2025年7月7日、ドバイ金融サービス機構(DFSA)は、ドバイ初のトークン化マネーマーケットファンドとなるQCDTを承認しました。
日本語訳:
ドバイ初のトークン化マネーマーケットファンドが、QNBとDMZファイナンスのパートナーシッププロジェクトであるDFSAから正式承認を取得@DMZ_Finance と @QNBGroup が投資マネージャーとして提携したプロジェクトである QCD マネー マーケット ファンド (QCDT) がドバイ金融サービス機構 (DFSA) から同意書と正式な規制承認を取得し、ドバイ国際金融センター (@DIFC) に正式に設立された最初のトークン化マネー マーケット ファンドになったことをお知らせします。
中東・アフリカ最大の金融機関である @QNBGroup が、このファンドの主任オリジネーター兼投資マネージャーを務める。
@DMZ_Finance は共同発起人として、このファンドを支える独占的なトークン化インフラを提供しています。DFSAによるQCDTの画期的な承認は、中東地域における実世界資産(RWA)のトークン化の進展における大きな節目となります。
BitgetのCEOであるGracy Chen氏によると、トークン化マネーマーケットファンドの承認は、機関投資家向けの現実資産(RWA)市場における重要な転換点であるとのこと。
RWA市場に広がる機関投資家の関心
RWA市場は急速に成長を遂げており、多くの機関投資家から強い関心を受けています。
その根拠の一つが、リアルタイムなオンチェーンデータを提供しているRedStone社によるレポートです。
先月提供されたReal-World Assets in Onchain Finance Reportによると、RWA市場のオンチェーン上には以下の資金が運用されているとのこと。
資産区分 | 正確な金額(ドル) | 日本円換算(1ドル=160円) |
---|---|---|
プライベートクレジット | 約140億ドル | 約2兆2,400億円 |
米国債 | 約75億ドル | 約1兆2,000億円 |
機関向けオルタナティブファンド | 約5.67億ドル | 約907億円 |
上表の金額から、RWA市場への期待の大きさが分かるでしょう。
特にプライベートクレジットは、プロの投資家に向いている性質と安定した利回りのため、他の資産を率いるリード役となっています。
BlackRockの存在感と市場シェア
さらに注目すべきなのは、BlackRock社のBUIDLファンドが、トークン化された米国債市場全体の30%以上を占めている点です。

BlackRock社は世界最大の資産運用会社であり、約10兆ドル(約1600兆円)を運用する伝統的な金融機関です。
このような金融機関が、大きなシェアを占めつつ実際にトークン化資産を運用しているのは、本格的なRWA市場への進出が進んでいる証拠と言えるでしょう。
提供されているBUIDLファンドの存在感は、他の機関投資家や規制当局にとっても新たな参入の呼び水となる可能性があります。
QCDT承認が示す未来像
今回のQCDT承認によって、RWA市場は実験段階から基盤インフラへと移行し、トークン化資産の流れがさらに前進しました。
QCDTは、ステーブルコインの裏付けやオンチェーン担保など様々な使い方ができるように設計されており、機関投資家向けに特化しています。
実際に機関投資家が利用する流れが定着することで、ドバイがRWAトークン化で世界をリードしようとする姿勢がさらに明確になるでしょう。
RWA市場が2033年までに18.9兆ドル(約3024兆円)に達すると予測される現状において、ドバイの今後の動向はより重要となりそうです。
※ドル円の価格レートは1ドル=160円として計算しています。
引用ソース:Bitget Research
