2023年3月、大手通信会社2社が相ついでメタバースプラットフォームをリリース。KDDIが「αU(アルファユー)metaverse」、NTTドコモが「XR World」を発表したことで話題になりました。
メタバース事業には大手企業が続々参入しており、将来性に期待が高まっています。
そして、メタバースが話題になると、必ずNFTの活用も話題になります。
しかし、
- メタバースとNFTの関係性がわからない
- そもそもメタバースとNFTがなにかよくわかっていない
- メタバースとNFTがどのように活用されているかわからない
などの疑問を抱えている方も多いでしょう。結論からお伝えすると、メタバースとNFTは相性の良い関係で、2つを組み合わせることで新しいサービスが生まれます。
今回の記事では、初心者の方でもわかりやすいように以下の点について解説します。
- メタバースとNFTの特徴
- メタバースとNFTの関係性
- メタバースとNFTの活用事例
NFT購入に必要になる関連仮想通貨も紹介しているので、メタバースとNFTを体験したいという方はぜひ最後までご覧ください。
メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。
ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。
メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。
Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。
メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバースとNFTの関係とは?それぞれの特徴と関連銘柄を紹介
メタバースとNFTの特徴と関係性について解説します。さらに、メタバースとNFTに関連する仮想通貨を5つ紹介します。
メタバースとは?ネット上に構築された仮想空間
メタバースは、ネット上に構築された仮想空間のことを指します。高次元を意味する「meta」と銀河を意味する「universe」を組み合わせた造語です。
メタバースには主に3つの特徴があります。
- 仮想空間に経済圏をもっている
- 他者とリアルタイムで交流できる
- 現実世界と連動している
メタバースにはネットがあれば誰でもアクセスできるため、世界中からユーザーが集まります。
そのため、銀行口座を持たない人でも経済活動に参加できるように、決済手段に仮想通貨が用いられる傾向にあるのです。
商圏が大きく広がるため、新たなビジネスの場として多くの企業が参入しています。
メタバースとVRの違いは、主に2つの点が挙げられます。
- メタバースは他者と交流できるが、VRは1人で体験する
- メタバースは仮想空間そのものを指すが、VRは手段や技術を指す
VRを体験する際には、ほとんどの場合専用のゴーグルを使いますが、メタバースではVRゴーグルなどの機器を使用しなくても仮想空間を楽しめます。
ただ、メタバースプラットフォームDecentralandのように、VRゴーグルを利用した没入感の高いメタバース体験を提供しているサービスもあります。
NFTとは?ブロックチェーンを利用した代替不可能なトークン
NFTとは、Non-Fungible Token(代替不可能なトークン)の略称。ブロックチェーンの技術を使い、デジタルデータの唯一性を証明する仕組みです。
取引記録の改ざんや不正が困難なことから、デジタルデータの所有者を証明しやすくなりました。
デジタルデータが世界に一つしかない存在になることで希少性が生まれるため、有名人の作成したNFTアートに高額な値段がつくこともあります。
ただし、NFTの技術によって所有者を明確にできますが、法的に所有権が発生するわけではない点には注意が必要です。
メタバースとNFTは関係ない?必須ではなく相性がよい
メタバースにNFTは必須ではありません。たしかに、メタバースとNFTは相性がよく、NFTアイテムの所有証明や取引の透明性を確保する為に役立ちます。
しかし、メタバースが目的とするものによっては、NFTを利用しないこともあります。
たとえば、日産が運営する「NISSAN CROSSING」は、バーチャルギャラリーで車の展示や顧客とのコミュニケーションを目的にしており、NFTは存在しません。
メタバースとNFTは必須の関係にあるわけではなく、プラットフォームの目的やコンセプトに応じて使用するかどうかが決まると言えるでしょう。
メタバース・NFT関連の仮想通貨銘柄5選
メタバース・NFTに関連する仮想通貨銘柄を5つ紹介します。
- ETH(イーサリアム)
- SOL(ソラナ)
- ENJ(エンジンコイン)
- SAND(ザ・サンドボックス)
- MANA(ディセントラランド)
1.ETH(イーサリアム)
仮想通貨ETH(イーサリアム)は、契約などを人の手を介さずに自動化する「スマートコントラクト」を実行する、イーサリアムプラットフォームで使われる通貨です。
デジタルアートをNFTにするためにイーサリアムブロックチェーンの技術が使われており、NFTを利用する上では不可欠な通貨です。
NFTマーケットプレイス「OpenSea」や「Blur」でのメインの決済通貨としても利用されています。
ETHはビットコインについでメジャーな仮想通貨のため、すべての国内取引所で購入可能です。
2.SOL(ソラナ)
仮想通貨SOL(ソラナ)は、ブロックチェーンアプリを開発するためのソラナブロックチェーンプラットフォームで使われる通貨です。
処理速度が速く、取引コストが低いことから、イーサリアムを超えるプロジェクトとして期待されており、イーサリアムキラーとも呼ばれているようです。
SOLを基盤にして作られたNFTプラットフォーム「Magic Eden」での決済通貨としても利用されています。
また、2023年中にはSOLのブロックチェーン技術を使ったWeb3.0スマートフォン「Solana Saga」のリリースも予定されており、スマホ業界での活躍も期待できるでしょう。
2023年3月現在、SOLは下記の国内取引所で購入可能です。
- GMOコイン
- SBI VCトレード
3.ENJ(エンジンコイン)
仮想通貨ENJ(エンジンコイン)は、イーサリアムベースで作られたEnjin Platform(エンジンプラットフォーム)内で使用できる通貨です。
エンジンプラットフォームでは、専門知識がなくても簡単にNFTを作成でき、マーケットプレイスで販売できます。
メルティングと呼ばれる、NFTをENJに変換する機能を備えていることも特徴的です。
NFTは高額で取引されるものばかりではないので、価格のつかないNFTをメルティングでENJに変換することで、別のNFTの購入や新しいNFTの作成に利用できます。
2023年3月現在、ENJは下記の国内取引所で購入可能です。
- Coincheck
- bitFlyer
- DMM Bitcoin
4.SAND(ザ・サンドボックス)
仮想通貨SAND(ザ・サンドボックス)は、メタバースプラットフォームThe Sandboxで使われる通貨です。
ボクセルアートで構築されたアイテムやアバターは、NFTとしてプラットフォーム上で利用でき、マーケットプレイスでの決済にSANDが使われます。
The Sandboxは、スクエア・エニックスやエイベックス、Gucciなどの有名企業がコラボしており、新しいサービスが提供されればユーザーが増え、SANDの価格が上がることが期待されます。
2023年3月現在、SANDは下記の国内取引所で購入可能です。
- Coincheck
- bitbank
5.MANA(ディセントラランド)
仮想通貨MANA(ディセントラランド)は、VRメタバースプラットフォームDecentralandで使われる通貨です。
Decentralandでは、アイテムや服装がNFTとして販売されており、マーケットプレイスで売買する際にMANAで決済します。
Decentralandは、コカコーラやサムスンといった大手有名企業とコラボしており、今後ユーザーが増加すればMANAの価格上昇が期待できるでしょう。
2023年3月現在、MANAは国内取引所での取り扱いがなく、下記の海外取引所で購入できます。
- Bybit
- KuCoin
- Bitget
NFTとメタバースの活用事例を3つ紹介
NFTとメタバースの活用事例を3つ紹介します。
- NFTアートをメタバースギャラリーに展示
- メタバースゲーム内でNFTアイテムとして活用
- メタバース内の区画(LAND)を不動産として取引
1.NFTアートをメタバースギャラリーに展示
活用事例の1つ目として、NFTアートをメタバースギャラリーに展示するサービスが挙げられます。
メタバースギャラリーの「onCyber」では、保有しているNFTアートを自由に展示でき、訪れたユーザーにNFTアートを販売できます。
ギャラリーに訪れたユーザー同士は音声やテキストで交流できるので、展示している作品の説明や、商談が可能です。
onCyberは無料で利用できますが、NFTを保有する仮想通貨ウォレットが必要です。
仮想通貨ウォレットは、日本語対応で初心者でも簡単に使えるMetaMaskがオススメ。
MetaMaskの始め方を詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
2.メタバースゲーム内でNFTアイテムとして活用
活用事例の2つ目として、メタバースゲーム内でのNFTアイテムとして利用する事例が挙げられます。
メタバースゲームでは、装備やアイテムはNFTとして存在しています。NFTアイテムはゲーム外のマーケットプレイスでも売買でき、他のゲームでも利用できることも。
たとえば、NFTトレーディング・カードゲーム「CryptoSpells」のNFTキャラクターは、「MyCryptoHeroes」でも利用できます。
今までのオンラインゲームであれば、アイテムはゲームの中だけでしか利用できず、サービスが終了すればすべて価値がなくなってしまいました。
アイテムをNFTとすることで、もしゲームのサービスが終了してもウォレットにはNFTアイテムが残り、新しいシリーズのゲームで利用できる可能性もあるのです。
3.メタバース内の区画(LAND)を不動産として取引
活用事例の3つ目として、メタバース内の区画(LAND)を不動産として取引する事例が挙げられます。
メタバースプラットフォームの中には、ゲーム内区画をLANDとして販売するものがあり、購入することでゲーム内の土地を保有可能です。
保有している土地は他のユーザーに貸し出して賃貸料を得られるほか、土地の価格が上昇した際に売却すれば、売却益も得られます。
仮想空間のなかでも、実際の土地と同じように不動産として取引ができるのです。
メタバースのLANDは高額で取引されることもあり、過去にThe SandboxのLANDが約5,000万円で落札されたこともありました。
メタバース空間が楽しめるNFTゲーム5選
メタバース空間を楽しめる主なNFTゲームを5つ紹介します。
- The Sandbox
- Decentraland
- Axie Infinity
- Ember Sword
- XANA
1.The Sandbox/ボクセルアートで構成されたメタバースゲーム
The Sandboxは、ボクセルアートで構成されたメタバースプラットフォームを探索できるゲームです。
アイテム、アバターが作成できるツール「VoxEdit」や、オリジナルゲームを作成できる「Game Maker」が無料で利用できることが特徴です。
作成したアイテムはゲームで利用でき、マーケットプレイスで販売できます。
また、ゲーム内区画のLANDを購入すれば、作成したオリジナルゲームに入場料を設けて遊んでもらうこともできます。
初期費用無料で始められるので、初めてメタバースを体験する人にもおすすめできるゲームです。
The Sandboxの始め方を詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
2.Decentraland/VRを活用したメタバースゲーム
Decentralandは、VRを活用した最も歴史の古いメタバースゲームです。VRゴーグルを使うことでメタバース空間への没入感を楽しめることが特徴です。
Decentralandは自由度の高いゲーム性が特徴で、ユーザーがアイテムやゲームを自在に作成できます。
また、ユーザー主導の運営体制も特徴的で、DAOと呼ばれるコミュニティでユーザー同士が開発方針を決定しています。
Decentralandの始め方を詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
3.Axie Infinity/モンスター同士を戦わせる対戦ゲーム
Axie Infinityは、アクシーと呼ばれるNFTモンスター同士を戦わせる対戦ゲームです。
対人ゲームに勝利すると仮想通貨SLPが獲得できる「Play to Earn」が体験できます。
2022年10月にはLAND機能が実装され、レア度の高いLANDが2億8600万円で売却されたことが話題となりました。
世界大会も行われており、2022年11月の大会では日本人チームが優勝し、賞金1,000万円が贈呈されました。
Android版スマホアプリもリリースされており、スマホでもプレイ可能です。
4.Ember Sword/ファンタジーの世界を舞台にしたMMORPG
Ember Swordは、イーサリアムの技術を利用して作られたMMORPGゲームです。
広大なファンタジーの世界を舞台にしており、4つのエリアに分けられたメタバース空間を冒険してモンスターや他国の敵と戦うなどの楽しみ方ができます。
公式トレーラーを見れば、ゲーム性や世界観が理解しやすいでしょう。
「Pay to Win」という課金すればするほど勝ちやすくするゲーム性を廃止していることが特徴で、プレイヤーのゲームスキルを重視視しているのが魅力的。
Ember Swordは2023年3月リリース予定でしたが、正式リリースが遅れています。
アカウント登録は可能なので、公式サイトから登録を済ませておきましょう。
5.XANA/AI×NFTキャラクターを使ったメタバース
XANAは、AIを搭載したNFTキャラクターが利用できるメタバースプラットフォームです。
XANAは格闘家の朝倉未来氏の手がける、BreakingDown7.5のメインスポンサーになったことで話題になりました。
AIを搭載したNFTキャラクターは、XANA独自のAIエンジン「予言者」をベースに、対話によってユーザー好みのAIパートナーとして成長します。
購入したNFTキャラクターの商業的権利は所有者に提供されるため、ユーザーが自由にコンテンツを作成できる点も特徴です。
2023年3月現在、XANAはベータ版のため「TestFlight」アプリを経由して利用する必要があります。
- TestFlightとは?
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Appleが提供するβ版アプリの配信を行うためのアプリです。アプリの正式リリース前にベータテスター向けに配信し、機能やアプリの不具合をテストするために使われます。
TestFlightをインストールしてから、XANAアプリをインストールすれば利用可能です。
NFTとメタバースに関するQ&A
NFTとメタバースに関するよくある質問と回答を紹介します。
- NFTの購入には何が必要?
-
NFTを購入するためには、仮想通貨ウォレットと購入用の仮想通貨が必要となります。初めて作る仮想通貨ウォレットは、日本語に対応しているMetaMaskがオススメです。
MetaMaskの始め方を詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
【図解で簡単】MetaMask(メタマスク)とは?使い方やスマホとの連携方法、日本語での利用まで | meta land 仮想通貨ウォレットMetaMaskの始め方と使い方を徹底解説。NFTの保管やブロックチェーンサービスの利用に必須のツール。複数ネットワーク対応、日本語サポート、スマホ連携…MetaMask(メタマスク)にBSC(バイナンススマートチェーン)を接続する方法を解説 | meta land BSC(バイナンススマートチェーン)とは、海外仮想通貨取引所Binanceが提供するブロックチェーンネットワーク。本記事ではMetaMaskにBSCを接続する方法や関連サービスを紹… - メタバースの利用に初期費用は必要?
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ほとんどのメタバースは初期費用無料で始められます。
メタバース内のアバター衣装やアイテムを購入するためには、利用しているメタバースに対応した仮想通貨が必要です。
- NFTはメタバースでどのように利用されている?
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NFTは、メタバース内で1つしか存在しないアイテムやキャラクターの唯一性を証明する為に利用されています。
アイテムやキャラクターがNFTとなることで価値が生まれ、メタバース内に経済圏が生まれます。
- NFTとメタバースの違いは?
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NFTとメタバースはまったくの別物です。NFTは、ブロックチェーン技術を使って、デジタルデータの唯一性を証明するための仕組みです。
メタバースはネット上に作られた仮想空間のことを指します。
まとめ
この記事では、メタバースとNFTの特徴や関係性について解説しました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- メタバースとNFTは相性の良い関係だが必須ではない
- メタバースはネット上に作られた仮想空間で、他ユーザーとの交流が楽しめる
- NFTは代替不可能なトークンで、デジタルデータの唯一性を証明する
- NFTは美術館、ゲーム、メタバース内の土地として活用されている
- 主な関連通貨はETH、SOL、ENJ、SAND、MANA
メタバースとNFTを組み合わせると、今までに無い新しいサービスを展開できることがおわかりいただけたかと思います。
メタバースプラットフォームは無料で利用できるものが多いので、初心者でも簡単に始められます。
本記事を参考にして、この機会にぜひメタバースとNFTの世界を体験してみましょう。