランに登録すれば、無制限チャットと画像リクエスト機能が開放されます。

AIで容姿のすぐれた女性キャラクターを作るのは、よくあるアイデアですが、それをマネタイズにまでつなげた好例です。

AI活用に関するよくある質問

よくある質問

本記事ではAIの活用事例に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。

  • AIにできることは
  • AIを使うメリット・デメリットは
  • 生成系AIの活用事例を知りたい
  • 今後はどのようなことができるようになるか

AIにできることは

AIにできることは多岐に渡り、具体的な限界は見えていません。しかし、生成AI活用普及協会などの見解を統合すれば、以下のようなことを実施可能、もしくは得意とします。

  • 画像認識/画像の内容を分析し、データ化や転記などをおこなう
  • 音声認識/音声を認識し、別なデータへの変換、翻訳などを実施する
  • 学習/ビッグデータやユーザーの行動傾向を総合し、より高度なアウトプットができるように自動的に学ぶ
  • 予測/ビッグデータなどを参照にして、今後のことを予測する
  • 計算・検索/ものごとにかかわる可能性や確率を計算し、よりよい方法を見つけ出す
  • 自然言語処理/プログラミング言語ではなく人間の言語を高いレベルで理解するetc.

知能を持たない単なる機械は、プログラミング言語を理解し、決められたとおりに何らかを処理することに長けていました。しかしAIの登場により、人間の言語を理解したり、音声や画像から情報を取り出したり、きわめて高度なこともできるようになりました。

今後もAIの進化が続ければ、さらに多くのことができるようになるかもしれません。

AIにできないこと

たとえば以下のことはAIには向いていない、あるいはできないでしょう。

  • アートなどを創作する
  • 人の気持ちを理解する
  • 「言外の意味」を理解する
  • ごく限られたデータから判断を下す
  • 倫理的に判断する

まず、アートを描くなどの創造性を求められる作業は不得意です。それらしき絵をアウトプットする能力はありますが、AIが描いた、という時点で創造的でない(≒人間がやっている、という価値が損なわれる)という問題があります。

また、倫理的な判断も不得意です。実際、Amazonが使用した人事採用向けAIでは、「女性差別的な採用基準」を自動で設定してしまった、という事例もあります。

人間が得意なこと、AIが得意なこと、両者が補い合うのが大切だと言えます。

AIを使うメリット・デメリットは

AIを使うメリットとデメリットとして以下が挙げられます。

メリット
  • 生産性向上
  • 人的リソースとコストの削減
  • ヒューマンエラーや事故の現象
  • マーケティング精度の向上
  • 遠隔コミュニケーションの円滑化
デメリット
  • 法整備の不足による法的問題の発生
  • AIの特性を逆手に取った悪用
  • AIツール運用にかかるコスト増加
  • 作業工程などのブラックボックス化

メリットとしては、生産性向上やリソース・コストの削減などが挙げられます。もちろん、これは生活面における手間や支出を減らすといった意味合いも含んでいます。

反面、法的問題、悪用、コスト増加などのデメリットも。このデメリットをうまく無効化して、上手にAIを活用するのが重要となるでしょう。

今後はどのようなことができるようになるか

このままAIが発展していけば、たとえば以下のことができるようになるでしょう。

  • 単純作業が効率化され、生産性が高まる
  • 危険な作業がAIの活躍の場となり、人々がより安全に働けるようになる
  • マーケティングなどがより精密になり、ビジネスが高度化する
  • 医療技術が向上し、より多くの人々の健康、命が守られるようになる
  • 家電や生活用品が便利になり、暮らしが豊かになる
  • 自動運転が本格的に活用されるようになるetc.

AIの進化と普及は目覚ましく、かつては不可能だと思われていたことが、次々と可能になっています。特に医療や家電における進歩は一般消費者にとっても影響が大きい部分です。今後はAIの力で、より健康で豊かな暮らしが送れるようになるかもしれません。

一方でAIに仕事を奪われる人が続出する、AIに依存して法人・個人が自己成長を怠り始めるなどの悪影響も予測されています。

AIが近いうちに人類を破滅させるかもしれない、という調査結果も。メリットだけでなく、負の面にも向き合いながら、「AIをどう活用していくか考える」のが重要になるでしょう。

まとめ

本記事では、AIの活用事例を紹介しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • ビジネスでは主に建築、Web、行政、マーケティング分野で活用
  • 生活面では主に家電、美容、顧客対応に活用
  • その他にも医療やエンターティメント分野でも活用
  • AIはテキストや画像、音声を認識して学習することで活用される
  • アートなどの創作活動や倫理的な判断は苦手
  • AIを活用するメリットは生産性が向上し人的リソースとコストを削減できること
  • デメリットは法整備の不足による法的問題の発生や運用にかかるコスト増加の可能性

AIはすでに様々な分野で活用されており、もはや私たちの生活に不可欠なものとなっています。

まずは無料で手軽に利用できるChatGPTから使いはじめてみてはいかがでしょうか。以下の記事で始め方を詳しく解説しているので、参考にしてください。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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