近年、暗号資産を守る最後の砦としてハードウェアウォレットが注目されています。
しかし、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。
- 種類が多すぎてどれを選べば良いかわからない
- 何を比較すればいいのか知りたい
- 設定や操作が難しそうで使いこなせるか不安
結論からいうと、ハードウェアウォレットは秘密鍵をオフラインで保管できるデバイスであり、初心者でも使いやすい機種も数多く登場しています。
今回は、人気機種11モデルの特徴と選び方を詳しく解説。
大切な資産を確実に守りたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ハードウェアウォレットのおすすめ機種11選

おすすめのハードウェアウォレット11機種を、以下の順で紹介します。
- Ledger Nano S Plus|安価で高性能なLedger入門モデル
- Trezor Safe 3|低価格で信頼性の高いオープンソース設計
- CoolWallet Pro|カード型でNFTやDeFiにも対応可能
- D’CENT Biometric Wallet|指紋で送金承認が可能な多機能モデル
- Ellipal Titan 2.0|QR通信で完全エアギャップを実現
- Tangem Wallet|NFC接続で操作がシンプルなカード型
- KeepKey|大型ディスプレイで操作しやすく初心者向き
- Cypherock X1|鍵を分散保管できる革新的なセキュリティ構造
- Bitkey|ビットコイン用のマルチシグ対応
- COLDCARD Mk4|ビットコイン専用で物理セキュリティが強固
- NGrave Zero|EAL7認証の最強エアギャップモデル
それぞれの特徴をチェックして、あなたに最適な一台を見つけましょう。
1.Ledger Nano S Plus|安価で高性能なLedger入門モデル

Ledger Nano S Plusは、手頃な価格ながら高い機能性を持つ、ハードウェアウォレットの定番モデルです。
約13,000円と手頃な価格でありながら、5,000種類以上の暗号資産に対応しているのが強み。
NFTやDeFi(分散型金融)サービスとの連携もスムーズで、幅広い用途に対応する柔軟性が魅力です。
初めてハードウェアウォレットを購入する方にとって、コストと性能のバランスが非常に優れた入門機といえます。
なお、Ledger製品はさまざまな機種が販売されているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://shop.ledger.com/ja/pages/ledger-nano-s-plus |
対応通貨数 | 5,500種類以上 |
対応ネットワーク数 | 100以上 |
ディスプレイの大きさ | 128 x 64 px |
セキュリティ認証レベル | CC EAL6+ |
セキュリティ性 | ・認定セキュアエレメントチップ(ST33K1M5)搭載・PINコードによる保護・24単語のリカバリーフレーズ |
モバイルやアプリへの対応 | ・Ledger Live(Windows, macOS, Linux, Android)・USB-C接続 |
価格 | 13,499円 |
2.Trezor Safe 3|低価格で信頼性の高いオープンソース設計

Trezor Safe 3は、信頼性を重視するユーザーにおすすめしたい低価格なハードウェアウォレットです。
このウォレットの最大の特徴は、設計がオープンソースである点にあります。
プログラムのソースコードが一般公開されているため、誰でも脆弱性の有無を検証でき、透明性が非常に高いウォレットです。
対応通貨も豊富なので、仮想通貨をシンプルに保管したいユーザーに最適な選択肢となるでしょう。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://trezor.io/trezor-safe-3 |
対応通貨数 | 数千種類(確認ページ) |
対応ネットワーク数 | 多数 |
ディスプレイの大きさ | 128 x 64 px OLED |
セキュリティ認証レベル | CC EAL6+(NDA-free) |
セキュリティ性 | ・セキュアエレメントチップ搭載・PINコードによる保護・Shamir Backup対応・オープンソース設計 |
モバイルやアプリへの対応 | ・Trezor Suite(Windows, macOS, Linux, Android)・USB-C接続 |
価格 | 約12,800円($79) |
3.CoolWallet Pro|カード型でNFTやDeFiにも対応可能

CoolWallet Proは、財布にも収まるクレジットカードサイズの革新的なハードウェアウォレットです。
薄くて軽いカード型でありながら、Bluetoothでスマートフォンと接続し、専用アプリで手軽に資産を管理できます。
NFTの保管や主要なDeFiプロトコルとの連携にも対応しており、暗号資産の種類も約12,000種類以上と豊富にサポート。
持ち運びやすさと高機能を両立させたいアクティブな仮想通貨ユーザーに、特におすすめのモデルです。
ちなみに、安価版のCoolWallet Sは2025年7月31日で販売終了となります。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://www.coolwallet.io/products/coolwallet-pro |
対応通貨数 | 12,000種類以上 |
対応ネットワーク数 | 30以上 |
ディスプレイの大きさ | ×(電子ペーパーディスプレイはあるが取引詳細表示用ではない) |
セキュリティ認証レベル | CC EAL6+ |
セキュリティ性 | ・認定セキュアエレメントチップ搭載・生体認証連携(アプリ経由)・暗号化されたBluetooth接続 |
モバイルやアプリへの対応 | ・CoolWallet App(iOS, Android)・Bluetooth接続 |
価格 | 約23,000円 ($149) |
4.D’CENT Biometric Wallet|指紋で送金承認が可能な多機能モデル

D’CENT Biometric Walletは、指紋認証センサーを搭載し、セキュリティと利便性を両立させた多機能モデルです。
送金などの取引承認には指紋を用いるため、PINコードによる認証と比べて漏洩リスクを大幅に低減できます。
高度なセキュリティを手軽に利用したいユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となります。
大型の有機ELディスプレイが搭載されており、取引内容をはっきりと確認できるのも評価したいポイントです。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://store.dcentwallet.com/ja/pages/dcent-biometric-crypto-wallet |
対応通貨数 | 4,600種類以上 |
対応ネットワーク数 | 84以上 |
ディスプレイの大きさ | 128 x 128 px OLED |
セキュリティ認証レベル | CC EAL5+ |
セキュリティ性 | ・セキュアエレメントチップ搭載・指紋認証センサー・PINコードによる保護 |
モバイルやアプリへの対応 | ・D’CENT App(iOS, Android)・Bluetooth接続、USB接続 |
価格 | 約23,520円 ($159) |
5.Ellipal Titan 2.0|QR通信で完全エアギャップを実現

Ellipal Titan 2.0は、USBやBluetooth、Wi-Fiといった物理的な接続を排除した完全エアギャップ構造が特徴のハードウェアウォレットです。
QRコードのみで通信するため、オンラインのハッキングやマルウェア感染のリスクを完全に遮断できます。
10,000種以上の通貨に対応しており、NFTやDeFi資産にも対応可能。
セキュリティを何よりも最優先に考える長期保有者向けの、非常に堅牢なモデルです。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://www.ellipal.com/products/ellipal-titan |
対応通貨数 | 10,000種類以上 |
対応ネットワーク数 | 50以上 |
ディスプレイの大きさ | 4.0インチ IPS LCD(タッチスクリーン) |
セキュリティ認証レベル | CC EAL5+ |
セキュリティ性 | ・完全エアギャップ(QRコード通信)・改ざん防止機能(自己破壊メカニズム)・PINコード、パスワードによる保護 |
モバイルやアプリへの対応 | ・Ellipal App(iOS, Android)・QRコード通信 |
価格 | 約25,300円 ($169) |
6.Tangem Wallet|NFC接続で操作がシンプルなカード型

Tangem Walletは、NFC(近距離無線通信)技術を利用した、シンプルさが魅力のカード型ウォレットです。
専用アプリをインストールしたスマートフォンにカードをかざすだけで、残高確認や送金などの操作を実行できます。
バックアップする際も新しいカードにかざせば完了するため、リカバリーフレーズの管理が不要な点も革新的です。
複雑な操作を避けて気軽に使えるハードウェアウォレットを探す方に向いているでしょう。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://tangem.com/ja/ |
対応通貨数 | 数千種類以上 |
対応ネットワーク数 | 60以上 |
ディスプレイの大きさ | × |
セキュリティ認証レベル | CC EAL6+ |
セキュリティ性 | ・セキュアエレメントチップ(Samsung S3D350A)搭載・リカバリーフレーズ不要のバックアップ方式・IP68の防水・防塵性能 |
モバイルやアプリへの対応 | ・Tangem App(iOS, Android)・NFC接続 |
価格 | 3枚セット:約10,500円($69.9)2枚セット:約8,200円($54.9) |
7.KeepKey|大型ディスプレイで操作しやすく初心者向き

KeepKeyは、本体に搭載された大型ディスプレイによる、優れた視認性と操作性が特徴のハードウェアウォレットです。
取引の詳細を大きな画面で一つひとつ確認しながら承認作業を進められるため、誤操作を防ぎやすい設計になっています。
耐久性が配慮されており価格も比較的安価なので、入門用として適した一台です。
ただし、対応通貨は40程度と少なめです。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://keepkey.com/ |
対応通貨数 | 40種類以上 |
対応ネットワーク数 | 複数 |
ディスプレイの大きさ | 3.12インチ OLED |
セキュリティ認証レベル | 未取得(セキュアエレメント非搭載) |
セキュリティ性 | ・PINコードによる保護・12単語のリカバリーフレーズ・大型ディスプレイによる取引内容の確認 |
モバイルやアプリへの対応 | ・ShapeShiftプラットフォーム連携(デスクトップ)・USB接続 |
価格 | 11,597円 |
8.Cypherock X1|鍵を分散保管できる革新的なセキュリティ構造

Cypherock X1は、秘密鍵を複数のカードに分割して保管するという、独自のセキュリティ方式を採用しています。
最大4枚のカードと本体が組み合わされなければ出金できないため、セキュリティが非常に堅牢です。
また、1つのカードや本体を紛失しても、他のパーツがあれば資産を復元できます。
分散管理を目指す中上級者ユーザーに適したモデルといえるでしょう。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://www.cypherock.com/product/cypherock-x1 |
対応通貨数 | 9,000種類以上 |
対応ネットワーク数 | 複数 |
ディスプレイの大きさ | ×(本体に小型OLEDあり) |
セキュリティ認証レベル | EAL5+ |
セキュリティ性 | ・秘密鍵の分散保管(Shamir’s Secret Sharing)・セキュアエレメントチップ搭載・リカバリーフレーズ不要のバックアップ |
モバイルやアプリへの対応 | ・cySync(デスクトップ)・USB-C接続 |
価格 | 約29,759円 |
9.Bitkey|ビットコイン用のマルチシグ対応

Bitkeyは、複数の署名認証を必要とするマルチシグネチャ技術を前提としたビットコイン用ハードウェアウォレットです。
取引の承認には、モバイルキー、ハードウェアキー、サーバーキーのうち2つが必要となります。
ソーシャルリカバリーや相続プラン機能が設計されているため、家族との資産共有や継承を考えている方に最適です。
さらに専用アプリと連携すれば、アクセス履歴や認証状況をリアルタイムに確認できます。
項目 | 詳細 |
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公式サイト | https://bitkey.world/en-US/products/bitkey |
対応通貨数 | ビットコイン |
対応ネットワーク数 | 1 (Bitcoin) |
ディスプレイの大きさ | × |
セキュリティ認証レベル | CC EAL6+(NDA-free) |
セキュリティ性 | ・2-of-3 マルチシグネチャ設計・モバイルキー、ハードウェアキー、サーバーキーの3つで管理・ソーシャルリカバリー機能 |
モバイルやアプリへの対応 | ・Bitkey App(iOS, Android)・NFC接続 |
価格 | 約22,500円 ($150) |
10.COLDCARD Mk4|ビットコイン専用で物理セキュリティが強固

COLDCARD Mk4は、ビットコインのみに対応した特化型のハードウェアウォレットです。
ビットコイン以外の通貨に対応しないことで、攻撃対象領域を最小限に抑えています。
物理的な改ざんを防ぐための透明なケースや、PINコード入力時に位置が変わるテンキーなど、物理的な攻撃への対策も徹底。
ビットコインを安全に長期保管することだけを目的とする、専門性の高いユーザー向けの製品です。
項目 | 詳細 |
---|---|
公式サイト | https://coldcard.com/mk4 |
対応通貨数 | ビットコイン |
対応ネットワーク数 | 1 (Bitcoin) |
ディスプレイの大きさ | 128 x 64 px OLED |
セキュリティ認証レベル | 非公開(セキュアエレメント2基搭載) |
セキュリティ性 | ・ビットコイン専用設計・2つのセキュアエレメントチップ搭載・物理的な改ざん防止機能(透明ケース)・エアギャップ運用可能(microSDカード経由) |
モバイルやアプリへの対応 | ・Specter, Electrum等のデスクトップウォレットと連携・USB-C接続、microSDカード |
価格 | 約27,000円 ($177.94) |
11.NGrave Zero|EAL7認証の最強エアギャップモデル

NGrave Zeroは、セキュリティ認証の国際標準であるコモンクライテリア(CC)において最高評価のEAL7を取得したハードウェアウォレットです。
暗号アルゴリズムは軍事レベルの強度を誇り、通信はQRコードのみの完全エアギャップ設計。
バックアップフレーズも、Grapheneと呼ばれる2枚の金属板に刻む方式を採用しており、どちらか1枚が盗まれても解除できない仕組みです。
価格は高価ですが、資産保護に一切の妥協をしたくないユーザーにとって、これ以上ない選択肢といえるでしょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
公式サイト | https://ngrave.io/en/zero |
対応通貨数 | 1,500種類以上(ETH, SOL系のNFT含む) |
対応ネットワーク数 | 10以上 |
ディスプレイの大きさ | 4.0インチ LCD(タッチスクリーン) |
セキュリティ認証レベル | CC EAL7 |
セキュリティ性 | ・世界最高レベルのEAL7認証チップ搭載・完全エアギャップ(QRコード通信)・生体認証センサー・金属製バックアッププレートGraphene付属 |
モバイルやアプリへの対応 | ・NGRAVE LIQUID App(iOS, Android)・QRコード通信 |
価格 | 本体:約60,000円 ($398)プレート付:約75,000円 ($498) |
ハードウェアウォレットを選ぶ6つのポイント

ハードウェアウォレットを選ぶ際に着目したい以下6つのポイントについて順に解説します。
- 対応通貨・ネットワーク
- 接続方式
- 画面・操作性
- セキュリティレベル
- 価格帯
- モバイル対応・アプリ機能
1.対応通貨・ネットワーク
まず確認すべきは、自分が保有している、または将来的に保有したい仮想通貨やブロックチェーンネットワークに対応しているかです。
多くのウォレットはビットコインやイーサリアムに対応していますが、その他の仮想通貨への対応は製品によって異なります。
公式サイトの対応通貨リストを必ず確認し、自分の保有している資産に合った製品を選びましょう。
対応範囲が広いモデルを選んでおくと、将来的に投資対象が増えた際にも安心です。
2.接続方式
ハードウェアウォレットとPCやスマートフォンとの接続方式も、使い勝手を左右する重要な要素です。
主な接続方式には、USBケーブル、Bluetooth、NFC、QRコードの4種類があります。
接続方式 | 特徴 |
---|---|
USB | 最も一般的で安定した接続。PCでの利用が主。 |
Bluetooth | ワイヤレスでスマホと接続でき、外出先でも使いやすい。 |
NFC | スマホにタッチするだけで接続でき、操作が非常に簡単。 |
QRコード | 物理的な接続がなく、セキュリティが最も高い(エアギャップ)。 |
頻繁に取引するならBluetoothやNFCに対応したモデルが扱いやすいでしょう。
セキュリティを最優先するならQRコードを利用するモデルがおすすめです。
3.画面・操作性
本体にディスプレイ(画面)があるかどうかも、大きな選択基準となります。
取引内容をウォレット本体のディスプレイで直接確認することで、PCやスマホ画面の乗っ取りによる詐欺(クリッパー攻撃)を防げます。
画面が大きいほど視認性が高く、誤操作のリスクも低減するため、操作しやすいディスプレイの付いたモデルが安心です。
ボタン操作なども含めて直感的に使えるかどうかを重視して選んでみてください。
4.セキュリティレベル
セキュリティレベルの高さは、ハードウェアウォレットの最も重要な価値です。
製品の安全性を評価する指標として、チップのセキュリティ認証レベル(EAL)があります。
EAL5+以上が一つの目安となり、数字が大きいほど高いセキュリティレベルを示します。
また、以下のようなセキュリティ機能も、信頼性を判断する上で重要な比較ポイントです。
- PINコード、指紋認証といった認証方法
- ケースなどの物理的な改ざん防止機能
- ソースコードが公開されているオープンソース設計
- 第三者による検証が可能(NDA-free)な透明性
5.価格帯
ハードウェアウォレットの価格は、1万円前後のエントリーモデルから、5万円を超えるハイエンドモデルまでさまざまです。
一般的に、高価なモデルほど対応通貨が多かったり、より高いセキュリティ認証を備えていたりします。
安価なモデルでも基本的なセキュリティ機能は十分に備わっているため、まずは1万円~2万円台の定番モデルから始めるのが良いでしょう。
保管する資産額や利用目的に合わせて、適切な価格帯の製品を選択してください。
6.モバイル対応・アプリ機能
外出先で取引したり、スマートフォンで手軽に資産状況を確認したりしたい場合は、モバイル対応が必須です。
多くのメーカーがiOSやAndroid向けの専用アプリを提供しており、BluetoothやNFCでウォレットと連携できます。
アプリの使いやすさや、DAppsブラウザ、ステーキング機能、DEX(分散型取引所)連携といった付加機能も確認しましょう。
自分の利用スタイルに合ったアプリ機能が充実している製品を選んでください。
そもそもハードウェアウォレットとは?特徴と仕組み

ハードウェアウォレットの基本を理解することで、その必要性や安全性の理由がより明確になります。
ここでは、ハードウェアウォレットの主な特徴と仕組みについて、以下の3つのポイントから解説します。
- 秘密鍵をオフラインで安全に保管できる
- PINコードやバックアップフレーズで保護される
- 取引時のみインターネットと接続して利用する
1.秘密鍵をオフラインで安全に保管できる
ハードウェアウォレットの最大の特徴は、仮想通貨の所有権を証明するための秘密鍵をオフライン環境で保管することです。
秘密鍵は、インターネットから物理的に隔離されたデバイス内の専用セキュリティチップに格納されます。
そのため、オンライン上にあるPCやスマートフォンがウイルスに感染したり、ハッキングされたりしても、秘密鍵が盗まれることはありません。
この仕組みが、ハードウェアウォレットの安全性を保証している根幹です。
2.PINコードやバックアップフレーズで保護される
ハードウェアウォレットは、複数のセキュリティ機能によって保護されています。
デバイスの利用時には、ユーザー自身が設定したPINコードの入力が必要です。
さらに、万が一デバイスを紛失・破損した際に復元できるよう、12~24個の英単語が組み合わされたリカバリーフレーズ(バックアップフレーズ)を生成する機能も。
他にも指紋認証やマルチシグ対応など、ハードウェアウォレットごとのセキュリティ機能があなたの資産を守ります。
3.取引時のみインターネットと接続して利用する
ハードウェアウォレットは、通常は完全にオフラインの状態にあります。
仮想通貨を送金する時だけ、USBケーブルやBluetoothなどでPCやスマホに接続します。
ただし、取引内容はPC等の画面で作成されますが、最も重要な署名処理を実行するのはオフライン環境であるウォレット内部です。
署名済みのデータのみがオンライン上のPCを通じてブロックチェーンに送信されるため、署名の過程で秘密鍵が外部に漏れる心配はありません。
ハードウェアウォレットに関するQ&A

ハードウェアウォレットに関する、よくある質問と回答を紹介します。
- コールドウォレットやホットウォレットと何が違いますか?
- 故障・紛失したときはどうすればいいですか?
- 複数のウォレットを使い分ける意味はありますか?
- ハードウェアウォレットを使うとき税金はかかりますか?
- 中古のハードウェアウォレットは安全ですか?
- コールドウォレットやホットウォレットと何が違いますか?
-
ハードウェアウォレットはコールドウォレットの一種であり、ホットウォレットとは秘密鍵の管理方法が異なります。
コールドウォレットはインターネットから切り離して秘密鍵を管理するウォレットで、秘密鍵やアドレスを紙に印刷して保管する方法(ペーパーウォレット)なども含まれます。
一方ホットウォレットは常にインターネットに接続されていて利便性が高いウォレットですが、ハッキングやウイルスによる秘密鍵の盗難リスクが比較的高いのが特徴です。
ホットウォレットで有名なアプリにはMetaMask(メタマスク)などがあります。
meta land【図解で簡単】MetaMask(メタマスク)とは?使い方やスマホとの連携方法、日本語での利用まで | meta land 仮想通貨ウォレットMetaMaskの始め方と使い方を徹底解説。NFTの保管やブロックチェーンサービスの利用に必須のツール。複数ネットワーク対応、日本語サポート、スマホ連携… - 故障・紛失したときはどうすればいいですか?
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初期設定時に記録したリカバリーフレーズを使えば、新しいハードウェアウォレットに資産を完全に復元できます。
同じメーカーの製品はもちろん、標準規格に対応していれば、異なるメーカーのウォレットでも復元が可能です。
ハードウェアウォレット本体が故障したり紛失したりしても、資産がなくなるわけではないので安心してください。
ただし、リカバリーフレーズが第三者に知られてしまうと、同様に復元されて資産を抜き取られるので注意しましょう。
- 複数のウォレットを使い分ける意味はありますか?
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以下のようにウォレットを使い分けるとメリットがあります。
- 長期保管用と取引用でウォレットを分ける
- 利用するサービスに応じてウォレットを変える
- 被害を抑えるため資産を分散させる
- バックアップ用として複数のウォレットに復元しておく
保有している資産量や取引のスタイルに合わせて、複数のウォレットを使い分けると良いでしょう。
- ハードウェアウォレットを使うとき税金はかかりますか?
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ハードウェアウォレットを購入したり、ウォレットに仮想通貨を保管したりするだけでは、税金は発生しません。
税金が発生するのは、以下のようなタイミングです。
- 仮想通貨を売却して利益を得たとき
- 他の仮想通貨と交換したとき
- 商品やサービスの決済に使用したとき
- エアドロップなど第三者から受け取ったとき
これらの取引によって生じた利益は雑所得として扱われ、確定申告が必要です。
Cryptact(クリプタクト)などの計算ツールを利用すれば税金がかかる利益を算出できるので、気になる方はチェックしてみてください。
meta landCryptact(クリプタクト)の評判は?仮想通貨の確定申告ツールの使い方を解説 | meta land 今回の記事では、cryptactの特徴や評判、使い方などを解説します。類似した損益計算ツールGtaxとも比較しているので、ツール選びに悩んでいる方はぜひ本記事をご覧ください… - 中古のハードウェアウォレットは安全ですか?
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中古のハードウェアウォレットの使用は絶対に避けてください。
第三者の手に渡った製品には、悪意のあるプログラムが仕込まれていたり、バックドアが設置されていたりする危険性があるからです。
初期化されているように見えても、資産を盗むための罠が隠されているかもしれません。
ハードウェアウォレットは、必ず公式サイトや正規代理店から新品を購入しましょう。
まとめ
本記事では、ハードウェアウォレットについて解説しました。
最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- ハードウェアウォレットは秘密鍵をオフラインで管理するデバイス
- おすすめはLedger、Trezorといった定番から、特定の通貨に特化したモデルまで多種多様
- 選ぶ際は、対応通貨やセキュリティ性、価格などを総合的に比較するとよい
- 初期設定時のリカバリーフレーズを使えば、紛失・故障しても復元できる
- セキュリティリスクを避けるため、必ず公式サイトや正規代理店で新品を購入すべき
ハードウェアウォレットは、大切な仮想通貨資産を守るための最も確実な手段の一つです。
ぜひ本記事を参考に、ご自身の投資スタイルや目的に合った一台を見つけて、安全な資産管理を始めてみてください。