2024年10月21日、ビットコイン(BTC)の価格が69,000ドルを突破。多くの投資家や市場関係者たちはこれを新たな暗号資産バブルの幕開けと捉え、さらなる価格上昇への期待に胸を膨らませています。
この急騰を背景に、暗号資産市場全体に新たな動きが見られています。特筆すべきは、法定通貨裏付けのステーブルコインの時価総額が過去最高を更新し続け、1,600億ドル(約24兆円)に達したことです。
一方で、BTCとアルトコインの価格動向に顕著な乖離が生じています。この状況は、大規模な価格上昇の可能性とバブル形成のリスクを同時に示唆しており、投資家の慎重な姿勢と市場の成熟化を反映している可能性があります。
Bitget ResearchのRyan Lee氏の分析から、暗号資産市場の新たな局面が浮き彫りになりました。
ステーブルコイン時価総額の急増:市場活況の予兆と潜在的リスク
Bitget Research チーフアナリストRyan Lee氏によると、USDTやUSDC、PUSDTなどの法定通貨裏付けのステーブルコインの時価総額は今年8月にすでに過去最高を記録し、その後2ヶ月間も上昇を続け、1,600億ドル(為替レート1ドル=149.75円で約24兆円)に達しています。
ステーブルコインの時価総額が過去最高を記録し続けているということは、市場に大量の「待機資金」が存在していることを示唆しています。これは、投資家たちが適切なタイミングを待っている可能性が高く、市場が好転すれば急速な価格上昇につながる可能性があるでしょう。
しかし、大量のステーブルコインが市場に流入すれば、急激な価格上昇を引き起こす可能性がありますが、同時にバブル形成のリスクも高まります。過去の暗号資産市場の急騰後には大きな下落が続いたことを考えると、慎重な姿勢も必要でしょう。
BTCとアルトコインの乖離:市場成熟の兆しを示すか
今回のサイクルでは、BTCと他のアルトコインの間に明確な流動性の分断が見られます。BTCの価格が過去最高を更新する一方で、アルトコインの価格は好ましくない状況が続いています。ETH/BTCの交換レートは一時0.04を下回るまで低下しました。
これは投資家がリスク回避的になっており、より確立された暗号資産であるBTCに資金を集中させている可能性があります。
この状況は、暗号資産市場が成熟しつつあることを示唆する可能性も考えられます。以前のブル市場では、BTCの上昇に続いてアルトコインも上昇する傾向がありましたが、今回はそうなっていません。これは投資家がより暗号資産投資に慎重になっていることを示している可能性があります。
※為替レートは2024年10月21日時点での1ドル=149.75円で計算
引用ソース:Bitget Research