DOOR(ドアー)とは?特徴5選|活用事例と手順も紹介

画像引用:DOOR

メタバース元年といわれた2022年以来、さまざまなメタバースサービスやプラットフォームが誕生しました。DOOR(ドアー)も、そのうちのひとつです。

しかし、

  • DOORで何ができるの?
  • 運営元の会社は?
  • 使い方は?

などの疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、DOORはNTTコノキューが提供するWeb版メタバースプラットフォームです。

本記事では、DOORの特徴や活用事例を紹介します。

プラットフォームを作るための3つの方法も紹介するので、気になる方はぜひ参考にしてください。

そもそもメタバースとは?

メタバースとは、オンライン上でアバターを使ってコミュニケーションをとれる仮想空間のことです。

ゲームだけでなくビジネス、教育、建築など、さまざまな分野で活用されています。

メタバース内ではアバターやアイテムがNFT化され、仮想通貨を使って取引されるケースも。

Meta(旧Facebook)や、マイクロソフトなどの大手企業がメタバース事業に参入しており、世界的に注目を集めています。

メタバースについて詳しく解説している記事があるので、参考にしてください。

目次

DOOR(ドアー)の特徴5つ

DOORのプレイ画面
画像引用:DOOR

DOORの特徴は以下の5つです。

  • Web版メタバースプラットフォーム
  • 5分でメタバース空間を構築
  • マルチデバイス対応
  • NTTコノキューが提供
  • 利用者1,000万人突破

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.Web版メタバースプラットフォーム

DOORは、オンラインの3D空間をブラウザで簡単に制作できるメタバースプラットフォームです。

マルチデバイス対応のため、パソコン・スマートフォン・タブレット・VRデバイスなど、さまざまなデバイスで利用できます。

ビジネスからプライベートまで利用シーンは幅広く、イベントの開催やコンテンツの展示などに活用可能です。

地方自治体や法人も多く利用しており、以下のようなイベントが開催されています。

  • 輪島朝市|デジタル輪島朝市
  • 日光市|日光の学び旅かなメタバース
  • 大阪府|大阪バーチャル美術館
  • 札幌市|バーチャルさっぽろ雪まつり

ユーザーはデジタルで観光を楽しめ、提供側はPRチャンネルのひとつとして利用できます。

2.5分でメタバース空間を構築

DOORが提供するテンプレートが用意されているため、5分でメタバース空間を構築できます

ブラウザにログインするだけで始められ、アプリケーションのインストールも不要です。

メタバース空間を構築後、発行された専用URLにアクセスするだけで、誰もがメタバース空間に入室できます

URLを知っている人しか入室出来ない仕組みで、プライベートの知人同士で利用したい場合などに便利です。

DOORの公式ページに掲載したい場合や商用利用したい場合は、NTTコノキューへ申請し承認を得る必要があります。

3.マルチデバイス対応

ブラウザからログインできるため、パソコン・スマートフォン・タブレットなど、さまざまなデバイスからアクセスできます。

対応しているブラウザは、MicrosoftEdge、GoogleChrome、Firefox、Safariです。

DOOR対応ブラウザ表
画像引用:DOOR

Microsoft Edgeでは利用できないデバイスもあるため、上記の表を参考に、相性のよいブラウザとデバイスを選びましょう。

また、SNS連携も簡単です。

DOOR SNS連携画面
画像引用:DOOR

ルームのURLシェアがしやすい仕様になっています。

4.NTTコノキューが提供

運営しているのは、NTTグループの株式会社NTTコノキュー

グループのXR事業を推進するため、2022年10月に設立されました。主な事業内容は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)などのXRを用いたサービスです。

主な事業の柱は、以下の3つ。

  • メタバース
  • デジタルツイン
  • XRデバイス

以上の3つを柱とし、法人や自治体を中心にサービスを提供しています。

5.利用者1,000万人突破

DOORで制作された仮想プラットフォームへの累計総アクセス数は、2023年11月時点で1,000万人を突破

累計ユーザー数265万以上、オリジナル空間制作数約20万ルームとなっています。NTTオウンドメディアとしても利用しており、大規模イベントの開催にも役立っています。

1,000万人もの利用が可能となった理由は、あらゆるデバイスで誰でも簡単にアクセスでき、同時接続人数が1,000人以上にも対応できることです。

URLの共有だけで参加できる手軽さが、メタバース参加のハードルを下げているのでしょう。

DOORの活用事例5選

アニメ「範馬刀牙」VR展示会
画像引用:アニメ「範馬刀牙」VR展示会

DOORの活用事例を5つ紹介します。

  • イベント|ゆるキャラグランプリ「ゆるバース」
  • 教育|XR学際2023
  • 地方創生|能登半島地震復活応援イベント「デジタル輪島朝市」
  • ファンマーケティング|STPR World
  • PR・会社説明・展覧会

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.イベント|ゆるキャラグランプリ「ゆるバース」

ゆるバース
画像引用:ゆるバース

「ゆるバース」とは、2011年に誕生したご当地キャラクターの人気投票イベント「ゆるキャラグランプリ」の後継です。

「ゆるキャラグランプリ」自体は2020年に終了していますが、メタバース空間で2023年に復活

オンラインとオフラインを融合させ、人気のゆるキャラを競います。メタバース会場としてDOORを利用しました。

2.教育|XR学際2023

DOOR XR学際2023画面
画像引用:DOOR

教育にメタバースを利用するシーンは確実に増えています。教育イベントに利用した事例として、2023年3月に開催された「XR学際2023」があります。

小学校から大学院まで全国から参加した7校が、テーマに沿ってメタバース空間を創作し交流しました。

ほかにも大学や専門学校のオープンキャンパスや発表会などにも利用でき、子どもたちの創造力や探求力の育成に貢献しています。

3.地方創生|能登半島地震復活応援イベント「デジタル輪島朝市」

輪島朝市イベント
画像引用:foove

多くの地方自治体が地元をアピールするためにメタバース空間を利用しています。

例えば、能登半島地震復活応援イベント「デジタル輪島朝市」もそのうちのひとつ。メタバース技術を利用して地元産業の復興を応援しました。

DOORとNTTスマートコネクトが運営する食のライブコマースを活用し、海産加工品や伝統工芸品などの特産品をライブ配信で紹介。ユーザーはその場で対話しながら購入できる仕組みです。

ほかにも岡崎城天守閣を再現したり、日航の足尾銅山などの展示ルームで地元観光をアピールしたりと、地方再生にメタバースを活用する自治体が多数参加しています。

https://twitter.com/NTTDOOR/status/1785497105278419313
https://twitter.com/NTTDOOR/status/1785494354637078981

4.ファンマーケティング|STPR World

「すとぷり」は、歌い手、ツイキャス、ゲーム実況者として活動する6人組アイドルユニットです。

2019年6月に結成され、YouTubeのフォロワー数は、2024年5月時点で284万人。2022年6月にDOORに公式ワールドを開設し、ファンの交流の場としてにぎわいました。

ワールド内には、カフェテリア、バーカウンターエリア、プレイエリアなどがあり、すとぷりメンバーのカードを使って人狼ゲームを楽しめるようになっています。

5.PR・会社説明・展覧会

日亜メタバースワイヤーワールド
画像引用:DOOR

自社のPRや企業説明会、展覧会のチャンネルのひとつとしてメタバースを利用する方法もあります。具体的な事例として以下のとおりです。

  • 国際映画祭
  • アニメVR展
  • コンテスト受賞作品展示
  • 決算発表会場

新型コロナウイルス感染症が流行していた2022年頃は、リアルでのイベント開催が難しかったため、メタバースでの開催ニーズが高まりました

リアル会場での開催が復活しつつある今、同時にメタバースでも開催することに意味があります。遠方にいる人にも臨場感をもって参加・体験してもらえるためです。

ルームは無料で作成できますが、企業がワールドを構築する場合は、有料のオーダーメイドプランもあります。その場合の制作費用は500万円からです。

DOORでメタバース空間を作る3つの方法

メタバースアバターのイメージ
画像引用:DOOR

DOORでメタバース空間を作る方法は3つあります。

  • テンプレートを利用する
  • ルームレイアウト機能でオリジナルルームを作る
  • NTTコノキューへ制作を依頼する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.テンプレートを利用する

テンプレートを利用すれば簡単に作成できます。無料テンプレートは15種類。カスタマイズも可能です。

無料テンプレートには以下のカテゴリーがあります。

  • バーチャルショップ
  • ギャラリー
  • バーチャルオフィス
  • スポーツバー
  • サービスカウンター
  • ライブハウス
  • プレゼンルーム
  • カラオケルーム
  • プライベートルーム
  • シアタールーム
  • 茶室
  • バーチャル教室
  • イベントホール
  • ライブステージ
  • エキシビションルーム
  • プレーンルーム

急いでいる方は、テンプレートを選択するだけで、すぐにメタバース空間を作成できるので便利です。

2.ルームレイアウト機能でオリジナルルームを作る

DOORオリジナルルーム作成画面
画像引用:DOOR

テンプレートは編集も可能です。アカウントでログインした後に、パネルで説明したりオブジェクトを加えたりして自由に編集しましょう。

商用利用も可能ですが、利用開始前にはNTTコノキューへ申請し、承認を得る必要があります。また、SNS掲載やプレスリリースで発表する場合も同様に申請しましょう。

3.NTTコノキューへ制作を依頼する

DOORルーム一覧
画像引用:DOOR

メタバース空間の制作をNTTコノキューへ依頼することも可能です。空間以外にアバターの作成や大人数での利用など、無料テンプレートで対応しきれない部分は依頼するとよいでしょう。

料金プランは以下のとおりです。

無料プラン無料無料テンプレートを利用
お手軽プラン100万円~有料テンプレートを利用最短1か月
オーダーメイドプラン500万円~オーダーメイド作成最短3か月

上記の料金は目安です。また、要件に応じて見積もりが可能なフレキシブルプランなどもあります。

無料プランでも参加人数が多い場合は、有料オプションで同時接続人数を増やすことも可能。ルームごとの推奨同時接続人数は24人。

もし同時接続人数が24人を超えそうであれば、同じルームを作り分散させることで1,000以上の同時接続も可能です。ただし、その場合はサーバ増設費用が別途必要です。

DOORの使い方や手順

DOOR
画像引用:DOOR

DOORでメタバース空間を作成する方法は以下のとおりです。

  1. テンプレートを選択する
  2. 設定をカスタマイズする
  3. ルームを公開する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

STEP

テンプレートを選択する

1.テンプレートを選択する

ルーム作成画面

最初にテンプレートを選択します。無料のテンプレートは全部で15種類。オフィスやショップなど完成したテンプレートから自由に選べます。

DOORルーム作成画面

テンプレートを選択します。

DOORアバター選択画面

名前を入力し、アバターを選びます。

規約に同意したのち入室。入室方法は、ブラウザからとVRギアの二つから選びましょう。

DOORプレイ画面

入室したら、すぐに利用できます。

STEP

設定をカスタマイズする

DOORカスタマイズ画面

カスタマイズする場合は、クリエイトボタンを押して、加えたいアイテムを選択します。

DOORアイテム画面

クリックするとコピーできるので、メタバース空間に戻ってペーストするだけです。

DOORアイテム画面

アイテムは、カーソルでクリックアンドドロップすると移動でき、好きな場所に設置できます

DOORカスタマイズ画面

一つのルームにつき25個まで設置可能です。ほかにも次のようなファイルがアップロードできます。

  • 画像(.png、.jpeg、.gif)
  • 動画(.mp4を推奨、YouTube・Vimeoなど動画サイトのURL)
  • Webリンク(URL形式)
  • PDF(.pdf)
  • 3Dモデル(.glb)

オリジナルのアイテムや画像などをアップロードして簡単に貼れるので、作品展示室が簡単に作成できるでしょう。

レイアウト機能を使うと、説明パネルを設置したりオブジェクトを移動したりすることが可能です。ログインしなくてもレイアウト機能は利用できますが、保存はできません。

ルーム(シーン)を保存するためにログインしましょう。メールアドレス認証で簡単にログインできます。

DOORログイン画面
画像引用:DOOR
STEP

ルームを公開する

ルームが完成したら公開しましょう。ルーム公開には、アカウント作成とログインが必要です。また、商用利用の場合は、公開前にNTTコノキューへ申請と承認を得ましょう

DOORに関するよくある質問

NTTQONOQ
出典:DOOR

DOORに関するよくある質問をまとめました。

  • 料金はいくらですか?
  • 商用利用は可能ですか?
  • メタバース空間構築を依頼できますか?
  • ルーム数の制限や容量の制限は?

順に見ていきましょう。

料金はいくらですか?

サーバ費用、ランニングコスト、メタバース空間作成費用など、すべて無料で始められます

有料テンプレートを利用する場合や24人以上の同時接続が想定される場合は、費用が発生します。

また、オリジナル空間の制作をNTTコノキューへ依頼するのであれば、費用は約100万円からとなっています。この料金は一律ではないため、詳しくは問い合わせてみましょう。

商用利用は可能ですか?

商用利用は可能です。ただし商用利用する場合は、NTTコノキューへ申請し、承認を得る必要があります。

また、SNSで発信したり、プレスリリースで発表したりする場合も申請と承認が必要です。

メタバース空間構築を依頼できますか?

オーダーメイドのメタバース空間構築は、NTTコノキューへ依頼できます

有料テンプレートを利用する場合は100万円から、オーダーメイドで作成する場合は500万円からとなっています。依頼から完成までの目安は約3か月です。

ルーム数の制限や容量の制限は?

作成できるルーム数には制限がありません。同時接続人数を増やしたい場合は、ルーム数を増やすことで対応可能です。ルームの容量制限は128MB。

その他の容量については以下のとおりです。

ポリゴン数50,000個以下
マテリアル数25個以下
テクスチャ256MB以下のRAMのテクスチャ
ライト3つ以下(アンビエントライトと半球ライト除く)
ファイルサイズ16MB以下

以上は、モバイルデバイス利用を考慮したものであり、1つの目安として参考にしてください。公開したルームの公開期間の制限はなく、一度作成したら半永久的に残ります

まとめ

本記事では、NTTコノキューが提供するメタバース空間構築サービスDOORについて解説しました。

最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。

  • DOORはビジネスからプライベートまで幅広く利用できるメタバース構築プラットフォーム
  • NTTグループの株式会社NTTコノキューが運営
  • 利用者が1,000万人突破
  • テンプレートを利用すれば5分でメタバース空間を作成可能
  • ブラウザ、スマホ、タブレット、VR機器などマルチデバイス対応
  • テンプレートを利用すれば制作無料・運営無料

メタバース空間を無料で気軽に制作できるDOORは、メタバース参入への敷居を大きく下げました。作品発表会や小規模なイベントであれば、無料で気軽に始められます。

一方で、自治体や企業が大規模イベントやPRのためにも利用しています。

一度作成すれば、半永久的に利用できるDOORのメタバース空間。誰でも気軽に始められるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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