少子高齢化が続き、労働人口が縮小することで企業は人材の確保が難しくなっています。
限られた人材を活かして、労働生産性を高めることが重要です。ここで、注目されているのは厚生労働省が提供している人材開発支援助成金です。
しかし、人材開発支援助成金について次のような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
- どのように人材支援しているのか
- どのような条件があるのか
- どのような注意点があるのか
結論からいえば、企業にとって人材開発支援助成金は人材育成を進める上で大きなサポートとなっています。
そこで、この記事では、人材開発支援助成金について詳しく説明していきます。
人材開発支援助成金に興味を持っている方はぜひこの記事を参考にしてください。
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人材開発支援助成金とは?
この章では、人材開発支援助成金について以下の点を解説します。
- 人材開発支援助成金の目的
- 人材開発支援助成金の受給要件
- 人材開発支援助成金を受けるメリット
助成金の仕組みから申請方法、そして活用のメリットまで、順を追って詳しく見ていきましょう。
人材開発支援助成金の目的
人材開発支援助成金とは、労働者の職業生活を設計するための能力開発を促進するために必要な費用を助成する制度です。
企業が従業員に対して、職務につながる技能や知識を習得させるために必要な訓練費用や賃金の一部を助成します。
人材開発支援助成金を活用することで、企業は人材育成に必要な負担を減らすことができ、能力開発に取り組めるのです。
人材開発支援助成金の主な目的は次の通り。
- 従業員の能力開発と向上
- 人材育成の支援
- 従業員のキャリアアップ促進
- 生産性向上を支援
人材開発支援助成金の受給要件
人材開発支援助成金を受けるためには次の6要件を満たしていることが必要です。
- 決められた期間に申請する
- 雇用保険を適用している
- 審査に必要なものを準備する
- 暴力団と関わりがない
- 支給申請日から 決定日まで倒産していない
- 性風俗関連営業に関連していない
人材開発支援助成金を受けるメリット
企業は人材開発支援助成金を受けることでさまざまなメリットがあります。
人材開発支援助成金のメリットは次の通り。
- 従業員がキャリアアップできる
- 人材育成のコストを抑えられる
- 企業の成長につながる
- 生産性の向上が期待できる
人材開発支援助成金を活用することで、従業員がキャリアアップしやすくなります。
従業員は専門的な技術を身につけるための研修を受けられることから業務スキルがアップするわけです。
また、企業は助成金を受け取ることでコストを抑えて人材を育成できます。
従業員を育成することで、個々のスキルがアップし生産性が向上することから、企業の成長につなげられるでしょう。
人材開発支援助成金の7コースとは
7つのコースとは次の通り。
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
- 障害者職業能力開発コース
順番に解説します。
1.人材育成支援コース
人事育成支援コースでは、労働者が職務に関連するスキルを習得する場合の助成です。
また、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き、もしくは非正規雇用労働者を正社員にするための訓練も対象となります。
もらえる金額 | 1,000万円まで(1年度あたり) |
対象 | 企業 |
2.教育訓練休暇等付与コース
教育訓練休暇等付与コースは、教育訓練休暇を使って訓練を受けられることが特徴です。
労働者が有給教育訓練をはじめとした制度を導入することが前提です。
しかし、令和8年度までのコースなどで注意しましょう。
もらえる金額は定額で30万円となっています。
訓練後に毎月の賃金が5%増えた場合や手当として3%増えた場合は、6万円加算されます。
もらえる金額 | 30万円(6万円加算される場合あり) |
対象 | 事業主 |
3.建設労働者認定訓練コース
建設労働者認定訓練コースでは、以下のケースにおいて助成金が発生します。
- 建設労働者が有休を使って認定訓練を受講した場合
- 建設関連の訓練を実施した場合で、指導員訓練や認定職業訓練が対象の場合
訓練の対象は能開法による認定訓練の場合、もしくは労働者が有給で受講する場合です。
助成を受けられる対象は中小建設事業主となってますが、中小建設事業主団体でも経費助成は対象です。
もらえる金額 | 経費助成:認定訓練助成事業費補助金または広域団体認定訓練助成金の支給の1/6賃金助成:認定訓練を受講した建設労働者に対して1日あたり1人3,800円(賃金や資格の要件を満たすと1,000円加算される) |
対象 | ・中小建設事業主・中小建設事業主団体 |
4.建設労働者技能実習コース
建設労働者技能実習コースとは、建設業界において労働者がスキルを向上させるために有給で実習を受講した場合に助成されます。
訓練している間の賃金の一部や経費が助成金の対象です。
もらえる金額 | 建設事業主の経費助成20人以下の中小建設事業主):支給対象費用の3/421人以上の中小建設事業主: 35歳未満:支給対象費用の7/10、35歳以上:支給対象費用の9/20中小建設事業主以外の建設事業主):支給対象費用の3/5 経費助成(建設事業主) 賃金向上助成や資格等手当助成:支給対象費用の3/20 建設事業主団体の経費助成中小建設事業主団体:支給対象費用の4/5中小建設事業主団体以外:支給対象費用の2/3 賃金助成20人以下の中小建設事業主):1人あたり日額8,550円21人以上の中小建設事業主:1人あたり日額7,600円建設キャリアアップシステム技能者情報登録者の場合はそれぞれ9,405円、8,360円 賃金助成や賃金向上助成、資格等の手当にあてはまる場合それぞれ、1人あたり日額で2,000円、1,750円加算される |
対象 | 中小建設事業主、中小建設事業主団体は男性、女性の労働者が対象中小以外の建設事業主、中小以外の建設事業主団体は女性のみが対象 |
5.人への投資促進コース
人への投資促進コースでは、以下の内容で訓練する場合に発生した賃金の一部に対して助成されることが特徴です。
- 労働者が業務内容に対して自分から受ける訓練
- サブスクリプションの研修サービスを利用する訓練
- 高度またはデジタル人材を育成するための訓練
経費助成はそれぞれ訓練区分によって受け取れる割合が異なります。
また、賃金要件や資格等の手当要件助成が適用された場合や中小企業以外の場合の数値が異なるので注意が必要です。
訓練区分によっては、それぞれ1人一時間あたりの賃金助成やOJT実施助成を受けられる場合もあります。
さらに、実訓練時間数によっても訓練区分別に支給限度額が決まっているため確認しましょう。
カッコ内は中小企業以外の数値
もらえる金額 | ・経費助成定額制訓練60%(45%)賃金要件や資格等の手当要件助成が適用された場合75%(60%) 自発的職業能力開発訓練45%賃金要件や資格等の手当要件助成が適用された場合60% 高度デジタル人材訓練75%賃金要件や資格等の手当要件助成が適用された場合60% 成長分野等人材訓練75% 情報技術分野認定実習併用職業訓練60%(45%)賃金要件や資格等の手当要件助成が適用された場合75%(60%) 長期教育訓練休暇制度制度(制度導入経費として)20万円賃金要件や資格等の手当要件助成が適用された場合24万円 教育訓練短時間勤務等制度(制度導入経費として)20万円賃金要件や資格等の手当要件助成が適用された場合24万円 ・賃金助成成長分野等人材訓練 情報技術分野認定実習併用職業訓練長期教育訓練休暇制度制度導入経費 ・OJT実施助成情報技術分野認定実習併用職業訓練 |
対象 | 事業主 |
6.事業展開等リスキリング支援コース
事業展開等リスキリング支援コースとは、新規事業の立ち上げをはじめとした事業転換に必要なスキルを取得する際に助成されます。
訓練費用や賃金などが対象です。しかし、令和8年度までの期間限定であるため注意が必要です。
もらえる金額 | ・経費助成実施相当額に対して中小企業:75%中小企業以外:60% ・賃金助成対象となる労働者1人一時間あたり中小企業:960円中小企業以外:480円 |
対象 | 事業主 |
7.障害者職業能力開発コース
障害者職業能力開発コースとは、障害者の能力開発や雇用促進、雇用の継続が目的です。
企業が必要とする施設を建てる場合や運営に必要な費用を支援する制度です。
次に当てはまる人が対象となります。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 発達障害者
- 高次脳機能障害のある者
- 難治性疾患を有する者
助成には、障害者の能力開発に関する知識と、教育訓練事業を運営した経験が必要です。
もらえる金額 | ・施設や設備を設置する場合や更新する場合:費用の3/4を乗じた額初めて助成金の対象となる訓練科目の場合:上限5,000万円まで訓練科目ごとの施設や設備の更新:上限1,000万円まで ・運営費1または2、3により算出した額1.対象となる障害者職業能力開発訓練上限を17万円として一人あたりの運営費用の4/5(訓練時間が8割以下の場合は運営費用の4/5から訓練時間数に対して受講時間数の割合をかけた額) 2.1の対象外の場合上限を16万円として一人あたりの運営費用の3/4(訓練時間が8割以下の場合は運営費用の3/4から訓練時間数に対して受講時間数の割合をかけた額) 3.重度障害者等が就職した場合労働者一人あたり10万円 |
対象 | 企業 |
人材開発支援助成金を申請する流れを解説
人材開発支援助成金を申請する流れを説明します。申請の手順は以下の通りです。
- 訓練計画の準備
- 申請書の提出
- 労働局へ提出
- 受給開始
訓練計画の準備
人材開発支援助成金を申請するためには、まず職業能力開発推進者を選んだうえで事業内職業能力開発計画の策定が必要です。
事業内職業能力開発計画には、人材育成の方針を記載する必要があります。
次に年間職業能力開発計画を準備しましょう。
年間職業能力開発計画には、訓練の目的や実施時期、期間、年間職業能力開発計画を設定します。
また、この時点で、助成金を受けるための条件を満たしているかどうか確認してください。
申請書の提出
申請する書類が出来上がったら、訓練を実施する1ヵ月前までに労働局に提出することが必要です。
訓練実施計画届や年間職業能力開発計画などの書類であり、いずれも厚生労働省のホームページからダウンロード可能。
書類に記入漏れがあれば申請し直しとなるので、十分に確認してから提出するようにしてください。
申請する書類は複数あるほか、記載する内容が多いことから十分に時間をかけて準備することが重要です。
労働局へ提出
書類は、管轄の都道府県労働局に提出する必要があります。
直接持っていけない人は郵送する方法もありますが、書類に不備があると時間がかかるので十分に確認してください。
労働局で書類の内容を確認したあと、場合によっては追加資料が必要な場合や説明を求められる場合もあります。
また、書類を提出する前にコピーを保管しておくと、確認する場合や問い合わせがあった場合に対応しやすくなります。
受給開始
訓練が終わったら、2か月以内に労働局に支給申請書を提出してください。審査が通った時点で助成金を受給可能です。
受給するためには、申請書に書かれた訓練計画に沿って訓練を実施するようにしましょう。
支給申請書を提出してから助成金が支給されるまでは、1〜2ヵ月かかることが一般的です。
決められた期間に、前もって登録している口座に振り込まれます。
人材開発支援助成金に関するQ&A
人材開発支援助成金に関するよくある質問についてまとめました。疑問をお持ちの方は参考にしてください。
- 人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金の違いとは?
- これまでの変更点とは?
- 受給するにあたって注意点はありますか?
- 受給できない条件はありますか?
- 助成金の制度が終わるコースはありますか?
- 人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金の違いとは?
-
キャリアアップ助成金とは、非正規雇用であるアルバイトや派遣労働者などを正規社員へ 転換することを目的とした助成制度です。
また、非正規雇用労働者に対して賃金引き上げや正社員と同じ処遇制度を導入するなどの取り組みも対象となります。
対して、人材開発支援助成金は労働者のスキルアップが目的です。
すべての労働者が対象であり、企業が実施するOFF-JTやOJT、eラーニングなど職務に関連する訓練が対象です。
労働者のスキルアップを目指すほか、企業の生産性向上につなげられます。
- これまでの変更点とは?
-
人材開発支援助成金は2022年8月に特定の訓練を実施した場合に申請の負担が減少します。
2022年9月には制度の見直しや要件の変更などが実施されました。
また、2022年12月には人への投資促進コースにおいて限度額と助成率を引き上げられました。
事業展開等リスキング支援コースが登場したのもこのタイミングです。
- 受給するにあたって注意点はありますか?
-
人材開発支援助成金は、それぞれコースによって対象となる訓練や条件が明確に決まっています。
そのため、受給申請する前に訓練の内容や対象となる労働者の雇用形態、年齢、人数、訓練の実施時間などの確認が必要です。
また、申請手続きには多くの書類を準備する必要があります。
そのため、準備期間に余裕をもって書類を揃えることが重要です。
申請手続きは訓練を始める1ヶ月前、また支給申請は訓練が終わってから2ヵ月以内の提出が必要です。
期間を超えてしまうと申請・受給できなくなってしまうため注意しましょう。
- 受給できない条件はありますか?
-
人材開発支援助成金には、必要書類を決まった期限に提出する、訓練計画書に沿って訓練するなどの受給条件があります。
これらの受給条件を守らないと、受給できないことになります。
- 助成金の制度が終わるコースはありますか?
-
教育訓練休暇等付与コースや事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年度までの制度となっているので注意が必要です。
他にも変更になる可能性があるので、助成を検討の前に厚生労働省のホームページを確認しましょう。
参考:厚生労働省
まとめ
この記事では、人材開発支援助成金についてまとめました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- 人材開発支援助成金は、従業員がスキルアップするために必要な費用を助成する
- 2024年10月現在、7つのコースがある
- それぞれのコースごとに助成を受ける条件や受けられる額が異なる
- 申請にはさまざまな書類があり、十分な準備が必要である
- 従業員がスキルアップすることで、企業にとっても生産性を期待できる
人材開発支援助成金は、すべての従業員が対象で、スキルアップを目的とした研修・教育費用や賃金の一部が対象です。
さまざまなコースがあり、企業はコストを抑えて人材を育成できるでしょう。
人材育成が効率的にできるようであれば、生産性の向上も期待できます。
コースによっては期間限定であるほか、今後新しいコースが出る可能性もあるため、最新の情報を確認するようにしてください。
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