出典：Optimism公式
日々新しい仮想通貨がリリースされており、国内取引所で購入できる銘柄も増加しています。Optimism（OP）も国内で購入できる銘柄のうちの一つ。
しかし、
- Optimismとはどのような銘柄なのかを知りたい
- 価格動向や将来性が知りたい
- 仮想通貨OPを購入する方法が知りたい
などの悩みを抱えている人も多いはずです。
結論から言うと、Optimismはイーサリアムの混雑による手数料増大、取引遅延を解決するために生まれた、レイヤー2ソリューションの一つです。
本記事では、Optimismの特徴、魅力、そして将来性や価格動向とOPの購入方法についても説明します。
仮想通貨を購入するには、まず取引所の口座を開設する必要があります。以下の記事で国内・海外のおすすめ取引所を紹介しているので、対応通貨や手数料を比較して投資スタイルに合った取引所を選びましょう。
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仮想通貨Optimism(OP)とは？5つの特徴を紹介
| 名称 | Optimism |
| シンボル | OP |
| 現在価格 | 541円（2024年1月13日現在） |
| 時価総額 | ¥517,567,364,666 |
| 公式サイト | https://www.optimism.io/ |
| 公式X（Twitter） | https://twitter.com/optimism |
Optimism（OP）の特徴について解説します。
押さえておくべきポイントは下記の5つ。
- イーサリアムの問題を解決するために生まれたL2チェーン
- Optimism Rollup技術を採用
- OPスタックを使用してOptimism Superchain構想を展開
- 2種類のグループからなるガバナンスモデルを採用
- エアドロップを継続的に実施
順番に見ていきましょう。
１.イーサリアムの問題を解決するために生まれたL2チェーン
Optimismは、非営利団体のOptimism Foundationによって設立されたレイヤー2チェーンのひとつ。
Optimismを知るにはまず、レイヤー2とは何かを知る必要があります。レイヤー2とは、イーサリアムの課題を解決するために開発されたブロックチェーンです。
イーサリアムの主な課題は、ガス代が高く、処理が遅いこと。2020年半ば頃よりイーサリアムはNFTやDeFiの人気上昇に伴い、取引数が増加したため、ネットワークが混雑しました。
結果的に手数料が高く、処理に時間がかかる問題が発生しました。そこで登場したのが、レイヤー2チェーン。
ブロックチェーン処理以外の取引を別レイヤー（L2）で処理することで、処理速度を高速化し、ガス代を抑えられます。
レイヤー2は、レイヤー1であるイーサリアムのセキュリティと分散性を維持しつつ、拡張する技術であるため、安全かつ安価にネットワークを利用できるのです。
NFT取引やDeFiの運用、ゲームなどを安く安全に行いたい人は大勢いるため、レイヤー2の需要は急上昇しています。
下図のように1年間の間にL2のTVL（＝Total Value Locked、資産量）は右肩上がりの状況です。
Optimismはレイヤー2の代表的な銘柄のため、今後も需要が高まると考えられるでしょう。
２.Optimism Rollup技術を採用
Optimismは、スケーラビリティ問題の解決や取引手数料の削減、処理能力の向上のために、Optimistic Rollup技術を採用しています。
ブロックチェーンの処理可能なトランザクション数が限られている問題。ネットワークが拡大するにつれて取引が増加し、処理速度が低下するため発生する。
Optimistic Rollup技術とは、トランザクション処理において、基本的には取引が正当であると仮定し、もし不正が検出された場合にその対処を行う手法です。
取引が正当であると仮定する点を「楽観的（Optimism）」と捉えるため、その名の通りOptimismという名称がつけられました。
さらに、この技術では取引の一部をブロックチェーン以外の場所、つまりオフチェーンで処理する手法（ロールアップ）を採用しています。
ロールアップによって、Optimismはブロックチェーンネットワークの処理能力が向上し、トランザクションの処理スピードが向上するのが魅力です。
下図のように、公式サイトでは30億ドル以上のガス代を節約したと伝えています。
Optimism以外にも、Optimistic Rollupを採用しているレイヤー2は10種類以上存在します。
レイヤー2でシェア1位のArbitrumもOptimistic Rollupを使用しているため、レイヤー2を代表する技術と言えるでしょう。
関連銘柄の仮想通貨ARB(アービトラム)については、ぱんだくりぷとさんの「仮想通貨ARB(アービトラム)はどこの取引所で買える？買い方・特徴・将来性」記事もわかりやすいのでぜひ参考にしてください。
３.OPスタックを使用してOptimism Superchain構想を展開
OptimismはOPスタックを使用して、Optimism Superchainの構想を展開しています。
Optimism Superchain構想とは、OPスタックで開発されたL2チェーンの集合体を作り、相互運用性を高めていこうとする試みです。
OPスタックとは、簡単に言うと、Optimismの技術に基づくオープンソースのブロックチェーン開発パッケージのこと。
無償で一般公開されているプログラム。
OPスタックでのブロックチェーン構築は簡単なだけではなく、イーサリアムと互換性があります。
その利便性が魅力で、OPスタックを使用して開発されたL2チェーンの数は増えています。主な例を挙げると以下の通り。
| 名称 | 開発元 |
|---|---|
| BASE | Coinbase（米大手仮想通貨取引所） |
| Worldcoin | OpenAI |
| opBNB | Binance（大手仮想通貨取引所） |
| Zora Network | Zora（NFTミントプラットフォーム） |
| Turingum Business Chain | チューリンガム社（日本） |
BASEチェーン上には、SocialFiで2023年秋に盛り上がったfriend.techも存在します。
SNSに市場原理が適用された形のSocialFiで、人気のあるユーザーの投稿を購読するには、ETHを支払ってキー（アカウント）を購入する必要があります。
キーが値上がりすれば、キャピタルゲイン（売却益）を得ることも可能です。
興味のある人は、下記の記事で詳しく解説しているのでチェックしてみましょう。
OpenAIのサム・アルトマン氏が立ち上げたCEOWorldcoin（WLD）のネットワークも、OPスタックで開発されました。
Worldcoinについて詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。
４.2種類のグループからなるガバナンスモデルを採用
Optimismの運営母体は、Optimism Collectiveです。
イーサリアムの持続可能な未来を築くために協力する企業、コミュニティ、市民からなるグループのこと。
Optimism Collectiveは、二院制で運営されているのが特徴です。
- Token House
- Citizen’s House
Token Houseは、仮想通貨OPの保有者がメンバーになれます。様々な種類のガバナンス提案を提出・審議したり、投票することが可能です。
Citizen’s Houseは、Optimism Collective内で行われている大規模な実験のひとつ。
新しい方法で意思決定を行うグループで、公共の利益に貢献するプロジェクトを支援するために、リトロアクティブな公共財資金（RPGF）と呼ばれる手法を使用します。
遡及的（そきゅうてき）な、という意味。過去に遡って対応することを指す。
わかりやすく言うと、この方法では、プロジェクトが進行する過程で資金を提供します。
まだシステムの初期段階であるため、Optimism Collectiveが成長するにつれて、仕組みや具体的なルールが変わっていくでしょう。
５.エアドロップを継続的に実施
2024年1月11日までに、Optimismは3回のエアドロップを実施しました。
決められた条件やタスクをクリアして、仮想通貨やNFTを無料でもらうイベント。新興のブロックチェーンプロジェクトの普及と宣伝目的で実施される。
過去に以下の日程でエアドロップが実施されました。
- 1回目：2022年5月
- 2回目：2023年2月
- 3回目：2023年9月
1回目の配布は、Optimismネットワークを多く使用したユーザーやDAOのガバナンスに参加したユーザーなどが対象で、合計248,699のアドレスに配布されました。
2回目は、対象の期間内に、Optimismのガバナンス投票を委任されたユーザーとガス代を多く支払ったユーザーが対象となっています。
3回目は、対象の期間内にガバナンス投票を委任したユーザーと委任されたユーザーです。2回目以降は、ガバナンス投票に積極的に参加したユーザーにフォーカスしているのがわかりますね。
Optimismは、エアドロップを通じて、ユーザーのコミュニティへの積極的な参加を推奨していると言えるでしょう。
なお、2024年1月以降もOptimismのエアドロップは続く予定ですが、詳細な時期は未定です。
仮想通貨Optimism(OP)のチャート・価格動向を解説
上記は仮想通貨Optimism（OP）の現在価格です。
OPの価格動向について、下記の3つのフェーズに分けて解説します。
- 【2021年〜2022年】ローンチ、上場による高騰と不正取得による下落
- 【2023年1月〜9月】レイヤー2の需要増加による盛り上がり
- 【2023年10月〜】仮想通貨市場回復の波にのり高騰
順番に見ていきましょう。
【2021年〜2022年】不正取得による下落から最高値262円
2022年6月、OptimismはOPトークンが不正取得される被害に遭いました。攻撃者による不正が原因で、2,000万OP（約23.4億円）が失われました。その結果、60円台まで価格が下落。
その後、2022年8月に次期アップグレードBedrockを行うことを発表したことで、最高値262円をつけました。
11月には海外大手取引所FTXが破綻したことで、仮想通貨市場全体が下落基調に。Optimismも影響を受け、価格は100円台まで下落しています。
【2023年1月〜9月】前半は高騰、後半は低迷
2023年前半はビットコインの価格上昇がOptimismにもポジティブな影響を与え、価格は上昇傾向に。2月には417円をつけるなど、好調な滑り出しをしたと言えます。
しかし同年5月頃から価格の下落が始まり、その後価格は伸び悩んだまま推移します。
【2023年10月〜】仮想通貨市場回復の波にのり高騰
Optimismは2023年11月頃から、少しずつ上昇を始めます。
要因としては下記が考えられます。
- FRB金融施策の転換（利上げから利下げ）への期待
- ビットコイン半減期到来への期待
- ビットコインETH承認への期待（2024年1月11日にSECが承認を発表）
2024年1月11日には過去最高値の573円をつけました。好況の波に乗り、さらに価格を伸ばしていく可能性があります。
仮想通貨Optimism(OP)の買い方を初心者向けに解説
仮想通貨Optimism（OP）の購入方法を解説します。
おおまかな流れは下記の通り。
- 仮想通貨ウォレットMetaMaskの準備
- bitbankの口座開設
- 日本円の入金
- OPを購入
仮想通貨ウォレットMetaMaskの準備
購入したOPをDeFiなどで利用する場合は、仮想通貨ウォレットが必要です。
仮想通貨ウォレットは、シンプルかつ日本語に対応していてわかりやすいMetaMaskがおすすめ。
下記の記事では、MetaMaskの詳しい使い方が解説されていますので、ぜひ参考にしてください。
Optimismチェーンを追加しておく
MetaMaskをインストールしたら、OPが利用できるOptimismチェーンを追加しましょう。
MetaMask左上のネットワークボタンをクリックすると、下記のようなネットワーク選択画面が展開されます。一番下の「ネットワークを追加」をクリックしましょう。
するとブラウザが開き、下記のような画面が表示されるので、OP Mainnetをクリック。
下図のようなメッセージが表示されるので、承認をクリックします。「ネットワークが追加されました」と表示されれば、OPネットワークの追加完了です。
bitbankの口座開設
次に、OPの取引ができる取引所の口座開設をします。2024年1月11日現在、国内でOPを取引できるのは bitbankのみです。
よって、今回はbitbankを例に手順を紹介します。
公式サイトにアクセスしたら、右上の口座開設ボタンをクリックしましょう。メールアドレスを入力して、新規登録を行ったら、本人確認書類を提出します。
審査が完了すれば取引ができるようになります。
日本円の入金
bitbankにログインすると、左側に「日本円の入金」があるので、クリックしましょう。画面中央にJPYの箇所があるので、クリックします。
すると、入金先として利用する銀行名と口座番号等が表示されます。銀行振込での入金が便利なので、利用すると良いでしょう。
OPを購入
取引所を開き、左上の通貨名称入力欄にOPと入力しましょう。OPとJPYの通貨ペアが表示されるので、クリックします。
画面の右側に、以下のような注文画面が表示されます。取引になれていない人には、すぐに取引が約定する成行取引がおすすめです。
注文時の市場価格が高いと感じるのであれば、指値注文を利用して購入希望価格を指定しましょう。
約定までに時間はかかりますが、成行注文よりも安く購入できる可能性があります。
仮想通貨Optimism(OP)の将来性を解説
Optimismと仮想通貨OPの将来性について解説します。
主なポイントは下記の通り。
- OPスタックが採用されOptimism経済圏が広がる可能性
- レイヤー2の群雄割拠状態ゆえに競合が多い
- イーサリアムの大型アップデートDencunの影響
OPスタックが採用されOptimism Superchainが広がる可能性
OPスタックが採用され、Optimism Superchainが広がれば、OPトークンの価格上昇の可能性は高くなるでしょう。
OPスタックがあれば、誰でもRollup技術を駆使してL2チェーンを構築可能です。すでに複数のL2チェーン（BASEやWorldcoinなど）が、OPスタックによって起ち上げられています。
その利便性からOptimism Superchainがさらに広がれば、Optimismはレイヤー2での覇権を握ることができるかもしれません。
Optimismの狙いはL2チェーンを結集し、相互運用性を向上させることです。最終的にはOptimism Superchainの拡大を目指しています。
企業や開発者がOPスタックを採用すれば、エンドユーザーのOPトークンの使用機会も増加し、需要の増加に繋がります。
つまり、OPの価格上昇の可能性は高まると考えられるでしょう。
レイヤー2の群雄割拠状態ゆえに競合が多い
2021年頃から、多くのプロジェクトがレイヤー2チェーンを構築しています。イーサリアムの問題（処理時間の長く、手数料が高い）を解決するため、様々なレイヤー2が乱立し、競争が激化している状態です。
つまり、Optimismにはライバルが多く存在するため、覇権競争に敗れる可能性もゼロではありません。
たとえば、レイヤー2の分析サイトL2BEATを参照すると、2024年1月12日現在、稼働しているレイヤー2プロジェクトだけで36個。
今後リリース予定のプロジェクトが33個存在します。
特に、ZK Rollup技術によるL2チェーンは、セキュリティとプライバシーを考慮した技術という点で大きく期待されています。
Optimistic Rollupを採用するOptimismやArbitrumに対抗する、強力なライバルとなりつつあります。
OPの価格を右肩上がりにするためには、Optimism Superchainによるエコシステムの拡大を図り、レイヤー2の中での地位を盤石にしていく努力が必要とされるでしょう。
イーサリアムの大型アップデートDencunの影響
Optimismは、イーサリアムの大型アップデート「Dencun」の恩恵を受けて、取引手数料を最大100分の1まで削減可能です。
2024年初頭に実施される予定のイーサリアムの大型アップデート。レイヤー2の取引手数料が大幅に削減されると見込まれている。
トランザクションが減るため、手数料だけではなく、取引速度も速くなると考えられます。
処理速度が飛躍的に向上し、手数料が一層安くなれば、レイヤー2全体の需要が増加する可能性があります。
より多くの開発者やプロジェクトが、レイヤー2の中でも利便性と機動力の高いOPスタックを採用する可能性が高まるでしょう。
仮想通貨Optimism(OP)に関するQ&A
Optimismに関するよくある質問と回答を紹介します。
- Optmism（OP）によってガス代は低減されますか？
- Optimism（OP）は現在いくらですか？
- 購入できる取引所はどこですか？
- Optmism（OP）によってガス代は低減されますか？
-
Optimismは、2022年4月に11億ドル（約1,400億円）のガス代を削減したと述べています。
さらに、Optimismの大型アップグレードであるBedrockを実施後は、ガス代を56％削減したと述べています。
イーサリアムチェーンを使うよりも、Optimismのチェーンを利用すればガス代の大きな節約となるでしょう。
参考：Block
出典：Dune - Optimism（OP）は現在いくらですか？
-
仮想通貨OPの現在価格は以下の通り。
- 購入できる取引所はどこですか？
-
国内でOPを購入できる取引所はbitbankのみです。
まとめ
本記事では、仮想通貨Optimism（OP）について解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- OptimismはOptimistic Rollup技術を採用するレイヤー2チェーン
- レイヤー2はイーサリアムの問題を解決するために生まれた
- OPスタックを使用してOptimism Superchain構想を展開している
- BASEやWorldcoinもOPスタックで開発
- Optimism Collectiveは2院制からなる
- エアドロップを段階的に行っている
- レイヤー2乱立状況でOptimism Superchain構想をどのように広げて行けるかが鍵
OptimismのOptimism Superchain構想により、エコシステムが拡大すれば、レイヤー2での覇権を取ることができ、OP価格は高騰する可能性があります。
ZK Rollup勢や新興プロジェクトに敗れるなど、逆の可能性もあります。今後もレイヤー2の動きに注意しながら投資を行うと良いでしょう。
