採用・就活はメタバースを活用!就職イベントをメタバースにするメリット

近年、注目を集めている「メタバース」が、就活にも新しい風を吹き込んでいます。

メタバース就活は、仮想空間でアバターを通して企業や他の学生と交流でき、時間や場所の制約もありません。オンラインであると同時に、よりリアルなコミュニケーションが可能です。

しかし、

  • メタバースで就活するメリットは?
  • どんなプラットフォームがあるの?
  • スマートフォンからでも参加できる?

など、メタバース就活に不安や疑問を感じている人も少なくないはず。

結論からいうと、メタバースを利用する企業は多く、チャンネルの一つとして利用しない手はありません

この記事では、メタバースで就活するメリットや事例に加え、代表的なプラットフォームについて紹介します。優秀な人材の獲得に悩む企業様のみならず、自分らしく就活したい学生のみなさんも、ぜひ参考にしてください。

そもそもメタバースとは?

メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。

ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。

メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。

Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。

メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。

目次

メタバース就活とは?特徴と代表的なプラットフォームを紹介

メタバース就活とは?

メタバース就活について、以下の4点にまとめました。

  • メタバースでの採用活動
  • 学生も企業担当者もアバターで参加
  • 新型コロナウイルス感染症の流行によりリモート面接が急増
  • メタバース就活ができる代表的なプラットフォーム

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メタバースでの採用活動

メタバース就活では、学生がアバターを作成して、ゲーム感覚で企業と接点を持てます。単独説明会や合同説明会、インターンシップなどが仮想空間で開催され、学生は興味のある企業ブースを自由に訪問したり、他の学生と交流したりできます。

一般的な説明会では、企業からの一方的なセミナーが多いのですが、メタバースでは、参加した学生と積極的にコミュニケーションが取れます。双方が匿名アバターを利用することで、心理的なハードルを大きく下げる効果があるためです。

初期のころは、VR機器を利用したメタバース空間が主流でしたが、最近はスマートフォンからアクセスできるメタバースプラットフォームが増えています。

VR機器を持たない学生でもスマートフォンさえあれば自由に参加できるため、日本中の学生に参加してもらえるのです。

学生も企業担当者もアバターで参加

メタバース就活では、学生も企業担当者もアバターで参加できるため、顔出しや本名の公開が必須ではありません。内気な学生にとっては大きなメリットであり、より自然体で自己表現できます。

人事担当者にとっては、デジタルに強い人材へ効率的にアプローチできるといったメリットもあります。また、アバターで参加するメリットは、転職活動の際にも発揮されるのです。

転職活動しているのをオープンにしたくない場合、アバターだと本名や顔を伏せて参加できるため、身バレを気にせず、気軽に採用説明会に足を運んでもらえるでしょう。

とくにエンジニアなどの技術系人材のなかには、オフラインのコミュニケーションが苦手な人も少なくありません。しかし、エンジニアやクリエイターのニーズは、今後確実に増えていくはずです。

そのような人材にアプローチするのにアバター面接は適しているでしょう。

新型コロナウイルス感染症の流行によりリモート面接が急増

新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、リモート面接が急速に普及しました。Zoomを活用した面接やセミナーは、当たり前になりつつあります。

しかし、オンライン面接では、一方通行のコミュニケーションになりがちです。その点、メタバースだと双方向でのコミュニケーションが取りやすいといったメリットがあります。

複数人が同時に話しても聞き取りやすい、ホワイトボードなどを使用してイメージを共有しやすい、リアクションで意思疎通しやすいなど、より深いコミュニケーションが可能です。

Zoomよりもリラックスした雰囲気のなかでやり取りできるのもメリットといえます。

メタバース就活ができる代表的なプラットフォーム

メタバース就活できる代表的なプラットフォームは、以下の3つです。

就活メタバースでは、キャリアコンサルタントによる学生の相談も受け付けています。就職エージェントでもあるキャリアパークが主催しているので、採用率アップが期待できそうです。

就活メタバース
出展:就活メタバース

V-expoでは、就活セミナー以外に交流会や展示会などが開催されています。ほかにもメタバース座談会など、メタバースを利用して学生と企業が積極的に交流できる場も提供しています。

V-expo
出展:V-expo
就活ひろば
出展:就活ひろば

就活ひろばがメタバース就活を提供する目的は、学生同士の地域格差の解消です。

キャリアイベントをゲーム感覚で体験してもらい、地方の学生も気軽に参加してもらえるよう働きかけています。

理系学生専門のメタバース説明会も

MONOWEB
出展:MONOWEB

メタバース説明会の中には、デジタルに強い理系学生に限定したものもあります。理系学生は、研究室や大学とのつながりで就職が決まることが多く、そのつながりがない企業は人材獲得が困難でした。

そのため、メタバースというカジュアルな場が、理系人材を求めている企業と理系学生をつなぐプラットフォームとして有効です。

日本で唯一の理系学生とメーカー・IT企業に特化した就活・キャリア支援サイトMONOWEB(モノウェブ)では、理系学生に特化したメタバース就活イベント「The MONOサミット」を開催しています。

MONOWEB
出展:MONOWEB

リアルでのコミュニケーションが苦手であっても、少ない心理的負担で参加してもらえます。

メタバースを活用した採用活動のメリット3つ

メタバースを活用した採用活動のメリット3つ

メタバースを利用した採用活動のメリットは以下の通りです。

  1. 地方の学生にもアプローチできる
  2. コミュニケーションのハードルが下がり本音が聞きやすい
  3. 開催コストが削減できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.地方の学生にもアプローチできる

メタバース就活は、地方の学生にとっても大きなメリットがあります。従来の就活では、交通費や宿泊費などの負担が大きいため、地方の学生は限られた企業しか選べませんでした。

しかし、メタバース就活であれば、時間や場所に関係なく全国の企業と接点が持てます。

JCASTニュース
画像引用:JCASTニュース

実際に千葉県市原市は、仮想空間プラットフォーム「DOOR」を活用したメタバース空間で、市職員採用説明会を実施しました。

その理由は、対面だと時間に縛られるうえ、遠方からの参加が難しい課題に応えるためとのこと。

オンラインだと職員から参加者への説明が一方的になる傾向となり、双方で十分なコミュニケーションが取りづらいといった問題も、メタバースなら解決できそうです。

参照:JCASTニュース

2.コミュニケーションのハードルが下がり本音が聞きやすい

アバターを使うことで、リアルなコミュニケーションよりも発言したり交流したりしやすくなります。匿名でのアクセスが、心理的なハードルを下げるためです。

RPGゲーム感覚で自由に歩き回ったり表現したりするのも可能ですから、自分の個性を活かした自己PRもしやすいでしょう。

企業担当者は、双方向コミュニケーションにより、学生の個性や能力を深く理解できます。

また、テキストベースのコミュニケーションよりも、より自然な会話ができるため、学生の本音が聞きやすいのもメリットでしょう。

3.開催コストが削減できる

メタバース就活は、従来の就活イベントと比べて開催コストを大幅に削減できます。メタバースプラットフォームへの費用は必要ですが、人件費や交通費へのコストカットが可能です。

会場予約や会場の設営、後片付けといった物理的な負担もなくなります。

そのため、少人数でも効率的にイベントを開催できるでしょう。また、録画機能などを活用することで、イベント内容を後日再利用できます。

ただし大人数を集める説明会を開催する場合は、メタバース空間構築の費用が必要です。

無料で利用できるプラットフォームもありますが、ある程度の規模であれば数百万円はかかると予想しておきましょう。

規模やオリジナル性によってかかる費用は大きく違うので、事前の確認が必要です。

メタバースを活用した採用活動の具体例4選

メタバースを活用した採用活動の具体例4選

メタバースを活用した採用活動の具体例を4つ紹介します。

  1. 仕事体験|バーチャルインターンシップ
  2. 会社見学|バーチャルオフィスツアー
  3. 面接|VR面接
  4. 会社説明会|メタバースEXPO

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.仕事体験|バーチャルインターンシップ

メタバースを利用すると、実践的な疑似体験で、リアルな仕事内容を体感できます。まるでその場にいるような感覚を持てるのもメタバースならではだと言えるでしょう。

企業側も仕事内容を具体的に理解してもらいやすいといったメリットがあります。また、学生のスキルや適性を客観的に判断する貴重な機会でもあるのです。

マイナビでは「メタバース」に関する就活準備・インターンシップ・ワンデー仕事体験情報の特集があり、約30社がメタバースを利用したインターンを募集しています。具体的な事例は以下のとおりです。

  • (株)エスユーエス:VRコンテンツ制作を体験
  • 小田原市役所:VR説明会
  • (株)ビーライズ:XR業界で広報のお仕事を体験
  • 大英産業(株):メタバース座談会

大英産業は、自社のメタバース空間を持っており、本社である福岡から遠く離れた地域の学生でも参加できます。

2.会社見学|バーチャルオフィスツアー

会社見学にもメタバースは有効です。Web上でオフィスの様子を180度楽しめるバーチャルオフィスツアーを取り入れている会社も増えてきました。

バチャナビでは、さまざまな企業のオフィスツアーに参加でき、オフィスの雰囲気から就職したい企業を選ぶのも可能です。

採用ページにバーチャルオフィスツアーを組み込んでいる企業もあります。きれいなオフィスであれば内装のきれいさやおしゃれさをアピールして、訪問してくれた学生の高い好感を得ましょう。

ほかにも実際のオフィスではなく、メタバースオフィスを採用に活かすパターンもあります。

大洋測量設計株式会社
出典:大洋測量設計株式会社

大洋測量設計株式会社では、職場見学にメタバースを利用しています。ホームページの採用ページからアクセスでき、メタバース内の掲示物を読み進むことで仕事内容を理解できる仕組みです。

NTTコノキューが運営するDOORでも、バーチャルオフィスツアールームを作成できます。

DOORについては、こちらの記事をご覧ください。

3.面接|VR面接

beyond
出典:beyond

VR面接とは、VRヘッドセットを装着して、学生と面接官がバーチャル空間で面接することです。臨場感あふれるVR空間は緊張を和らげ、学生の本来の能力を引き出す効果が期待できるでしょう。

株式会社ビヨンドでは、2024年度の新卒採用面接にメタバースを活用しています。これは就活生と面接官の両方がVRゴーグルを装着して面接に臨むといったもの。

オンラインゲームなどを手掛けるビヨンドは、IT業界への高い関心を持ったエンジニア志望の就活生に出会うための取り組みだとしています。

beyond
出典:beyond|バーチャル面接の様子

このように企業側は、VR面接によって、新しい技術に敏感な学生や、地方の優秀な学生にもアプローチできます。

学歴や性別などフィルターなしの選考となるため、純粋に学生の能力に着目した採用が可能です。

4.会社説明会|メタバースEXPO

複数の企業がバーチャル空間に出展する、大規模な合同説明会が数年前から開催されています。VRゴーグルは不要で、スマートフォンアプリをインストールするだけです。

学生は、アバターを操作して、ゲームのようなUXでブースをまわります。情報収集したり、説明会へ参加したりと自由に動き回れる点は、リアルな合同説明会と同じです。

出展企業の採用担当者と就活生が音声やチャットを通して会話もできます。2023年6月に行われた「メタバース採用EXPO」では、約700社の企業が出展し、大きな反響を得ました。

メタバース就活に関するよくある質問

メタバース就活に関するよくある質問

メタバース就活に関するよくある質問について集めました。

  • メタバース就活とは?
  • メタバース就活に参入している企業は?
  • メタバースで採用するメリットは?
  • メタバース就活のデメリットは?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メタバース就活とは?

メタバース就活とは、仮想空間であるメタバース上で、学生と企業が交流する新しい就活の形です。学生・面接官ともにアバターを作成し、企業説明会や面接、インターンシップなどをバーチャル空間で体験します。

従来の就活と比べて、時間や場所の制約がなく、Zoomよりもリアルなコミュニケーションが実現できるのがメリットです。

メタバース就活に参入している企業は?

2024年現在、多くの企業がメタバース就活に参入しています。これまで参入実績があるのは、以下の企業です。

業種企業・団体名
小売業コメリ、明治屋、リンガーハット、P&G
広告・ITサイバーエージェント、凸版印刷、LINE、ソフトバンク、電通
金融業界三井住友銀行、八十二銀行
製造業界TOSIBA、DAIHATSU、NISSAN、三菱マテリアルテクノ株式会社、パナソニック、ダイキン
建設業界一条工務店、大東建託グループ、日本ハウス、オープンハウス、ミサワホーム
不動産LIFULL、近鉄不動産
行政、自治体、福祉海上自衛隊、天王福祉会、日本赤十字、市役所

これらの企業は通常の就活に加え、メタバースも活用しています。採用チャンネルを増やすことで、より多くの学生と接点を持つためです。

ほかにもバーチャルオフィス見学やWebを利用したインターンシップなど、さまざまなメタバース就活イベントを開催しています。

メタバースで採用活動するメリットは?

メタバースで採用活動するメリットは、大きく分けて3つあります。

  1. 優秀な人材の獲得
  2. 採用活動の効率化
  3. 学生のエンゲージメント向上

メタバース就活は、全国各地の学生と接点を持てるため、全国から優秀な人材を獲得しやすくなります。

さらにバーチャルイベントは、時間や人件費の削減につながり、経費の大幅カットも期待できそうです。

また、興味を持った学生からアクセスしてもらえるため、エンゲージメント率も高まるでしょう。

メタバース就活のデメリットは?

メタバース就活には、以下のようなデメリットも存在します。

  1. VR機器やメタバースプラットフォーム利用のハードル
  2. 倫理的な問題
  3. セキュリティ対策
  4. デジタルデバイド

VR機器は一部の学生しか持っておらず、メタバースプラットフォームを利用してもらうまでのハードルがあります。

メタバースの利用に慣れていない学生が面倒だと感じてしまうと、せっかくイベントを用意しても学生に来てもらえません。

ただし、スマホやPCでアクセスできるメタバース就活イベントも増えているため、以前よりもアクセスしやすくなっています。

そのほか、アバターによる誹謗中傷やなりすまし、個人情報の漏洩、インターネット環境やデバイスの格差などのデメリットがあります。

まとめ

この記事では、メタバースを利用した就活について詳しく解説しました。

最後に重要な点をおさらいしておきましょう。

  • メタバース就活は仮想空間を利用した採用活動
  • アバターを使用することでコミュニケーションのハードルが下がる
  • 遠方や地方の学生にアプローチできる
  • 会場費や人件費をコストカットできる
  • 新しい技術に興味がある学生にアプローチできる

メタバースは、採用活動の新しいチャンネルとなっています。個性的で能力ある学生を採用できる可能性が増えるでしょう。まだメタバースを利用したことがない企業様は、試しに挑戦してみてはいかがでしょうか。

学生にとっても、競合がまだ少ない今がチャンスです。スマートフォンからアクセスできるプラットフォームを手始めに参加してみるとよいでしょう。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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