主要な仮想通貨銘柄として知られるイーサリアム(ETH)。現在もビットコイン(BTC)に次ぐ時価総額を有し、存在感を示します。
しかし、
- イーサリアムはオワコンのように思う
- オワコンと言われているのを聞いた
- もう買わない方がよいのだろうか
このような疑問を持っている人は多いでしょう。
たしかに仮想通貨には調子の良し悪しがあり、イーサリアムも例外ではありません。しかし、オワコンという認識は誤りといえるでしょう。
そこで本記事では以下の点を解説します。
- イーサリアムがオワコンと誤解される理由
- まだ将来性が十分にあるといえる理由
- イーサリアムを購入するベストなタイミング
本記事を通して、イーサリアムの将来性や購入タイミングをきちんと理解できます。ぜひ参考にしてください。
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イーサリアムがオワコンと言われる主な理由6つ
イーサリアムがオワコンと言われる背景には、主に以下が挙げられます。
- 2021年以降の最高値更新がない
- イーサリアムキラーが増加した
- NFTブーム終了と市場シェア低下が生じた
- 仮想通貨に対する誤解が広まった
- 発行上限未設定によるインフレ懸念が生じた
- イーサリアムに対して意図的に批判されるようになった
これらの要因が重なった結果「イーサリアムはオワコンだ」と誤解されるようになりました。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
1. 2021年以降の最高値更新がない
まず、2021年以降、イーサリアムが価格の最高値を更新していない点が挙げられます。
イーサリアムの価格推移を見ると、2021年11月に史上最高値(ATH)約4,900ドルを記録。そして2024年8月現在、その値を超えたことはありません。
また、50%以上の価格下落が確認されています。この価格停滞は、ビットコインと比較するとよりわかりやすいでしょう。
2024年8月時点で、ビットコインは2021年、ATHの約90%まで回復しました。一方でイーサリアムは依然としてATHの50%程度にとどまっています。
仮想通貨 | 2021年ATH | 2024年8月価格 |
---|---|---|
ビットコイン | 約69,000ドル | 約61,000ドル |
イーサリアム | 約4,900ドル | 約2,600ドル |
2021年から現在に至るまで、Solana、Avalancheなど競合プロジェクトの台頭がありました。これらが、イーサリアムの価値を落としており、上図のような価格停滞が起こったと予測されます。
また、インフレや金利上昇といった経済環境の変化も、買い注文を遠ざけたのでしょう。
2. イーサリアムキラーが増加した
また、イーサリアムキラーが増加したのも「オワコン」と言われる理由のひとつです。
イーサリアムの成功を受け、類似機能を持つ新興ブロックチェーンプラットフォームの俗称。
つまり競合があらわれた結果、イーサリアムの需要が低下し「オワコンかもしれない」と言われる程度の価格停滞があったわけですね。
代表的な「イーサリアムキラー」として、Solana、Avalanche、Cardanoなどがあります。
これらのプラットフォームは、イーサリアムを上回る取引処理速度や、安価な手数料をはじめとした強みを有しています。
プラットフォーム | 特徴 | TPS(1秒あたりの処理数) |
---|---|---|
Solana | 高速・低コスト | 65,000 |
Avalanche | 高スケーラビリティ (応用、拡張が効きやすい) | 4,500 |
Cardano | ビットコインの利用するモデルを使用 | 250 |
イーサリアム | 実績と安定性 | 15-30 |
注目すべきは取引処理速度です。代表的なキラーに対し、イーサリアムは遅れを取っています。
各種イーサリアムキラーの台頭により、イーサリアムのシェアは一部損なわれました。
また、DeFiやNFTプロジェクトの一部が他のプラットフォームに移行する動きが見られ、イーサリアムの影響力に僅かながらかげりが見られます。
とはいえイーサリアムはいまだにユーザー数やプロダクトの多様性などの面で、各種イーサリアムキラーの追随を許していません。
しかしそこまでの事実が見られず「オワコンだ」と誤解されるケースが多々あります。
3. NFTブーム終了と市場シェア低下が生じた
イーサリアムを含むNFTブームが終わったのも、オワコンという誤解を招いています。
2021年、NFT業界は、いわゆるバブルを迎えていました。特にNFTアート人気は顕著で、消費者庁の資料によれば、同年のNFT取引規模は1年前の約215倍でした。
この間、NFTブームの決済に欠かせないイーサリアムは一時的なバブルを経験したのです。2021年のピーク時には、イーサリアム上のNFT取引量が月間100億ドルを超えていました。
しかしNFTブームが終息すると、それに合わせて価格が低下。上述のとおり、価格はピーク時の約50%まで落ちています。
このバブルと現在の違いを感じ「オワコンだ」と感じている人が多くいます。
現在でも時価総額2位を誇り、価格も比較的安定している事実は変わりません。しかしその事実を無視して、「オワコンだ」と早合点されるケースが多いです。
他ブロックチェーンの台頭
イーサリアムがやや低迷する一方で、SolanaやPolygonなど他のブロックチェーンプラットフォームでのNFT市場が拡大しています。
たとえば、Solanaは低手数料と高速処理を強みとして、ステーブルコイン市場でのシェアを急速に拡大させました。
2022年は1%強だったシェア率が、2023年12月には32%まで伸びています。
これらに代表される市場動向は、イーサリアムの収益構造にも影響を与えています。イーサリアムを利用した取引が減少し、ガス代や取引手数料収入も低下しました。
まだ「オワコンだ」というのは性急ですが、今後もイーサリアムキラーが台頭するなかでは、イーサリアムの購入や保持に対し慎重になったほうがよいかもしれません。
4. 仮想通貨に対する誤解が広まった
イーサリアムに限らない、仮想通貨に対する誤解が広まったのも、オワコンと言われる理由のひとつです。
そもそも仮想通貨は、一般的なユーザーには理解しにくい部分があります。
たとえばブロックチェーンやスマートコントラクト、イーサリアムの強みである分散型構築などを理解できるのは一部の層に限定されるでしょう。
上動画はブロックチェーンに関してかなり易しく解説しています。しかし、これでもITに疎い人にはわかりにくいものです。
また、メディアによる偏った報道や(後述する、意図的に)誤った情報の拡散が、仮想通貨の将来性に対する不安を助長しています。
報道者に悪意がなくても、やはり暴落などのニュースは印象に残りやすく、それが誤解につながる部分もあるでしょう。
また、多くの人々が短期的な価格変動にのみ注目しがちなのも問題です。これにより、イーサリアムの長期的な技術革新や採用拡大といった本質的な価値が見過ごされています。
これらの要因が重なり、イーサリアムが過小評価されるケースは多々あります。
その評価を一言で表現しようするとき「オワコンだ」となるわけですね。
5. 発行上限未設定によるインフレ懸念が生じた
イーサリアムの発行上限が未設定である点が「オワコンである」と呼ばれる理由にもなっています。
仮想通貨銘柄の一部は、発行枚数に上限を設けて、価格暴落が起こらないようにしています。
たとえばビットコインは2,100万枚限りとされ、新規に発行されることなく、大量発行による暴落はあり得ません。
しかしイーサリアムには明確な発行枚数上限が定められていないため、暴落があり得ます。
この無制限発行政策は、イーサリアムの価格予測を複雑にしています。結果として、長期的な保有リスクを連想させ、仮想通貨ユーザーの投資意欲を削いでいる部分はあるでしょう。
もちろん、イーサリアムが突如として大量発行されるとは考えにくいものです。しかしそのリスクが過大に評価される、他の要因と組み合わさることで「オワコン」と表されることがあります。
他の仮想通貨との比較
ビットコインやそのほかの仮想通貨と比較すると、イーサリアムの発行政策がもたらす長期的な影響は読みにくい部分があります。主要な仮想通貨の発行政策を比較してみましょう。
仮想通貨 | 発行上限 | 特徴 |
---|---|---|
ビットコイン | 2100万BTC | デフレ傾向 |
イーサリアム | 未設定 | 暴落リスクあり |
リップル | 1000億XRP | 事前発行済み |
将来的な発行枚数上限が決まっているビットコインと、もう発行が終わったリップルは、新規発行の影響を考える必要がありません。
しかしイーサリアムにはそのリスクが常にあります。
したがってイーサリアムを保有する場合は、新規発行のニュースがあったとき、それを捕捉する必要があるでしょう。
6. イーサリアムに対して意図的に批判されるようになった
また、イーサリアムに対して意図的に批判されるようになったのも、オワコンと誤解される理由です。
仮想通貨やNFT業界には、インフルエンサーとして活動し、その注目度によって収益を得る人物が多々います。
本来、彼らはユーザーにとって有益な情報を発信する対価として、収益を得るべきでしょう。
しかし「より過激な主張をしたほうが、収益性が高い」ことから、誤った情報を発信するケースが多々あります。
その発信内容のひとつに「イーサリアムはオワコン」というのがあるわけですね。
3つの観点から見るイーサリアムの将来性と投資価値
上述のとおり、イーサリアムにはいくつかの弱点があり、それらを踏まえてオワコンと表されることがあります。たしかにその弱点は、価格低迷や値下がりを招きうるものです。
しかしそれらを踏まえても、投資対象や決済手段としての価値は損なわれていません。実際、時価総額はビットコインに次ぐ2位につけており、価格も比較的安定しています。
また、イーサリアムの将来性が高いといえる理由も多々あります。
- イーサリアム2.0の完全実装が進められている
- 大手企業との連携が進んでいる
- 現物ETFとして承認される
1.イーサリアム2.0の完全実装が進められている
イーサリアム2.0(現:合意レイヤーの完全実装が進む中で、スマートコントラクトの進化が加速しています。
これにより、長年の課題であったスケーラビリティの低さなどが改善されます。
新たなEIP(Ethereum Improvement Proposal:イーサリアムをよりよくするための提案)の採用により、スマートコントラクトの機能が拡張されはじめました。
これは開発者にとって朗報であり、より複雑で高度なDApps(分散型アプリケーション)の開発が可能になると予測されています。
この技術革新は、大手企業や機関投資家の注目も集めています。イーサリアムプラットフォームの採用が増加傾向にあり、市場への好影響が期待されるようになりました。
わかりやすくいえば、プラットフォームとして大幅に進化した結果、活用場面が増え、需要が高まり、そしてイーサリアムの価格も向上すると見られているわけです。
細かい技術論を理解せずとも、このような大型アップデートを繰り返して需要を増やしている時点で「オワコン」とは言えないでしょう。
2. 大手企業との連携が進んでいる
大手企業との連携が進んでいるのもポジティブ材料です。
イーサリアムの実用化と普及が加速している背景には、大手企業との提携がなければあり得ませんでした。
J.P.モルガンやマイクロソフトといった世界的企業が、イーサリアムを基盤とした独自プロジェクトを積極的に展開しています。
さらに、企業連合「Enterprise Ethereum Alliance」の活動拡大により、イーサリアムのビジネス利用の標準化が急速に進められています。
わかりやすくいえば大企業が束になって、イーサリアムを社会に普及させようとしているわけですね。また、多様な産業分野でイーサリアムの実証実験が活発化しているのも特筆すべき点です。
- 金融:決済システムの効率化や新しい金融商品の開発
- サプライチェーン:トレーサビリティの向上や在庫管理の最適化
- ヘルスケア:医療データの安全な共有や臨床試験の透明性確保
これらの取り組みにより、イーサリアムの実用性が証明され、ビジネス界での採用が加速しています。
もしイーサリアムの価値が本当にないのなら、世界的企業は見向きしていないはずです。
3. 現物ETFとして承認される
2024年5月、イーサリアムは、米国にて現物ETFとして承認されました。
特定の資産や株式、仮想通貨などの、現物資産に連動しているETF(上場投資信託)のこと。
これにより、イーサリアムは、株と同様に証券取引所で売買できるようになりました。このような評価を得られたのは、イーサリアムの需要を高める要因だとするのが大方の味方です。
結果として、イーサリアム現物ETFの承認は、有力な企業や投資家からの大規模な資金流入を誘発するでしょう。それは、イーサリアムの流動性を大幅に向上させるはず。
そして取引量の増加により、価格の急激な変動が抑えられ、市場の安定性が高まります。結果として、個人投資家にとっても投資しやすい環境が整えられるでしょう。
イーサリアムに関するQ&A
本記事ではイーサリアムに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- イーサリアムとビットコインどちらを買うべきか
- ハッキング事件の影響はどの程度あるか
- なぜ過去に暴落したのか
- イーサリアムとビットコインどちらを買うべきか
-
よほどの理由がない限り、どちらを購入してもかまいません。イーサリアムとビットコインの価格変動は相関関係にあるからです。
ただ、投資においては「複数銘柄を少しずつ購入して、暴落した際のリスクに備える」のがセオリー。したがってどちらか一方より、両方を保有するのをおすすめします。
- ハッキング事件の影響はどの程度あるか
-
イーサリアムは、過去に何度もハッキングの対象となっています。
特に2016年のいわゆるThe DAO事件では、イーサリアムの価格が一時的に急落しました。それで多額の含み損を抱えた人もいます。
しかし、その後のハードフォークなどで、徐々に価格は回復し正常化しました。
その後も小規模な攻撃を受けてはいるものの、相場に影響を与えるほどのインパクトははありません。
- なぜ過去に暴落したのか
-
イーサリアムは、過去に何度か暴落を経験しています。その理由は以下のとおりです。
- 2017年6月ごろ/取引処理の不具合とウォレットサービスでの盗難事件
- 2020年4月ごろ/新型コロナウイルス感染症のパンデミック
- 2022年5月ごろ/いわゆるテラショックによる市場混乱
イーサリアムそのものの問題というより、外的要因によって暴落するケースが多い傾向です。特にパンデミックやテラショックなどは、対策のしようがないでしょう。
イーサリアムは価格が比較的安定している銘柄ですが、市場の動向しだいで値下がりするリスクがある点は理解しておきましょう。
まとめ
本記事では、イーサリアムがオワコンと誤解される理由や、将来性があるといえるポイントを解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- イーサリアムがオワコンというのはあやまった理解である
- 誤解される要因として「2021年以降最高値更新がない」などが挙げられる
- イーサリアムキラーの台頭や、NFTブームの沈静化も関係している
- 一時期と比較してイーサリアムの価格は落ち着いているが、まだまだ影響力はある
- イーサリアムの将来性を証明する理由として、イーサリアム2.0の実装が挙げられる
- 大手企業との連携や現物ETFとして認められた点もポジティブな要因である
- 過去にハッキング事件などもあったが、価格が回復した経緯がある
イーサリアムはオワコンと言われがちですが、これまでの価格変動や、運営元の積極的な技術開発の姿勢などを見るに、まだまだ将来性のある銘柄といえます。
価格も比較的安定しており、今後も投資対象として十分な魅力を保ち続けるでしょう。