イーサリアムのガス代はいくら?チャート確認方法と節約方法5選!

初のNFT取引に利用されたイーサリアムチェーンは、人気のあるブロックチェーンの1つです。

しかし、取引する際にかかるガス代に関して、以下のような悩みを持つ方も多いでしょう。

イーサリアムのガス代についての悩み
  • ガス代が高くなる理由や計算方法を知りたい
  • 現在のガス代をチャートなどでリアルタイムに確認できるサイトやツールを探している
  • ガス代を節約する具体的な方法を学びたい

この記事では、イーサリアムのガス代の基本的な知識や調べ方、計算方法などを徹底解説します。

本記事を読めばガス代についての知識が身につき、暗号資産の取引がスマートにおこなえるようになるでしょう。

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目次

イーサリアムガス代の基本知識

最初に、ガス代に関する以下のポイントを解説します。

  • ガス代の概要
  • ガス代が必要な理由
  • ガス代が変動および高騰する要因

ブロックチェーンによってガス代の扱いや金額は異なりますが、本記事ではイーサリアムのガス代に焦点をあてて解説します。

そもそもガス代とは?

ガス代とは、ブロックチェーン上で取引をする際に支払う手数料です。

NFTマーケットプレイスでの売買や暗号資産の交換、個人間での送金など、あらゆる場面でガス代を支払わなければなりません。

仮想通貨取引所などの一部サービスでガス代を肩代わりしてもらえる場合もありますが、基本的にガス代は不可欠と考えておくとよいでしょう。

また、ガス代の金額は刻一刻と変動するため、取引をするたびに支払う金額を確認する必要があります。

イーサリアムのガス代はETHで支払う

ガス代として支払う通貨の単位や金額は、取引に使うブロックチェーンによって異なります。

イーサリアムのブロックチェーンで利用する仮想通貨は、イーサリアムチェーンの独自トークン(ネイティブトークン)であるETH(イーサリアムまたはイーサ)です。

たとえETH以外の暗号資産を持っていたとしても、ETHがなければガス代を支払えないため、イーサリアム上で取引できません。

一回の取引ごとに数百〜数千円相当のETHが必要なので、余裕を持ってETHを用意しましょう。

ガス代が必要な3つの理由

ブロックチェーンで取引するたびにガス代がかかることに不満を感じる人もいるでしょう。

しかし、ブロックチェーンの正常な機能には、ガス代は不可なのです。

イーサリアムチェーンを利用するのにガス代がかかる主な理由として、以下の3点が挙げられます。

  1. ステーカーに支払う報酬を確保するため
  2. サイバー攻撃を防ぐため
  3. 処理するトランザクションに優劣をつけるため

1.ステーカーに支払う報酬を確保するため

イーサリアムのガス代は、ステーキングしているステーカーへの報酬にあてられます。

ステーキングとは?

仮想通貨を預ける(ステークする)ことで、ブロックチェーンの取引データを処理する承認者に選ばれる仕組み。

ステーカーが少ないとイーサリアム全体のセキュリティ性が低くなるため、ガス代を原資として報酬を用意し、ステーキングを促しています。

なお、預ける金額が高いほど承認者に選ばれやすくなり、より多くの報酬を受け取れます。

マイニングは終了している

以前のイーサリアムはマイニングによって取引データを処理していました。

マイニングは、コンピュータの計算能力を提供するマイナーが取引データを処理する仕組みです。

マイニングするにはコンピュータを稼働させ続ける必要があるため、電力の消費量が問題となっていました。

2023年9月におこなわれたMerge(マージ)アップデートによってマイニングは廃止され、ステーキングへの移行が完了しています。

ちなみに、ステーキングに移行したことで電力消費量は99.988%削減されたそうです。

出典:Ethereum.org|Ethereum’s energy expenditure

2.サイバー攻撃を防ぐため

ブロックチェーンのガス代には、DoS攻撃などのサイバー攻撃を防ぐ効果もあります。

DoS攻撃は、アクセスを意図的に集中させることでネットワークの混雑やサーバーダウンを起こす手法です。

ガス代がかからない、もしくは安すぎる場合、自分自身にくりかえし送金するといった攻撃によって、ネットワークが混雑します。

実際に、ポリゴンというブロックチェーンではDoS攻撃の被害を受け、ガス代の最低価格を30倍にすることで対策しました。

サイバー攻撃のリスクを減らして、ブロックチェーンの安全性を高めるためには、ある程度のガス代を設定する必要があるのです。

3.処理するトランザクションに優劣をつけるため

ガス代には、トランザクション(ブロックチェーンの取引)に優先度を付ける役割もあります。

ガス代として支払う金額は追加でき、追加した金額の高いトランザクションから優先して処理されます。

イーサリアムのユーザーは、取引内容に応じてガス代を高くすることも、安くすることも可能です。

ガス代による優先度の決定は、ユーザーのニーズに応えた取引を実現するために重要だといえるでしょう。

ガス代が高騰する3つの要因

ガス代の金額は常に変動しており、一時的に価格が高騰することもあります。

ガス代が高騰する要因としては、下記に挙げる3つの要素が考えられるでしょう。

  1. ETHの価格
  2. ネットワークの混雑具合
  3. 処理するトランザクションの量

要求されるガス代が高いと感じたら、それぞれの要因を確認して支払うかどうか検討し直してみてください。

1.ETHの価格

ガス代は仮想通貨であるETHで支払うため、ETHの価格が上がればガス代も上がります。

たとえば、支払うガス代が同じ0.001ETHでも、ETHの価格が20万円の場合と40万円の場合では2倍の差があります。

ETHの価格ガス代の価格(0.001ETHの場合)
20万円200円
40万円400円
ETHとガス代の例

イーサリアムチェーンでの取引時には、ETHの価格変動にも注意を払う必要があるでしょう。

2.ネットワークの混雑具合

ネットワークが混雑して処理待ちのトランザクションの件数が増えると、ガス代が高騰します。

混雑具合は一日のなかでも大きく変動するため、取引する時間帯にも注意しなければなりません。

また、一時的なブームによってイーサリアムの利用者が増え、ガス代が短期的に高騰する事例もあります。

たとえば、2023年5月にはPepe(ペペ)というトークンが流行したことで数日にわたってガス代が値上がりし、価格が10倍近くまで上昇したことも。

今回ご紹介する3つの要因の中でもっとも頻発するものなので、ネットワークの混雑状況にはとくに気を付けましょう。

3.処理するトランザクションの量

イーサリアムで処理するトランザクションの量が多いほど、ガスの使用量が増えて価格が上昇します。

たとえば、仮想通貨やトークンを送るよりも、マーケットプレイスで商品を購入するほうが、使用するガスの量が多くなります。

複雑な処理であるほどトランザクションの量も増えやすいので、用意するガス代には余裕をもたせましょう。

それぞれの取引にかかるガス代の目安は、後ほど紹介するツールを使って確認できます。

ガス代の計算方法と確認方法

ガス代に関する詳細やデータについて理解を深めれば、ガス代を節約することも可能です。

ここでは、正確なガス代を計算したり確認したりする方法を紹介します。

ガス代の計算に必要な3つの要素

ガス代の計算をするには、下記の3つの要素が必要です。

要素名概要単位
Gas Priceトランザクション処理に使うガスの単価gwei(1gwei = 0.000000001ETH)
Priority FeeGas Priceに上乗せする追加料金gwei
Gas Limit処理に使えるガス量の最大値GAS
計算に必要な3要素

Gas Priceはユーザーが変更できないガス料金で、時間によって変動します。

Priority Feeは取引時に変更でき、値を増やすほどトランザクションが優先的に処理されます。

Gas Limitは使用するガス量の上限であり、値を超えるガス量のトランザクションはエラーとなって処理されません。

必要なガス代を算出する計算式

トランザクションを実行するのに必要なガス代は、下記の数式を使って計算できます。

必要なガス代の計算式

必要なガス代 =(Gas Price + Priority Fee)× Gas Limit

たとえば、Gas Priceが20gwei、Priority Feeが5gwei、Gas Limitが20000GASとすると、次のように計算することが可能です。

  •  (20 + 5) × 20000 = 500000(gwei)= 0.0005(ETH)= およそ120円

こちらのページにガス代計算ツールがあるので、計算時に利用してみるのもよいでしょう。

必要なガス代と支払うガス代は異なる

トランザクションの実行には上記の式で計算したガス代が必要ですが、実際に支払う金額は少なめになります。

なぜなら、実際に使用したガス量のぶんだけ支払えば済むからです。

仮に上の例で挙げたガス代を用意してトランザクションを実行し、実際に使用したガス量が15000GASだった場合、残りの5000GASは手元に残ります。

ガス代ガス量ETH変換後
必要なガス代20000GAS0.0005ETH(約120円)
支払うガス代15000GAS0.000375ETH(約90円)
手元に残るガス代5000GAS0.000125ETH(約30円)
Gas Price=20、Priority Fee=5の場合

実際に使用したガス代を確認する2つの方法

もし実際に支払った金額を確認したいのであれば、下記のいずれかの方法で調べましょう。

  1. MetaMaskのアクティビティから確認
  2. Etherscanのトランザクション履歴から確認

それぞれの方法を以下で解説します。

1.MetaMaskで確認する

ウォレットを使って取引したトランザクションは、使用したウォレットのアクティビティから詳細を確認できます。

たとえばMetaMaskを使用した場合、MetaMaskでアクティビティタブの一覧から確認したい取引を選択してください。

表示される詳細には、以下のような情報が書かれています。

名称概要
ナンスアドレスごとの通し番号ナンスの小さいトランザクションから順に処理される
金額送金や売買などの取引で使用した金額
ガスリミット用意したガス代のガス量(=Gas Limit)
ガス使用量実際に使用したガス量
基本手数料1ガスあたりの価格(=Gas Price)
優先手数料追加したガス単価(=Priority Fee)
ガス代合計実際に支払ったガス代
ガス1単位あたりの最大手数料取引できるガス単価の最大値
合計トランザクションで支払った金額の合計(金額+ガス代合計)
確認できる項目

MetaMask以外のウォレットでも、同様の操作でガス代を確認できるでしょう。

日本円表示にすることも可能

MetaMaskのデフォルト設定では金額がドル表記になっていますが、日本円表記にすることも可能です。

MetaMaskの設定画面を開き、一般項目の通過換算を「JPY – Japanese Yen」に変更しましょう。

この項目を変更することで、アクティビティのガス代を含めたMetaMask内のあらゆる金額表記が日本円に換算されます。

2.Etherscanで確認する

MetaMaskでアクティビティを確認できない場合は、Etherscanでトランザクションを確認してください。

Etherscanは、イーサリアムでおこなわれた取引を確認できるエクスプローラーサイトです。

Etherscanのページを開き、確認したいトランザクションを実行したウォレットのアドレスを検索窓に入力すれば、Transactionsタブで履歴を確認できます。

Age(経過日数)やValue(取引した金額)などをもとに確認したいトランザクションを見つけたら、Transaction Hashの文字列をクリックして詳細画面を開きましょう。

出典:Etherscan

詳細画面に書かれているTransaction Feeが、実際に支払ったガス代にあたります。

また、More Detailの行をクリックすると、取引時のETHの価格(Ether Price)や実際に使ったガス量(Usage by Txn:)などのデータも確認可能です。

ガス代をリアルタイムに確認できるサイト4選

必要なガス代を調べるには、つねに変動しているGas Priceをリアルタイムに確認する必要があるでしょう。

ここでは、Gas Priceをはじめとしたガス代に関する情報を手に入れられるサイトを4つ紹介します。

  1. Ethereum Gas Tracker
  2. ETH GAS STATION
  3. Ethereum Gas Charts
  4. Ethereum Gas Price Chart

1.Ethereum Gas Tracker|多機能で便利

出典:Ethereum Gas Tracker

Ethereum Gas Trackerは、リアルタイムにガス代を確認できるツールです。

ガス代が15秒ごとに自動更新されており、Base(=Gas Price)とPriority Feeの内訳もわかりやすく書かれています。

具体的な金額の例や、取引にかかる時間なども見られるので、普段からガス代を確認するのに適しているでしょう。

ほかのガス代チェックサイトのデータソースとして利用されることも。

2.ETH GAS STATION|グラフ表示のデータが豊富

出典:ETH GAS STATION

ETH GAS STATIONは、グラフで表示されるデータの豊富さが特徴のガス代チェックサイトです。

ガス代別にトランザクション数や所要時間がまとめられているので、全体的なガス代の状況を把握できるでしょう。

とくにガスの使用量がわかるReal Time Gas Useは、現在のネットワークの混雑度合いを知るのに便利です。

gweiを確認することもできますが、ページは自動的に更新されないため、適宜手動でリロードしなければなりません。

3.Ethereum Gas Charts|チャートやヒートマップが見られる

出典:Ethereum Gas Charts

暗号資産の情報を提供しているメディアであるMilk Roadが提供しているガス代チェックツールです。

Gas Priceの動きをチャート図やヒートマップで確認できるため、現在のガス代が高騰しているかどうかを直感的に判断しやすいでしょう。

表示範囲は一週間で固定されているので、他の期間のガス代を確認したい際は別のツールを利用してください。

4.Ethereum Gas Price Chart|日本語で利用可能

出典:Ethereum Gas Price Chart

Ethereum Gas Price Chartは、Gas Priceのチャート図のみを確認できるシンプルなツールです。

24時間・7日・30日・最大(全期間)からチャートの表示範囲を選択できます。

日本語で表示できるうえに機能が最低限なので、ほかのツールより親しみやすいかもしれません。

ちなみに、Ethereum Gas Price Chartではイーサリアムだけでなくポリゴンのガス代も確認できます。

高すぎるガス代を節約する5つの方法

ほかのブロックチェーンと比べて高めのイーサリアムのガス代を、できるだけ安くしたいと考える人も多いでしょう。

ここでは、ガス代をなるべく安くする5つの方法を解説します。

  1. 安い時間帯に取引する
  2. まとめて取引する
  3. 取引所を経由する
  4. Priority Feeを手動で変更する
  5. ほかのブロックチェーンを利用する

1.安い時間帯に取引する

ガス代が高いと感じたら、時間をおいてから取引するようにしてください。

ガス代の変動幅は大きく、しばらく待つだけでガス代が半額以下になる場合もあります。

すぐに取引する必要がなければ、数時間または数日待ってみるのもよいでしょう。

ただし、逆にガス代が高くなる可能性もあるので注意してください。

平日の午後~夜がおすすめ

出典:Ethereum Gas Charts

取引する時間帯を選べるのであれば、平日の午後12時から夜18時までがおすすめ。

なぜなら、取引人口の多いアメリカなどが深夜になる時間であり、比較的ネットワークが空きやすいからです。

日本アメリカ(ワシントン)
深夜0時(0時)昼11時(11時)
朝6時(9時)夕方5時(17時)
昼12時(12時)夜11時(23時)
夕方6時(18時)深夜5時(5時)
日本とアメリカの時間

日によって空いている時間は前後しますが、ガス代を安くしたいのであれば狙ってみるとよいでしょう。

2.まとめて取引する

取引するたびにガス代が発生するので、一度にまとめて取引するようにしましょう。

たとえば、ウォレットから送金したお金が足りず追加送金すると、ガス代を2回支払うことになるためもったいありません。

取引に使う仮想通貨はなるべく多めに用意し、取引はなるべく一回で終わらせましょう。

NFTも一括で購入しよう

出典:OpenSea Pro

NFTも1点ずつではなく、まとめて購入したほうがガス代を節約できます。

別々のNFTマーケットプレイスでNFTを買う予定がある場合は、アグリゲーター機能を利用して購入するとよいでしょう。

アグリゲーター機能とは、複数のマーケットプレイスで販売されているNFTコレクションを1つのプラットフォームで購入できる機能です。

OpenSea ProやBlurなどのNFTマーケットプレイスでアグリゲーター機能を利用できるので、まとめて買う際には利用を検討してみてください。

3.取引所を経由する

仮想通貨を別のブロックチェーンに移動(ブリッジ)させる場合、いったん取引所に送金すると手数料が安くなることもあります。

なぜなら、仮想通貨を送金するのに比べて、ブリッジには何倍ものガス代がかかるからです。

ETHが複数のブロックチェーンに対応している仮想通貨取引所を経由すれば、イーサリアム上のブリッジサイトを利用するより安い出金手数料でブリッジできるでしょう。

ただし、日本国内の取引所ではイーサリアム以外のブロックチェーンにETHを送金できません。

この方法を利用するのであれば、BybitやMEXCなどの海外取引所で口座を作る必要があるので注意してください。

仮想通貨投資には取引所口座が必須!

仮想通貨を購入するには、まず取引所の口座を開設する必要があります。以下の記事で国内・海外のおすすめ取引所を紹介しているので、対応通貨や手数料を比較して投資スタイルに合った取引所を選びましょう。

海外取引所のmetaland専用キャンペーンは「【2024年8月最新】海外仮想通貨取引所のキャンペーン情報をカテゴリー別に紹介」記事で紹介しているので、ぜひ活用してください。

また、仮想通貨を実生活で手軽に利用したい方は、仮想通貨を含む複数資産を入金可能なクレジットカードAurora Cardもおすすめですよ。

4.Priority Feeを手動で変更する

追加で支払うPriority Feeは、トランザクションを実行する際に変更できます。

使用するウォレットがMetaMaskの場合、ガス代が表示されている箇所の上にある「市場」をクリックしてください。

するとガス代の編集画面が表示されるので、ガス代が安くなる「低」を選択すればOKです。

数値を自分で入力したいのであれば、「高度な設定」を開いて優先手数料を変更しましょう。

ただし、安くしすぎると数時間、数日と待つ場合もあるので注意してください。

ほかの項目はなるべく減らさない

高度な設定では最大基本手数料とガス限度額(=Gas Limit)を変更できますが、これらの項目は減らさないのが賢明です。

この2つの項目を減らすと処理できるトランザクションの範囲が狭くなり、失敗しやすくなります。

トランザクション処理が失敗すると用意したガス代はすべて消失してしまうので、デフォルトのまま変更しないのが無難です。

ガス限度額を下げるとガス代が安くはなりますが、失敗して損する可能性が高くなることを覚悟してください。

5.ほかのブロックチェーンを利用する

同様の取引をイーサリアム外でおこなえるのであれば、ほかのブロックチェーンを利用するほうがよいでしょう。

たとえば、イーサリアムチェーンからポリゴンチェーンに仮想通貨WETHを送りたい場合、2つのパターンが考えられます。

  • イーサリアム上でWETHに変えてからポリゴンに移す
  • ポリゴンに移してからポリゴン上でWETHに変える

ポリゴンのほうが安価なガス代で取引できるので、2つ目のほうが手数料を抑えられます。

資産を動かす前に、ほかのブロックチェーンを利用して手数料を抑えられるパターンがないか検証してみてください。

レイヤー2チェーンを利用する手も

イーサリアムではなく、イーサリアムのレイヤー2チェーンを利用する方法もあります。

レイヤー2チェーンはネットワークの混雑を軽減する目的で作られたチェーンで、レイヤー1(イーサリアム)のセキュリティ性を維持しつつ取引できるのが特徴です。

代表的なレイヤー2チェーンとしては、以下のようなチェーンが挙げられます。

  • Arbitrum(アービトラム)
  • Optimism(オプティミズム)
  • Boba(ボバ)
  • zkSync(ジーケーシンク)

上記のチェーンではETHでガス代を支払うことができ、価格はイーサリアムと比べて10分の1以下。

イーサリアムとレイヤー2の両方で提供されているサービスがあれば、レイヤー2を利用するのもよいでしょう。

イーサリアムのガス代に関するQ&A

イーサリアムのガス代に関する、よくある質問と回答を紹介します。

  • ガス代の相場(平均的な価格)はいくらですか?
  • いつまで待ってもトランザクションが処理されない場合はどうすればいいですか?
  • アップグレード(イーサリアム2.0)でガス代は安くなりますか?
  • ガス代が高すぎる理由を調べることはできますか?
  • 確定申告時にガス代を必要経費として計上できますか?

ガス代の相場(平均的な価格)はいくらですか?

2023年6月時点におけるガス代の相場はおよそ数百円~数千円、Gas Priceでいうと20~30gwei程度です。

ガス代はイーサリアムの価格やネットワークの混雑具合によって大きく変動するため、固定額は保証できません。

本記事で紹介したツールなどを参考に、ガス代に関する認識をつねにアップデートしていきましょう。

いつまで待ってもトランザクションが処理されない場合はどうすればいいですか?

ガス代を安くしすぎると、いつまでもトランザクションが処理されない状態(トランザクション詰まり)が発生してしまいます。

順番待ちしているトランザクションも処理されなくなるので、下記のどちらかの方法で対処してください。

  • トランザクションを編集してガス代を増やす(スピードアップ)
  • トランザクションを中止する(キャンセル)

どちらの方法も、MetaMaskのアクティビティからおこなえます。

なお、トランザクションの中止にはガス代がかかるので注意してください。

アップグレード(イーサリアム2.0)でガス代は安くなりますか?

2023年末に予定されているアップグレードによって、ガス代が安定して安くなるかもしれません。

Dencun(デンクン)と呼ばれる年末のアップグレードでは、イーサリアムのレイヤー2チェーンを含めた改良が予定されています。

具体的には、イーサリアムで処理できるトランザクションの数が100~1000倍まで向上し、レイヤー2でかかるガス代は0.001ドル(約0.1円)未満に下がるとのこと。

(参考)Ethereum.org|Scaling Ethereum

イーサリアムのガス代が直接的に安くなるわけではないようですが、レイヤー2を処理するコストが下がることで間接的に影響が出ると見られています。

ガス代が高すぎる理由を調べることはできますか?

ガス代に影響を与えるほどのプロジェクトが動いていれば話題になっている可能性が高いので、ニュースサイトやSNSでガス代に関する情報を探すとよいでしょう。

また、本記事で紹介したEthereum Gas TrackerでGas Guzzlersを見れば、ガスを大量に消費しているコントラクトアドレスを知ることができます。

確定申告時にガス代を必要経費として計上できますか?

ガス代は必要経費に計上可能です。

国税庁の資料によると、暗号資産の売却のために直接必要な支出であれば必要経費とみなされています。

ただし、暗号資産に関する法整備は進んでおらず、「ガス代=必要経費」と明言されていません。

今後扱いが変わる可能性はあるので注意してください。

(参考)https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

まとめ

本記事では、イーサリアムのガス代に関する基本知識や調べ方、節約方法について解説しました。

最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。

  • ガス代=イーサリアム(ブロックチェーン)上で取引する際に必要な手数料
  • イーサリアムチェーンの利用者が増えて混雑するほどガス代は高騰しやすい
  • 取引に必要なガス代=(Gas Price + Priority Fee)×Gas Limit
  • リアルタイムで大きく変動するGas Priceは専用のサイトやツールで確認可能
  • Priority Feeを変更したり時間を置いたりすることでガス代を節約できる

イーサリアムを利用する頻度が増えるほど、高額なガス代は大きな障壁となります。

現在の価格が適切であるかツールで確認しながら、なるべく節約する方法を考えていきましょう。

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この記事を書いた人

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