出典:Magic Eden
2021年から2022年のNFTブームから一時は市場が落ち着いていましたが、2023年後半からNFT市場が盛り上がりを見せています。
NFTマーケットプレイスといえばOpenSea(オープンシー)が有名ですが、ここ最近ではMagic Eden(マジックエデン)を利用するユーザーが増加傾向にあります。
しかし、
- Magic EdenがどのようなNFTマーケットプレイスなのか知りたい
- NFTの購入方法が知りたい
- 出品方法が知りたい
などの悩みをもつ方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、Magic EdenはSolanaチェーンベースのNFTマーケットプレイス。Solanaチェーンで発行されたNFTが多く出品されており、注目を集めています。
そこで、今回はNFT取引初心者でもわかりやすいように、特徴やNFTの購入・出品方法を解説します。画像つきで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
Magic Eden(マジックエデン)とは?3つの特徴を紹介
サービス名 | Magic Eden(マジックエデン) |
対応デバイス | ブラウザ |
対応チェーン | Solana Ethereum Bitcoin Polygon |
公式ホームページ | https://magiceden.io/ |
X(Twitter) | https://twitter.com/MagicEden |
Discord | https://discord.gg/magiceden |
Magic Edenの主な特徴は以下の通り。
- Solanaチェーンで構築されたNFTマーケットプレイス
- Rewardsシステムによるエアドロップを実施
- クリエイターズアライアンスを発表
順番に解説します。
1.Solanaチェーンで構築されたNFTマーケットプレイス
Magic EdenはSolanaチェーンで構築されたNFTマーケットプレイス。主に仮想通貨SOLを使ってNFTを取引します。
Solnaチェーンは、処理速度が高速でガス代(取引手数量)が安価な特徴を持つ、ビットコインやイーサリアムと同じレイヤー1チェーン。
その処理能力が高く評価されており、様々なNFTゲームやブロックチェーンアプリに利用されています。
イーサリアムチェーンでNFTを取引すると数百円から数千円のガス代が必要ですが、Solanaチェーンであれば数円で取引できます。
実際に編集部がMagic EdenでNFTを取引したところ、ガス代は0.005sol(約5円)でした。ユーザーの取引コストが抑えられるため、活発な取引が可能となります。
4つのネットワークに対応
Magic EdenではSolanaチェーンに加え、以下3つのネットワークにも対応しています。
- イーサリアム
- Polygon
- Bitcoin(BRC-20)
中でも2023年にローンチされた、Bitcoinチェーン上でNFTを発行できる規格BRC-20が注目を集めています。
BRC-20規格で発行されたNFTコレクションBitmap(ビットマップ)は、BRC-20上の土地(LAND)として発行されました。
保有すると、BTC-20ネットワーク上にコンテンツを展開できるようになる予定です。
その新しい仕組みが注目され、2023年8月には0.00013BTC(約500円)で取引されていたBimapは、12月には0.0076BTC(約47,000円)まで高騰しました。
BRC-20について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
2.Rewardsシステムによるエアドロップを実施
Magic EdenではRewardsシステムと呼ばれるシステムを採用しており、NFT取引量などに応じてダイヤモンドポイントが貯まります。
獲得したポイント数に応じて、将来的にMagic Edenの独自トークンがエアドロップされる予定です。
仮想通貨を無料配布するイベント。新規ユーザー獲得を目的として行われる。
ポイントは以下の方法で獲得できます。
- NFTの購入
- NFTの出品
- NFTにオファー(希望価格を提示)
また、ポイント獲得数量が増加するNFTコレクションも存在します。ポイント獲得数が増加するNFTコレクションには「+ 25%」などの表記があります。
購入を検討しているNFTコレクションが、ポイントブースト対象か確認しておくと良いでしょう。
Magic Eden Wallet利用者へのフリーミントも実施
Magic Edenは仮想通貨ウォレットMagic Eden Walletをリリースしており、保有者限定のNFTフリーミントを実施しています。
NFTを発行することを指す。
将来的にミントしたNFTに高値がつく可能性がある他、エアドロップが実施された際にNFT保有者に特典がつく可能性もあります。
NFTの価格は無料ですが、取引手数料としてSOLが数百円必要な点に注意しましょう。
3.クリエイターズアライアンスを発表
Magic Edenは2024年2月にNFTクリエイターの利益を守るプロジェクト「クリエイターズアライアンス」を発表しました。
クリエイターズアライアンスが発足した背景には、大手NFTマーケットプレイスOpenSeaがクリエイターへのロイヤリティ額を実質的に廃止したことが挙げられます。
元々OpenSeaでは、NFTがクリエイターから販売され、購入したユーザーが転売した際にクリエイターへ最低10%のロイヤリティ(報酬)が設定されていました。
しかし、2024年2月の規定改定により、OpenSeaでのロイヤリティはNFTを出品するユーザーが任意で設定可能に。
実質的にロイヤリティ制度が廃止となり、NFTクリエイターの収益が減少することになりました。
すでに大手NFTプロジェクトYogaLabsがクリエイターズアライアンスに参画しており、今後NFTコレクションの取引にMagic Edenを利用することを推奨しています。
将来的にMagic Edenを利用するNFTクリエイターが増加すれば、OpenSeaの取引高を上回ることが考えられます。
日本発のNFTプロジェクトCNPも参画
クリエイターアライアンスには、日本発のNFTプロジェクトCNP(CryptoNinjaPartners)も参画しています。
2024年2月末でOpenSeaでのNFTコレクションの取引を取りやめており、Magic Edenに移行しています。
Magic Edenの始め方を画像つきで解説
これからMagic Eden、実際の手順を画像つきで詳しく解説します。
ここから先は、このページを別画面で開きながら作業するとわかりやすいですよ。
- 仮想通貨取引所の口座開設
- Magic Eden Walletを作成
- Magic Edenと連携
仮想通貨取引所の口座開設
Magic Edenを使いはじめる前に、仮想通貨取引所の口座を開設しておきましょう。NFT購入の際に仮想通貨が必要になります。
Magic Edenでは主に仮想通貨SOLが必要になるため、GMOコインに登録すると良いでしょう。仮想通貨ウォレットへの送金手数料が無料でおすすめです。
公式サイトにアクセスして、画面中央の「いますぐ口座開設」をクリックします。
メールアドレスを入力すると認証URLが送られてくるので、アクセスして必要情報を入力しましょう。本人確認書類を提出して、審査が完了すれば取引ができるようになります。
詳しい口座開設方法は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
Magic Eden Walletを作成
Magic EdenではSolanaチェーンに対応した仮想通貨ウォレットが必要なため、Magic Eden Walletを作成しましょう。
ウォレット利用者限定のNFTが入手できるなど、様々な特典が得られます。2024年3月時点ではスマホアプリはリリースされておらず、Chrome拡張機能でのみ使用可能です。
以下のリンクから拡張機能をインストールできます。
インストールが完了したら「Create New Wallet」をクリック。
パスワードを入力して「Continue」をクリックすればウォレット作成は完了です。
次に、ウォレット復元の際に必要となるリカバリーフレーズをバックアップ(保存)しておきましょう。
ウォレット画面下部にある「Save This Recovery Phrase」をクリック。ウォレット作成時に設定したパスワードを入力して「Continue」をクリックします。
12個の単語が表示されるので、コピーして「Continue」をクリックしましょう。
この12個の単語を他人に知られてしまうと、ウォレット内の資産をすべて盗まれてしまうので注意しましょう。
ハッキングに備えてPCのメモ帳などにコピーせずに、オフラインで紙などに記録するのがおすすめ。
次のページでリカバリーフレーズを確認されるので、該当する単語を選択して「Confirm」をクリックすればバックアップは完了です。
他のブラウザで同じウォレットを使用したい際や、新しいPCを購入した際にリカバリーフレーズを使うことで、ウォレットをインポートできるようになります。
Magic Edenと連携
Magic Eden Walletが作成できたら、Magic Eden公式サイトにアクセスしてウォレットを接続しましょう。
画面右上の「Connect Wallet」をクリックして、ウォレット選択画面でMagic Eden Walletを選択すれば連携完了です。
Magic Edenの使い方|NFTの購入方法を解説
続いてMagic EdenでのNFTの購入方法を解説します。
- 固定価格で購入
- オファーを出す|希望価格を提示
- スイープ機能を使ってまとめ買い
- Lucky Buyで安価に抽選購入
- ローンチパッドで新しいコレクションを早期購入
固定価格で購入
Magic Edenで最も一般的なNFT購入方法は、固定価格で購入する方法です。NFTコレクションページにアクセスして、購入したいNFTの詳細ページにアクセスしましょう。
「すぐ買う」をクリックするとガス代を含む購入金額が表示されるので、Magic Eden Walletで支払い手続きを済ませれば購入完了です。
オファーを出す|希望価格を提示
オファー機能を使えば、出品されているNFTを安価に購入できる可能性があります。オファーで提示した価格を出品者が承認すればNFTを購入可能です。
オファーを出すには、購入したいNFTの詳細ページにアクセスして、「オファー」をクリックします。
オファー金額と、オファーの期間を設定して「オファーする」をクリックすればオファー完了です。
オファーを出す際には、提示価格と手数料を含めた資金をウォレットに入金しておくことが必要。
オファーした金額はロックされた後、承認されれば出品者に支払われ、オファー期間が過ぎると購入希望者に返却されます。
コレクション全体にオファーを出すことも可能
トレーダー向け機能として、コレクション全体にオファーが出せる「コレクションオファー」機能も実装されています。コレクション全体にオファーを出せば、NFT出品者全員がオファーを承認することが可能に。
購入したいNFTを指定できませんが、NFTを指定してオファーを出すよりも安価かつ早く購入できる可能性が高まります。
一つひとつのNFTが個性を持つコレクションではなく、見た目が同じで、保有者することで特典が得られるNFTコレクションなどでコレクションオファーを利用すると良いでしょう。
スイープ機能を使ってまとめ買い
スイープ機能とは、NFTコレクションの中で価格の安いものからまとめ買いする機能です。一度にNFTを購入することでガス代を安価に抑えられるだけでなく、最低出品価格を引き上げられるメリットがあります。
スイープ機能を使うには、コレクションの左下にあるバーを動かすか、購入したいNFT数量を入力しましょう。
購入画面に進むと選択したNFT一覧と購入金額合計が表示されます。選択したNFTに問題がなければ購入手続きを済ませましょう。
Lucky Buyで安価に抽選購入
Lucky BuyはNFTを安価に購入できる可能性のある抽選のような仕組み。購入希望価格を入金し、抽選に当たればNFTがウォレットに届きます。
入金する金額が高いほど当選確率が高くなりますよ。
すべてのNFTでLucky Buyが利用できるわけではなく、Lucky BuyはMagic Edenによりランダムに適応されています。Lucky Buyが利用できるNFTは、選択した際に緑色の「Buy」ボタンが表示されます。
「Buy」ボタンをクリックするとLucky Buyページが表示されるので、入金金額を入力しましょう。入金金額に応じた当選確率は「Probability of win」の項目に表示されています。
「Lucky Buy」をクリックするとすぐに当選結果が表示され、当選すればNFTを獲得できます。
ローンチパッドで新しいコレクションを早期購入
Magic Edenにはローンチパッドと呼ばれる新規NFT購入ページが存在します。
ローンチパッドは先行購入権(ホワイトリスト:WL)が必要なものと、先着順に購入できるものの2種類があります。
WLの獲得方法は、各NFTコレクションのコミュニティに参加して確認しましょう。
ローンチパッドページにアクセスするには、トップページをスクロールして「Launchpad drops」の「See all」をクリックします。
ローンチパッドが開催されているNFTコレクションを選択し、購入数量を入力後に「Mint」ボタンをクリックしましょう。
ローンチパッドには数百円の手数料だけで購入できるフリーミントも存在するため、将来性が期待できると思ったNFTを購入しておくと良いでしょう。
Magic Edenの使い方|NFTの出品方法を解説
次にMagic EdenでのNFTの出品方法を解説します。
- 固定価格で出品
- Instant Sellで即時販売
- 出品価格を変更・取り消し
固定価格で出品
保有しているNFTを固定価格で出品する方法を解説します。画面右上のアカウントメニューから「My Items」をクリックし、出品したいNFTの「List Now」をクリックしましょう。
出品価格を入力して「Submit Listings」をクリックすれば出品完了です。
知らないNFTはクリックしない
普段からSolanaチェーンを利用している方であれば、出品時に知らないNFTが多数ウォレットに送られている可能性があります。
そのほとんどは詐欺NFTのため、NFT情報の中に記載されているURLにアクセスしてウォレットを接続してしまうと、資産を盗まれてしまう可能性も。
自身で購入した、もしくは人から送ってもらったNFT以外は決して触らないように気をつけましょう。
出品価格を変更・取り消し
固定価格で出品したNFTの出品価格を変更する際は、再度アカウントメニューから「My Items」ページにアクセスして、出品しているNFTの「Edit Listing」をクリックします。
出品価格を変更し「Update Listing」をクリックすれば出品価格の変更は完了です。
出品を取り消したい際は、出品しているNFTの詳細ページを開き、「Cancel Listing」をクリックすれば取り消しが完了します。
Instant Sellで即時販売
Instant Sell機能を使えば、購入希望者が出しているコレクションオファーの最高額ですぐにNFTを売却できます。
NFTコレクションページの左上にある「Sell Now」をクリックすれば、即時NFTが販売されます。
注意点は、NFTコレクションの最低価格よりも安く販売されることです。Instant Sellは、NFTをすぐに売却して資金を作りたい際などに利用すると良いでしょう。
Magic Edenに関するQ&A
Magic Edenに関するよくある質問と回答を紹介します。
疑問をお持ちの方は参考にしてください。
- 日本語に対応していますか?
- スマホでも使えますか?
- MetaMaskは使えますか?
- Magic EdenでデジタルデータをNFT化できますか?
- 日本語に対応していますか?
-
Magic Edenは英語表記のため、日本語には対応していません。ブラウザの翻訳機能を使って日本語表記に変更しておきましょう。
ただし、日本語に翻訳した状態ではNFT購入時に画面が真っ黒になるなど、不具合が発生する可能性があります。
サイトを翻訳して内容を確認したら、翻訳機能をオフにしておきましょう。
- スマホでも使えますか?
-
Magic Edenはスマホブラウザでも使用できますが、Magic Eden Walletのスマホアプリはリリースされていません。
スマホでもSOLを使ってNFT取引をしたい場合、Phantomウォレットの利用をおすすめします。
日本語対応で使いやすく、Magic Edenで取引されているネットワークの内、ビットコインネットワーク以外は対応できます。
以下の公式サイトからスマホアプリをダウンロード可能です。
- MetaMaskは使えますか?
-
Magic EdenでもMetaMaskは使用できますが、SolanaチェーンのNFTを取引する場合は、専用のプラグインをインストールする必要があります。
MetaMask Snaps公式サイトにアクセスして、MetaMaskを連携しましょう。追加できるチェーン一覧から「Solana Wallet」を選択。
「Add to MetaMask」をクリックしましょう。
以上でMetaMaskでもMagic EdenでSolanaチェーンのNFTを取引できるようになります。
- Magic EdenでデジタルデータをNFT化できますか?
-
Magic Edenでは、自身で制作したデジタルデータをNFT化することはできません。Magic Edenですでに取引されているNFTコレクションが取引できます。
Magic Edenで新しいNFTコレクションを取引する際は、申請手続きをして審査に通る必要があります。
以下のリンク先から申請が可能です。
しかし、他のNFTマーケットプレイスなどで販売実績があるコレクションで無ければ、審査に通るのは困難でしょう。
まずはだれでもNFTを発行できるOpenSeaやRaribleを活用して、デジタルデータをNFT化しましょう。
OpenSea・RaribleでNFTを発行する手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
OpenSeaで売れるもの11選を紹介|NFTの作成/売れるまでの流れを解説 | meta land 出典:OpenSea 2023年4月、OpenSeaがNFTプロトレーダー向け機能、「OpenSea Pro」サービスをリリースし話題となりました。 NFTトレーダーのOpenSeaでの取引増加が期待され…Rarible(ラリブル)とは?始め方・使い方・RARIのロック方法まで完全ガイド | meta land 出典:Rarible Rarible(ラリブル)は、中央集権の運営をもたない分散型NFTマーケットプレイスです。 誰でも簡単にNFTが出品できるため、多くのNFTユーザーから人気があり…
まとめ
この記事では、Magic Edenの始め方やNFTの購入・出品方法について解説しました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- Magic EdenはSolanaチェーンベースのNFTマーケットプレイス
- Solanaチェーンに対応した仮想通貨ウォレットが必要
- 利用すればポイントが貯まり将来的にエアドロップに繋がる
- Magic Eden Walletを使えば限定NFTが無料でミント(発行)できる
- NFTを新規発行するには申請手続きが必要
Magic Edenは2024年2月にクリエイターズアライアンスを発表し、大手NFTプロジェクトが多数提携。将来的にOpenSeaからユーザーを獲得できるのでは、と期待されています。
NFTの取引などでポイントが貯まり、将来的にエアドロップも予定しています。
これらの取り組みが評価され、NFTマーケットプレイスのシェアを獲得できれば、エアドロップの価格も大きくなる可能性もあるでしょう。
本記事を参考にして、この機会にぜひMagic Edenを使い始めてみましょう。