NFTが一般に普及し、近年では珍しいものではなくなりました。
しかし、
- NFTはもうオワコンなのか?
- NFTアートを作っても売れないのか?
- うまく売る方法が知りたい
このように思っている人は多いでしょう。
たしかに、ブームは多少落ち着いたように見えます。しかし、決してオワコンなどでなく、まだまだ大きな可能性を秘めているのは間違いありません。
本記事ではNFTがオワコンでない理由を解説します。また、NFTの販売を始める方法やコツも解説しているのでぜひ参考にしてください。
NFTがオワコンではない理由5つ
NFTがオワコンでない根拠はいくつもあります。主な理由として以下の5つが挙げられます。
- 市場規模の爆発的成長
- 企業や著名人の参入
- メタバースにおけるNFTの活用の広がり
- 使用用途の拡大
- 代替不可能な性質
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
1.市場規模が成長しており展望も明るい
NFTがオワコンでない理由として、何よりも市場規模の成長が挙げられます。
上記のグラフは、米国のマーケティング企業GRAND VIEW RESEARCHによるNFTの市場規模レポート。2022年までが実数、そこから先が予測です。
2020年は20億ドル程度だったものが、2021年には4100億ドル程度まで成長しました。その後も右肩上がりの市場拡大が予測されています。
上記のような実績と予測が数多くある一方で、NFTの市場規模が縮小するというデータは確認できませんでした。このことからNFTはオワコンではないといえるでしょう。
むしろ、今後もNFT市場は盛り上がっていくでしょう。この成長に乗っかる形で、NFTアート制作や販売で利益を得るユーザーも大勢います。
2.企業や著名人が積極的に参入している
企業や著名人がNFTに積極的に参入しているのも、オワコンでない理由のひとつです。彼らが市場に入ることにはふたつの意味があります。
- 彼らのネームバリューでNFT市場が盛り上がり、拡大する
- 判断力の高い企業や著名人が参入したことで、NFTの将来性が裏付けられる
もし本当にオワコンなら、企業も著名人も参入しないでしょう。
一例として人気プロ野球球団阪神タイガースの参入事例を紹介します。
所属選手の活躍シーンをNFTカードにして、販売枚数を制限して発行しています。トレーディングカードのようにコレクション・売買が可能です。
Web3.0とあまり関わりがなかったプロ野球チームさえ参入している事実は、NFTの将来性を裏付けているとも言えるでしょう。
3.メタバースに根付いている
NFTがメタバースに根付いているのもポイントです。
- メタバースとは?
-
インターネット上に存在する仮想空間のこと。メタバース内では、ユーザー間同士で交流やNFTを売り買いすることが可能。
近年ではMeta社(旧Facebook)をはじめとした世界的企業もメタバース開発に力を入れています。今後のWeb3.0時代でも欠かせない存在となりました。
メタバース内では、アバターやアイテム、土地などが、NFTデータとしてやり取りされています。何らかのゲームをプレイした際の報酬が、NFTの形で支払われることも少なくありません。
つまり今後も発展が見込まれるメタバースもNFTがあってこそです。よってNFTがオワコンになるとは考えづらいでしょう。
4.使用用途が広がっている
使用用途が広がっているのも、オワコンでない理由のひとつです。現在では以下の用途で利用されています。
- NFTゲーム内のアイテムやアバター
- メタバース内でのアイテムやアバター、土地やイベント参加権
- NFTアートコレクション
- コレクターズアイテム(先述の阪神タイガースのNFTカードが一例)
- 会員権(米経済紙Forbesの有料会員権がNFT化され、仮想通貨で購入できるようになっている)
- ローン担保(NFTを担保として借入ができる)
- 卒業証明書 etc.
現代ではこのようにあらゆる場面でNFTが活用されています。アイテムやアバターだけではなく、ローンの担保にも使われ始め、社会的に信頼され始めている部分もうかがえます。
使用用途が広がっている点からも、NFTはオワコンでないと言えるでしょう。
5.代替不可能な性質を持つ
代替不可能な性質を持つのも、オワコンにならない理由です。
NFTは、正式には非代替性トークンといいます。わかりやすくいえば、Web3.0時代の新しい技術を使って、「同じものはふたつとない」と証明できるデータのことですね。
よって、模造品は作れず、「本物」としての価値を保ち続けられます。偽物のせいで希少性が落ちることはないし、また自身がNFTアートを作っても、模倣されることはありません。
ただし、NFTは誰でも作成できるので、スクショしたNFTアートの偽物を出品する人も存在します。
正式な出品者のDiscord内コミュニティやX(Twitter)から商品購入ページにジャンプすれば、偽物のNFTに引っかかることはありません。
本物かどうかきちんと見極めてから購入するようにしましょう。
NFT販売を始める5ステップ
「オワコンでないなら、NFT販売にチャレンジしたい」と思っている人も多いでしょう。そのステップは以下5つです。
- NFTアートを制作する
- Metamask(メタマスク)のプラグインを導入する
- ウォレットを作成する
- 送金する
- OpenSeaに公開する
NFTアートを制作する
まずはNFTアートを制作しましょう。そのためには最低限、イラストデザインのスキルが必要です。具体的な制作方法は以下の通り。
- Photoshopなどイラスト制作ソフトを用いる
- ドット絵ならEDGEなどを使ってドット打ちする
- 手書きしたものを取り込んでデータ化する
NFTアートの市場ではドット絵のものが一定の需要を集めています。一般的なイラスト制作が苦手な人でも、ドット絵なら制作できるかもしれません。
どうしても制作できる見込みがないならクラウドワークスやココナラで、イラストレーターに外注する手段もあります。
自分に合った方法で、NFTアートを制作しましょう。
MetaMaskのプラグインを入れる
NFTアートを売買するためには、主にETH(イーサ)と呼ばれる仮想通貨を利用する必要があります。ETHを取り扱うには、MetaMaskという仮想通貨ウォレットを導入しなければいけません。
Google Chromeの拡張機能として利用できるので、プラグインをダウンロードすれば簡単に導入できます。
まずはChromeウェブストアで、プラグインを追加しましょう。
仮想通貨ウォレットを作成する
続いて仮想通貨ウォレットを作成しましょう。
- 仮想通貨ウォレットとは?
-
ウォレットとは、購入した仮想通貨やNFTを保存するための財布のようなもの。
手順は以下のとおりです。
- MetaMask起動後、「新規ウォレット作成」を選択する
- パスワードを設定する
- シードフレーズ(ETHの引き出しなどで必要になる合言葉)を発行する
- ログインする
ウォレット設定ついて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
送金する
続いて、ETHを購入するための仮想通貨を送金しましょう。
送金手順は以下のとおりです。
- MetaMaskに表示される入金用アドレスをコピーする
- 仮想通貨取引所側で、入金用アドレスをペーストする
- 送金額を指定して送金する
以上でMetaMaskのウォレットに仮想通貨が入金されました。
NFTの出品、販売時にガス代としてETHは必要ありませんが、出品キャンセルなどの手続きをする際に必要となります。
あらかじめETHを用意しておいた方がスムーズにNFT販売ができるでしょう。
OpenSeaに公開する
最後に、NFTアートをOpenSeaで公開しましょう。手順は以下のとおりです。
- Openseaトップページ右上の「ウォレットを接続」をタップする
- MetaMaskを連携する
- プロフィールを設定する
- 画面右上の人型アイコンをタップして、「マイコレクション」から出品設定する
そうすると以下のように自身の販売ページが設定されます。
出典:OpenSea
基本的に画面の指示に従えば問題ありません。わからない場合は、「OpenSea-ヘルプセンタ-販売」を参照するのがおすすめです。
OpenSeaで売れるものに関して詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
NFTアートを売るためにできること5つ
「NFTがオワコンか」を気にする理由はいろいろですが、「自分がNFTアートを売っているからオワコンかどうか心配している」人も多いでしょう。
先ほど触れたとおり多少の波はありますが、NFTそのものが衰退して消滅することは考えにくいもの。
売るための努力や工夫をすれば、NFT販売で利益が得られるでしょう
具体的には以下の方法が考えられます。
- 適正価格に設定する
- トレンドを意識する
- コレクション要素を持たせる
- ターゲットを決める
NFTアート販売もビジネスのひとつであり、価格設定やトレンドとの兼ね合いを考えるのは重要です。またNFTの特徴を踏まえるなら、SNSなどの活用も考える必要があるでしょう。
それぞれに詳しく解説するので、参考にしてください。
1.適正価格に設定する
まず、適正価格に設定することbが重要です。あらゆるビジネスと同じく、相場より高いものは売れにくいからです。
価格設定する前にかならず相場をチェックしましょう。自身が制作したものに似たジャンルのNFTが、どの程度で販売されているか調べます。
OpenSeaをはじめとしたNFTマーケットプレイスの出品情報を見てみましょう。
OpenSea以外にも数多くのNFTマーケットプレイスがあります。上記のLINE NFTはその一例です。
実勢価格を把握したうえで適正価格を設定しましょう。
2.トレンドを意識する
トレンドを意識するのも大切です。
どのようなNFTアートが売れるのか、時代によって左右される部分があります。2020年〜2021年は、芸術的かつ政治的なメッセージを持つアートが高く評価される傾向にありました。
たとえば米国機密情報を流出させた元CIA職員E・スノーデンをモチーフにした作品があります。
この作品はおよそ540万ドル(当時約6億円)で落札されました。一方で2023年はCryptoNinja PartnersやHamCupなど、ドット絵基調のアートが人気を集めています。
「今はこれ」とはっきり決まるわけではないですが、やはりトレンドの傾向はあるものです。それを掴んだうえで、NFTアートを制作しましょう。
吹き出し:トレンドを掴みたいなら、NFTランキングkonipu.ethなどをフォローするとよいでしょう。
3.コレクション要素を持たせる
コレクション要素を持たせると、売れやすくなるでしょう。以下の理由があるからです。
- できるだけコンプリートしたいという心理がはたらく
- いろいろなニーズに応えられる
- 差分を作るだけでNFTアートを量産できる
このように顧客心理を刺激することで、売上が増えるかも。
差分を作りやすいのも見逃せません。
上記の画像はグラフィカルTシャツブランドのグラニフが販売する、NFTアートシリーズコントロールベアです。コレクション要素がありつつ、色の微調整でバリエーションを増やしています。
NFTアートを売りたいなら、コレクション要素を採り入れてみましょう。
4.ターゲットを決める
NFTアートを制作する際、ある程度ターゲットを決めるようにしましょう。自分が好きなものを描くだけでなく、ターゲットが必要とするものを制作すれば売れやすくなるはずです。
以下の画像はNFTアーティスト聖杯ぴっぴPIPPI氏によるNFTアートです。1990年代に流行したビックリマンシールをイメージしています。
このようなNFTアートであれば、当時ビックリマンシールを集めていた男性層から購入されやすいでしょう。
あるいはキラキラ光るシールや、デフォルメ調のイラストが好きなユーザーから注目されるかもしれません。
このように、「今から描くイラストは、誰が買ってくれるのか」を意識し、ターゲティングしましょう。そうすれば、ただ自分が好きなものだけを描いた場合と比較して売れやすくなるはずです。
【補足】そのほかのテクニック
NFTアートを売るためにできることは、他にもたくさんあります。
- SNSを使って発信し、NFTアートの品質や信頼性をアッピールする
- NFTアートを理解してもらえるよう、わかりやすく発信する
- Discord上のNFTフォーラムに参加して情報収集する
- バーチャルイベントに出展する
- インフルエンサーと連携して宣伝する etc.
SNSやフォーラム参加などは、情報発信、収集の両面で役立つでしょう。単純に宣伝効果もあります。
また必要に応じてバーチャルイベント出展、インフルエンサーと連携などを実施するのもよいでしょう。
NFTに関するQ&A
本記事ではNFTの今後に関して解説しました。NFT市場は今も成長段階にあります。ただちに「オワコン」になることはまずないでしょう。
ここではNFTや関連した技術に関する疑問に回答します。
- メタバースやOpenSeaはオワコン?
- NFTゲームはオワコンになる?
- オワコン・流行らないと誤解される理由は?
メタバースやOpenSeaなども、「オワコンのでは」と心配されることがあります。このあたりの動向も知っておくと、何かの役に立つかもしれません。
- メタバースやOpenSeaはオワコン?
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結論からいえば両方ともオワコンではありません。
IT・経営情報メディアのビジネス+ITでは、メタバース市場の今後に関して、以下のように右肩あがりの成長が予測されています。オワコンになるかならないかではなく、「これからどのように広がっていくか」が争点になっています。
OpenSeaがオワコンになることも考えづらいです。NFTやメタバースの市場は、NFT譲渡や売買を実施できる、Openseaをはじめとしたマーケットプレイスがあってこそ成り立つものだからです。
よって、今後さらに利用者が増えることはあれど、ただちにオワコンになるとは考えづらいでしょう。
- NFTゲームはオワコンになる?
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直ちにオワコンになることはないでしょう。多くの既存のNFTゲームがプレイヤーを増やしています。さらにDMMや、ソニーなどがNFTゲーム参入を計画しています。
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーで知られるSQUARE ENIXは、すでに資産性ミリオンアーサーというNFTゲームで成功を収めました。
さらには新タイトルSYMBIOGENESIS(シンビオジェンシス)の公開も控えています(2023年9月15日現在)。
多くのゲームメーカーが参入している現状を見れば、しばらくNFTゲームの衰退を心配する必要はないでしょう。
- オワコン・流行らないと誤解される理由は?
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それでもオワコンだと誤解される理由は大きく分けて2つあります。
- NFTそのものの理解がむずかしい
- ブームはやや落ち着いている
まず、理解がむずかしい点が挙げられるでしょう。どういうものからわからないから、流行り廃りも判断しづらい部分があります。
また、市場成長がやや落ち着いていることも要因として考えられるでしょう。下記のグラフは、2018年から2023年にかけてNFTというキーワードで検索された回数を指数化したグラフです。
2023年時点では、指数が落ち着いており、ピークを過ぎたのは明らかです。とはいえ一定の検索がなされているのは事実であり、誰も見向きしなくなったわけではありません。
まとめ
本記事では、NFTの今後に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- NFTはオワコンではなく米マーケティング企業GRAND VIEW RESEARCHはじめ多くの企業が市場拡大を予想している
- 企業や著名人の参入や、使用用途の広がりもポジティブ材料
- 代替不可能な性質が、Web3.0時代に欠かせないのも理由のひとつ
- NFTアートは、MetaMaskとOpenSeaを利用すれば誰でも販売できる
- 売り上げを得るには、適正な価格設定やトレンドのキャッチアップなどがポイント
オワコンだと言われがちなNFTですが、データや大企業などの動向を見る限り、本当に終わってしまう様子は見られません。
むしろ今後の大幅な成長を予測する調査が大半であり、さらに盛り上がっていくと見て間違いないでしょう。
拡大する市場に合わせて、自身がNFTアートを制作して利益を得る道もあるはずです。本記事を参考にして、ぜひNFT販売にチャレンジしてみましょう。