メタバース元年と呼ばれる2022年以降、大手企業もメタバースを利用したサービスを展開するようになってきました。
ブロックチェーン技術やAIと融合した、近未来的な世界がすぐ近くまで来たように感じられます。
しかし、
- そもそもメタバースって何に使うの?
- メタバースが日常にある世界って?
- もっとメタバースについて知りたい!
- メタバースの世界観が取り入れられた映画ってないの?
などの疑問も出てきますよね。
そこで、メタバースを楽しみながら理解できる映画・アニメ・ドラマから、おすすめの12作を厳選しました。ストーリーを楽しみながら、メタバースの概念について学べるので、ぜひ参考にしてください。
メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。
ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。
メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。
Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。
メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
メタバースを理解できるハリウッド映画5選
メタバースを理解できるハリウッド映画を5つ紹介します。それが次の5本です。
- レディ・プレイヤー1|スティーブン・スピルバーグによる傑作
- VRミッション:25|仮想現実と現実社会が融合した近未来
- フリー・ガイ|ゲームの中のモブが主人公
- マトリックス|キアヌ・リーブス主演・仮想現実空間舞台のSFアクション
- ブラックミラー_ストライキング・バイパーズ|リアルの友人同士がVRゲーム上で恋に落ちる
順にみていきましょう。
1.レディ・プレイヤー1|スティーブン・スピルバーグによる傑作
【作品概要】
西暦2045年、天才ジェームズ・ハリデーが想像したVR(バーチャル・リアリティー)ゲーム”オアシス”内に、ハリデーの莫大な財産が隠されているという。
ゲーム内に隠されたのは、デジタルのイースターエッグ。それを最初に見つけたものに、オアシスの所有権と5,000億ドル相当のハリデーの財産を与えられるという。
ハリデーの遺言をもとに、多くの者がVR”オアシス”へ探しに行く。
2018年制作のSF映画。監督はスティーブン・スピルバーグ。森崎ウィンのハリウッドデビュー作。
魅力的なVR世界とつまらない現実社会の対比が描かれているのが面白いポイントです。またガンダムやマリオなどの日本のキャラクターが登場するのも魅力的ですね。
メタバースはインターネット上に存在する仮想空間のこと。VRはVirtual Realityの略で、仮想現実を現実のように感じ取れるデバイスのこと。
2.VRミッション:25|仮想現実と現実社会が融合した近未来
【作品概要】
舞台は近未来のニューヨーク。オンラインゲームの有名プレイヤー達8人が、最新型VRゲーム「ザ・コール・アップ」の体験版を仮想空間で戦うことに
特性のスーツとヘルメットを装着し、完全没入型のVRゲームの世界を楽しむうちに、それが罠だと気づいて……。
2016年にイギリスで制作された本作は、閉ざされた状況でのデスゲームを描いた緊迫感に満ち溢れたスリリングな作品です。同じ趣向の映画が好きな人にはたまらないでしょう。
3.フリー・ガイ|ゲームの中のモブが主人公
【作品概要】
オンラインゲーム「フリー・シティ」で銀行窓口係をしている「モブキャラ」のガイ。
モブキャラはプログラムされた一定の動きしかしないはずなのに、ある日彼はプレイヤーアバターのサングラスを手に入れる。
プレイヤーのとある女性に一目ぼれしたガイは、人助けをしながら勝手にレベルアップしていく。
特異な存在「ブルーシャツ・ガイ」としてゲームプレイヤーや開発会社からも注目を集めていって……。
2021年にアメリカ・日本で公開された比較的新しい作品です。監督は「ナイトミュージアム」のショーン・レビ。
ゲーム内で勝手に成長するガイの様子と、それを見てあたふたするゲーム開発側の生々しい反応が見どころです。
4.マトリックス|キアヌ・リーブス主演・仮想現実空間舞台のSFアクション
【作品概要】
プログラマのトーマス・アンダーソンは、ネオという名の有名ハッカーとしても活動していた。
ある日、トリニティと名乗る美女とモーフィアスに出会い、現実だと思っている世界が実は「BMI」により作り出された仮想世界だと知る。
ネオは、二人とともに人類を支配するコンピュータと戦い、人類を救い出そうとする。
キアヌ・リーブス主演、仮想現実空間を舞台に人類とコンピュータの戦いを描いたSFアクションです。公開当時は社会現象になるほどの話題となりました。
コンピュータに支配されたディストピアからの解放を目指すストーリーが、非常にスリリングです。また「このまま機械頼みの進化を遂げてよいのか?」という重い問いかけを投げかける意欲作でもあります。
ブレインマシンインターフェイスの略。脳と機械を接続する技術で、脳波や神経信号を読み取り、直接情報のやり取りができるよう開発が進んでいる。マトリックスの中で、人間の脳に直接プラグを差し込むことで、仮想現実内に侵入している。
5.ブラックミラー_ストライキング・バイパーズ|リアルの友人同士がVRゲーム上で恋に落ちる
【作品概要】
ゲームが大好きな主人公二人は、「ストライキング・バイパーズ」という格闘ゲームで遊んでいた。
その11年後、主人公ダニーは妻と息子と暮らしており、自分の誕生日会にカールを招く。
1年ぶりに会ったカールからは、最新VRゲーム「ストライキング・バイパーズX」をプレゼントされる。その夜、カールにゲームに招待され久しぶりに格闘ゲームを楽しむが……
メタバース上での恋愛・肉体関係に主眼を置いた作品です。主人公は、「これが恋愛なのか、それとも単なる『ポルノ・コンテンツ』なのか」を結論づけられず、葛藤します。
その様子からメタバースとの付き合い方を学べるのが、本作最大の魅力といえるでしょう。
メタバースで恋愛ってあり?
「ありか、なしか」は個人の価値観にもよりますが、実際にメタバース上での恋愛が成就したケースは多々あります。
たとえば、恋愛メタバース「Memoria(メモリア)」の成功が挙げられるでしょう。これは、インターネットの仮想空間であるメタバースを活用したマッチングアプリです。
アバターの姿で恋人を探したりデートをしたりすることで、相手の外見ではなく性格や相性といった内面から恋に落ち、リアルでの交際に発展できます。
ベータ版では20組のカップルが生まれ、うち2組が婚約に至ったそうです。
メタバースを理解できるアニメ映画4選
メタバースを理解できるアニメを4作品紹介します。
- 竜とそばかすの姫|メタバースの歌姫になった女子高生
- サマーウォーズ|現実社会よりも仮想空間に優位性がある世界
- ソードアート・オンライン|ゲームの中に閉じ込められたデスゲーム
- 電脳コイル|ARグラスを利用した近未来の世界
どれも日本のアニメです。順にみていきましょう。
1.竜とそばかすの姫|メタバースの歌姫になった女子高生
【作品概要】
2021年公開の、細田守監督の長編アニメ映画。巨大インターネット空間である仮想世界を舞台にした、高知の自然豊かな田舎町に住む17歳の女子高生の成長物語。
主人公すずは、母の死をきっかけに心を閉ざしていたが、友人に誘われ全世界で50億人以上が集う仮想世界「U(ユー)」に「ベル」という名のアバターで登録する。
現実社会では歌えなくなったすずだが、仮想世界では自由に歌えるため、自身の歌を披露する。次第に世界中から注目を浴びるようになって…。
主人公は、メタバース内のアバターとしての自分と、現実社会におけるちっぽけな自分との乖離に苦しみます。
一方で、現実ではできなかった自己表現をメタバース上で実現して、そこにアイディンティティを見出すことに成功して救われる場面も。
人とメタバースとのかかわりや、自分自身の存在意義に対する問いかけが多分に含まれている、非常に示唆深い作品です。
2.サマーウォーズ|現実社会よりも仮想空間に優位性がある世界
【作品概要】
2009年公開、上記「竜とそばかすの姫」と同じく細田守監督の作品。主人公は数学が得意だが気弱な高校2年生の健二。
そんな健二は憧れの先輩である夏希に頼まれ、夏休みの間、彼女の実家で婚約者として過ごすことに。そんな中、仮想空間OZで起きた事件に巻き込まれる。
その影響が現実社会にも波及。健二は夏希の親戚一同とともに混乱に立ち向かうが……
仮想空間OZの中では、各ユーザーが自分のアバターを通じて交流やゲーム、仕事などの活動を行っており、社会インフラとして機能しています。
まだメタバースといった概念が浸透していない時期に、現在と変わらない仮想空間の概念を描いた点でも評価されています。
3.ソードアート・オンライン|ゲームの中に閉じ込められたデスゲーム
【作品概要】
2017年公開。人気テレビアニメ「ソードアート・オンライン」の劇場版「劇場版ソードアート・オンライン‐オーディナルスケール‐」。
原作は川原礫によるライトノベル。世界初の仮想現実大規模ロールプレイングゲーム(VR-MMORPG)「ソードアート・オンライン」の仮想空間に、ゲーム参加中の約1万人のユーザーが閉じ込められる。
現実社会に戻るには、最上位100層のボスを倒さなければいけない。主人公キリトは見事ボスを倒し、デスゲームから参加者を救う。この事件から4年後の2026年にAR昨日を利用した新しいゲームが発売される。
VR(仮想現実)とAR(拡張現実)をミックスさせた設定で、舞台も2026年とリアリティがあります。評価や口コミでは、戦闘シーンの描写がすぐれていると絶賛されています。
AR(Augmented Reality)とは、「拡張現実」と訳され、デジタル情報と現実世界の映像を重ねる技術。
ARゴーグルやARグラスなどを介して、現実世界にナビゲーションや3Dデータなどを表示する。VRは、インターネット上の仮想空間であり、現実世界とは完全に切り離されている。
4.電脳コイル|ARグラスを利用した近未来の世界
【作品概要】
2007年TVアニメ放送。202X年、現実世界に電脳世界の情報を重ね合わせて見せる「電脳メガネ」が子どもたちの間で大流行していた。
街のどこからでもネットに接続し続ける便利なアイテムで、現代のスマホのようなものだ。
最新の電脳インフラを擁する日本の地方都市「大黒市」を舞台に、小学生最後の夏休みを挟んだ数か月間の子どもたちの日常を描く。
電脳メガネは今でいうARグラスのようなものです。
電脳メガネをかけると、現実社会にデジタル情報がオーバーレイして見えます。
アップデートによるバグによるトラブルなど仮想現実に翻弄されるのも妙に現実的です。
メタバースを題材にしたドラマ3選
メタバースを題材にしたドラマ3選を紹介します。
- アップロード ~デジタルなあの世へようこそ|記憶と精神をデジタル化
- オルタード・カーボン|人間の精神のデジタル化を描いた300年後の世界
- ウエストワールド|ゲームのモブが意志を持ったら
1.アップロード ~デジタルなあの世へようこそ|記憶と精神をデジタル化
【作品概要】
AmazonによるアメリカのSFコメディドラマ。人間の死後、記憶と精神をデジタルの世界にアップロードできる近未来を描いている作品。
アップロード先は、仮想リゾート”レイクビュー”。そこでは、ほかのアップロード(死者)たちが日常生活を送っており、生きている人間はアバターとして訪問し、死者と交流できる。
生きた人間だけではなく死者もメタバースにアクセスできるという点が近未来的です。
”レイクビュー”内では、課金しないと十分なサービスを受けられません。
ドラマには、死後もメタバースで格差社会が続くといった風刺も含まれています。
2.オルタード・カーボン|人間の精神のデジタル化を描いた300年後の世界
【作品概要】
SF小説を原作としたNetflixオリジナルドラマ。
300年後、人間の心がデジタル化された世界で、”スタック”とよばれるメモリーデバイス(精神や魂)を新しい身体(スリーヴ)に埋め込めば、肉体の乗り換えが可能となっていた。
何度も生き返ることができる世界で、250年ぶりに新しい体で蘇ったタケシ・コヴィッチ。資産家バンクロフト殺人事件の謎を追うよう指示され……
原作は、リチャード・モーガンの同名小説「オルタード・カーボン」。メタバースというよりも、人間の肉体と精神とデジタルの融合を描いた作品といえます。
Netflix Japanでアニメ化もされている
同作は、以下のようにアニメにもなっています。
オリジナル実写シリーズのスピンオフとなる3DCGアニメです。オリジナルシリーズのシーズン1よりも250年前の時代設定。仁義や忍者など日本的エッセンスが盛りだくさんです。
3.ウエストワールド|ゲームのモブが意志を持ったら
【作品概要】
2016年に完成したアメリカのSFドラマ。天才科学者ロバート・フォード博士が作った仮想空間「ウェストワールド」は1泊450万円の体験型アトラクション。
「ウエストワールド」ではアメリカの西武時代・中世ヨーロッパ自裁・帝国ローマ時代を再現しており、人間はそれぞれ好きな世界で生活を楽しむ。
そこでは人間そっくりに作られたアンドロイドがホストとしてもてなしてくれる。参加している人間は、「ウエストワールド」では殺人も暴行もやりたい放題。
そのすべてがアトラクションとして楽しめる。安全は、徹底した監視システムで保障されていたはずなのに異常が発生するようになる。
ついにはゲームのモブである女性”ドロリス”が自我に目覚め、シナリオにない行動を起こすようになって……
仮想空間では、欲望のまま自由に行動してもいいと許されています。メタバースやネットゲームでは、こういった行動は当たり前で疑問に思うこともありません。
しかし、ゲームのモブが意思と感情を持ったら?現代ではありえない設定ですが、近未来で全くないとは言えない怖さを感じます。
メタバース関連の映画・アニメ・ドラマに関するQ&A
メタバース関連の映画・アニメ・ドラマに関する、よくある質問について集めました。
- メタバースには将来性がある?
- 現実のメタバースはどこまでできる?
- アカデミー賞に輝いたメタバース映画はある?
順にみていきましょう。
- メタバースには将来性がある?
-
メタバース産業は、技術の発展とサービス開発によって拡大し続けています。ゲーム中心でしたが、企業や地方自治体も利用するようになってきました。
総務省の令和4年情報通信白書のなかで、世界市場は2021年に4超2.640億円だったものが、2030年には78兆8.705億円まで拡大すると予想しています。
企業がメタバースを利用している事例については、こちらの記事にまとめています。
メタバースはこれからのビジネスに欠かせない?活用事例とメリットを解説! メタバースは、インターネット上に構築された3Dの仮想空間です。 主にゲームやエンターテイメント業界で注目されていましたが、最近ではビジネス分野でも活用が広がって… - 現実のメタバースはどこまでできる?
-
映画の中では無敵感のあるメタバース空間ですが、現在のところ次のようなことが可能です。
- ゲーム
- 会議
- 共同作業
- 研修
- ライブイベント
- ショッピング
- 旅行
- 不動産売買
日常生活のさまざまなことが、メタバース内でできるようになっています。現在のところ、メタバースで共有できる感覚は視覚と聴覚ですが、触覚の共有の開発も進んでいます。
- アカデミー賞に輝いたメタバース映画はある?
-
アカデミー賞に輝いたメタバース映画は次のとおりです。
- レディープレイヤー:2019年 アカデミー賞・視覚効果賞
- フリー・ガイ:2022年 アカデミー賞・視覚効果賞
- マトリックス:2000年 アカデミー賞・視覚効果賞・録音賞・編集賞・音響編集賞
- 竜とそばかすの姫:2022年 日本アカデミー賞優秀アニメーション作品
- サマーウォーズ:2010年 日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品
ほかにもアカデミー賞に輝いた映画で、メタバース的な要素がある映画は「アバター」が挙げられます。
まとめ
この記事では、メタバースに関連する映画についてまとめました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- メタバースの概念は2000年ごろには認識されていた
- 仮想現実と現実社会とは別世界だが人間の感情は別
- 日本はアニメで仮想現実世界を描くのが得意
- メタバースでは聴覚・視覚を共有できるが映画では感覚も共有
- 近未来で実現する可能性あり
映画では、仮想現実と現実社会との境目がなくなり、どれが現実かわからなくなる危険も描かれています。
今の時点では、映画の世界は、現実ではありえないと思えるような設定ですが、十数年後の未来では、もしかすると現実のものになっているかもしれませんね。