KDDIのメタバース投資額は1,000億円!バーチャル渋谷au5Gなど主な事業を紹介

出典:https://tobira.kddi.com/5g/

2023年3月、KDDIはメタバースサービス「αU(アルファユー)」の提供を開始しました。

同年6月、αUは優れたICT技術をもち新商品、新市場の開拓に積極的に取り組んでいる企業が選ばれる「MM総研大賞2023」で最優秀賞を受賞しています。

しかし、

  • KDDIがメタバースに参入した理由を知りたい
  • KDDIが展開するメタバース事業を知りたい
  • αUのやり方を知りたい

などの疑問をお持ちの方もおられるでしょう。結論からお伝えすると、KDDIはメタバースに1,000億円以上投資予定で、さまざまなメタバースを展開しています。

本記事では、KDDIのメタバース事業への取り組みと主要サービスについて解説します。

αUの始め方を画像付きで解説しているので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

そもそもメタバースとは?

メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。

ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。

メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。

Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。

メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。

目次

KDDIのメタバース事業への取り組み

出典:KDDI

KDDIがメタバースに参入した大きな理由として、市場規模の拡大が挙げられます。

近年、SNSに代わる新たなオンライン交流の場として、ユーザーがリアルに近い環境でコミュニケーションを取れるメタバースが注目を集めています。

総務省が発表する世界のメタバース市場の成長予想
出典:令和4年 情報通信に関する現状報告の概要

総務省による情報通信に関する現状報告の概要によれば、メタバースの世界市場は2030年には78兆8,705億円まで急拡大すると見込まれています。

この巨大な市場に対する期待から、世界各国の企業が相次いでメタバース市場への参入

日本の通信各社も5Gの高速性と低遅延という特性を活かしたメタバース事業に注力しています。

ここでは、KDDIがどのようにメタバース事業に取り組んでいるのか詳しく解説します。

  1. 今後3年間でメタバース事業に1,000億円以上投資予定
  2. イベント型のメタバースから日常使いのメタバースへ
  3. 複数のメタバース空間を接続
  4. グローバルな市場へビジネス展開

1.2022年から3年間でメタバース事業に1,000億円以上投資予定

KDDIは2023年3月から3年間にわたり、メタバース事業に1,000億円以上投資することを発表しました。

同社はこの投資によりEPS(当期純利益)を1.5倍にすることを目標として掲げています。

KDDIの経営戦略
出典:KDDI 中期経営戦略 (2023年3月期~2025年3月期)

しかし、世界的に見てもメタバース市場はまだ黎明期。多くの一般ユーザーがメタバースに興味を持ちはじめたばかりの段階です。

KDDIのような大企業がメタバースに参入したことで、一般層への普及が期待されます。

2.イベント型のメタバースから日常使いのメタバースへ

これまでのメタバース世界は普段は閑散とし、イベントが行われるときだけ盛り上がる状態でした。

この状況は、メタバース事業を展開する多くの企業が直面する課題となっています。

対象ユーザーが そもそも仮想空間にくる理由も 続けて利用するリピーターになる理由も まだ弱いのでは?

引用:公正取引委員会
Z世代のメディア利用割合
出典:ビジネスパーソン層とゲーム(メタバース)利用層の乖離

KDDIはこうした状況を打開するため、推し活(お気に入りのアーティストやクリエーターを応援する活動)を推進する仕組みを作りました。

日本の強みは、仮想空間になじみがあること、クリエイティブな人材が豊富なこと、ゲーム・漫画・アニメコンテンツが豊富なこと。

日本の強み
出典:メタバースビジネスの無限な可能性と課題について

KDDIのメタバースサービスαUでも、利用者の誰もがいつでも配信者となれるためクリエイターによる小規模なライブが日々開催されています。

これらのライブの配信者を応援するためにファンが日常的に訪れることで、一定数の利用者がメタバース空間に定着する仕組みを作り出しました。

KDDIは「アプリの中に人が住み着くような構造」づくりを目標としています。

3.複数のメタバース空間を接続

KDDIは、過去数年間にわたり積極的なメタバースとWeb3.0への取り組みを推進してきました。

  • 2020年 バーチャル渋谷を開設
  • 2021年 バーチャルシティコンソーシアムを発足
  • 2022年 バーチャル大阪の正式開設

このように、各種のメタバースプロジェクトを展開しています。

これらの取り組みは、多くの企業や団体との協力体制のもと進められました。

KDDIは今後のメタバース事業について各企業のサービスを連携させ、仮想空間に新しい世界を創造するとしています。

4.グローバルな市場へビジネス展開

出典:KDDI

2023年3月7日、KDDIはイギリスの大手広告会社WPPと戦略的パートナーシップを締結しました。

これにより、双方がそれぞれの事業で得た資産、リソース、技術、知見を共有し、IP(コンテンツ)とαUの世界的展開を進めることを目指しています。

WPPとの提携により、KDDIは日本のクリエーターやコンテンツが、グローバル展開できるよう支援する方針を掲げています。

KDDIが提供する主なメタバース事業を3つを紹介

出典:KDDI

KDDIのメタバース事業は現実世界とデジタル世界を融合させ、ユーザーに新たな体験を提供し続けています。

ここでは、その中でも注目すべき3つのメタバース事業とその特徴を見ていきましょう。

  1. バーチャル渋谷au5G | 仮想空間上のイベントプラットフォーム
  2. デジタルツイン渋谷 | リアルとバーチャルの連携
  3. αU | Web3.0サービスプラットフォーム

1.バーチャル渋谷au5G | 仮想空間上のイベントプラットフォーム

KDDIが展開するメタバース バーチャル渋谷au5G
出典:バーチャル渋谷

2020年5月に都市連動型メタバース、バーチャル渋谷が始動。バーチャル渋谷は渋谷区公認の配信プラットフォームです。

バーチャル渋谷はKDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会を中心とした、渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトによって立ち上げられました。

スマートフォンやパソコンから利用可能で、VRゴーグルを使用すると渋谷の街並みをさらにリアルに感じられます

バーチャル渋谷では、主に以下のアクティビティを楽しめます。

  • オリジナルアバターの作成
  • アバターによる利用者同士のコミュニケーション
  • 実店舗を再現したバーチャル店舗でのリアルショッピング
  • バーチャルな観光体験
  • 音楽、映画上、アート、ゲームなどのイベント参加

また、メタジョブ!を利用すれば、バーチャル空間でイベントサポートといった仕事をすることもできます。

ここからは、過去にバーチャル渋谷で開催されたイベントを具体的にみていきましょう。

バーチャル渋谷au5Gハロウィーンフェス2022

2022年秋、バーチャル渋谷で3回目となるハロウィーンフェスが、6日間にわたって行われました。

ハロウィーンフェスでは、日替わりでゲストが音楽ライブやトークライブなどを開催

参加者はアバターをホラーキャラクター貞子に変身させて街を徘徊したり、黒ひげ危機一発ゲームを楽しんだり、バーチャル仮装コンテストに参加したりなど、さまざまなアトラクションを体験できました。

バーチャル渋谷au5Gハロウィーンフェス2022には、世界中から延べ30万人が参加しました。

イベントの収益の一部は、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会の子ども基金を通じて「こどもテーブル事業」へ寄付されています。

なでしこジャパン壮行会 –BE YOUR BEST SELF–

KDDIが展開するメタバースで開催された なでしこジャパン壮行会 –BE YOUR BEST SELF–
出典:cluster

なでしこジャパン壮行会 –BE YOUR BEST SELF–は、7月の国際大会に向けてなでしこジャパンを応援するための特別企画として開催されました。

イベント期間中にバーチャル渋谷を訪れると、サイン入りユニフォームや限定グッズが当たるチャンスがあります。

アバターにはなでしこジャパン日本代表の限定ユニフォームを着用可能。イベントに参加したファン同士で一緒に盛り上がり、多くの応援をなでしこジャパンに届けられます。

このようなイベントを通じて、世界中の人々と住んでいる地域を超えた新たな出会いも期待できるでしょう。

KDDIとJFAは引き続き、日本サッカーの発展とファンの期待を満たすための共同活動を進めていきます。

2.デジタルツイン渋谷 | リアルとバーチャルの連携

KDDIが展開するデジタルツイン渋谷
出典:PR TIMES

2022年10月、バーチャル渋谷と同種の都市連動型メタバースの取り組みとして、リアルとバーチャル空間を連動するデジタルツイン渋谷が拡張されました。

デジタルツインとは?

現実世界で集めた情報を仮想空間で再現する技術。

デジタルツイン渋谷では、バーチャル店舗と実店舗が一体化。

スマホを現実の街に向けると、バーチャル空間の参加者がスマホ画面上に出現。バーチャル空間では、リアル空間の参加者がデジタルツイン中に表示されます。

リアルとバーチャル空間でお互いの存在を認識して、リアルタイムでコミュニケーションをとることが可能です。

このサービスは、スマホの撮影だけで簡単に商品を3D化できます。

全国の主要都市のVPSデータを活用することにより、短期間かつ低コストで各地への展開が可能です。

VPSデータとは?

CAD(図面作成ソフト)で作成された製品の3次元モデルデータ。

デジタルツイン渋谷は新たな商用スペースとしての利用が期待されています。

デジタルツインについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。

アパレル

デジタルツイン渋谷のアパレル店舗

アパレルでは、内装や商品陳列などリアル店舗にそっくりなバーチャル店舗での買い物が可能。

バーチャルとリアルの空間が共有され、バーチャル店舗でスタッフに商品を指差して伝えたり、リアルタイムで質問したりできます。

バーチャル空間でありながら現実世界と同じような温かみのあるサービスを体感できるサービスです。

飲食店(バー)

飲食店では、店内の様子をバーチャルとリアルで共有可能。バーチャル店舗に入店すると、現実世界のスタッフや客とリアルタイムで会話できます。

360度周りが見渡せるので、実際にそこにいて一緒に飲んでいるような体験が可能。

デジタルツイン渋谷は、現実の体験をバーチャル空間でも実現できることが魅力のサービスです。

3.αU | Web3.0サービスプラットフォーム

KDDIが展開するメタバースαU
出典:KDDI

2023年3月7日、KDDIはメタバースのプラットフォーム、αU(アルファユー)の提供を開始しました。

リアルとバーチャルの境界のなく利用できる空間を、Web3.0領域の全方位に展開しています。

αUの主要な3つのサービスについて解説します。

  1. αUmetaverse|イベントやゲームに参加して仲間との交流が楽しめる
  2. αUlive|バーチャル空間で高精細な音楽ライブを体感できる
  3. αUplace|実店舗とバーチャル店舗が融合したサービス

1.αUmetaverse|イベントやゲームに参加して仲間との交流が楽しめる

αUmetaverse
出典:αUmetaverse

αUmetaverse(アルファユーメタバース)では、オリジナルアバターを作成し音声を通じてコミュニケーションできる空間を提供。

一部のコンテンツを除き、スマホやパソコンから無料で利用できます。

ユーザーには自分だけのマイルームが提供され、自由に部屋を飾ったりアイテムを置いたりできます。

αUmetaverseではアイテムをNFT化できるため、オリジナルのアバターや家具を制作して販売するのもよいでしょう。

街へ出てライブに参加すると、お気に入りのアーティストと直接コミュニケーションを取れる機会が生まれます。

ファン同士でアーティストのNFTTシャツを着たアバターでライブに参加可能。

リアルタイムでアーティストと音声で会話すれば、距離感が圧倒的に縮まりますね。

さらに、出会った仲間と一緒にトークライブを開催したり、謎解きゲームのイベントを楽しむなど、αUmetaverseにはさまざまな楽しみ方があります。

2.αUlive|バーチャル空間で高精細な音楽ライブを体感できる

αUlive|バーチャル空間で高精細な音楽ライブを体感できる
出典:KDDI

KDDは2023年夏頃に、誰もがクリエイターになれる世界に向けて新サービスαUlive(アルファユーライブ)を提供開始する予定です。

αUliveでは、スマホやパソコンのブラウザから、高精細なステージを自分の好きな視点から楽しめます。

本来ならハイスペックなパソコンでしか見られない高解像度のライブ。

GoogleCloudの協力により、クラウド上で映像を処理することで低スペックなデバイスでも視聴可能となりました。

ライブ全体を遠目に見て会場の臨場感を味わったり、好きなアーティストに近づいて表情を覗いてみたりなど、αUliveなら角度や距離感も自由自在です。

αUliveは現在、αUspringweek2023で先行体験が可能。また、有料展覧会promptαUでも体験できます。

αUliveなら、いつでも誰でもライブを開催可能。

将来的には数十万人を導入するアーティストになることも夢ではないかもしれません。

3.αUplace|実店舗とバーチャル店舗が融合したサービス

αUplace|実店舗とバーチャル店舗が融合したサービス
出典:KDDI

αUplace(アルファユープレイス)は、2023年夏頃始動予定の新サービスです。

バーチャル空間に存在する街並みは現実世界を忠実に再現。現実世界と同じように街を散策し気になった店舗に入店できます

バーチャル店舗では、リアル店舗のスタッフからリアルタイムの接客を受けられます。

現実と同じような感覚でショッピングを楽しめるでしょう。

リアル店舗でのショッピングでは、商品にスマホをかざせばARで商品情報が画面に表示されます。

細かい情報をチェックしながら選べるため、失敗のない買い物ができそうです。

バーチャル店舗を出店するには、外観や内装、商品などの写真を撮影するだけ。

αUspringweek2023では、austyleSHIBUYAMODIと渋谷パルコ5FのLui’s/EX/storeのバーチャル店舗にて先行体験も可能です。

リアルと現実を行き来する不思議な空間をぜひ味わってみてください。

αU(アルファユー)のやり方・始め方を初心者向けに解説

αUのイメージ画像
出典:vcity.au5g.jp

αUを利用するには、会員登録とアプリのダウンロードが必要です。

基本的には無料で利用できますが、特定のイベントへの参加や特別なプレゼントの購入など一部有料コンテンツもあります。

αUは、以下のような使い方ができます。

  • オリジナルアバターの作成
  • 部屋の模様替え
  • 町で他のアバターとコミュニケーション
  • ライブに参加
  • ミート&グリートに参加
  • アイテムをNFTとして所持

αUの始め方は以下の通り。

  1. アプリをダウンロード
  2. ユーザー登録
  3. 街データをダウンロード

順番に解説します。

STEP

アプリをダウンロード

まずはαUアプリを、App StoreまたはGoogle Playからアプリをダウンロードしましょう。

STEP

ユーザー登録

アプリを起動して「新規ログイン」をタップしIDを入力します。

メール、Google、Facebook、au ID、LINE、Appleのいずれかでログインしましょう。

新規ログインをタップしてユーザー登録

年齢を登録して「確定」をタップしたら、プライバシーポリシーに同意します。

STEP

街データをダウンロード

ログインが完了したら、街のデータをダウンロードします。

数秒でダウンロードが完了するため、チュートリアルを読んだらさっそく利用開始しましょう。

街データをダウンロードする

KDDIのメタバースに関するQ&A

KDDIのメタバースに関するよくある質問と回答を紹介します。

疑問をお持ちの方は参考にしてください。

  • 都市連動型メタバースとは何ですか?
  • バーチャル渋谷のユーザー数は?
  • バーチャル渋谷の料金はいくらですか?
  • バーチャル渋谷のやり方は?

都市連動型メタバースとは何ですか?

都市連動型メタバースは実際の都市や地域をデジタルで再現し、そのデジタル空間をユーザーが自由に探索・体験するメタバース空間のことです。

たとえば、特定の都市や地域の建物、地形、人々の活動などを高精細な3DモデルやVR技術を用いてデジタル空間上に本物そっくりに再現します。

現実世界との連動も可能。実在の店舗のスタッフとバーチャル空間にいながらリアルタイムでコミュニケーションをとることもできます。

バーチャル渋谷のユーザー数は?

バーチャル渋谷のユーザー数は累計100万人を超えています。

アニメ「名探偵コナン」の主演声優によるトークライブでは延べ55万人が参加しました。

バーチャル渋谷の料金はいくらですか?

入場は無料ですが、イベント参加やプレゼントアイテムの購入など一部のコンテンツは有料です。また、通信費は別途必要です。

バーチャル渋谷のやり方は?

バーチャル渋谷にはじめて入場する方法は以下のとおりです

  1. バーチャル渋谷公式サイトからclusterのアプリをダウンロードする
  2. clusterの「バーチャル渋谷」のページからアプリを起動する
  3. 「バーチャル渋谷に入場する」をクリックする
  4. clusterのアカウントを作成する
  5. アバターを選択してOKを押す

まとめ

本記事では、KDDIのメタバース事業とその取り組みについて詳しく解説しました。

最後に重要な点をおさらいしておきましょう。

  • KDDIはメタバース事業に1,000億円以上を投資
  • 主要なメタバース事業はバーチャル渋谷、デジタルツイン 、αU
  • αUはすでに100万人以上のユーザーが利用

誰もがクリエイターになれる時代に向けて、KDDIのグローバル展開やメタバース関連技術の将来性に期待が高まります。

これらの進歩を見守り、新たなデジタル体験の進化を楽しみましょう。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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