近年になって注目を集めているNFT。しかし、
- そうはいっても何か胡散臭い
- 結局NFTには手を出さない方がよいか
- 偽物ばかりと聞いたが本当か?
このような疑問を持っている人は多いでしょう。結論からいうと、NFTは胡散臭いものではありません。
知識があれば安全に利用でき、副業に役立てることも可能です。
ただしNFTには誤解されがちな点があり、必要以上に疑われている側面も。
そこで本記事ではNFTが胡散臭いなどと言われてしまう理由や、安全にマネタイズするポイントなどを解説します。
NFTに興味がある方はぜひ参考にしてください。
NFTが胡散臭いと言われてしまう理由5つ
NFTが胡散臭いと言われてしまう理由はさまざまですが、特に以下の5点は大きく関係しているでしょう。
- NFTの仕組みが難解
- 実際に詐欺被害が多い
- 情報商材が多い
- 投資であれば損失を出すケースが多い
- 偽物が多い
冒頭でも述べたとおり、NFTは怪しいビジネスの類ではありません。
しかし仕組みが難解だったり、詐欺被害や偽物の販売があったりするから、「胡散臭い」と言われることがあります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
1.NFTの仕組みが難解
NFTの仕組みが難解である点が、胡散臭いと言われる原因の一つです。
NFT
別表記:Non-fungible token、非代替性トークンブロックチェーンを利用した認証技術によってデジタルデータを「唯一無二のユニークなデジタルデータである」と証明する、いわば鑑定書のようなデジタルデータのこと。基本的には複製も改竄も容易なデジタルデータの世界において、コピーとオリジナルを区別できるようになったことで、オリジナルのデータには非代替的な(=換えのきかない)資産価値が見出されるようになった。
引用:weblio辞書
Wikipediaの非代替性トークンの項では上記のように説明されています。しかし、上記を読んで理解できる人はほとんどいないでしょう。
しかし今後NFTを購入したり、転売したりするならもっと深い理解が求められます。
この難解さが、「胡散臭い」と呼ばれる理由もしくはそのきっかけになっていると思われます。
ちなみにNFTを一言で言うと、「新しいテクノロジーで実現された、絶対に本物に取って代わられることのないデータ」です。
現実で例えるなら、シリアルナンバーや証明書がついた宝石のようなものです。
2.実際に不正・詐欺被害が多い
実際にNFT業界では詐欺被害が多く、胡散臭いと言われる原因となっています。
- 盗難:不正アクセスでNFTを盗む
- ウォッシュトレード:NFTをオークション形式で売却する際、出品者側が不正に価格を釣り上げる
- ラグプル:開発者がNFTプロジェクトを立ち上げ資金調達し、そのあとすぐに行方不明になる
- ダイレクトメールによる詐欺:SNSのDMなどで、嘘をついてNFTをだまし取る
このようにNFT界隈では、一部のユーザーによる不正や詐欺が横行しています。
問題はNFTの仕組みではなく、上記のような不正行為をはたらく人がいることです。
一部の不正行為が原因で、NFTすべてが胡散臭いと誤解されているわけですね。
3.情報商材が多い
NFT関係の情報商材が多いのも、胡散臭いと呼ばれる理由だと思われます。
インターネット上で、主に収入を得るためのノウハウを伝えるためのデータ。内容に見合わない高額な価格設定や、情報としての信頼性が問題になりがち。
すでに情報商材には、悪いイメージがついて回っています。
実際に逮捕者が出たこともあります。NFTに関連した情報商材も出回っており、これが「NFT自体が胡散臭い」と言われるようになった一因とも考えられるでしょう。
もちろんすべての情報商材に問題があるとは言えません。
有益な情報商材である可能性もあるため、購入前には十分なリサーチを行いましょう。
4.投資であれば損失を出すケースが多い
NFTに投資した際に、損失が出ることもあります。これも「胡散臭い」と言える理由のひとつでしょう。
上記のようにNFTを購入して、500万円ほどの損失を出した人もいます。
しかし、流行を見極めてNFTを安い時期に購入し、高値がついてから売却すれば大きな利益を得ることが可能です。
ただネガティブなニュースは広まりやすいため、NFTが危険もしくは胡散臭いと誤認されるようになったと考えられるでしょう。
5.偽物が多い
NFTの偽物が多いのも、胡散臭いと言われる理由のひとつです。
NFTには、一点ずつコントラクトアドレスと呼ばれる個体識別番号が割り振られています。そのため、コントラクトアドレスまで同じNFTを複製することは不可能です。
しかし、NFTの画像をスクショしたデジタルデータをNFT化すれば、見た目だけはそっくりなNFTを作成可能。
NFTにあまり詳しくない人であれば、見た目が同じであれば購入してしまう危険があるでしょう。
実際に人気クリエイターになりすまして、偽のNFTを販売するなどのケースもあります。また「NFTの8割が偽物」とする有識者の意見も。
「(米国のNFTマーケットプレイスである)OpenSeaの無料機能で作成し販売されているNFTの80%が偽物」と危機感を募らせるのがJCBIの伊藤佑介代表理事だ。OpenSeaは、権利者がデジタルコンテンツをNFT化するための機能を無料で提供している。これを利用してNFT化されるコンテンツについて2022年1月、「このツールで作成されたアイテムの80%以上は、盗用された作品、偽のコレクション、およびスパムだった」と公式ツイッターで公表した。これに対応するためNFTの発行枚数に制限をかけることも発表したが、ユーザーの反発に遭って制限措置を取り消した。
引用:日経XTREND
NFT自体は怪しいものではありませんが、業界全体に偽物がまん延している状態は、ユーザーの警戒心を煽るものです。
結果として「NFTそのものが胡散臭い」と評価されるのも、ある意味仕方ないことでしょう。
偽物を購入しない方法については後述します。
NFTを安全にマネタイズする4つのポイント
上述したとおり、NFT自体が胡散臭いものではありません。仕組み自体には何ら落ち度はなく、正しい知識があれば安全にマネタイズが可能です。
しかしそのためには、以下4点を理解する必要があるでしょう。
- NFTに関する学習・情報収集する
- 偽物を掴まない買い方を心がける
- マイナーなものは基本的に様子を見る
- できるだけ初期費用をおさえる
情報収集や買い方など、色々と気を遣う部分があります。それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
1.NFTに関する学習・情報収集する
まずNFTに関する学習、情報収集は、積極的に実施しましょう。
学ぶためには、書籍が役立ちます。YouTubeやSNSなどもよいでしょう。ただしポジショントークには注意が必要です。
NFT業界の進化は目覚ましく、毎日新しいニュースが飛び込んできます。それらを完璧に理解する必要はありませんが、重要なトレンドだけを追いかけておきましょう。
そうすれば、マネタイズのチャンスを掴んだり、業界上のトラブルを把握したりできます。
情報を常にチェックしておけば、お金を稼ぐ機会は確保しつつ、危険なNFTプロジェクトや人物から距離を置くことができるでしょう。
NFTの最新情報をキャッチするには、当サイトmeta landのようなNFT関連メディアや、プレスリリースをチェックするのがおすすめです。
日本経済新聞のニュースサイトなども情報源として優秀です。
2.偽物を掴まない買い方を心がける
確実に本物を入手できるよう、安全な買い方を心がけましょう。
先ほど触れたように、NFT(主にアート)には偽物が多く流通しています。これを掴まないようにするのが重要です。
- マーケットプレイスごとの公式マークの有無をチェックする
- マーケットプレイスアカウントが販売者のSNSと紐づいているか確認する
- アーティストのDiscordやTwitterから作品ページにジャンプして購入する
- アカウントのフォロワー数や取引回数が不自然でないか確認する
こういった点をチェックしておけば、まず問題ありません。一方で上記を怠ると偽物を掴む危険もあるので注意してください。
3.マイナーなものは基本的に様子を見る
基本的にマイナーなNFTアートやプロジェクトには、ただちに投資せず様子を見るようにしましょう。
新しく登場したNFTアートは、価格が暴落するかもしれません。また、NFTゲームなどのプロジェクトであれば、悪質なラグプルに発展する可能性も。
例えばBLOCKVERSEというプロジェクトでは、1億円以上集めた主催者が行方不明になる、というトラブルもありました。
ここまで大規模なトラブルが発生するのは稀ですが、大小問わずマイナーもしくは新しいNFTにはこういったリスクが存在します。
信用できるまでは様子見したほうがよいでしょう。
4.できるだけ初期費用をおさえる
NFTのマネタイズは手堅いものではなく、投資したあとで損失が出てもおかしくありません。その点を踏まえると、できるだけ初期費用はおさえたほうがよいでしょう。
たとえばNFTゲームをプレイする際に、いきなり何十万円も課金する必要はありません。
ゲームには流行り廃りがあるもので、気がついたらレアなアイテムも大した金額で売れなくなっているかもしれません。
NFTへの投資は勝つこともあれば負けることもあるものです。負けた場合の損失をおさえることも念頭に入れて、初期投資は控えめにしたほうがよいでしょう。
【補足】NFTはオワコンで将来性がない?
NFTはオワコンで将来性がないと言われます。
たしかに、一時期のブームほどの勢いはありません。しかし、まだまだ将来性があるとはいえそうです。その証拠として、大手企業がNFTに参入している点が挙げられるでしょう。
上記はプレスリリースサイトPR TIMESのうち、NFTに関係した最新リリースのみを抽出したようすです。
2023年10月21日の時点で、出版社大手の幻冬舎やアパレル大手の株式会社BEAMSなどがNFT業界に参入しているのがわかります。
過去のリリースを遡ると、北海道や福岡県によるNFTの行政活用の事例も確認できました。
これだけ多くの企業から注目されているNFTが、すでに終わったものだとは言い難いでしょう。
NFTの販売や転売を始める方法
NFTの転売を始めるには事前の準備が必要です。手順は以下の4つのステップ。
- MetaMask(メタマスク)を用意する
- ETHをMetaMaskに送金する
- OpenseaとMetamaskを連携する
- OpenSeaに登録してNFTを売り買いする
仮想通貨ウォレットのMetaMask、NFTマーケットプレイスのOpenSea、ふたつのサービスを利用します。それぞれのステップを解説するので参考にしてください。
まずは、仮想通貨ウォレットを用意します。はじめて仮想通貨のウォレットを作るなら、日本語対応で使いやすいMetaMaskがおすすめ。
MetaMaskはGoogle Chromeの拡張機能としてインストールでき、5分ほどでウォレットが作成可能。
Chromeウェブストアで、拡張機能を追加しましょう。
MetaMaskの使い方を詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。
続いてOpenSeaとMetaMaskを紐付けます。まずはOpenSeaを開きます。
画面右上のログインをクリック。
ポップアップが表示されるので、MetaMaskを選択しましょう。あとは画面の指示通りに進めればOKです。
次にOpenSeaに登録しましょう。
画面右下の「Accept and sign」をクリック。これで登録は完了です。
登録し終わったら、OpenSea内でNFTを売り買いできるようになります。
NFTを買いたいと言われたら、無視してかまいません。そのほとんどが詐欺だからです。
Instagramなどで、上記のように「あなたの絵を買いたい」といったDMが届くことがあります。
実際に購入するつもりはなく、100%現金や仮想通貨をだまし取るなどの狙いがあると言っても過言ではないでしょう。
この手の打診は無視して問題ありません。
NFTが胡散臭いと言われることに関するQ&A
本記事ではNFTが胡散臭いと言われることに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- NFTアートが「ゴミ」「手を出すな」と言われる理由は?
- 偽物を買ってしまったらどうすれば良い?
- NFTは何の権利も保証していない?
まずNFTアートに対してはより手厳しく批判されているので、その点に関して解説します。
また偽物を買ってしまった場合の対処や権利関係に関しても知っておきましょう。
- NFTアートが「ゴミ」「手を出すな」と言われる理由は?
-
NFTアートが「ゴミ」「手を出すな」などと、厳しく言われることもあります。この理由としては以下4点が挙げられるでしょう。
- 利益を発生させるとは限らない
- 時にはアートとしての魅力がないことも
- 後述するように保有権が得られず、著作権も得られないかもしれない
まずNFTアートを購入したからといって、必ずしも儲かるとは限りません。値下がりして損をすることもあります。
またアートは誰でも描けるので、芸術的な魅力がないと指摘されることも。
後述するように保有権や著作権が得られない点も、「ゴミ」や「手を出すな」と言われる一因です。ただし上手にやればNFTアートを販売、転売するなどして、稼げる可能性はあります。
NFTが売れない理由は?オワコン化についてと売るためにできること NFTが一般に普及し、近年では珍しいものではなくなりました。 しかし、 NFTはもうオワコンなのか? NFTアートを作っても売れないのか? うまく売る方法が知りたい この… - 偽物を買ってしまったらどうすれば良い?
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偽物のNFTを買ってしまった場合、残念ながらお金を取り戻すのはかなりむずかしいでしょう。
ただしマーケットプレイスに訴え出るなどすれば、返金処理がなされるかもしれません。
仮想通貨メディアのNEXT MONEYによると、大手マーケットプレイスのMAGIC MAIDENでは、偽物のNFTを購入したユーザーに対する返金が実施されています。
万が一偽物を掴んでしまったら、マーケットプレイスに問い合わせてみるとよいでしょう。
- NFTは何の権利も保証していない?
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結論からいうと、NFTを保有したからといって、法的な所有権は保証されません。
上図は、弁護士組織である骨董通り法律事務所による見解です。
要約すると「NFTを購入したところで保有権は保証されない」とのこと。また著作物に「著作物性」が認められないなら、著作権も得られないようです。
有形無形問わず、財産に関しては保有権や著作権が発生するかどうかは重要です。
これらの権利を主張できず損をする可能性があることは、理解しておかなければいけません。
まとめ
本記事ではNFTが胡散臭いと言われる理由を中心に解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- 大前提としてNFT自体の仕組みは安全で、胡散臭いわけではない
- NFTの仕組みが難解なことや、不正をはたらく人がいるため胡散臭いと誤解されている
- 不正や詐欺を回避して、安全に稼ぐ工夫は必要
- 学習や情報収集が欠かせない
- 偽物を掴まない買い方などもおさえておきたい
- NFTの販売や転売には仮想通貨ウォレットのMetaMaskを使うのがおすすめ
- OpenSeaなどでNFTを売り買いする
「胡散臭い」「稼げない」と言われがちなNFT。しかしNFT自体が胡散臭いわけではありません。今もきちんとした知識と準備があれば、安全にマネタイズが可能。
本記事で紹介したコツをおさえながら、NFT転売をはじめとした副業にチャレンジしてみましょう。
もちろん、NFTアートやNFTゲームにチャレンジするのもおすすめです。