近年、メタバースではさまざまなイベントが開催されています。参加するだけではなく、イベントを開催したいと思う方もおられるでしょう。
しかし、
- メタバースでイベント開催するメリットを知りたい
- どのようなイベントが開催されているか知りたい
- メタバースイベントの開催方法を知りたい
などの悩みをお持ちの方もおられるでしょう。
結論から言うと、メタバースでは本格的なイベントを開催可能。さらに展示会やセミナーを実施するケースも増えています。
本記事では、メタバースでイベントを開催するメリットや活用事例を解説します。
メタバースイベントの具体的な開催方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。
ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。
メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。
Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。
メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
過去のメタバースイベント開催事例5選
メタバースのイベントは、数えきれないほど開催されています。
ここではとくに成功した事例5選を紹介します。
- メタフェス|日本最大級の販売イベント
- Metaverse Music Festival|最大級の仮想音楽フェス
- バーチャルさっぽろ雪まつり|さっぽろ雪まつりを仮想空間で再現
- 光と星のメタバース六本木|あらゆるイベントを楽しめる仮想都市
- G LAB in ZEP|ソフトバンクによる5Gサービス用ビジネスイベント
これら事例を見れば、自社でのイベント開催のヒントやご自身が参加したいイベントのジャンルが見つかるはずです。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
1.メタフェス|日本最大級の販売イベント
メタフェスは、VRChatで開催される日本最大級のNFT販売会です。
出展者はアバターやアイテム、音楽やワールドなどを出展し、来場者はそれを閲覧、購入できます。
双方にメリットが生まれる有意義なイベントですね。
実際にイベントの様子を見てみましょう。
メタバース中にブースが開かれ、ライブイベントも開催されています。
クリエイター同士の交流イベントも開催されました。また、出展されているNFTを購入したユーザーも多数います。
個人であれば、メタフェスへの出展を検討するのもよいでしょう。法人なら出展だけでなく、イベントに協賛する形で参加する方法もあります。
2.Metaverse Music Festival|最大級の仮想音楽フェス
Metaverse Music Festivalは、Decentralandで開催されるバーチャル音楽イベントです。仮想の会場が設立され、自宅にいながら音楽フェスを楽しめます。
2022年大会では、人気アーティストのオジー・オズボーンやソウルジャ・ボーイなどが参加しました。
日本からはガールズユニット新しい学校のリーダーズが出演しています。江戸レナなどのバーチャルシンガーも登場しました。
仮想の会場やステージでの演出は豪華で、見ていて楽しい音楽フェスに仕上がっています。
3.バーチャルさっぽろ雪まつり|さっぽろ雪まつりを仮想空間で再現
バーチャルさっぽろ雪まつりは、札幌市主催の同イベントをメタバースで再現したものです。
現実世界同様に大きな雪像や氷像が展示されました。
体験ツアー参加者からは、「ブースが広く見応えがある」などのコメントが聞かれました(参考:バーチャル雪まつり体験ツアー with さっぽろ雪まつり実行委員会)。
北海道出身のアーティストによる楽器演奏のライブ中継や、バーチャルシンガーによるライブも開催されましたよ。
開会式と閉会式も盛大におこなわれ、現実のさっぽろ雪まつりさながらの盛り上がりを見せていました。
4.光と星のメタバース六本木|あらゆるイベントを楽しめる仮想都市
光と星のメタバース六本木は、朝日テレビによるバーチャルイベント。架空の六本木を舞台に、さまざまなイベントを楽しめます。
例えばアリーナやシアターで行われるお笑いライブやバンド演奏、さらにはクライミングやジェットコースターまで。多彩な催しで参加者から好評を集めています。
さらに、あんさんぶるスターズやワールドトリガーなどの人気コンテンツとのコラボイベントも楽しめます。
5.G LAB in ZEP|ソフトバンクによる5Gサービス用ビジネスイベント
G LAB in ZEPは、ソフトバンクが提供するメタバースイベント。主に5Gに関する情報が発信されています。
5Gのほか、なにわ男子HOUSE」やAKB48に関するコンテンツも。
ソフトバンク傘下のサービスなので、福岡ソフトバンクホークスに関連するゲームもプレイ可能です。
5Gに関する情報を収集しつつ、いろいろなコンテンツやイベントを楽しめます。
メタバースでイベントを開催するメリット4選
メタバースイベント開催のメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。
- 世界中から参加者を集められる
- コストをおさえられる
- VRで新しい体験を提供できる
- 24時間体制で開催できる
参加者を集められたり、コストをおさえられたりするのが最大の魅力でしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
1.世界中から参加者を集められる
最大のメリットは、世界中から参加者を集められることです。現実世界のイベントは、現地に足を運べる人しか参加できません。
海外はもちろん、国内でも参加できない人が出てくるでしょう。交通事情や天候の影響も心配ですね。
一方、メタバースでのイベントは、パソコンかスマートフォンがあればアクセスできます。
地理的な制限や天候に左右されないため、より多くのユーザーを集めることが可能です。
2.コストをおさえられる
コストをおさえられるのもメリットのひとつです。
現実でイベントを開催するとなると、施設利用料や設営費などの費用がかかります。
たとえば、イベント制作会社の「Event Bundle」では、100名規模のイベントで100,000円の費用がかかるとのこと。
一方メタバースの場合は、現実でイベント開催するよりもコストをおさえられます。例えばプラットフォームのclusterを利用すれば、施設利用料はかかりません。
仮にイベント開催を業者に委託しても、数万円程度におさえることが可能です。
メタバーススペースを提供する「CYZY SPACE」なら、最安11,000円(税込)でスペースをレンタルできます。
3.VRで新しい体験を提供できる
VRを利用できるのも大きなポイントです。
下記の動画は、メタバースプラットフォーム「cluter(クラスター)」に存在する空間です。
有名な観光スポットウユニ塩湖などが紹介されており、VRがあればまるで現地にいるかのような感覚を楽しめます。
VRを活用できれば、イベント参加者に特別な体験を提供可能。製品やサービスの販促に役立ち、ビジネス分野でも利用されています。
メタバースのビジネス利用について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
ただしイベント開催者がVR環境を整えていても、ユーザーがVRデバイスを持っていなければ、意味がありません。
VRデバイスとは、Meta Quest2に代表されるゴーグルなどを指します。
イベント開催時は、来場するユーザーがVR機器を保有しているか確認しておく必要があるでしょう。
4.24時間体制で開催できる
24時間体制で開催できるのも、メタバースイベントの特徴です。
現実のイベントでは、施設利用料やスケジュールの都合上、開催時間は制限されます。
しかしメタバースの場合は制限を気にすることなく、24時間体制で開催可能。より多くのユーザーに参加してもらえます。
ただしメタバース上に案内スタッフを配置するなどの場合は、人件費がかかります。コストを鑑みて開催時間を調整しましょう。
メタバースでイベントを開催する手順
メタバースでイベントを開催する手順は以下のとおりです。
- プラットフォームを選定する
- イベントを企画する
- コンテンツを制作して設置する
- イベントを開催する
メタバースイベントの開催には、それなりのコストとリソースがかかります。
しかし、上記の手順を知っておけば、多少は開催のハードルが下がるはずです。ぜひ参考にしてください。
プラットフォームを選定する
まず、イベントを開催するメタバースプラットフォームを選定しましょう。
選ぶ際に重要なポイントは、マイナーなプラットフォームを避けること。ユーザーが少なく、参加者を集めづらくなるからです。
以下のプラットフォームはユーザー数が多く、イベントの成功率が上がるでしょう。
- cluster(クラスター)
- Decentraland(ディセントラランド)
- The Sandbox(ザ・サンドボックス)
- Roblox(ロブロックス)
- VRChat
上記のプラットフォームはユーザーが多いだけでなく、使い方も簡単なため、参加者を集めやすいでしょう。
使用感や雰囲気は異なるため、それぞれログインして試してみることをおすすめします。
迷ったらcluster(クラスター)がおすすめ
プラットフォーム選びに迷った際はclusterがおすすめです。日本製であるため、デザインも親しみやすく、言葉の壁もありません。
登録方法や使い方も簡単なので、初めてイベントを開催する場合にもおすすめです。ただし大規模なイベントには向かないので注意してください。
clusterに関してはこちらで解説しているので、参考にしてください。
イベントを企画する
プラットフォームを選んだら、イベントを企画しましょう。具体的には以下の点を決める必要があります。
- テーマ/何をメインにしたイベントなのか
- 目的/イベントをとおして何を達成したいのか
- 日時/いつ開催するのか
- 期間/長期間開催か一日限定か
- 予算/諸費用をどれくらいかけるか
- 告知/どのようにして告知するか
イベントを開催するには、十分な計画が必要です。
自社で実施するのが厳しいなら、イベント会社に外注することも考えましょう。
コンテンツを制作して設置する
イベント企画が完成したら、プラットフォームでコンテンツを制作します。
しかし、メタバース上にコンテンツを設計するには、専門的なスキルが必要です。自社で実施するのがむずかしいなら外注しましょう。
外注先の一例として、VRChat専門の制作会社Gugenkaなどが挙げられます。
同社はサンリオや、メタフェスなどのコンテンツ制作やイベント進行を担当しています。
上記のような優秀な外注先がないか探してみましょう。
ただし、大規模なイベントを成功させた実績がある制作会社は、費用が高くなる傾向があるので注意してください。
イベントを告知する
制作を進めながら、イベントの告知も進めましょう。自社サイトで案内を出したり、PRTimesにプレスリリースを出稿したりする方法が考えられます。
- PRTimesとは?
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報道機関向けの発表資料・プレスリリースを配信するサービス。
イベントの内容は規模にもよりますが、十分に告知しないとユーザーは集められません。ある程度の予算を投じて、イベントの存在をアピールしましょう。
また、イベント当日は参加者の動向を把握しながら、問題があれば適宜対応しましょう。
案内スタッフを配置するなどして、進行を促す方法もあります。
メタバースイベントに関するQ&A
メタバースイベントに関するよくある質問に回答します。
- メタバースイベント開催にかかる費用は?
- 社内イベントやミーティング・会議も実施可能?
- メタバースで会社の飲み会ができる?
- 無料で参加できるイベントは?
メタバースでのイベントに関しては、わからないことも多いでしょう。それぞれ詳しく解説します。
- メタバースイベント開催にかかる費用は?
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メタバースイベント開催にかかる費用は、外注先や開催規模によって異なります。
イベント用スペースを提供する株式会社CYZY SPACEの場合、料金は以下の通り。
少人数の会議なら、11,000円(税込)で開催できます。
一方、コンシェルジュや運営サポートをつけたり、規模を大きくしたりすると、数十万円以上の費用がかかります。
3Dグラフィックなどを設計する場合はさらなる外注費が必要です。
- 社内イベントやミーティング・会議も実施可能?
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ビジネス目的のあらゆるイベントが開催可能です。実際にメタバースを使った社内イベントの事例は多々あります。
Meta Lifeでは、ドット絵調のオフィス上で会議などを実施し、社員がアバターとして参加することが可能。。
音声と映像をつなげられるため、ユーザー間でミーティングや会議をすることもできます。
- メタバースで会社の飲み会ができる?
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メタバースでは飲み会の開催は可能です。
上記の動画ではVRChatで、飲み会が開催されています。同じように他のプラットフォームに集まって飲み会を開催することも可能でしょう。
ただしVRChatだとアバターの自由度が高すぎるなど、ビジネスに適さない側面もあります。
会社でメタバース飲み会を開催するなら、MetaLifeのようなビジネス向けのサービスを使うのがおすすめです。
- 無料で参加できるイベントは?
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無料で参加できるイベントの一例として、メタフェスやバーチャルマーケットが挙げられます。
また、clusterをはじめとした一般向けプラットフォームでは、常に多くのイベントが開催されています。興味があれば参加してみましょう。
clusterの使い方について詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
【徹底図解】cluster(クラスター)の使い方|登録から操作まで完全ガイド clusterってどんなメタバース? どうやって始めればよいのだろう? 何か特別なデバイスがなければ始められない? clusterでの稼ぎ方を知りたい! 上記のように考えてい…
まとめ
本記事ではメタバースでのイベント開催に関して解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- メタバースイベントは過去にさまざまな開催事例がある
- メタフェスやMetaverse Music Festivalなどが成功事例として挙げられる
- 世界中から参加者を集められたり、コストをおさえられたりするメリットがある
- VR体験を提供できるのもメリット
- メタバースでのイベントを開催するには、プラットフォームの選定から始める
- イベントの企画やコンテンツ作成はむずかしいので、外注も視野に入れる
Web3.0やメタバースの発展で、バーチャルなイベントの開催が広まりつつあります。
自社でもイベントを開催したいなら、「メタフェス」などの開催事例を参考にして準備を進めましょう。
しかし、メタバースでイベントを実施するのは簡単ではありません。プラットフォームの選定や、コンテンツの制作には、専門知識やスキルが必要です。
確実にイベントを成功させたいなら、プラットフォーム提供会社や、メタバースコンテンツ制作会社に依頼するのが確実でしょう。