AIに仕事が奪われる?理由や無くなる仕事、AI時代を生き抜く対策などを徹底解説

2022年11月にChatGPTがリリースされてから、AIが急速に私たちの生活に浸透してきました。

1950年代からAI(人工知能)の研究が進められてきましたが、これほど私たちの身近にAIの影響を感じるのは初めてといえます。新時代の幕開けを感じずにはいられません。

しかし、

  • AIについて詳しく知りたい
  • AIに奪われる仕事と無くならない仕事を知りたい
  • AI時代を生き抜くための対策を知りたい

などの疑問や心配をお持ちの方もいるでしょう。結論から言うと、AIによって無くなる仕事は存在しますが、使いこなせば共存できます

この記事では、AIについて詳しく解説します。AI時代を生き抜くために、ぜひ最後までご覧ください。

目次

AIに仕事が奪われると言われる理由4つ

AIに仕事が奪われると言われる理由4つ

AIに仕事が奪われると言われている理由は次の4つです。

  1. 論文やデータが発表されている
  2. 単純作業を自動化できる
  3. 学習させれば創作活動もできる
  4. ChatGPTが誕生しAIが身近に

それぞれ詳しく解説します。

1.論文やデータが発表されている

まず、AIによって仕事が奪われるといわれている大きな理由として、論文やデータが発表されていることが挙げられます。

野村総研が試算したデータによると、2025年から2035年までの間に日本の労働人口の49%が人工知能やロボットなどに置き換わるとのこと。この試算は2015年のものですが、100種の職業をリスト化しています。

発表から9年後の2024年現在、実際に無くなりつつある職業をピックアップしてみました。

  • 組立工
  • 研磨工
  • プレス工
  • メッキ工
  • 自動車塗装工
  • 駅務員
  • 駐車場管理人
  • データ入力係
  • ボイラーオペレーター
  • 簡易事務員
  • 有料道路料金収受員
  • バスや電車の運転手

以上の職業が完全になくなっているわけではありませんが、徐々にAIに置き換える取り組みが行われています。工場での組立や塗装などはコンピュータ制御でできるようになり、簡単な事務作業はシステム構築すればアプリが代わりに実施可能。

駐車場では混雑管理にAIカメラが活用され、表示板に空きスペースを表示して誘導する仕組みが開発されています。

一台ずつロックシステムを設置して空き状況を把握する必要がなくなるため、コスト削減にも貢献しているのです。

2.単純作業を自動化できる

AIや機械化が進むと単純作業を自動化でき、その仕事に従事する人の仕事は不要となります。ただ単純作業の自動化は、悪い面だけではありません。

なぜなら、少子高齢化が確定している日本において、労働者不足を解消するための解決策となり得るから。みずほ総合研究所の予測では、2065年の労働人口は4000万人になると試算されています。

AIは得意分野である単純な作業であれば、人の何百倍もの速度で仕事をこなすことも可能。例えば、次のような例が挙げられます。

業種作業内容
製造業・在庫管理
・注文予測
・不良品の検品
金融業・不正利用探知
・株価予想
・最適なプラン提案
小売業・無人レジ
・売上予測
・店内の監視
・商品管理
・シフト作成
農業・仕分け作業
・気候予測
医療・CT画像の分析
・患者のデータ管理
・サーモセンサー

これまで職人の経験と勘でこなしていた作業は、AIの大量データ学習によって合理化されました。

不足するであろう労働者人口は、AIを活用することで補えます。その結果、顧客満足度や従業員満足度を高められるでしょう。

3.学習させれば創作活動もできる

「AIには創造性や共感力がない」といわれていますが、学習によってある程度は可能です。例えば、小説・作曲・画像・動画・プログラミングなどの領域でも、今までのデータを学習させれば、そこそこの品質のものを生成できるでしょう。

2023年に芥川賞を受賞した九段理江さんの東京都同情塔は、生成AIを駆使して作られたと話題となりました。九段理江さん曰く「作品に登場したAIのセリフ部分をChatGPTで作成した」とのこと。作品の約5%はChatGPTで書かれたそうです。

才能があるクリエイターが利用すれば、作品がより魅力的になります。

天才でなくとも、クオリティの高いコンテンツを作成する補助となるでしょう。

4.ChatGPTが誕生しAIが身近に

今までのAIといえば、企業の開発レベルの話で私たちの日常には関係ないという印象でした。しかしChatGPTが誕生したことで、日常生活でAI生成機能を使う場面が増えています。

すでに次のような日常業務に活用している方も多いでしょう。

  • 文章の作成・要約・校正
  • メール文の作成
  • スピーチの台本作成
  • 翻訳
  • プログラミングの代行やチェック
  • 情報収集
  • SNS運用

大手企業でも積極的に生成AIを業務に取り入れています。例えば、社内のビジネスチャット機能とChatGPTを連携し、各種書類作成に役立てるケースも。ベネッセでも、小学生向けに「自由研究お助けAI」を提供するなどAIを活用しています。

そのほか、私たちの身近に使われているAI機能として次のようなものがあります。

  • 音声アシスタント
  • チャットボット機能
  • 自動運転やアシスタント機能
  • お掃除ロボット
  • 電話自動応答システム
  • スマートスピーカー(Siri・Alexa)

もはやAI機能なくして、便利な生活は成立しないと言えるでしょう。

様々なAIツールがリリースされている

ChatGPTなどのAIを利用した、便利なツールが数多くリリースされています。特に人気なのが、画像生成や文章作成補助ツールです。

そのほかにも作曲やスライドなどを自動生成してくれるものもあります。おすすめのAIツールについては、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてくださいね。

AIによって無くなる・無くならない仕事

AIによって無くなる・無くならない仕事

現在携わっている仕事は、将来的にAIによって無くなってしまうのでしょうか。AIによって無くなる・無くならない仕事について、それぞれ解説していきましょう。

  • 無くなる可能性のある仕事
  • 無くならない仕事
  • 新しく生まれる仕事

AIによって無くなる仕事ばかりではなく、新しく生まれる仕事もあるので、参考にしてください。

無くなる可能性のある仕事

AIによって無くなる可能性が高いのは、単純作業や体を使った定型的な業務です。特に次のような仕事はなくなる可能性が高いでしょう。

  • 一般事務員
  • 警備員
  • 受付
  • ライター
  • 運転手
  • データ入力係
  • 店員
  • 郵便局員
  • 工場勤務者

実際のところ完全にゼロとならないものの、すでにロボットやAIが導入されており、採用人数は減っています。

特に30年前は一般事務の大量採用が一般的でしたが、現在は激減しています。また、AIの文章生成機能により失職するケースがアメリカでも起きているよう。その職種は次のようなものです。

  • コピーライター
  • 保険外交員
  • 事務作業員

実際、アメリカでは「AIリストラ」により大量の人員削減が進行中。2024年1月の人員削減は8万人を超えたとも報道されています。

無くならない仕事

反対に、AIができない仕事には次のようなものがあります。

  • 営業
  • 介護福祉士
  • コンサルタント
  • シナリオライター
  • クリエイター(漫画家、ミュージシャン、デザイナー)
  • 作業療法士
  • 教師
  • 整体師
  • 保育士
  • 医師・看護師
  • カウンセラー

対人の仕事はAIが苦手な領域のため、すぐに無くなることはないでしょう。ただし、デザイナーやシナリオライターなどは、AIを利用して作業を効率化する使い方ができます。

無くならないと言われている仕事でも、今後はAIを使いこなせるかどうかで生き残れるかが決まるとも考えられるでしょう。

新しく生まれる仕事

AIを活用して新しく生まれる仕事としては次のようなものがあります。

職業概要
プロンプトエンジニアAIが最適な答えを返すようなプロンプトを開発する
データ探偵AIが分析したデータを元に企業や組織のコンサルティング業務を行う
倫理的な調達責任者(ESO)企業の倫理的な判断をサポートする
デジタル仕立屋データをもとにユーザーの体型に合わせた服を作る
エッジコンピューティング専門家ネットワーク設計を見直し、最適な通信基盤の構築とトラブル対応を行う
量子機械学習アナリスト量子情報処理とAIを組み合わせて課題を解説する
ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター遺伝子分野を消費者に売り込むために戦略を考える
最高信用責任者(CTO)情報システムやIT投資などの計画策定や、CEOやCFOなど経営陣への適切な報告・助言などを担う
BYO(個人所有機器活用)ITファシリテーター個人で所有する端末を業務に使用できる状態にする
財務健全性コーチデジタル取引を管理し、適切にお金を扱えるようサポートする
人間と機械の協働責任者人間の得意分野と機械の得意分野を調和させて、生産性を最大化する
人工知能(AI)事業開発責任者企業のビジネスにAI(人工知能)を安全かつ効果的に取り入れる
AI支援医療技師遠隔操作を活用し、自宅から検査や診断などを行う

新しく生まれた職業として、プロンプトエンジニアが代表として挙げられます。ChatGPTなどの生成AIを効率良く使えるように、質問文を作成する仕事です。

主にIT業界が先行してAIを活用しており、効率化が図られています。

人間的な仕事にもAIが活用されはじめている

以下のような人間的な仕事も新たに生み出されます。

職業概要
フィットネス・コミットメント・カウンセラーフィットネスにおけるモチベーション管理にAIを活用する
散歩・会話の相手AIロボットを活用して高齢者とコミュニケーションをとる

高齢者と会話するロボットは、すでに各社から発売されています。コミュニケーションを目的として、認知症予防や老化防止の効果が期待されているのです。

代表的な製品としては次のようなものがあります。

AI機能によるおしゃべりロボットは、1人暮らしの高齢者や介護施設などで実際に利用されています。このように、散歩や会話の相手といった、一見価値のないように見られていたことがAIを活用できる領域として注目されているのです。

AIに仕事を奪われないための対策

AIに仕事を奪われないため対策

AIに仕事を奪われないための対策として、次の3つを紹介します。

  1. AIに関する知識を身につける
  2. AIと協業できる業界を知る
  3. AIの得意・不得意な仕事を把握する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.AIに関する知識を身につける

これからAIに関する新しい仕事が生まれることが予想されるため、関連する知識を身につけるのが重要です。そのため、AI関連の資格を取るのもおすすめ

2024年2月現在、AI関連の資格には次のようなものがあります。

資格名概要
AIパスポートAIに関する基礎知識や簡易的な活用スキルの可視化をするための資格
G検定ディープラーニングについての基礎的な知識を持ち、その知識を事業に活用できる人材の育成を目的とした検定
E検定AIエンジニアとしてディープラーニングを実装できる知識とスキルがあることを証明する資格
DS検定データサイエンティストとして求められる知識を確認する資格試験
AWS Certified Machine Learning-SpecialtyAmazonが認定するAIの試験
Professional Data EngineerGoogleクラウドの認定資格
AI-900Microsoft Azureサービスの基礎知識の理解度を測定する試験
AI-102中級レベルの「AIエンジニア」向け資格
DP-100中級レベルの「データサイエンティスト」向けの資格

これらの資格取得のためにはプログラミングの知識が必要な場合もあります。

まずはAIパスポートのような、入門レベルの資格を取得してみると良いでしょう。

2.AIと協業できる業界を知る

AIと協業できる業界を知れば、その導入サポートといったニーズをとらえられます。今後、AIを導入したい企業は増えるため、スキルや資格を身に付ければ、仕事に困ることはなくなるでしょう。

なかでも介護や医療分野は人間の手が必要ですが、AIとの協業で仕事の負担を軽くできます。AIが得意な情報収集やデータ分析、画像認識などを活用すれば、病気の早期発見にもつながります。

AIによって伸びる業界を知り、AIの知識や資格を生かしてAI導入をサポートする側になりましょう。

3.AIの得意・不得意な仕事を把握する

AIの得意な仕事は、大量データ処理やパターン化された作業です。例えば単純事務作業などの仕事は、今後減っていくでしょう。

反対に、AIの不得意な仕事は簡単に無くならないはずです。例えば、AIに不得意なことには次のようなものがあります。

  • 創造的な作業
  • 人の気持ちの理解
  • 感情的な判断
  • 肉体的作業
  • データが少ない分野での分析や生成

人間的な感情や肉体を使う作業は簡単に学習できません。つまりカウンセラー、保育士、医療従事者など、直接生身の人間と関わる仕事はAIの不得意分野。

これらの仕事を選ぶようにするのも、対策のひとつといえるでしょう。

AIと仕事に関するQ&A

AIと仕事に関するQ&A

AIと仕事に関する、よくある質問を集めました。

  • AIによってなくなる仕事はどのようなものですか?
  • AIに仕事を奪われないために必要なスキルは?
  • AIを仕事に導入するメリットは?デメリットはありますか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

AIによってなくなる仕事はどのようなものですか?

AIによってなくなる仕事は、次のような仕事です。

  • 警備員
  • 一般事務や受付
  • 電車やバスの運転手
  • データ入力係
  • 店員
  • 工場勤務者(単純作業者)

公共交通機関は少しずつ自動運転に切り替わっています。またレジは自動となり、店員の人数を減らしています。エレベーターガールという職業がなくなったのと同じように、受付嬢も無くなるでしょう。

AIによってなくならない職業の中に「教師」も挙げられますが、オンライン授業であればAIでもできるため、安心はできません。

AIに仕事を奪われないために必要なスキルは?

AIに仕事を奪われないためには、AIに関するスキルを身につけることです。まだ多くはありませんが、AIに関する資格も新しく生まれています。

AIを仕事に導入するメリットは?デメリットはありますか?

AIを仕事に導入するメリットは、業務の効率化や生産性の向上が図れること。ChatGPTなどのAIを利用すると、大幅な時間削減ができます。ほかにも次のようなメリットがあります。

  • 人的ミス対策
  • データ分析
  • コスト削減
  • 労働力不足の解消

反対にデメリットとしては次のようなものがあります。

  • 情報漏洩の可能性
  • 間違った情報の利用
  • 責任の所在が不明確
  • AI人材やツールへのコスト増

デメリットを把握したうえで、対策を講じ、メリットを最大限生かせるようにしましょう。

まとめ

この記事では、AI時代において無くなる仕事、無くならない仕事について紹介しました。

最後に、重要なポイントをおさらいしておきましょう。

  • AIによってなくなる仕事は単純作業やルーティンワーク
  • AIが苦手なことは感情的・肉体的なもの
  • AIによって新しく生み出される仕事もある
  • AI時代への対策はAIに詳しくなること
  • AIに関する資格もある

今後AIの活用が進み、不要になる仕事が出てくるのは必然です。本記事を参考にして、AI時代に必要とされる人材になりましょう。

まずは無料で手軽に利用できるChatGPTを使いはじめてみましょう。以下の記事で始め方を詳しく解説しているので、参考にしてくださいね。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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