DePINとは?特徴と注目のプロジェクトを紹介!

最近よく仮想通貨やブロックチェーンの話題に上がるDePIN。

次世代型のビジネスモデルであるDePINが、どのようなシステムなのかを気になる人も多いのではないでしょうか。

しかし、

  • DePINとは何かを知りたい
  • DePINの将来性について知りたい
  • 具体的なユースケースがあるのかを知りたい

などの悩みを抱える人も少なくないはずです。

結論から言うと、DePINは人々が自分の保有するリソースを提供し、他の人との共有によって利用可能なサービスや製品を生み出すネットワークを指します。

本記事では、DePINを理解する上で欠かせない分散についてもわかりやすく説明します。具体的なユースケースも紹介しますよ。

DePINに興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

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目次

DePINとは?3つの特徴を紹介

DePIN Sector Map
出典:MESSARI X

DePINとは何か、その特徴について紹介します。

ポイントは下記の通りです。

  • ブロックチェーン技術による分散型物理インフラネットワーク
  • DePINプロジェクトの核心である分散型アプローチ
  • 需要と供給の相互作用に基づいて成り立つビジネスモデル

順番に見ていきましょう。

1.ブロックチェーン技術による分散型物理インフラネットワーク

DePINとは、Decentralized Physical Infrastructure Networkの略で、日本語訳すると、分散型物理的インフラストラクチャーネットワークを意味します。

様々な個人が自分の物理的資源を提供し、他の人と共有して、新たなサービスや製品を生み出すシステムを指します。

物理的資源とは、保有しているが現在使用していないもののこと。

たとえばUberでは、サービス提供者が自身の車やバイクを用いて、他人のためにフードデリバリーサービスを提供し、その対価として報酬を得ます。

DePINのシステムでは個人が持つリソースの共有を通じて、仮想通貨で報酬を受け取れます

そして、このような個人の持つリソースの共有から、新しいエコシステムを創り出すのがDePINの目的。

エコシステムを活発化させるために、トークン(仮想通貨)などの報酬を使用して、協力と参加を奨励する仕組みです。

2.DePINプロジェクトの核心である分散型アプローチ

Hivemapper公式サイト
出典:Hivemapper

DePINの2つ目の特徴は、分散型である点です。

中央集権型の管理や制御がなされず、データやリソース、権限などが複数のノード(参加者やデバイス)によって共有され、運用される構造です。

わかりやすく言うと分散型システムは、一つの中央機関やサーバーに依存するのではなく、個々の参加者がそれぞれのリソースやデータを提供します。

全体のシステムが、分散したリソースによって支えられる仕組みと言えるでしょう。

DePINの目的は、物理的なインフラや資源を世界中に分散したネットワークによって共有・活用することなのです。

分散型ネットワークで構築されたHivemapper

DePINの代表例Hivemapperは、GoogleMapの独占を分散型ネットワークで挑むプロジェクトです。

Hivemapperとは?

Hivemapperは、世界中のユーザーが作成した地図データを統合して、リアルタイムで更新される分散型の地図サービス。

従来のサービスであるGoogle Mapは、中央集権的な集中型のデータベースとアルゴリズムに依存しています。

一方Hivemapperは、世界中の個人や組織から提供される地図データを統合し、よりリアルタイムで鮮度の高い地図情報サービスを提供できます。

つまり多くの個人からの情報によって構成されるため、地域に根ざした詳細な情報や、Googleではカバーできなかったニッチな情報が地図上で共有されるのです。

HivemapperのようなDePINプロジェクトは、データの集約と管理において一つの組織に依存しないのが魅力。

分散を通して情報の多様性と豊かさを実現し、利用者にとってより価値の高いサービスを提供することに繋がるでしょう。

3.需要と供給の相互作用に基づいて成り立つビジネスモデル

DePINは、需要と供給の相互作用に基づいて成り立つビジネスモデルです。需要のある人と供給できる人が出会い、互いに助け合う特別な場所とイメージすればよいでしょう。

供給者は、自身が保有する特別な能力やリソースを共有したい人。需要者は供給側の提供する能力やリソースを使いたい人たちです。

たとえば、DePINの一つであるRENDER NETWORKプロジェクトでは、高性能なGPUを保有し計算能力を持つ人たちが供給者となります。

一方、その計算能力を利用してグラフィックや動画をクリエイトしたいユーザーらが需要者となります。

つまり、供給者と需要者がDePINを通じて出会い、協力し合うのです。

DePINは供給と需要の両方をつなげることで、マーケットプレイスを作り出し、お互いに価値を提供し合う場所と言えるでしょう。

RNDR(レンダートークン)については、下記の記事で詳しく解説しています。興味のある人は、ぜひチェックしてみてください。

DePINのユースケースを紹介!

ブロックチェーンのイメージ

DePINのユースケースについて紹介します。

  1. peaq|DePINに特化したL1チェーン
  2. Filecoin|分散型クラウドストレージサービス
  3. Helium|分散型ワイヤレスネットワーク

順番に見ていきましょう。

1.peaq|DePINに特化したL1チェーン

昨今、IoTデバイスや自動車、ワイヤレス家電製品など、身の回りにデジタル化されたデバイスが多く存在します。

その中で注目されているのが、peaqと呼ばれるDePIN向けに開発されたレイヤー1ブロックチェーンです。DePINの普及に伴い、peaqの役割が日に日に重要になっていくと考えられます。

デバイス間の安全なデータ通信や、マイクロペイメントがスムーズに行えるインフラストラクチャーが必要とされているからです。

マイクロペイメントとは?

少額の決済や関連するサービス、手数料のことを指す。

peaqがマイクロペイメントに特化した特徴は、以下の通り。

  • セキュリティの堅牢性
  • 高い処理能力
  • 低コストなガス代

上記の特性を活かして、peaqはDePINエコシステム内でのデバイス、マシン、ロボットなどの管理や、各デバイス間での安全性の高い通信を可能にします。

その他、peaqではDePINに特化したdAppsを構築しやすいように開発キットが搭載されています。

下記はpeaqに搭載されている機能の一部です。

  • peaq IDs・・・各デバイスに付与されるID
  • peaq access・・・ユーザーの権限をコントロールできる基盤
  • peaq pay・・・支払い機能 

参考:peaq Document

さらにpeaqは近年BOSCH、NTT、DENSO、gaia-xなどの大手企業や団体と提携しているため、大きな注目を浴びています。

DePINの普及に伴い、peaqの役割は急激に重要になっていく可能性があるでしょう。

2.Filecoin|分散型クラウドストレージサービス

Filecoin公式サイト
出典:Filecoin

Filecoinは、ブロックチェーン技術を活用した分散型ストレージネットワークを提供するプロジェクトです。

ユーザーは不要なストレージ容量を他者に提供し、その対価としてFilecoinトークンを報酬として得られます。

データは暗号化された上で、世界中の複数のストレージプロバイダーに分散して保存されるため、安全性と耐障害性が高いと言えるでしょう。

ストレージの価格は、提供者と利用者間の供給と需要のバランスによって決定されます。

さらに、ユーザーはコストパフォーマンスの良いストレージを自由に選択可能なので、柔軟性が高い点が魅力です。

なお、2024年2月17日に、FilecoinとSolanaがデータストレージインフラの強化を目的とした提携を発表しました。

SolanaはFilecoinの分散ストレージソリューションを組み込めば、データをより安全に保つために、様々な場所に保存可能になります。

将来的に、Filecoinのトークン経済システムとSolanaの高速トランザクション処理能力の組み合わせは、分散型アプリケーション(DApps)の成長を加速させるかもしれません。

3.Helium|分散型ワイヤレスネットワーク

Helium公式サイト
出典:Helium

Heliumネットワークは、世界規模で分散型の無線通信インフラを提供するプラットフォームです。

特にインターネット・オブ・シングス(IoT)デバイスの接続に特化しています。

IoTデバイスとは?

インターネットに接続してデータのやりとりができる電子機器のこと。小型のウェアラブルデバイスからスマートフォンで制御可能な家電など幅広い。

ユーザーはHeliumのホットスポット(小型無線基地局)を設置し、ネットワークに貢献すれば、報酬としてHNTトークンを受け取れます。

つまり、Heliumネットワークは、従来の通信会社が提供するネットワークと異なり、ユーザー主導で無線ネットワークのインフラが構築されているのです。

中央集権的な管理を必要としないため、人件費や管理コストの削減が可能になります。

なお2023年4月、Heliumは更なるスケーラビリティと効率性を目指してSolanaブロックチェーンへの移行を決定しました。

Solanaの特徴であるスピーディな処理速度と低コストのガス代によって、より多くのアプリケーションやサービスがHeliumネットワーク上で実現可能になりました。

Solanaへの移行で、Heliumネットワークはスケーラビリティと効率性が大幅に向上すると考えられるでしょう。

https://twitter.com/helium/status/1648725076571766786?s=20

DePINの将来性に関するポイント

新しい技術と発展

DePINの将来性に関するポイントを解説します。

  1. 少数企業が独占している市場に変化が起きる
  2. Web3.0の一般化に繋がる
  3. 技術的な難しさから認知度が広まらない可能性も

1.少数企業が独占している市場に変化が起きる

DePINの普及は、現在少数の大企業によって独占されている市場構造に大きな変化をもたらし、サービスの低価格化を進めると考えられています。

DePINのシステムでは、ユーザー同士の直接的なサービス提供が可能となり、中間コストを削減できるからです。

たとえば、Airbnbで空き部屋を提供して報酬を得たとしても、中央集権型プラットフォームのため運営者が取引ごとに手数料が徴収されます。

中央集権型とは?

一つの中心的な組織や機関がプラットフォームを管理するシステム。たとえば、GAFAM(Google、Amazon、Facebook(現Meta)Microsoftなど)が代表的。

しかし、DePINのシステムを利用すると、売り手と買い手が直接やりとりできるので、第三者の介入なしに取引が可能となります。

結果として不要な手数料が削減され、より低価格で商品やサービスが提供されるようになります。

DePINが普及すれば、市場の競争が促され、大企業の独占状態が終わり、サービスの低価格化を実現する可能性があるでしょう。

2.Web3.0の一般化に繋がる

DePINの普及は、Web3.0の広がりを加速し、社会に大きな変化をもたらすと見込まれています

Web3.0とは?

Web3とは、ブロックチェーン技術を基盤とした新世代のインターネットのこと。

DePINが社会に浸透すれば、インターネットは従来の中央集権型から脱却し、ユーザーが自身のデータを管理し、分散型経済システムへの参加が可能になるでしょう。

中央集権型は「一つの中心」から全てが決まり、分散管理型は「たくさんの人や場所」がそれぞれで決めていくスタイルです。

また、Web3.0化が進めば、データの所有権とプライバシーの保護を大幅に強化し、人々が直接取引を行うことが可能になると考えられます。

たとえば、多くの大企業がユーザーのSNSやメール情報を管理しており、ユーザーは自分の情報がどのように使われているかを完全には知ることができません。

しかし、Web3.0を通じてブロックチェーン技術を活用すれば、ユーザーは自分の情報の使用方法を直接コントロールすることが可能になります。

お金や物の取引を銀行や大企業を介さずに直接行えるようになるのです。

DePINが広まればWeb3.0の普及と分散型経済システムを実現し、データの所有権及びプライバシーも強化されると考えられます。

個人がより自由かつ安全に、インターネットを利用できる未来が来ると言えるでしょう。

3.技術的な難しさから認知度が広まらない可能性も

DePINはブロックチェーンを基盤とした分散型技術を活用し、個人のデータ所有権とプライバシーを守る革新的なシステムでもあります。

しかし、一般の人々にとって技術が複雑に感じる面があるのも事実です。DePINを有効に活用するには、ブロックチェーン技術に関する知識が求められます

ブロックチェーンの専門用語や概念が理解しにくいため、一般の人にDePINの理解はややハードルが高いと言えるでしょう。

さらに、プロジェクトの主催者や開発者にとっても、分散型技術の開発や運用が複雑で難易度が高く映る可能性もあります。

DePINを広く普及させるには、技術的な課題を克服するための教育プログラムと、ユーザーフレンドリーなインターフェースの開発が不可欠と言えるでしょう。

DePINに関するQ&A

Q&A

DePINに関してのよくある質問と回答を紹介します。

  • DePINとは何ですか?
  • DePINと仮想通貨はどう関係するのですか?
  • 代表銘柄は何ですか?
  • なぜ分散型と言えるのですか?

DePINとは何ですか?

DePINは「分散型物理的インフラストラクチャーネットワーク」の略。人々が使用していない物理的資源を提供し共有することで、新たなサービスや製品を生み出すシステムです。

UberやAirbnbのようなシェアリングエコノミーをイメージするとわかりやすいでしょう。空き部屋や車などの活用していないリソースを共有することで収益を生みます。

DePINでは、ブロックチェーンを使用して資源の共有と取引を安全かつ透明に行うため、効率がよく手数料が安い点が魅力です。

DePINと仮想通貨はどう関係するのですか?

DePINは、人々が使用していないリソースを共有するシステムで、仮想通貨はインターネット上で使えるお金です。

DePINで物を貸したり借りたりするとき、仮想通貨は報酬の支払い手段として利用されます。

代表銘柄は何ですか?

DePINの代表銘柄は下記の通りです。

  • Filecoin(FIL)
  • Render(RNDR)
  • Helium(HNT)
  • Theta Network(THETA)
  • IOTA(IOTA)

参考:Coingecko

なぜ分散型と言えるのですか?

DePINはブロックチェーン技術を利用し、データをネットワーク上に分散して保存するためです。

中央集権的な管理機関を必要としない分散型システムによって、DePINネットワークは構築されています。

まとめ

本記事では、DePINの特徴とユースケース、将来性について解説しました。

最後に重要な点をおさらいしましょう。

  • DePINとは、Decentralized Physical Infrastructure Networkの略
  • ブロックチェーン技術による分散型物理インフラネットワーク
  • 分散型アプローチがDePINの革新
  • 需要と供給の相互作用に基づいて成り立つ
  • DePINの普及により少数企業が独占している市場に変化が起きる可能性
  • Web3.0の一般化に繋がる可能性
  • 技術的な難しさから認知度が広まらない可能性も
  • RNDRやFilecoinなどが代表的な銘柄

DePINがWeb3.0の普及を推し進めるか、Web3.0がDePINを推し進めるか、どちらが先かはまだわかりません。

どちらにせよ、DePINが次世代ビジネスの鍵となる可能性は高いと言えます。興味のある人は、今のうちからDePIN銘柄に投資しておくのも良いでしょう。

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この記事を書いた人

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