- メタバース推進協議会とは何か?
- 一般ユーザーにも関係あるのか?
- 自分は参加できるのか?
- 株価と何かの関係はあるのか?
上記の疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
メタバースがブームになって以来、それを取り扱う組織や団体がいくつか誕生しました。
メタバース推進協議会もそのひとつですが、他の組織と比べて影響力が大きく、今後のメタバース利用にも関係してきそうです。
そこで本記事ではメタバース推進協議会の基本情報や参加メンバー、加盟している企業に関して解説します。
メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。
ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。
メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。
Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。
メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバース推進協議会とは?
まずメタバース推進協議会とは何か理解しましょう。
- 議会の概要と活動内容
- 設立の経緯
- 参加しているメンバー
- 議会に参加している企業一覧
これでメタバース推進協議会がどのような組織か、基本的な部分はわかるはずです。
メタバース推進協議会とは?
メタバース推進協議会は、2022年4月18日に発足した一般社団法人です。
同議会は、以下の「ミッション」と「設立趣旨」を掲げています。
具体的な活動内容としてはこのようなものが挙げられます。
- 月1回の意見交換や政策提言を行う
- 分科会を開催し、会員間でのコミュニケーションや意見交換の機械を創出する
- 講演会などのイベントを開催して、メタバースの利用促進や生活文化の形成を目指す
このようにメタバースの今後に関して政策を提言するなど、重要な役割を果たす組織です。
代表理事には東京大学名誉教授、養老孟司氏が就任しています。
養老孟司は、東京大学医学部を卒業し、医学者、解剖学者として活動する人物です。
2003年に「バカの壁」という著書を発表したことで一般にも知られるようになりました。
メタバースに関する造詣が深いことでも有名で、上記のように対談イベントに登壇したこともあります。
メタバース推進協議会に参加しているメンバー
養老孟司氏を筆頭に、メタバース推進協議会には以下のメンバーが揃っています。
氏名 | 情報 | 役職 |
---|---|---|
溝端 宏 | 大阪観光局理事長 | 常任理事 |
木内 孝胤 | TKコーポレーション代表 | 常任理事 |
隈 研吾 | 隈研吾建築都市設計事務所 | 特別顧問 |
川森 雅仁 | 慶應義塾大学 特任教授 | 特別顧問 |
長田 忠千代 | バンカーズ・ホールディングス代表 | 幹事 |
観光庁長官を務めた経歴のある溝端宏氏や、国立競技場のデザインで知られる建築家の隈研吾氏など、各方面で重要な役割を果たす人物が集まりました。
この人選の裏側には、メタバースを観光や建築分野に活かす狙いがあるのかも知れません。
議会に参加している企業一覧(ANA・三菱商事など)
議会には、確認できる限り以下の企業が参加しています。
参加企業一覧 | |
ANAホールディングス | 三菱商事株式会社 |
株式会社マルハン | 株式会社レガーロ |
Automagi株式会社 | 株式会社日本総合研究所 |
GFA株式会社 | 株式会社セブンネットショッピング |
株式会社スタートトゥデイ | 株式会社スターマウンテン |
信越メタバース推進協議会 | 公益財団法人大阪観光局 |
株式会社ベイカレント・コンサルティング | BSPファミリーオフィス株式会社 |
八八株式会社 | 株式会社シンリョウ |
株式会社アースインフィニティ | ShinwaWiseHoldings株式会社 |
Brave Softfare Asia株式会社 | 学校法人藤田学園 藤田医科大学 |
ファイターズスポーツ&エンターテイメント |
ANAや三菱商事、前澤友作氏が代表を務めるスタートトゥデイ(現:ZOZO)など、影響力のある企業が多数参加しています。
一方でメタバースとはあまり縁がない企業の名前があり、その点を疑問視するユーザーもいました。
メタバース推進協議会の動きは一般ユーザーや企業とどんな関係がある?
「メタバース推進協議会と自分たちに何の関係があるのだろう」と考える人は多いでしょう。
まだ発足まもない団体なので、予測による部分もありますが、以下の点は一般ユーザーや企業にも関係しそうです。
- メタバースをより使いやすくしてくれるかもしれない
- 個人がメタバース推進協議会に入会することもできる
- 投資家にとっては投資判断に関係する
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
メタバースをより使いやすくしてくれるかもしれない
メタバース推進協議会は、メタバースをより使いやすくしてくれるかもしれません。
議会では活動内容として、メタバースに関連した政策の提言や勉強会・講演会の実施を掲げています。
政策提言を通して、メタバースにより多くのユーザーを集めたり、安全な利用を実現したりできるかもしれません。
勉強会や講演会も、一般向けに開催されるなら、ユーザーにも参加する意味合いはあるでしょう。
個人がメタバース推進協議会に入会することもできる
一般の個人がメタバース推進協議会に入ることも可能です。
公式サイトのフォームから簡単に申請できます。
参加が許可されれば協議会が主催する意見交換会などにも参加することができ、そこからメタバースに関係する情報やアイデアを得られるはずです。
メタバースに興味があるユーザーは、入会を検討するのもよいでしょう。
ただし会費は最大年間50万円
ただし協議会に参加するには最大年間50万円の会費が必要です。
50万円を支払う場合は正規一般会員となり、分科会やイベントに優先して参加可能です。
賛助会員という会員種別もあり、こちらは年間費30万円となっています。
いずれにせよ安い金額ではありません。趣味というよりは、仕事にもメタバースを活用したい方向けだと言えるでしょう。
協議会への参加で株価上昇も!投資家は要チェック
企業がメタバース推進協議会に参加したとき、株価がやや上がる傾向にあります。
電力会社アースインフィニティが入会を発表したときは、買いが先行する動きになりました。
メタバース関連株を持っているなら、入会の動きがないか確認しておいたほうがよいでしょう。
買い増ししたり、手放して利確したりなど、有利に立ち回れるかもしれません。
メタバース推進協議会には懸念の声も上がっている
一方でメタバース推進協議会には懸念の声も上がっています。特に以下の点は気になるところです。
- ひろゆきが懐疑的な意見を述べている
- 養老孟司らの人選を疑問視する人も多い
- 参加企業に対しても疑問の声が上がっている
ひろゆきのようなインフルエンサーから一般ユーザーまで、懐疑的な意見を持っている人が散見されます。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
ひろゆきはメタバース推進協議会に懐疑的な意見
ひろゆきは、メタバース推進協議会、特に養老孟司氏に対してかなり懐疑的な意見を述べています。
ひろゆき氏は協議会の活動に意義を感じていない様子で、年間50万円の会費を徴収していることを問題視しました。
「変なお金の集め方をする」と、かなり辛辣な表現で批判しています。
養老孟司らの人選を疑問視する人も
養老孟司らを中心人物に据えたことに疑問を呈する人もいます。
養老孟司氏は2023年に85歳を迎える人物で、メタバースと時代が合っていないと感じている人も多い様子です。
一方で同氏の著書「ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか?〜脳化社会の生き方〜」の一部を引用し、彼が代表理事に選ばれたことに納得する人もいました。
メタバース推進協議会に参加している企業にも疑問の声が
メタバース推進協議会には多くの企業が参加していますが、「メタバースに関係ない会社名ばかりが並んでいる」と指摘されることもしばしば。
メタバース推進協議会はメタバースを現実世界とどう結びつけるかを考える組織です。
たしかにメタバースとまったく関係のない企業が、メタバースの普及に貢献する可能性は低いでしょう。
しかし、協議会に参加しているすべての企業が、会議などに参加するわけではありません。
もしその企業が情報収集などのみを目的に同協議会に参加しているのであれば、特に不自然ではないでしょう。
メタバース推進協議会に関するよくある質問
本記事ではメタバース推進協議会に関して解説しました。
- 総務省メタバース研究会は関係あるの?
- メタバースジャパンやメタバース研究会はどんな組織?
- メタバース推進協議会に三菱商事や電通は参加している?
- 参加企業は22社で合っている?
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
- メタバースジャパンやメタバース研究会はどんな組織?
-
メタバースジャパンは元レッドブルCMOの長田新子を代表理事として立ち上げられた団体で、その目的は「Web3.0の時代において日本の力を世界へ伝えること」。
同団体には電通やKDDIなど大企業が加盟しています。
一方でメタバース研究会は、一般社団法人エンティープが開催するイベントのことで、団体としての実態があるわけではありません。
- 総務省メタバース研究会は関係あるの?
-
総務省メタバース研究会は、メタバース推進協議会とは関係のない組織です。
正式名称は「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」といいます。
総務省主催の元、月に一回のペースで有識者による会議がおこなわれています。
詳しくは総務省公式サイトをご参照ください。
議会の乱立が問題になっている似たような議会や団体が多すぎると感じる方もいるでしょう。実際に議会の乱立は問題視されています。
メタバースに関係していて、かつ議会や研究会と名乗っている組織は、確認できる限りでも10を超えます。
意義のある活動をしている団体に注目が集まらない、優秀な人材が分散してしまうなどの弊害が生じるかもしれません。
- メタバース推進協議会に三菱商事や電通は入会している?
-
三菱商事がメタバース推進協議会に参加しているのは、下記ツイートで確認できます。
一方で電通の入会は確認できず、別団体メタバースジャパンの会員一覧に社名の記載が確認されました。
メタバース参入日本企業7選!事業例や市場の展望まで網羅 | meta land 日本企業が実際にこのメタバースにどのように参入しているか、またどのようなサービスやプロダクトを提供しているのかを中心にご紹介します。 - 参加企業数は22社であっている?
-
2023年4月時点で参加企業数は22社よりも増えていると見られます。
2022年4月の発足時には22社の参加でしたが、その後も名簿にはなかった企業が「メタバース推進協議会に入会した」とアナウンスすることがあり、当初よりも参加企業数が増えていると考えられます。
アースインフィニティなどがこれに当たり、現在では22社をはるかに超える企業が参加していると考えられるでしょう。
まとめ
本記事ではメタバース推進協議会に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- メタバース推進協議会は、養老孟司氏が率いる団体
- メタバースと現実社会の結びつきを研究したり、政策提言したりするのが目的
- 協議会の活動次第では、メタバースはさらに使いやすくなるかもしれない
- 個人がメタバース推進協議会の会員になることも可能
- 協議会への入会を表明した会社の株価は買い気配になるため、投資家は注意
- ただしメタバース推進協議会の意義について、一般ユーザーからは疑問の声も上がっている
- ひろゆき氏もTwitterでかなり厳しい意見を述べている
- 高齢である養老孟司氏が代表理事であることに疑問を呈する人も
- 一方で同氏の著書を読み、彼が中心人物になったことに納得する人もいる
メタバース推進協議会には、養老孟司氏を中心に各界の権威とも呼べる人物が集結しています。
彼らの活動次第ではメタバースのあり方は大きく変わってくるでしょう。
一般ユーザーにどこまで関係するかは不透明ですが、提言する政策次第では、メタバースの利便性が向上するなどのメリットがありそうです。