デジタル化が進む現代、中小企業にとってもITツール導入はもはや選択肢ではなく、成長戦略の必須要素となっています。
しかし、高額な導入費用がネックとなるケースも少なくありません。そんな時に頼りになるのがIT導入補助金です。
IT導入補助金は、中小企業がITツールを導入する際に、国がその費用の一部を補助する制度。近年、働き方改革やDX推進が叫ばれる中、IT導入補助金はますます注目を集めています。
しかし、
- IT導入補助金の対象となるツールは?
- 申請の手続きに必要な書類は?
- 誰でも申請できるの?
結論からお伝えすると、補助金には5つの枠があり、手順を踏んで申請する必要があります。
本記事では、2024年度の最新情報に基づき、IT導入補助金についてわかりやすく解説します。IT導入を検討している経営者の方や担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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IT導入補助金とは?
IT導入補助金について、以下の3つにまとめました。
- 対象は中小企業・小規模事業者
- 補助対象はITツール
- 登録された支援事業者とマッチング
IT導入補助金の概要について確認していきましょう。
対象は中小企業・小規模事業者
IT導入補助金は、労働生産性の向上を目的とし、業務効率化やDXのために必要なITツール導入を支援するためのものです。
中小企業や小規模事業者を対象としており、ソフトウェアだけでなくサービスも含みます。
支給対象は、日本国内にて法人登記(法人番号が指定され国税庁が管理する法人番号公表サイトにて公表されている)され事業を営む法人または個人事業主です。
具体的な業種や補助対象の条件は、以下のとおりです。
業種分類(中小企業) | 資本金(または出資の総額) | 従業員 |
---|---|---|
製造業・建設業・運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他 | 3億円 | 300人 |
医療法人、社会法人 | – | 300人 |
学校法人 | – | 300人 |
商工会・商工会議所 | – | 100人 |
組合・連合会 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
中小企業団体 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
財団法人・社団法人 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
特定非営利法人 | – | 主たる業種に記載の従業員規模 |
小規模事業者の場合は、従業員数の条件として、宿泊業と娯楽業を除いたサービス業・商業は5人以下、その他製造業や宿泊業・娯楽業は20名以下となっています。
補助対象はITツール
補助の対象となるITツールは、事前に事務局の審査を受け、補助金HPに公開(登録)されているもののみとなります。
ソフトウェアやサービスだけでなく、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も補助対象です。
一例として次のようなものがあります。
- 会計ソフト
- 販売管理システム
- 決済サービス
- POSレジシステム
- 人事労務給与計算ソフト
- 勤怠管理システム
- CRM
- 予約サイト一括管理システム
- 3Dモデリングソフト
- チャットツール
- クラウドワークスペース
- セキュリティソフト
さらに導入に伴うコンサルティングサービスに必要な費用も補助対象です。
登録された支援事業者とマッチング
補助金を利用する際には、事前登録されたIT導入支援事業者とマッチングし、サポートを受けるのが条件となっています。
IT導入支援事業者とは、登録申請し、事務局と外部審査委員会による審査に通過した事業者のことです。
マッチング後は、生産性の向上を目指す中小企業・小規模事業者のITツール導入をサポートしてくれます。
サポートの対象は、ITツールの説明、導入、運用方法の相談等のサポート、および補助金の交付申請や実績報告等までです。
経営のアドバイスや交付後の報告書の提出まで支援してくれるため、ITに不慣れな経営者も安心です。注意点として、登録業者以外のサポート料金は、補助金対象にはなりません。
IT導入補助金5つの補助対象
IT導入補助金の対象枠は全部で5つです。それが以下のとおりです。
- 通常枠
- インボイス枠(インボイス対応類型)
- インボイス枠(電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
- 複数社連携IT導入枠
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.通常枠
中小企業や小規模事業者の課題にあったITツールを導入し、業務効率化や売上アップをサポートするための費用を一部補助してくれます。
補助率 | 1/2以内 |
補助額 | 1プロセス以上:5万以上150万未満4プロセス以上:150万円以上450万円以下 |
補助対象 | ソフトウェア購入費クラウド利用料(最大2年分)導入コンサルティング保守サポート |
プロセス | 顧客対応・販売支援決済・債権債務・資金回収管理供給・在庫・物流会計・財務・経営総務・人事・給与・労務。教育訓練・法務・情報システム自動化・分析ツール |
この補助金は、事業のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入サポートが目的です。
2.インボイス枠(インボイス対応類型)
インボイス枠は、インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、PC・ハードウェア等を導入し、労働生産性を向上させることを目的としています。
補助率 | 1/2~4/5 |
補助額 | 350万円以内 |
補助対象1インボイス制度に対応した会計ソフト | 中小企業(3/4以内)50万円以下小規模事業者(4/5以内)50万円以下50万円以上の場合は2/3以内 |
補助対象2(PC・ハードウェア/レジ・券売機) | PC:10万円以下レジ:20万円以下 |
インボイス制度に対応した企業間取引のデジタル化を推進するための補助金です。
3.インボイス枠(電子取引類型)
インボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入する企業を支援するための補助金です。
補助率 | 中小企業・小規模事業者:2/3以内大企業:1/2以内 |
補助額 | 350万円以下 |
補助対象 | 受発注ソフトクラウド利用料(最大2年分) |
取引先が中小企業かその他の事業者かによって補助率が違います。中小企業であれば2/3以内、大企業であれば1/2以内です。
4.セキュリティ対策推進枠
サイバー攻撃の増加に伴う潜在的なリスクに対処するため、サイバーインシデントに関するさまざまなリスク低減策を支援するための補助金です。
補助率 | 1/2以内 |
補助額 | 5万円~100万円以下 |
補助対象 | ITツールの導入費用およびサービス(最大2年分) |
サイバーセキュリティお助け隊サービスリストに掲載されている、かつ登録されたITツールが補助の対象です。ネットワーク監視型、端末監視型、併用型などから選びます。
5.複数社連携IT導入枠
業務上つながりのある「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地」に属する複数の中小企業や小規模事業者が連携してITツールを導入するのを支援する補助金です。
補助率 | 1/2~4/5以内 |
補助額 | 3,000万円以下 |
補助対象 | ソフトウェア購入費PC/タブレット購入費レジ・券売機購入費消費者動向など分析経費 |
複数の中小企業や小規模事業者が連携するため、1件当たりの費用×グループ構成人数の総額が補助対象となります。
一件当たりの補助額は対象によって異なりますが、一件10万円~350万円で、総額3,000万円以内となっています。
申請から導入までの手順
申請から導入までの手順を以下のとおり10ステップで解説します。
- 公募要領の確認
- 「gBizプライム」アカウントの取得および「SECURITY ACTION」宣言の実施
- 「みらデジ経営チェック」の実施
- IT導入支援業者とのマッチング
- ITツールの選定
- 交付申請・交付決定
- ITツールの発注・契約・支払
- 事業実績報告
- 補助金交付
- 事業実施・効果報告
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「gBizプライム」アカウントの取得および「SECURITY ACTION」宣言の実施
申請に必ず必要な「gBizIDプライム」アカウントを取得します。gBizIDとは、法人・個人事業主向けの共通認証システムです。
IDを取得すると、複数の行政サービスにログインできます。アカウントのID発行までに2週間かかるため、早めに申請しておきましょう。
申請方法は、書類郵送とオンライン申請の2パターンです。
書類郵送申請に必要なもの | ・印鑑登録申請書(印鑑証明書)・登録印・申請用末端とメールアドレス・SMS受信用のスマホ |
オンライン申請に必要なもの | ・マイナンバーカード・申請用PCとメールアドレス・SMS受信用のスマホ・アプリインストール |
IDの種類として、gBizIDプライムとgBizIDエントリーがあります。gBizIDエントリーでは利用できる行政サービスに制限がありますが即時発行が可能です。
ただし、IT導入補助金の申請には、プライムアカウントの取得が必要です。プライムアカウントは、IT導入補助金以外の補助金申請にも使用するため、取得しておくと良いでしょう。
アカウント取得に加え、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要です。
情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度で、アカウントID発行までには2-3日かかります。
「みらデジ経営チェック」の実施
gBizIDプライムのアカウントを取得したあとは「みらデジ」にgBizIDで登録します。そして「みらデジ経営チェック」を実施しましょう。
チェックは「みらデジ」のサイト上で簡単にできます。診断後は、診断結果を基に、本当に課題解決のためにITツールが必要かを専門家に経営相談できます。
支援機関の担当者や相談窓口からも、IT化に向けた最適な施策やツールをアドバイスしてもらえるので、有効活用してください。
交付申請・交付決定
IT導入支援業者と商談を進め、次の手順で交付申請を行います。
- 支援業者から「申請マイページ」の招待を受ける
- 代表者の氏名など申請者の基本情報を入力する
- 交付申請に必要な情報を入力する
- 必要な書類を添付する
- 支援業者側が事業計画値を入力する
- 最終確認後、宣誓を行い提出する
複数社連携IT導入枠は、申請フローや交付決定後の手続きが違うため注意が必要です。交付申請内容の審査が完了すると、決定通知が届きます。
ITツールの発注・契約・支払
事務局から交付決定を受けたら、ITツールの発注・契約・支払いです。交付決定前に発注すると、補助金の対象ではなくなるため、順番を間違えないようにしましょう。
事業実績報告
事業の完了後、実際にITツールを発注・納品・支払いを完了したことがわかる証憑を提出します。手順としては、以下のとおりです。
- 申請マイページから必要な情報の入力
- 証憑を添付して事業実績報告を作成
- 支援業者が内容を確認
- 必要情報を入力
最終確認に申請者本人が事務局に報告書を提出します。
補助金交付
報告が完了し、補助金額が確定すると「申請マイページ」で補助額が通知されます。内容を確認後、補助金が交付されます。
事業実施・効果報告
定められた期間内に補助事業者が「申請マイページ」より必要な情報を入力。最後にIT導入支援事業者が確認し、報告書を提出します。これが補助金に関する一連の手順です。
IT支援業者のサポートを受けながら進めていくため、ITツールを詳しく知らない経営者も安心ですね。
IT導入補助金に関する、よくある質問
IT導入補助金に関する、よくある質問を集めました。
- 導入事例には、どのようなものがある?
- 申請前に準備が必要なものは?
- IT導入補助金は誰でも受けられる?
- IT導入補助金の申請締め切りは?
- IT導入補助金の対象となる企業は?
- 導入事例には、どのようなものがある?
-
IT導入補助金の活用事例を知りたい場合は、中小機構のIT導入補助金HPの事例一覧を参考にしましょう。IT導入補助金2024でも導入事例ページがあります。
補助金を利用して導入したITツールの一例は以下のとおりです。
- Web会議システム(Zoom)の導入
- 日報データのクラウド化
- 決済システムの導入
- ECサイト構築
- 予約管理ツール導入
IT導入支援業者による経営アドバイスも支援の対象となっており、売上アップしたという事例が数多く閲覧できます。
ただし過去の導入事例のため、現在のツール要件と違う場合もあるので注意が必要です。
- 申請前に準備が必要なものは?
-
申請前に準備しておくのは以下です。
- gBizIDプライムのアカウント取得
- みらデジ経営チェック
- 「SECURITY ACTION」宣言
- 履歴事項全部証明書(発行から3か月以内のもの)
- 納税証明書
- IT導入補助金は誰でも受けられる?
-
IT導入補助金の主な対象は、中小企業と個人事業主です。また、資本金と従業員数の要件を満たしている必要もあります。
個人事業主の場合は、従業員数5人以下といった条件があります。法人の場合は、資本金の条件もあるため、検討する際は条件を必ず確認しましょう。
- IT導入補助金の申請締め切りは?
-
申請の締め切りは、年何回かに分かれて設定されています。2024年は通常枠は7回、インボイス枠は12回に分かれて募集されています。
その都度、発表されるため、IT導入補助金のホームページをまめにチェックしておきましょう。
- 補助金の対象となる企業は?
-
対象企業と対象規模は、業種ごとに決められています。IT導入補助金の専用ページに対象となる企業の条件が掲載されているので、事前に確認しておきましょう。
医療法人・社会福祉法人・学校法人など
小規模事業者
まとめ
本記事では、IT導入補助金に関する対象企業や申請手順について解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- 中小企業・小規模事業者向けの、ITツール導入費用の一部を補助する制度
- 補助対象は、会計ソフト、販売管理システム、決済サービスなど、業務効率化に繋がるさまざまなITツール
- 支援事業者とマッチングし、申請から導入までをサポートしてもらう
- 補助金には5つの枠がある
- 申請にはgBizIDの取得が必要である
- 補助率や補助額は条件や枠によって違う
- 最大3,000万円までの補助枠がある
- 交付決定前に発注してはいけない
IT導入補助金の申請には、さまざまな手続きや手順があります。しかし、支援業者とマッチングし、全面的なサポートを受けられるため、ITツールに慣れていない企業も安心です。
掲載されている事例を見ると、ITツール導入で売上を大きくのばしている企業が多く見受けられます。この記事を参考に、ぜひ補助金申請にトライしてみましょう。
なお、申請の締め切りは、ホームページで順次発表されます。申請を検討している方は、こまめにチェックしておきましょう。
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