ビットコインはなぜ上がる?価格上昇の理由をわかりやすく解説

ビットコインはなぜ上がる?価格上昇の理由をわかりやすく解説

ビットコインが2025年7月14日に史上最高値の約12万3,000ドル(1,799万円)を更新しました。

しかし、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。

  • なぜ今ビットコインはこんなに上がっているのか?
  • 政府の動きや世界経済と関係しているのか?
  • これからも価格は上がり続けるのか?

結論からいうと、ビットコインが上がる理由は「米国の法整備」「金利政策」「機関投資」「希少性」「ドル安」など、複数の要因が重なっているからです。

今回は、ビットコイン価格上昇の理由を5つに分けて、わかりやすく解説します。

ビットコインの仕組みや投資の始め方も丁寧に解説しているので、仮想通貨初心者の方や投資に興味がある方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

目次

ビットコインの価格はなぜ上がるのか?5つの理由を解説

ビットコインの価格が上昇している背景には、複数の経済・政策的な要因が絡み合っています。

ここでは、その中でも特に重要な5つの理由を取り上げ、わかりやすく説明します。

  1. 米で仮想通貨法整備が加速
  2. 利下げによりビットコインに資金が流入
  3. 機関・企業がビットコイン買いを拡大中
  4. 半減期でビットコインが希少に
  5. ドル安がビットコイン需要を後押し

1.米で仮想通貨法整備が加速

アメリカでは仮想通貨に関する法律の整備が進んでおり、ビットコイン市場に良い影響を与えています。

特に、2025年6月に上院で可決された「GENIUS法」では、ステーブルコインを発行する企業に対して、100%の準備金の保有や顧客資産の分別管理が義務づけられました。

ステーブルコインの安全性と透明性を高める規制強化によって、仮想通貨市場全体への信頼が高まりつつあります。

SoSoValueのデータによれば、GENIUS法の可決以降、主要なビットコインETFには1週間で合計約9億ドルを超える資金が流入しているとのことです。

米で仮想通貨法整備が加速
出典:SoSoValue

GENIUS法そのものは直接ビットコインを規制した法律ではありません。

しかし、法整備によって仮想通貨市場全体への信頼感が高まり、ビットコインの価格に良い影響をもたらしつつあるといえるでしょう。

2.利下げによりビットコインに資金が流入

今後アメリカで金利が下がるとの見方が強まり、ビットコインに資金が集まっています。

金利が下がると、銀行預金や国債などのリターンが減るため、より高い収益を狙えるビットコインなどのリスク資産が選ばれやすくなるからです。

実際に、米連邦準備制度(FRB)の政策委員の見通しを示す「ドットプロット」では、2025年から2027年にかけて段階的な利下げが示唆されており、市場にも広く共有されています。

ドットプロットとは?

FOMC(米連邦公開市場委員会)の参加者が「今後の政策金利はどの水準が適切か」と考える予測を●マークで示した図。1つの●が1人の予測を表し、金利の将来見通しを視覚的に把握できる。

このような金利低下の流れは、ビットコインを後押しする重要な要因となるでしょう。

利下げによりビットコインに資金が流入
出典:Summary of Economic Projections

参考:Federal Reserve press release

3.機関・企業がビットコイン買いを拡大中

最近では、個人投資家だけでなく、ETFや上場企業によるビットコインの買いが活発化しています。

たとえば、BlackRockなどの大手資産運用会社が提供するETFには安定的な資金流入があります。

機関・企業がビットコイン買いを拡大中
出典:SoSoValue

企業ではStrategy社やMARA Holdings、メタプラネットなどが大量保有を公表しています。

機関・企業がビットコイン買いを拡大中
出典:Bitcoin Treasuries

こうした機関や企業の買い支えにより、相場の底堅さが増し、価格が上昇しやすくなっているのです。

大規模な安定買いは市場に安心感を与える重要な要素となります。

4.半減期でビットコインが希少に

2024年春に迎えた半減期では、マイニング報酬が6.25BTCから3.125BTCに減少し、新規発行量が半分に抑えられました。

半減期とは?

ビットコインのマイニング報酬が約4年ごとに半分になる仕組み。

供給が絞られる一方で、ETFや企業の買い需要は高水準を維持しており、需給バランスが逼迫しています。

実際、過去の半減期でも価格はその後に大きく上昇しており、今回もその歴史的パターンの再来が意識されています。

供給の制限がもたらす価格への圧力は、ビットコインの構造的な強みといえるでしょう。

半減期でビットコインが希少に
出典:BiTBO

半減期について詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。

5.ドル安がビットコイン需要を後押し

ビットコインは、ドル安のときに買われやすくなります。

ドルの価値が下がると「現金のままでは目減りするかもしれない」と不安を感じた人々が、ビットコインのように価値を保ちやすい資産に資金を移すためです。

2025年前半にはドルの強さを表す「ドルインデックス」が約96.9まで下落し、年初から約10%の下げとなりました。

ドル安がビットコイン需要を後押し
出典:TradingView

こうした中、ビットコインは「デジタルゴールド」として注目を集めています。

ドル安がビットコイン需要を後押し
出典:CoinMarketCap

ビットコインの価値が上がる仕組み

ビットコインの価値が上がる仕組み

ビットコインの価格が上昇するのは、一時的な投機だけが理由ではありません。

その背後には、ビットコイン独自の構造や経済的なメカニズムがあります。

ここでは、ビットコインの価値が高まりやすい仕組みを5つの視点から解説します。

  • 発行上限があるため希少性が生まれる
  • 需要が集まると価格が上がる
  • 有事の資産逃避先として選ばれる
  • インフレ対策としての資産分散に使われる
  • ETFの普及で投資マネーが流れ込む

発行上限があるため希少性が生まれる

ビットコインには「最大2,100万枚まで」という発行上限が設定されています。

下図のグラフからもわかる通り、ビットコインはすでに発行上限の95%以上が市場に出回っており、新たに手に入る量は限られています。

発行上限があるため希少性が生まれる
出典:glassnode

※オレンジの線:発行済ビットコイン、赤の線:残り発行可能量、黒の線:ビットコイン価格

限られた供給に対して、需要が高まると価格が押し上げられるという希少性のメカニズムが、この仕組みの背景にあるのです。

そのため、金(ゴールド)と同様に「限られた資源」としての評価が高まりやすく、価格の下支えにつながります。

希少性が明確に設計されている資産は他に少なく、長期的に価値を維持しやすい特徴があるといえるでしょう。

需要が集まると価格が上がる

ビットコインの価格は、基本的に「需要と供給のバランス」で決まります。

話題性のあるニュースや将来への期待が高まると「買いたい」と考える人が増え、市場に需要が集中します。

しかし、ビットコインは発行上限が決まっており、供給が急に増えることはありません。

そのため、需要が供給を上回ると、価格は自然に上昇していきます。

下の画像にあるように、取引高(棒グラフ)の急増は「需要の集中」を示しており、それに比例して価格も上昇しているのがわかります。

需要が集まると価格が上がる
出典:TradingView

有事の資産逃避先として選ばれる

地政学リスクが高まると、資産の安全な避難先を求める動きが活発になります。

地政学リスクとは?

国同士の関係や地域での政治的な不安定さ(戦争、テロ、政変など)によって、経済や市場が悪影響を受ける可能性のこと。

近年では、ビットコインを「避難先」として選ぶ投資家が増えつつあります。

たとえば、2025年6月にはイスラエルによるイラン攻撃や、米国によるイラン核施設への攻撃といった有事が相次ぎました。

混乱を受けて、一時的にビットコインが売られる場面もありましたが、その後は「デジタルゴールド」としての期待から買いが集まり、価格は急上昇したのです。

ビットコインは金のような伝統的な安全資産とは異なりますが、法定通貨や政府の信用に不安があるときには、価値を逃がす手段として選ばれる場面が増えています。

有事の資産逃避先として選ばれる
出典:TradingView

インフレ対策としての資産分散に使われる

ビットコインは、法定通貨の価値が下がる「インフレ時」の資産保全先として注目されます。

特にコロナ後の2020年3月、FRBがゼロ金利政策と大規模な金融緩和を実施した際は、市場に大量の資金が流れ、ビットコインは一気に価格を上昇させました。

インフレ対策としての資産分散に使われる
出典:TradingView

供給量が限られたビットコインは、インフレによって現金の価値が下がるのを避けるために使われる資産として買われたといえるでしょう。

実際、インフレが加速する2021年には7万ドル近くまで上昇しました。

このように、金融政策とインフレの動きはビットコイン価格に大きな影響を与える場合があります。

ETFの普及で投資マネーが流れ込む

ETFの普及は、ビットコインの価格を下支えしつつ、長期的な上昇基調を後押しする重要な要因となっています。

2024年1月にビットコイン現物ETFが登場したことで、仮想通貨に詳しくない投資家でも証券口座を通じてビットコインに簡単に投資できるようになりました。

ビットコイン現物ETFとは?

証券口座からビットコインに投資できる仕組み。運用会社が投資家の注文に応じて実際のビットコインを購入・保有する。

ETFの普及によって、ビットコイン投資への心理的ハードルが下がれば、新たな資金が継続的に市場に流入し、ビットコインの価格の上昇が期待できるでしょう。

ETFの普及で投資マネーが流れ込む
出典:SoSoValue 総ビットコイン現物ETF純流入

ビットコイン投資の基本ポイント

ビットコイン投資の基本ポイント

ビットコインに興味を持っても「どうやって始めればよいかわからない」と感じる方は多いはずです。

ここでは、初心者でも安心して始められるように、ビットコイン購入の基本ポイントを3つに分けて紹介します。

  • 分散投資でリスクを抑える
  • 少額スタートで値動きの感覚をつかむ
  • 取引所選びは安全性と手数料を比較

分散投資でリスクを抑える

ビットコインは価格の上下が激しいため、初心者には分散投資がおすすめです。

中でも効果的なのが「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資手法です。

ドルコスト平均法とは?

毎月同じ金額で購入を続けて、高値づかみや買い時の判断ミスを避ける投資法。

この方法を使えば、購入価格を平準化し、一括購入による価格変動リスクを軽減できます。

また、価格の上がり下がりに一喜一憂する必要がなくなり、感情に左右されず安定して投資できるでしょう。

長期的な資産形成につながりやすく、投資を習慣化しやすいのもメリットです。

分散投資でリスクを抑える

少額スタートで値動きの感覚をつかむ

ビットコインは1万円以下でも購入できるので、いきなり大きな金額を投資するのではなく、まずは少額で試してみるのがおすすめです。

実際に取引すれば、値動きや手数料、操作の流れなどを肌で感じられるようになるでしょう。

実際に体験してみると、自分に合った投資スタイルやリスク許容度を見極められます。

以下の記事ではビットコインを1万円分買ってみた場合のシミュレーションを解説しています。気になる人はチェックしてみましょう。

取引所選びは安全性と手数料を比較

ビットコインは、信頼できる仮想通貨取引所を通じて購入します。

その際に重視すべきなのは「安全性」と「手数料」です。

金融庁に登録された業者かどうか、過去にハッキング被害がないかなどを確認しましょう。

また、取引にかかるスプレッドや手数料も取引所によって差があるため、事前に比較検討が必要です。

まずは、これらの基準で国内の信頼できる仮想通貨取引所を選ぶとよいでしょう。

ビットコインがなぜ上がるのかに関するよくある質問

ビットコインがなぜ上がるのかに関するよくある質問

ビットコインに関する、よくある疑問とその答えをまとめました。

価格の将来性や税金、リスクについて気になる方は、以下の内容を参考にしてください。

  • 2030年までに1ビットコインはいくらになる?
  • ビットコインで50万円稼いだら税金はいくらですか?
  • 高騰はいつまで続きますか?
  • ビットコインの価値がなくなる可能性はある?
  • 10年前に買っていたらどうなりますか?

2030年までに1ビットコインはいくらになる?

2030年の価格予測はさまざまですが、10万ドルから100万ドル(約1,500万円〜1億5,000万円)という幅広い見方があります。

技術の進化やETFの拡大、世界経済の動向次第で、今後さらに注目を集める可能性があります。

ただし、確実な予測はできないため、リスクを理解した上で投資するか否か判断しましょう。

ビットコインで50万円稼いだら税金はいくらですか?

ビットコインの利益は「雑所得」として課税され、所得税+住民税がかかります。

税率は所得に応じて最大55%(所得税最大45%+住民税10%)まで上がる可能性があります。

たとえば給与所得がある人は、その収入に加えてビットコインの利益が課税対象となります。

確定申告が必要なケースも多いため、事前に確認しておきましょう。

高騰はいつまで続きますか?

ビットコインは過去の傾向として、半減期の約1年〜1年半後に高騰が続くケースが多く見られます。

ただし、価格は金融政策や地政学リスクなど多くの外的要因で左右されるため、明確な高騰の終わりの時期を予測するのは難しいでしょう。

ビットコインの価値がなくなる可能性はある?

完全に価値がゼロになる可能性は極めて低いと考えられますが、リスクがないわけではありません。

社会的な信頼や法規制、技術的な安全性が損なわれれば、価格が大きく下がる場合もあります。

ビットコインの価値がなくなる可能性について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみましょう。

10年前に買っていたらどうなりますか?

2015年にビットコインを1万円分買っていた場合、2025年には100万円以上の価値になっていた可能性があります。

当時は1BTCが数万円台だったため、約100倍以上に増えた計算になります。

10年前に買っていた場合の価格推移について理解を深めたい方は、以下の記事をご覧ください。

まとめ

本記事では、ビットコインが上がる理由と価値の仕組み、始め方について解説しました。

最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。

  • 米国の仮想通貨法整備により、機関投資家が参入しやすくなった
  • 利下げやドル安などのマクロ経済要因がビットコインへの資金流入を促した
  • 企業やETFの安定した買いが価格上昇の土台を支えている
  • 発行上限と半減期により、ビットコインは希少性を増している
  • インフレや有事の際に選ばれる「デジタル資産」としての需要が高まっている
  • ETFの普及で投資環境が整い、初心者でも参入しやすくなっている

ビットコインは、限られた供給と広がる需要によって価格が押し上げられる構造を持っています。

ぜひ、少額から始めて未来の資産形成に役立ててみてください。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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