文章執筆AI「ELYZA Pencil(イライザペンシル)」とは?始め方や使い方のコツを紹介

出典:ELYZA Pencil

ChatGPTが席巻し、仕事の一部をAIに任せて効率化を図ろうとするビジネスパーソンが増えています。

文章執筆AIのELYZA Pencil簡単に文章を作成できると聞いて、使ってみたいと考えている人も多いはず。

しかし、

  • ELYZA Pencilはどのような文章を作成できるのか
  • 使いこなすコツはあるのか
  • ELYZA Pencilで文章を執筆するときの注意点は何か

などの疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、ELYZA Pencilは非常にシンプルなので、文章執筆AI初心者の方に適しています

本記事では、初めてAI執筆をする人にもわかりやすいように、ELYZA Pencilの機能をわかりやすく解説します。

メールの文章や職務経歴書を作成する手間を省きたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

ELYZA Pencil(イライザペンシル)とは?4つの特徴を紹介

ELYZA Pencilのトップページ
出典:ELYZA Pencil

ELYZA Pencilの特徴は以下の通り。

  1. 東京大学発のスタートアップが開発
  2. キーワードを入力するだけで文章を生成する
  3. 日本語特化の大規模言語AI「ELYZA Brain」を使用
  4. 様々な用途に利用できる

順番に見ていきましょう。

1.東京大学発のスタートアップが開発

ELYZA Pencilを開発する株式会社ELYZA(ELYZA, Inc.)
株式会社ELYZA 会社紹介・採用資料

ELYZA Pencilの開発元は、東京大学の松尾研究室を中心とした株式会社ELYZA(ELYZA, Inc.)です。

松尾研究室とは、東京大学の研究成果活用型ベンチャー。

室長を務める松尾豊氏は、日本ディープラーニング協会を設立するなど、業界の第一人者です。

2018年に設立された同企業は、「未踏の領域で、あたりまえを創る」をミッションとして、自然言語処理(NLP)の社会実装を目指しています。

大学や研究所などで開発した技術を、社会がすみやかに恩恵を得られる形に実用化するのがねらいです。

自然言語処理(NLP)とは?

人間が日常的に使う言語を分析・処理する技術のこと

2.キーワードを入力するだけで文章を生成する

ELYZA Pencilの使い方は非常に簡単です。

会員登録は必要なく、ブラウザにアクセスすれば、誰でも無料で使えます。

使用できる文章の種類は下記の通り。

  • ニュース記事
  • メール文
  • 職務経歴書

種類を選んでキーワードを登録し、スタートボタンをクリックすれば、数秒で文章が完成します。

法人版を導入すれば、使用できる文章種類が増えますよ。

3.日本語特化の大規模言語AI「イライザ」を使用

ELYZA Pencilには大規模言語AIイライザが利用されている

株式会社ELYZAでは、ELYZA Pencilの基本となる大規模言語AIイライザを研究開発しています。

大規模言語AIとは、膨大な言語データを処理するAI。

「まとめる、書く、読む、話す」などの処理において、人間並もしくはそれ以上のパフォーマンスを発揮します。

大規模言語AIイライザは、損保ジャパンやマイナビなどの有名大企業でも、すでに使用されていますよ。

たとえば損保ジャパンでは、カスタマーセンターの業務の2〜3割を占める顧客履歴作成業務の効率化を、イライザと共に実現しようとしています。

同企業の要約AIツール「ELYZA DIGEST(要約AI)」も大規模言語AIイライザによって成り立つサービスです。

ELIZAシリーズは、ホワイトカラー業務のDXに大きく貢献しそうです。

4.多彩な法人向けのサービス

ELYZA Pencilは、ビジネス用のサービスでさらなる真価を発揮します。

作成できる文書の種類が増えるからです。

具体的には、以下の種類の文章も作成できるようになります。

  • デスクワークにおける文章
  • 書籍の原稿
  • SNSの投稿文他

ELYZA Pencilの公式サイトでは、法人向けのサービスはお問い合わせを促しています。

一般用の文書(ニュース記事、メール文、職務経歴書)以外の文書をAIに執筆させたいと考えている方は、以下から問い合わせてみてくださいね。

文章執筆能力をELYZA PencilとChatGPT(GPT-3.5)で比較

編集部では、ELYZA PencilとChatGPTの執筆能力を比較してみました。

結果、以下のような違いがあることがわかりました。

ELYZA Pencil
  • アカウント登録不要
  • 実際の利用に即した内容の出力ができる
  • シンプルで要点を掴んだ文章を作るのが得意
  • プロンプトを工夫する必要がない(入力はキーワードのみ)
ChatGPT
  • アカウント登録必要
  • ユーザーの意図を正確に理解し文章を作成できる
  • プロンプトで文字制限をしないと、出力結果が長文となりやすい傾向がある

たとえば、会社への遅延連絡のメールを執筆したいとします。

以下のキーワードでELYZA Pencilにメール文を執筆してもらいました。

  • 神奈川県
  • 大雨警報
  • 冠水
  • ゲリラ豪雨
  • 落雷注意
  • 社員宛
  • 自宅待機

生成されたメッセージは以下の通り。

ELYZA Pencilによる文章生成結果

ELYZA Pencilでは、ブラウザから公式サイトへアクセスして、キーワードを入れるだけで上記の文章を作れます。

微修正を加えればよいくらいの精度であるため、急いでいるときにELYZA Pencilは便利だと言えるでしょう。

一方、ELYZA Pencilとの比較のために、ChatGPTでは下記のように指示を出してみました。

以下のキーワードを使ってメール文章を作ってください

  • 神奈川県
  • 大雨警報
  • 冠水
  • 課長宛
  • 遅延連絡
  • 自宅待機
  • 落雷注意

結果は下記でした。

ChatGPTによる生成結果

課長へ自宅待機する旨を伝えるメッセージができあがりました。少しELYZA Pencilに比べると端的であるため、付け足しが必要となるかもしれません。

ChatGPTではプロンプトに工夫が必要ですね。

最新情報やキーワードの内容によってはエラーが出ることも

ELYZA Pencilは、デモンストレーション用のモデルであるため、本格的なニュース記事の作成には適していません

たとえば、以下のような最新のキーワードでニュース記事を作ろうとするとすると、エラーが出る場合があります。

例 以下のキーワードでELYZA Pencilにニュース記事の作成を指示

  • 仮想通貨取引所
  • BASE
  • 6つのプロジェクト
  • 投資
  • 投資への申請
  • 800件以上

結果

ERROR500:推論処理に失敗しました。別のテキストでお試しください。

ELYZA Pencilのエラー

上記のキーワードは2023年9月8日に配信されたニュースのキーワードです。

ELYZA Pencilは最新情報を処理できないことがわかります。

ELYZA Pencilはシンプル、ChatGPTは詳しく長文になる

続いて以下のキーワードでELYZA Pencilに職務経歴書を作成するよう指示しました。

  • 簿記2級取得
  • ファイナンシャルプランナー2級
  • 不動産会社にて経理担当3年

結果は以下のようになりました。

ELYZA Pencilの生成結果

履歴書の経歴欄にそのまま使えそうなシンプルな文章が完成。

比較のために、ChatGPTでも同様の指示を出してみました。

以下の3つのキーワードを使って職務経歴書を執筆してください。

  • 簿記2級取得
  • ファイナンシャルプランナー2級
  • 不動産会社にて経理担当3年

結果は下記のようになりました。

ChatGPTの生成結果

非常に緻密かつ詳細な文章を出力してくれます。

しかし、履歴書の経歴欄に用いるには、少し長すぎる傾向があるため、プロンプトを「○○文字以内で」など工夫する必要があるでしょう。

ELYZA Pencilの始め方を画像つきで解説

ELYZA Pencilの文章作成シーン
出典:pencil.elyza.ai/

ELYZA Pencilを始める方法はシンプルです。主な手順は以下の通り。

  1. 公式サイトへアクセス
  2. 文章テーマを選ぶ
  3. キーワードを入力
  4. AI執筆スタート

順番に見ていきましょう。

STEP

公式サイトへアクセス

ELYZA Pencilの公式サイトへアクセスしましょう。

STEP

文章テーマを選ぶ

文章のテーマを選びます

無料の個人向けプランにおける選択肢は以下の通り。

  • ニュース記事
  • メール文
  • 職務経歴書
ELYZA Pencilの文章テーマを選択
STEP

AI執筆スタート

キーワードを登録したら、画面下部の利用規約項目にチェックを入れ「AI執筆スタート」をクリックしましょう。

ELYZA Pencilにキーワードを入力

以下のようなニュース記事が出力されました。

ELYZA Pencilの文章生成結果

ELYZA Pencilの使い方のコツを解説

出典:ELYZA Pencil

ELYZA Pencilの使い方のコツを紹介します。

ポイントは以下の通り。

  1. 適切なキーワードを選ぶ
  2. キーワードを多く入力する
  3. 生成された文章を校正する

順番に見ていきましょう。

1.適切なキーワードを選ぶ

ELYZA Pencilでキーワードを入力するとき、気をつけるべきはキーワードの選び方

ポイントは以下の通りです。

  • 明確な目的の元にキーワードを選ぶ
  • 具体的なキーワードにする
  • キーワード同士の関連性を考慮する

例として、抽象的なキーワードでメール文の文章を生成してみました。

  • お詫び
  • 納期
  • 遅れる
  • 原稿

結果、以下の文章が生成されました。

ELYZA Pencilのメール文章生成結果

次に具体的になキーワードとして、下記を使用して出力しました。

  • 山田様
  • 陳謝
  • プレスリリース
  • 提出が2日遅れる
  • 27日に提出予定

結果は以下の通り。

キーワードを増やしたELYZA Pencilの生成結果

相手の名前と、いつまでに何の原稿が何日遅れるかが明確な文章となりました。

キーワードを工夫して具体的にするだけで、生成後の文章を直す手間が大きく省ける文章と言えるでしょう。

ELYZA Pencilに限らず、文書作成AIでキーワードを選ぶときは具体性が重要なポイントなので、覚えておきましょう。

ELYZA Pencilではキーワードの文字数は最大15文字以内。長すぎるキーワードにならないよう気をつけてくださいね。

2.キーワードを多く入力する

ELYZA Pencilでは、キーワードは2個から8個まで登録可能です。

8個以下であれば、できるだけキーワードを多く登録したほうがAIは高い精度を発揮します。

たとえば、キーワードを3個指定した場合と8個指定した場合に生成されるニュース文を比較すると、下記のような違いが見えてきます。

キーワード3個の場合

下記のキーワードを使い文章を生成しました。

  • タイトル:ていねいな文章大全
  • 発売
キーワード3つ入力した際のELYZA Pencilの文章生成結果

キーワード8個の場合

下記のキーワードを使い文章を生成しました。

  • タイトル:ていねいな文章大全
  • 石黒圭著
  • 2023年9月20日発売
  • 雑な文章を丁寧な文章にするコツ
  • 「伝わらない」を解決するヒント
  • ダイヤモンド社が出版
  • 単行本(ソフトカバー)
キーワードを増やしたELYZA Pencilの生成結果

キーワードが3個の場合は漠然とした文章でしたが、8個の場合は内容の詰まったものになりました。

情報が多ければ、詳細に分析と生成が行えるからです。文脈やニュアンス、背景も正確に捉えられます。

可能な範囲でAIへ与える情報量を多くするのが良い文章を生成する上でのコツと言えるでしょう。

3.生成された文章を校正する

「ELYZA Pencilで文章を生成したのに、結果に少し違和感がある・・・」と感じる人もいるかもしれません。

性能が高いといっても、100%完璧な文章の生成は困難

よって、ユーザーは必ず生成された文章を校正して利用するようにしましょう。

実は、ELYZA Pencilの公式サイトには以下のような注意書きがあります。

デモンストレーション用である説明

※本モデルはデモンストレーション用の小さなモデルです。精度面で不十分なケースもございます。ご了承ください。

公式サイトへのアクセスですぐ利用できるELYZA Pencilは、あくまでデモンストレーション用。

ELYZA Pencilの精度を上げて、本格的にビジネスに導入しようと考えている場合は、法人利用を検討したほうがよいかもしれません。

下記に問い合わせしてみてくださいね。

ChatGPTで校正する方法も

ELYZA Pencilで作成した文章を校正するのに時間と手間がかかると感じる人は、ChatGPTを利用して文章を微調整してみるのがおすすめ。

たとえば、以下の文章をですます調に修正したいと仮定します。

「ていねいな文章」が身につく本 ダイヤモンド社が発売

ダイヤモンド社が「ていねいな文章術大全」を9月20日に発売する。同書は、丁寧な文章を書くための指南書となっている。定価は2860円で、Amazon.co.jpでは予約を受け付けている。

ChatGPTで下記のようなプロンプト(指示文)で校正してみました。

下記の文章を社内向けに共有することを目的とした丁寧語の文章に校正してください。

結果は以下の通り。

皆様へのご連絡となります。
ダイヤモンド社より「ていねいな文章術大全」という書籍が9月20日に発売される予定でございます。
この書籍は、丁寧な文章を書く際の参考としていただける指南書となっております。定価は2,860円となっており、Amazon.co.jpにて予約の受付も開始されております。興味をお持ちの方は、ぜひご検討ください。

デモンストレーション用はChatGPTと組み合わせることで、より精度を上げられます。

ELYZA DIGESTを使えば文章要約も可能

株式会社ELYZAでは、ELYZA Pencilの他に文章要約AIである「ELYZA DIGEST」も提供しています。

ELYZA DIGESTに要約したい文章を入力すると、どのような文章でも3行に要約します。

情報量の多い文書を素早く把握したい場合に非常に便利ですよ。

以下のように、NFTゲームCrypt Bustersのホワイトペーパーの一部の要約するよう指示してみました。

ELYZA DIGESTを使って文章を要約した結果

結果はこちらです。

ELYZA DIGESTを使って文章を要約した結果

コンパクトな3行にまとめてくれました。

ELYZA DIGESTは、長文を読む時間がないときなどに重宝するでしょう。

ELYZA Pencilに関するQ&A

ELYZA Pencilに関する、よくある質問と回答を紹介します。

  • 無料で使用できますか?
  • スマホアプリはありますか?
  • デモンストレーション版以外のプランはありますか?
  • 法人版ではどのような文章テーマが選べますか?
  • ELYZA Pencil以外にAIを活用したライティングツールはありますか?

無料で使用できますか?

ELYZA Pencilは無料で利用できます

ただし、公式サイトで利用できるのはデモンストレーション版、つまりお試し版のようなものです。

利用できる文書の種類も以下の3つのみです。

  • ニュース記事
  • メール文
  • 職務経歴書

その他の文章を生成したい場合は、法人版の導入を検討してみるとよいかもしれません。

スマホアプリはありますか?

アプリの配信はありませんが、スマホのブラウザに対応しています。

公式サイトにアクセスして使用してみましょう。

デモンストレーション版以外のプランはありますか?

ブラウザから無料で使用できるELYZA Pencilはお試し版です。

より精度の高い文章生成機能を使いたい場合は、ELYZA Pencilの法人版を導入する必要があります。

法人版は下記のリンクから問い合わせできます。

法人版ではどのような文章テーマが選べますか?

ニュース記事、メール、職務経歴書の他に下記が選べます、

  • デスクワークにおける文章
  • 書籍の原稿
  • SNSの投稿文など

ELYZA Pencil以外にAIを活用したライティングツールはありますか?

encil以外にもAIを活用したライティングツールは存在します。

いくつかおすすめのツールをピックアップしました。

上記ツールについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。

まとめ

本記事では、ELYZA Pencilの概要や使い方について解説しました。

最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。

  • ELYZA Pencilとは、東京大学発のスタートアップ企業が開発した文章執筆AI
  • Webで無料で使用できるのはデモンストレーション版
  • デモンストレーション版でも、シンプルでクオリティの高い文章を執筆できる
  • 作成できる文章の種類は、ニュース記事、メール、職務経歴書の3つ
  • 法人版を導入すれば、さらに作成できる文章の種類が増える

ELYZA Pencilは、詳細な指示文を入力しなくても、キーワードの登録のみでニュースやメール、職務経歴書などの文章を作成してくれます。

アカウント登録も不要なので、まずは気軽に利用してみてくださいね。

お問い合わせ

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  • LINE@:1〜2営業日以内にご返信させていただきます。
  • 問い合わせフォーム:3〜5営業日以内にご返信させていただきます。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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