Bitget Research チーフアナリストRyan Lee氏によると、暗号資産コミュニティ内で大きな注目を集めているトピックは、アメリカでSolana(ソラナ)のETFが承認されるかどうかです。
Exchange Traded Fundsの略で、証券取引所に上場している投資信託を指す。
ETF承認された暗号資産は、株と同様に証券会社で売買できるようになり、購入ハードルが下がる。
ビットコインとイーサリアムがETF承認を受けたことで、Solana ETFにも期待が高まっています。
すでに、以下の大手企業がSolanaの現物ETF(実在する資産を保有する投資商品)の申請を出しており、金融業界からも注目を集めているようです。
こうした申請を承認する立場にある米証券取引委員会(SEC)はSolana ETFについて協議しているものの、最終的な結論はいまだ確定していません。
Solana ETFが承認されるかどうかは、以下で解説する5つのポイントが影響するでしょう。
要因1.SECによる規制上の分類
Solanaにとって最大の障壁は、SECによる法的分類です。
ETFが承認された前例であるビットコインやイーサリアムは、明確に証券と分類されていない暗号資産です。
これに対してSolanaはSECから証券と見なされています。
その根拠として、Binance(バイナンス)などの主要な取引所に対して、Solanaを含めた複数の暗号資産を証券であると主張して訴訟した例が挙げられます。(参考:コインテレグラフジャパン|SECが「証券」とする仮想通貨は61種類に バイナンス訴訟で10種類が追加 )
Binanceに対する訴訟自体は2024年7月に取り下げられたものの、証券ではないと明確に認められてはいません。
証券と分類されている現状を変えない限り、SolanaのETFが承認される妨げとなる可能性が高いでしょう。
要因2.不正防止と市場の透明性
SECが承認する際に重視する要素の一つは、価格操作などの不正を防ぐことのできる市場の監視体制です。
Solana ETFの承認には、ビットコインやイーサリアムのように十分な取引量と安定したインフラシステムが必要となります。
2024年11月27日時点における24時間あたりの取引量は、イーサリアムと比較すると5分の1程度。
Solana ETFが承認されるためには、さらなる成長が必要になるかもしれません。
要因3.先物市場の欠如
Solanaの先物取引市場がアメリカ内に存在しない点も、ETF承認の障壁となる可能性があります。
ビットコインやイーサリアムは、先物市場が存在したため、現物ETFが比較的承認されやすい状態でした。
先物市場が存在しないSolanaは市場の形成から始めなければならず、 ETFの承認が難しいものとなっています。
要因4.政治の影響
アメリカの政権交代が暗号資産に与える影響も、注目すべきポイントです。
暗号資産に好意的な姿勢を持つトランプ氏に政権が移行することで、暗号資産のETFに関するSECの判断基準が変わる可能性があります。
現に、暗号資産に対して否定的な姿勢をとってきたSEC委員長のゲイリー・ゲンスラー氏は、トランプ氏が大統領に就任する日に退任すると発表しました。
On January 20, 2025 I will be stepping down as @SECGov Chair.
— Gary Gensler (@GaryGensler) November 21, 2024
A thread 🧵⬇️
SECが暗号資産に対してより前向きになることで、Solana ETF承認が進みやすくなる可能性があります。
要因5.他国での事例と投資家の支援
ブラジルなどでSolana ETFがすでに承認されています。(参考:コインテレグラフジャパン|ブラジル、世界初の現物型ソラナETFを国内市場で導入へ )
こうした承認例は、投資商品としてのSolanaの需要が世界的に広がっていることを示していると言えるでしょう。
さらに投資家からの需要が増え、Solana ETFを承認する国が増えることで、間接的にSECへ影響を与える可能性があります。
まとめ
今回紹介したように、Solana ETF承認には障壁がいくつも存在します。
しかし、政権交代や他国の事例によって、承認の現実性は高まっています。
ETF承認が実現することでSolana市場が成長する可能性は高いので、今後の動向は要チェックです。
引用元:Bitget Research