Bitget Research チーフアナリストRyan Lee氏によると、DeepSeek社はAI言語モデルに関する実験によって、自律的な問題解決の実現に取り組んでいるとのこと。
DeepSeek社とは?
DeepSeekは中国を拠点とするAI企業で、2023年に設立されました。オープンソースの大規模言語モデル(LLM)を開発しており、効率的でコストの低いAIサービスDeepSeekを提供しています。
DeepSeekは高度な推論能力を持ち、数学やプログラミングなどの複雑なタスクで優れた性能を発揮します。その性能はChatGPTを超えたと話題を呼び、注目を集めています。
商用利用や改変が自由であるのも助けとなり、DeepSeekは急成長中。米国のAI業界や株式市場に大きな影響を与えています。
DeepSeek-R1をはじめとした急激な技術革新
DeepSeekは2025年1月20日、強化学習を駆使して自律的に思考する新モデルのDeepSeek-R1を公開しました。
DeepSeek-R1の特筆すべき特徴は、強化学習(RL)を駆使して自律的に思考する点。従来のAIモデルのような教師あり学習(SFT)を用いず、自己検証や振り返りによって長い思考の連鎖を実現しているそうです。
またDeepSeek-R1は、ChatGPTやClaudeなどの別AIサービスと比較して格段にAPI価格が安いという特徴も。
モデル名 | インプット料金(100万トークン) | アウトプット料金(100万トークン) |
---|---|---|
DeepSeek-R1 | 0.14ドル(約21円) | 2.19ドル(約340円) |
GPT-4 | 2.5ドル(約389円) | 10ドル(約1556円) |
Claude 3.5 Sonnet | 3ドル(約467円) | 15ドル(約2335円) |
こうしたDeepSeek-R1の急激な技術革新は、従来の常識を覆す可能性があります。新興技術とされる量子コンピューティングやブロックチェーンの分野でも、同様の現象が起こりえるでしょう。
技術革新による仮想通貨への影響
しかしながら、今回のような技術的革新によって、仮想通貨の市場が短期的に不安定になる場合もあります。
実際に、以下のようなAIに関わるトークンが下落しており、なかには30%以上下落したものも。
- RENDER(Render)
- FET(Artificial Superintelligence Alliance、Fetch.AI)
- AGIX(SingularityNET)
さらに、米国の金融政策を決めるFOMC会合や金利決定による影響が重なり、仮想通貨の市場全体が価格変動しやすい状態になっています。こうした要因が組み合わさった結果、ビットコインも2024年1月中旬と比べて5%以上の価格下落を見せました。
今後は市場が安定する見込み
過去の値動きと同様であれば、技術の進歩によって市場へ大きな影響が与えられたとしても、価格は次第に安定化するでしょう。
たとえば、2017年はスマートコントラクトが普及した影響で仮想通貨全体で価格が急騰したものの、2018年に入ってから下落していきました。
ほかにも、2021年にDeFiの急成長やNFTの人気によって大幅な急騰を見せましたが、2022年には次第に価格が落ち着いていきます。
DeepSeekの技術革新による市場への影響も、徐々に安定化するでしょう。
※為替レートは2025年01月28日時点での1ドル=155.69円で計算
引用ソース:Bitget Research