2022年にAIチャットツールChatGPTがリリースされました。簡単なテキスト入力だけでクオリティの高い回答ができることから、急激に注目が集まっています。
ニュースやSNSで目にする機会が増え、気になる方も多いでしょう。
しかし、
- ChatGPTの始め方・使い方が知りたい
- どのような活用方法があるか知りたい
- 利用時にどのような注意点があるか知りたい
- 有料プランにはどのようなメリットがあるのか知りたい
結論からお伝えすると、ChatGPTは手順さえわかれば簡単に使いこなせます。
本記事では、ChatGPTの始め方や注意点、有料プランの特徴を解説します。
それぞれわかりやすく解説していますので、興味のある方は最後までご覧ください。
ChatGPTとは?4つの特徴を紹介
ChatGPTとは対話型の言語モデルを搭載しており、次のようにさまざまなことに対応しています。
- 文章作成や校正ができる
- 質疑応答ができる
- プログラミングコードの生成や添削ができる
- 文章を要約できる
1.文章作成や校正ができる
ChatGPTでは文章作成や校正ができます。文章を作成する際は様々な方法があり、箇条書きから作成する方法がシンプルで効果的です。
先に伝えたいことを箇条書きでプロンプトとして入力すれば、箇条書きの内容にあった文章を作成してくれます。
- プロンプトとは?
-
AIにどのような動作をするか指示する文章のこと。
しかし、生成された文章は必ずしも正しいわけではなく、不自然な箇所も見られます。
そのため、生成された文章を自分らしい言い回しに変える必要があるでしょう。
文章を1から作るよりも、文章作成に対するハードルを大きく下げられます。
また、ChatGPTで文章を校正することによって不自然な表現を削除し、文章の流れをスムーズにすることが可能です。
他にも文法や入力ミスを自動的に修正するなど、簡単により良い文章にできます。
文章校正のプロンプトはシンプルで、文章の前に「この文章を校正してください:」と入力するだけです。
上記のように、「合う」を「会う」にしてくれたり、「今からどこに行こうか」を「今からどこに行くかを」に修正したりしてくれています。
まれに英語で回答が出力されますが、「日本語に直してください」と指示すれば、日本語で生成し直してくれますよ。
2.質疑応答ができる
ChatGPTではユーザーの質問や悩みなどに対して質疑応答ができます。チャット形式で答えてくれ、回答に対して追加で質問することも可能です。
実際の会話のように話が進むため、知りたい情報を入手したり相談したりできます。
質疑応答のプロンプトは簡単で、質問を入力するだけです。
次のようにわかりやすく答えてくれます。
実際にリサーチすると時間や手間が必要ですが、ChatGPTを使うとリサーチ時間を短縮可能です。
また、事前に詳細な設定を入力しておけば、チャットボットとして顧客対応をするなどビジネスシーンでの利用も可能です。
ChatGPTを活用すれば、人材不足の解決や業務効率化などさまざまな効果が期待できます。
3.プログラミングコードの生成や添削ができる
ChatGPTではプログラミングコードの生成や添削ができます。プログラミングする内容を文章で入力するだけで、コード生成が可能。
これまで専門知識が必要とされたプログラミングコードを簡単に生成できるようになりました。
また、エラーが出ているコードを入力すれば、修正点を提案してくれます。
実際に、「HTML コード、CSS コードを書いてください。」とプロンプトを入力します。
以下のようなコードが生成されました。
また、HTMLとCSSコードだけでなく、Webサイト制作に必要なJavaScriptのコードも生成されました。
ChatGPTは質問意図を把握して、質問内容に最適な情報を提供してくれます。
上記のように、コードだけでなく「ファイルはそれぞれを別々に保存し、適切なファイルパスを指定して利用してください」と提案まで生成されました。
プログラミングコードを作るだけでなく、今後の流れまでサポートしてくれるのです。
プログラミング初心者であっても、コードの作成からその後の展開まで簡単に理解できるでしょう。
業務効率化に使えるだけでなく、プログラミングスキルの向上も期待できます。
4.文章を要約できる
ChatGPTは文章の要約にも利用可能。長い文章をすべて読んで重要な情報を把握するためには、手間と時間がかかります。
しかし、ChatGPTを使って文章を要約することで、必要な情報を短時間で得られるようになります。
文章を要約するには「次の文章を要約してください:」と入力した後に、要約したい文章を入力しましょう。
実際に文章を入力して要約したところ、3行の文章を1行にまとめてくれました。
また近年では、インターネットやスマートフォンなどの普及により、ビックデータを扱う機会が増加しています。
しかし、膨大なデータを処理するのは容易ではなく、時間や手間が必要でした。
- ビッグデータとは?
-
さまざまな種類や形式のデータ群。顧客情報や売上情報など、日々記録されるデータをサーバで管理する。
ChatGPTにビッグデータを読み込ませて要約すれば、効率的に膨大なテキストを処理できるようになります。
無料版と有料版ChatPlusの違い
ChatGPTには有料版のChatGPT Plusがあります。
ChatGPT Plusの大きな特徴として、GPT-4を搭載していることが挙げられます。
無料で利用できるGPT-3.5と比較して、日本語の精度が大幅に向上。
さらに、Webブラウジング機能やプラグインの利用など、次々とChatGPT Plusユーザーが利用できる機能が増えています。
ChatGPTのプラグインの使い方は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
ChatPlusの料金と無料版との比較
ChatPlusは2023年8月現在、月額20ドル(約2,900円)で利用できます。
ChatGPTの無料版とChatGPT Plusを比較したので、参考にしてください。
無料版 | ChatGPT Plus | |
---|---|---|
料金 | 無料 | 月20ドル(約2,900円) |
発表日 | 2022年11月30日 | 2023年3月14日 |
搭載モデル | GPT-3.5 | GPT-4 |
処理能力 | 正確性に欠ける | 高度な処理能力 |
画像入力 | 不可 | 可能 |
他のサービスと連携方法 | APIの活用 | API以外にプラグインを活用可能 |
- APIとは?
-
アプリケーション・プログラミング・インタフェース (Application Programming Interface) の略。
ソフトウェア同士をつなぎ、連携させるために必要な情報や規約をまとめた情報。
Microsoftアカウントを持っているユーザーであれば、Bingに搭載されるAIチャットを使って無料でGPT-4の機能を体験できます。
ChatGPT Plusの利用を考えている場合は、まずBingのAIチャットを使ってみるとよいでしょう。
GPT-4とは、ChatGPT無料版に搭載されているGPT-3.5の上位モデルです。
GPT-3.5の上位モデルと比較して、日本語の出力精度が高くなったことから、テキスト生成時の誤字脱字が大幅に減りました。
長文入力も可能になり、最大25,000文字までのテキスト入力にも対応しています。
また、GPT-4はマルチモーダル機能を実装していることも特徴です。マルチモーダルとは、テキスト情報だけでなく音声や画像といったフォーマットも入力データとして活用できます。
しかし、2023年8月現在、まだChatGPTでマルチモーダル機能は利用できません。
実際にCode Interpreterに画像をアップロードしたところ、「直接画像の内容を視覚的に解釈する能力は持っていません」という回答が生成されました。
将来的にマルチモーダル機能がリリースされれば、手書きのメモを写真で入力して情報を入力することも可能になります。
複数の情報を組み合わせて処理することで、さまざまなタスクの解決やクリエイティブな活用が期待されます。
Code Interpreter|PDFやCSVファイルのデータを分析可能
Code Interpreter(コードインタープリター)とは、データを扱えるChatGPT Plusユーザー向けの機能です。ChatGPTでPythonのコードを実行できる仕組みとなっています。
PDFファイルやCSVをアップロードすることでデータを分析するほか、グラフ作成も可能。
利用する方法はまず、ChatGPT Plusの設定画面からCode InterpreterをONにしましょう。
GPT-4でCode Interpreterを選んだあと、ファイルをアップロードします。
データをアップロードしたら、必要な処理をテキストで入力しましょう。
ChatGPTが指示に応じたPythonコードを生成し、データを処理してくれます。
ChatGPTの始め方・使い方を初心者向けに解説
ChatGPTを始めるためには、次の手順で進めていきます。
- OpenAI公式サイトにアクセス
- アカウント登録
- 新しいChatを作成
- 質問を入力する
アカウント登録
Try ChatGPTをクリックすると、下記のような画面となります。
新しくアカウントを作成する場合は、「Sign up」をクリックしましょう。
Creat your accountの画面が表示されたら、メールアドレスを入力して「continue」をクリックしてください。
新しいパスワードを入力したら、メールアドレス認証をします。
メールアドレスにメールが届くので、メール内の「Verify email address」をクリックしましょう。
登録画面に移動するので、名前と電話番号を入力したあと、SMSに6桁の認証コードが届きます。
認証コードを入力すれば、アカウント作成完了です。
新しいChatを作成
アカウント登録が終了したら新しいチャットを作成しましょう。
画面左上の「New Chat」をクリックします。
すると次のように、質問を入力できるボックスが登場します。
質問を入力する
ChatGPTの使い方はシンプルで、ボックス部分に質問を入力するだけです。
質問内容に対して、ChatGPTが回答してくれます。
実際に「京都でおすすめの観光スポットはどこですか?」と質問しました。すると、ChatGPTがおすすめスポットを回答してくれます。
回答に対する質問も可能です。「金閣寺について詳しく教えてください」と質問しました。
すると、金閣寺の概要やアクセス情報、営業時間について回答が得られました。
正しい情報とは限らないのでファクトチェックは必要ですが、アイディアを出してくれるので利便性が高いといえるでしょう。
ChatGPTの活用方法について詳しく解説している記事があるので、そちらも参考にしてください。
ChatGPTはスマホアプリでも利用可能。アプリは次のOSに対応しています。
iOS | バージョン16.1以降 |
Android | バージョン6.0以降 |
アプリのインストールと言語設定や通知設定などが終わったら、すぐに文章を生成できます。
ブラウザと同じようにプロンプトを入力することで、文章生成が可能です。
ChatGPTをスマホで使う方法は、以下の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
ChatGPTを活用するメリットと実際の活用例を紹介
ChatGPTを活用するメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- 仕事を効率化できる
- 機会損出を防げる
- コストを削減できる
ChatGPTを活用したサービスについても紹介するので、参考にしてください。
1.仕事を効率化できる
ChatGPTをうまく活用することによって、仕事の効率化が期待できます。
例えば、ChatGPTに質問を入力することで回答や関連した情報を得られます。従来の情報収集作業を短縮でき、迅速な意思決定が可能です。
また、質問を追加することで関連した情報を得られるため、新しいアイディアが生まれることもあります。
ブロードリーフ|顧客対応や会計処理の業務を効率化
自動車業界向けのシステム開発を提供するブロードリーフは、大規模言語モデルや知識データベースを活用しています。
さらに、ChatGPTを組み合わせた対話型AI機能を、モビリティ産業向けクラウドサービスに実装して試験運用を開始しました。
顧客対応や会計処理などにChatGPTを活用して業務効率化を図ることで、人材不足問題を解決することが目的です。(参考:ブロードリーフ、『ChatGPT』とモビリティ産業に特化した独自データを活用した大規模言語モデル、および知識データベースを組み合わせ開発した対話型AI機能の試験運用を開始(PR TIMES))
2.機会損出を防ぐ
ChatGPTを活用すれば、年中無休のカスタマーサポートを提供可能。
事前にサービスの概要を設定しておけば、よくある質問に対して自然な回答を提供できます。
カスタマーサポート担当者の負担を減らすだけでなく、いつでもアクセスできることから顧客満足度が向上し、機会損失を防げるでしょう。
hitobo|よくある質問を自動生成
hitobo(ヒトボ)は、顧客から聞かれることの多い質問をまとめたQ&Aを自動生成するツール。ChatGPTを活用して顧客からの質問に対して即座に返答することで、業務効率化を図ります。
同じような問い合わせを多く受ける企業にとって、毎回返信をしている状況であれば手間と時間がかかってしまいます。
hitoboではメールやチャット履歴から質問と回答をコピペするだけで、Q&Aを自動生成できます。
Q&Aを生成するだけのシンプルなサービスのため、通常1か月から3か月かかるチャットボットの実装を、最短3日で導入可能です。
3.コストを削減できる
ChatGPTを顧客への対応やサポートに活用することで、コスト削減が可能。業務プロセスをAIにより効率化でき、作業時間の短縮につながります。
人材コストの削減ができるだけでなく、重要な業務に集中できることから生産性の向上も可能です。
AVACOM|接客人員コストを80%削減
アバターオンライン接客サービスであるAVACOMでは、ChatGPTなどのAIを活用することでコスト削減につなげています。
AVACOMを導入して、接客人員コストを80%削減した実績があります。
ローソンでも導入されており、セルフレジ横に設置したAIアバターがレジ操作をサポートしてくれます。
ChatGPTをうまく活用する方法
ChatGPTをうまく活用する方法は以下の通り。
- 工夫したプロンプトを作る
- ChatGPTができないことを把握する
- アイディア出しに活用する
- 最終的にチェックする
1.工夫したプロンプトを作る
ChatGPTはプロンプトと呼ばれる質問文を工夫して作成することが重要です。プロンプトによってChatGPTが作成する文章が大幅に異なります。
適切なプロンプトになるように工夫することで、質問に対して必要な情報や回答を正確に引き出しやすくなります。
また、具体的な指示や要求をプロンプトに含めることによって、チャットGPTに正確な文章を作成するように誘導することが可能です。
例えば「カレーのレシピを教えて」と質問するよりも、「6人分のカレーをスパイスから作るための具材と手順を教えてください」と具体的に指示すると的確な回答が出力されます。
「あなたはプロのライターです」や、「出版社の編集者になりきって回答してください」など役割を与えるのも有効です。
逆にプロンプトが曖昧であったり不明確であれば、思ったような回答が得られないでしょう。
2.ChatGPTができないことを把握する
ChatGPTをうまく活用するためには、できないことを把握することが重要です。
ChatGPTができないことは、主に次の3点です。
- 最新の情報を提供する
- 専門的な情報を提供する
- 個人の情報を提供する
ChatGPTが答えてくれる情報は、最新であるとは限りません。また、専門分野に関する情報を提供できない場合があります。
さらにChatGPTは、個人情報を提供することもできません。ユーザーのプライバシーを守る特性があるため、個人データの保存は不可能です。
3.アイディア出しに活用する
ChatGPTにアイディアを出してもらうことで、業務の効率化につながります。
例えば、記事のタイトル案や商品の名前などさまざまなアイディアを提案してもらうとよいでしょう。
実際に「あなたはプロのライターです。ChatGPTの使い方についてタイトル案をいくつか提案してください。」と指示しました。
具体的な記事タイトルが5案生成されました。さらに新しいタイトル案を生成したい場合は「違う案を5つ提案してください」などと指示するとよいでしょう。
このように、ChatGPTを利用してアイディアを提案してもらうことで、創造性を高めるだけでなく業務効率化につながります。
4.最終的にチェックする
ChatGPTは必ずしも正しい情報を提供してくれるわけではありません。
そのため、ChatGPTが出した答えが最終的に正しいかどうかチェックすることが重要です。
また、ChatGPTが学習しているのは2021年9月までの情報のため、最新情報の生成は不向きです。
:2023年の情報を質問したところ、回答は得られませんでした。
ChatGPTは大まかな文章の作成や、情報の概要をリサーチする際に利用するとよいでしょう。
ChatGPTに関するQ&A
ChatGPTに関するよくある質問についてまとめました。
- 必ず正しい情報を提供してくれますか?
- ChatGPTを使う際の注意点は?
- 活用できるのはビジネスシーンだけですか?
- ChatGPTが注目された理由とは?
気になる項目をチェックしてみましょう。
- 必ず正しい情報を提供してくれますか?
-
ChatGPTは必ずしも正しい情報を提供してくれるわけではありません。
ChatGPTは、Web上の記事からプロンプトに関連する言葉が出現した頻度や相互関係を基準として文章を作成しています。
また、学習データに新しい情報が含まれないことから古いデータの可能性があります。
専門知識やノウハウが必要な質問に対しても的確に回答できない場合があるので、注意が必要です。
- ChatGPTを使う際の注意点は?
-
ChatGPTを使う際には次の点に注意が必要です。
- 情報が間違っている場合がある
- 情報漏洩に注意する必要がある
- 最近のデータに反映されていない可能性がある
ChatGPTが生成する情報は必ずしも正確ではないため、最終的なチェックが必要です。
また、入力したデータはほかのユーザーが検索したとき回答に使われる可能性があります。そのため、個人情報を入力しないようにするなど利用時には注意が必要です。
ChatGPT2021年9月までのデータしか学習していないため、最新情報の提供には向いていません。
未来の予測もできず、質問文に対して一般論を説明するだけです。
- 活用できるのはビジネスシーンだけですか?
-
ChatGPTの活用目的はビジネスだけではありません。
プログラミングサポートや学習支援など、教育分野でも利用されています。
地方自治体でも利用されており、ビジネス以外のさまざまな分野に役立ちます。
- ChatGPTが注目された理由とは?
-
ChatGPTは自然な文章作成能力があることから注目されました。
数千億の単語を学習していることから、人間が書いたり会話したりする内容の文章を作成することが可能です。
文章生成ツールはこれまでもありましたが、精度は高くありませんでした。
ChatGPTは実際の会話と変わらない回答ができるため、注目度の高さにつながりました。
まとめ
この記事では、例などについてまとめました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- ChatGPTを使えば文章作成や添削・要約ができる
- テキスト入力でプログラミングコードを生成ができる
- 有料プランに加入することでより高い精度の回答が得られる
- 必ずしも正しい情報を回答するわけではないので最終的にチェックが必要
- 2021年9月までのデータしか学習していないため最新情報の生成は不可能
ChatGPTはビジネスや日常生活など、さまざまな目的で活用されています。
さらに、有料プランであるChatGPT Plusを使うと、より精度の高い回答を生成することが可能です。
今後ChatGPTの需要はさらに高まり、さまざまな活用方法が増えていくと考えられます。
本記事を参考にして、ChatGPTを使い始めてみましょう。