HYPEトークン急落、Hyperliquidが直面する課題と今後の展望

Bitget Researchのチーフアナリスト、ライアン・リー（Ryan Lee）氏によると、最近Hyperliquid（ハイパーリキッド）に関する激しい議論が巻き起こっており、その信頼性が懸念されているとのこと。

Hyperliquidに関する議論の内容

Hyperliquidは、数百万ドル相当のエアドロップで有名になった分散型取引所（DEX）です。

しかし、その実態は分散型ではなく中央集権的であると指摘されています。

その根拠となるのが以下のような点。

• Hyperliquidのソースコードが公開されていない
• 独自のプライベートチェーン上で運営されている
• ネットワークを管理するバリデータの数が限られている

暗号資産の業界で重要となる透明性と分散化が不十分なため、資金を多く支払った内部関係者が優遇される仕組み（Pay to Play）だという疑惑が浮上しています。

もしHyperliquidがこのまま信頼を失ってしまえば、今後成長する際の強大な障壁となるでしょう。

HYPEトークンへの影響

Hyperliquidに対する疑念は、独自の仮想通貨HYPEの価格に影響を与えています。

議論が広まった1月8日前後で、HYPEの価格は約20％ほど下落しました。

急激な下落から、Hyperliquidに対して投資家が疑念を抱いていると考えられるでしょう。

議論に対するHyperliquidの反応

X（旧Twitter）のHyperliquid公式アカウントにて、議論に対する回答が投稿されています。

Hyperliquid is constantly iterating and improving, all in service of its mission to bring all finance onchain. The community has played a crucial role in the ecosystem’s growth, and feedback is taken seriously.

Recently, some misconceptions have emerged regarding validators.…

— Hyperliquid (@HyperliquidX) January 8, 2025

日本語訳：
Hyperliquid は、すべての金融をオンチェーン化するという使命を果たすために、常に反復と改善を行っています。コミュニティはエコシステムの成長に重要な役割を果たしており、フィードバックは真剣に受け止められています。

最近、バリデータに関していくつかの誤解が生じています。明確にするために：
+ すべてのバリデーターは、テストネットのパフォーマンスに基づいて資格を得ています。テーブルの席を買う方法はありません。それ以外の主張は、システムを理解するために時間と労力を費やしたバリデーターの努力を損なうことになります。すべてのブロックチェーンが成熟するにつれて、バリデーターセットは時間の経過とともに増加します。
+ 以前発表されたように、高性能なバリデーターをサポートし、ネットワークをさらに分散化するための Foundation Delegation Program が設けられます。
+ 誰でも、任意のノードを指す API サーバーを実行できます。サンプル クライアント コードは特定の API サーバーにリクエストを送信しますが、これはネットワークの基本的な要件ではありません。
+ はい、テストネット HYPE のブラック マーケットを作成しようとするユーザーは受け入れられません。これは何度も述べられてきました。テストネットのオンボーディングの改善に引き続き取り組んでいきます。
+ はい、ノード コードは現在クローズド ソースです。オープン ソース化は重要です。開発が安定した状態になると、プロジェクトはオープン ソース化されます。Hyperliquid は、ほとんどのプロジェクトよりも桁違いに速く出荷されます。その範囲も、ほとんどのプロジェクトよりも桁違いに大きいです。コードは、安全に実行できるようになった時点でオープン ソース化されます。
+ はい、現在バイナリは 1 つあります。Solana のような非常に成熟したネットワークでも、バリデーターの大部分は単一のクライアントを実行しています。

総括すると、Hyperliquidは健全に運営されており、問題点も今後改善する予定とのこと。

エアドロップで注目されるようになったHyperliquidの今後の動きに注目したいところです。

分散型取引所におけるガバナンスの重要性

今回の件から、分散型取引所において信頼性の高いガバナンス（運営）が必要だと改めて浮き彫りになりました。

これからのガバナンスは、分散化の基準を再定義したうえで透明性の高い運用が求められるでしょう。

Hyperliquidが分散化の懸念に正しく対処できるかどうかは、分散化システム全体の将来を大きく左右する極めて重要なポイントとなるかもしれません。

引用ソース：Bitget Research