2023年以降、次世代ブロックチェーン「Sui」上に構築された分散型取引所(DEX)「Cetus Protocol」が注目を集めています。
そのネイティブトークンである「CETUS」もまた、急速にユーザーの関心を集めている仮想通貨の一つです。
しかし、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。
- CETUSとはどのような仮想通貨なのか?
- どの取引所で購入できるのか?
- 今後の価格や将来性に期待できるのか?
結論からいうと、CETUSはCetus Protocolのユーティリティトークンであり、実際に報酬やステーキングなど多彩な用途に使われている実用的な仮想通貨です。
今回は、仮想通貨CETUSの概要や特徴、購入方法、価格の推移、将来性までをわかりやすく解説します。
Suiエコシステムや分散型金融(DeFi)に興味がある方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
仮想通貨CETUSとは?

ここでは、仮想通貨CETUSの概要と主な特徴について、以下の順で解説します。
- Cetus Protocolのネイティブトークン
- 最大供給量が明示されている
- スワップすると手数料収益が得られる
- ステーキングすると報酬がもらえる
Cetus Protocolのネイティブトークン
CETUSは、Sui・Aptos上の分散型取引所「Cetus Protocol」のユーティリティトークンです。
高速かつ効率的な自動マーケットメイカー(AMM)型のDEX。Suiエコシステム内で中心的な役割を担う。他のAMM型のDEXにはUniswapやPancakeSwapがある。
CETUSは、価格上昇を狙う投資対象としてだけでなく、実際のユースケースにも利用されています。
具体的なユースケースは以下の通りです。
- 流動性提供者への報酬
- 手数料の支払い
- xCETUSステーキング報酬の原資
- ガバナンス参加時の投票権
このようにCETUSは、単なる仮想通貨にとどまらず、Cetus Protocol内での多用途な役割を担っています。
最大供給量が明示されている
CETUSの最大供給量は10億枚と明示されており、明確なトークン発行上限が設けられています。
この上限設定により、過剰な供給によるインフレリスクが抑えられ、長期的な価格安定性が期待できるのです。
また、トークン配分比率も事前に公開されており、報酬・開発・投資家・コミュニティなど、関係者間でバランス良く設計されています。
透明性の高い発行体制は、投資家からの信頼性向上にもつながる重要な要素です。

スワップすると手数料収益が得られる
Cetus Protocolでは、自身が取引しなくても他のユーザーが仮想通貨をスワップするたびに、手数料の一部を報酬として受け取れます。
この報酬を得るには、CETUSやSUIを使って流動性提供(LP)する必要があります。
特に取引量や利回りの高い通貨ペアに預けると報酬が増えやすくなります。
また、上級者向けにはCLMM(集中流動性)機能があり、価格帯を指定して流動性を提供することで効率的な運用が可能です。
幅広いユーザーが参加できる収益モデルです。

ステーキングすると報酬がもらえる

CETUSをステーキングすると、同数の「xCETUS」が発行されます。
xCETUSの保有者は、Cetus DEXで発生する取引手数料に応じた報酬を受け取れます。
報酬は週1回、SUI・CETUS・USDCの3通貨で分配される仕組みです。
さらに、xCETUSの保有量によっては、ローンチパッド参加権やエアドロップの対象になる場合もあります。
預けるだけで複数の通貨から収益を得られる点は、手軽な資産運用を求めるユーザーに適しているでしょう。
仮想通貨CETUSの価格動向

ここでは、CETUSのこれまでの価格推移について、年ごとに分けて紹介します。
- 2023年:ローンチ後に急落も安値で安定
- 2024年:取引拡大とともに最高値更新
- 2025年:ハッキング後に反発するも低迷
2023年:ローンチ後に急落も安値で安定

CETUSは2023年5月10日にローンチされ、初期の市場反応は大きく動きました。
6月12日には最安値となる0.026ドルを記録しましたが、その後はSuiチェーンの拡大とともに安定化へと向かいます。
主に0.03ドルから0.05ドルの範囲で推移し、知名度の上昇や流動性の改善により下値が安定しました。
Cetus Protocolの成長と市場での認知拡大が価格の下支えとなった時期です。
2024年:取引拡大とともに最高値更新

2024年はCETUSにとって飛躍の年となりました。
同年11月6日には大手取引所Binanceへの上場によって流動性が急増し、Suiエコシステムの拡充とともにトークン需要も拡大します。
その結果、11月10日には過去最高値となる0.49ドルを記録。
価格チャートにも明確な上昇トレンドが見られ、市場からの関心も高まりました。
プロジェクトの信頼性と将来性が、価格の急騰を後押しした形です。
2025年:ハッキング後に反発するも低迷

2025年5月22日、Cetus Protocolは約2億2,300万ドル相当のハッキング被害を受け、CETUS価格は0.26ドルから0.12ドルへ急落しました。
X投稿
🚨ANNOUNCEMENT
— Cetus🐳 (@CetusProtocol) May 22, 2025
As of earlier today, we have confirmed that an attacker has stolen approximately $223M from Cetus Protocol. We have took immediate action to lock our contract preventing further theft of funds.
$162M of the compromised funds have been successfully paused. We are…
Sui財団と連携した対応により、約1億6,200万ドルが凍結され、補償も進められています。
運営による迅速な対応もあり、その後一時的な反発は見られたものの、6月時点では0.09ドル前後で推移。価格は低迷している状況です。
本格的な価格回復には、Suiの成長や新たなパートナー連携などの材料が求められそうです。
仮想通貨CETUSの買い方

ここでは、仮想通貨CETUSの購入手順について、ステップごとに解説します。
- 国内仮想通貨取引所の口座開設
- 海外仮想通貨取引所の口座開設
- 仮想通貨XRPの購入
- XRPを海外取引所へ送金
- XRPからUSDTへ、USDTからCETUSへ交換
国内仮想通貨取引所の口座開設
CETUSを購入するには、まず国内の仮想通貨取引所で口座を開設し、送金用の仮想通貨を準備する必要があります。
特に、送金スピードが速く手数料も安いXRP(リップル)の利用がおすすめです。
このXRPを元手に、後のステップで海外取引所へ送金し、CETUSへ交換します。
まだ国内取引所の口座を持っていない方は、あらかじめ開設しておきましょう。
本人確認や入金審査などに数日かかる場合もあるため、早めの対応が安心です。

海外仮想通貨取引所の口座開設
CETUSは国内取引所では取り扱いがないため、海外取引所を利用する必要があります。
次の取引所ではCETUSの取り扱いが確認されています。
- Bitget
- Bybit
- MEXC
- CoinW
メール認証やGoogle認証によるセキュリティ設定を済ませたうえで、各所の利用規約をよく確認してください。

仮想通貨XRPの購入
国内取引所では、XRPの購入がスムーズです。
特にBitTradeでは、XRPを板取引(取引所形式)で購入でき、スプレッドを抑えて入手できます。
入金や購入方法についての詳細は以下の記事をチェックしましょう。

XRPを海外取引所へ送金
購入したXRPは、海外取引所の入金アドレス宛に送金します。
例としてBitgetを使う場合「ホーム」>「資金追加」>「暗号資産を入金」>「XRP」でタグと入金アドレスを確認します。
次に、国内取引所の仮想通貨出金画面からXRPを選択し、海外取引所で確認した入金アドレス、タグ、受取人等の情報と出金数量を入力してください。
画面の指示に従い、確認と出金の手続きをすれば送金は完了です。
初心者は、少額でテスト送金し操作に慣れるとよいでしょう。

XRPからUSDTへ、USDTからCETUSへ交換
XRPが着金したら、取引画面から現物取引を選択して、XRPをUSDTへ、次にUSDTをCETUSに交換します。
取引に慣れていない人は、すぐに注文が成立する「成行取引」を利用するとスムーズに購入できます。
注文時の市場価格が高いと感じる場合は、指値注文を利用して購入希望価格を指定しましょう。
約定までに時間はかかりますが、成行注文よりも安く購入できる可能性があります。

仮想通貨CETUSの将来性

ここでは、仮想通貨CETUSの今後に期待されるポイントや課題について、以下の視点で解説します。
- Sui成長と連動し価格に期待
- DEXの実需増加で価値向上も
- ハッキング事件からの信頼回復が課題
Sui成長と連動し価格に期待
CETUSはSui・Aptosチェーン上で運用されているため、その成長と強く連動しています。
特にSuiチェーンは堅牢なセキュリティとスピーディな処理速度により、多くのユーザーやプロジェクト開発者から評価され、近年目覚ましい成長を遂げています。
DeFiLlamaによると2025年6月時点での、チェーン別TVLは以下の通りです。
チェーン名 | TVL | 日本円換算 |
---|---|---|
Sui | 約17億4,500万ドル | 約2,617億円 |
Aptos | 約10億1,600万ドル | 約1,524億円 |
下図からも、SuiとAptosの近年の流入増がわかります。


過去にはイーサリアムのUniswapやBSCチェーンのPancakeSwapのように、先に定着したDEXトークンが長期的に価格上昇した例もあります。
Suiの拡大にともなって、CETUSの需要も増えて価格上昇につながる可能性もあるでしょう。
PancakeSwapやUniswapに関する詳細を知りたい人は以下の記事をチェックしましょう。


DEXの実需増加で価値向上も

Cetusは、Suiチェーン上で注目を集めるDEXの一つです。
単なるスワップ機能にとどまらず、Uniswap v3型の集中流動性(CLMM)モデルを導入している点が特徴です。
価格帯を限定して流動性を提供できる仕組み。少ない資金でも効率的な運用が可能。
この仕組みにより、Cetusはトレーダーだけでなく、資金効率を重視する流動性提供者にも支持されています。
さらに、CETUSトークンは報酬やガバナンスに使われるため、プロトコルの実需拡大が価値向上に直結する可能性があるでしょう。
Cetus SDKが担う流動性基盤

Cetusは、Suiエコシステムの「流動性インフラ」としての役割も担っています。
外部プロジェクトが自前のアプリ内でCetusのプールを活用できるよう、パートナー向けにSDKを提供しているためです。
この仕組みにより、アプリ経由で発生したスワップなどの取引手数料の一部が、Cetusではなくアプリ側の開発者(パートナー)に分配されます。
つまり、開発者は自分のサービスにCetusの流動性を組み込めば、収益を得ることが可能になるのです。
このモデルはCetusの取引量増加にもつながり、CETUSトークンの実需を押し上げる構造になるでしょう。
参考:Cetus Protocol Document |Composability
ハッキング事件からの信頼回復が課題
Cetus Protocolが再びユーザーからの信頼を得るには、資金回収の進展・価格の安定・セキュリティ強化が不可欠です。
2025年5月23日、Cetus Protocolはハッキングにより約2億2,300万ドル相当の資産が流出しました。
ハッキング後はTVL(預かり資産総額)やCETUS価格が大きく下落し、その影響の大きさがうかがえます。


この事件に対して、Suiの技術チームは迅速に対応し、約1億6,200万ドルを凍結しました。
返済プロセスも進められていますが、約6,100万ドルはイーサリアム上に移され、いまだ未回収の状態です。
参考:
今後の信頼回復には、資金回収の進展や価格安定、セキュリティ強化が不可欠でしょう。
CETUS運営の迅速対応へ評価の声
ハッキングを受けた後のCetus Protocol運営による初動対応の透明性は一定の評価を受けました。
補償期間の長さやCETUSトークンによる補填方式に対する不満の声はわずかです。
今後は、継続してユーザーの懸念に真摯に向き合い、補償策の実効性をどう形にするかが問われるでしょう。
X投稿:
Cetusハッキングへの対応がすごい!
— レム⚛️cosmos (@lemcosmos) May 29, 2025
Sui財団の協力あり、全額補填
Suiチェーンすごい!!👏 https://t.co/35DIGDqPnv
X投稿:
なぜ不足分の補償が$cetusなのだ?
— スイータ🚀DEEP&WAL (@nXPEB1FZ5aRfI1B) June 8, 2025
これだと請求日のたびに早押し売り圧ゲーになり補償もショートしてしまうと思うのだが…
他の対応は素晴らしかっただけにここだけがもったいない https://t.co/97g0d3kopB
仮想通貨CETUSに関するよくある質問と回答

Cetusに関する、よくある質問と回答を紹介します。
- Cetusはどのブロックチェーン上に構築されていますか?
- 対応しているウォレットを教えてください
- どこの取引所で買えますか?
- CETUSのステーキング方法は?
- ハッキング補償はどのように受け取れますか?
- Cetusはどのブロックチェーン上に構築されていますか?
-
Cetus Protocolは、SuiとAptosという2つのブロックチェーンに対応しています。
Suiはスピーディで遅延の少ない取引処理が可能で、分散型アプリに適した設計が特徴です。
Aptosは高スケーラビリティと安定性を追求する新興チェーンで、Cetusはその成長を支える重要な存在となっています。
SuiやAptosの詳細については、以下の記事を参照してください。
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-
Cetus Protocolは以下のようなさまざまなウォレットに対応しています。
- Slush Wallet
- Phantom
- OKX Wallet
- Suiet
- Binance Wallet
- Bybit Wallet
- Gate Wallet
- Bitget Wallet
Suiチェーンでの操作が中心なら、公式の「Slush Wallet」が使いやすくおすすめです。
複数チェーン対応を重視する場合は、EthereumやSolanaでも使える「Phantom」が汎用性に優れています。
また、取引所のウォレットであるBitget WalletはSuiとAptos両方に対応しているため、初めての人でも使いやすい設計です。
Bitget Walletについて詳細は以下の記事をご覧ください。
あわせて読みたいBitget Walletとは?メタマスクウォレットとの違いを徹底比較 Bitget Walletは、100種類以上のマルチチェーンに対応し、クロスチェーンスワップやNFT管理など多機能なウォレットアプリとして注目を集めています。一方、メタマスクは… - どこの取引所で買えますか?
-
CETUSは、Bitget、OKX、MEXC、CoinWなどの海外仮想通貨取引所で購入できます。
2025年6月時点で、国内取引所では扱っていないので注意しましょう。
- CETUSのステーキング方法は?
-
公式サイトのxCETUS画面からステーキングに参加します。
Cetus Protocol|xCETUS
おおまかな流れは以下の通りです。
- xCETUSに接続しウォレット接続する
- CETUSをxCETUSへ変換する
- 報酬を受けとる
xCETUSを保有すれば週1回の報酬を受け取れる仕組みです。
報酬はSUI・CETUS・USDCの3通貨で分配され、取引量に応じて利回りが変動します。
償還方法については、以下の公式ドキュメントをチェックしてください。
- ハッキング補償はどのように受け取れますか?
-
Cetus Protocolの公式ブログ内で受取可能です。
なお、ハッキング補償は、被害を受けた特定のLPポジション保有者が対象です。ご自身が対象かどうか、まずはCetus公式ブログで確認してください。
公式ブログ|Cetus Protocol Medium
まとめ
本記事では、Cetus Protocolに関する情報と注意点について解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- Cetus Protocolは、SuiやAptosに対応した分散型取引所(DEX)である
- ユーザーはスワップやLP提供、xCETUSステーキングなどで報酬を得られる
- 2025年5月に約2億2,300万ドルのハッキング被害を受けた
- 約1億6,200万ドルは凍結・回収されたが、約6,100万ドルは未回収
- Cetusは補償としてCETUSトークン供給の15%を配布
- 信頼回復には、価格安定・資産回収・プロトコル改善の実績が必要
Cetus ProtocolはDeFiとしての機能性が高く、再起を目指す取り組みも継続中です。
Sui上のDEXとしてのポテンシャルやCetus Protocolならではの利便性に興味を持った方は、ぜひCETUSの保有を検討してみてください。