仮想通貨を購入する人の多くは、もっとも歴史のあるビットコインを買うかどうか検討するでしょう。
しかし、
- ビットコインには将来性がないと聞いたことがある
- 将来性があるという根拠がわからない
- どのくらい価格が上昇する見込みがあるか知りたい
このような悩みで購入をためらっている方がいるかもしれません。
結論からいうと、ビットコインには将来性があるという根拠が存在し、長期的に価格が上昇すると多くの専門家およびAIによって予想されています。
本記事では、ビットコインに将来性がないといわれる理由と、将来性が期待できる根拠を対比して解説します。
AIによるビットコインの価格予想も紹介するので、ビットコインや仮想通貨の将来性について気になる方は本記事をぜひ最後までご覧ください。
ビットコイン(仮想通貨)に将来性がないと言われる理由8つ
ビットコインおよび仮想通貨に将来性がないといわれる理由として挙げられることが多い、以下の8点について解説します。
- 仮想通貨に対する信頼性が低い
- 価格の変動が激しい
- 税金の仕組みが複雑でわかりにくい
- ハッキングなどの被害を受ける可能性がある
- トランザクションの手数料が高い
- 環境への負荷が大きい
- 利用できる範囲が狭い
- 供給枚数の上限が決められている
1.仮想通貨に対する信頼性が低い
最初の仮想通貨であるビットコインが登場した当初から、仮想通貨は怪しくて信頼できないと見られがちです。
さまざまな銘柄が流通するようになっている現在では利用者が増えているものの、いまだに仮想通貨に触れたことがないという人は多いでしょう。
とくに日本では、仮想通貨を必要とする場面が少ないのもあって、利用者が伸び悩んでいます。
2023年12月に公表された調査結果では、日本で仮想通貨取引所のサービスを利用した経験のある人は全体の10.8%でした。
仮想通貨を利用していない人が多い現状では、怪しいイメージを払拭するのはなかなか難しいかもしれません。
2.価格の変動が激しい
仮想通貨が怪しいと思われる大きな理由の一つが、価格変動が激しい(ボラティリティが大きい)点です。
価格が大きく変動する点は株と同じなのですが、仮想通貨には値幅制限がありません。
値幅制限のある株では、ストップ高またはストップ安まで価格が達すると、それ以上変動しないよう取引が制限されます。
しかし仮想通貨は際限なく取引できるため、1日で価格が100分の1以下になる可能性も。
短期間で無価値になった仮想通貨の事例も多々あるので、将来性がないと見られるのも無理はないでしょう。
3.税金の仕組みが複雑でわかりにくい
仮想通貨や副業によって年間20万円以上の利益を得ている場合、確定申告が必要です。
ただでさえ計算するのが大変な確定申告ですが、仮想通貨は以下の点に注意しなければならないため複雑です。
- 株やFXと違って雑所得であるため利益額によって税率が変わる
- 2種類ある計算方法のうち移動平均法で計算する必要がある
- 仮想通貨の売買など取引するタイミングごとに計算しなければならない
- 取引した時点の価格で円換算する
- 購入数と売却数に齟齬がないことが確認できる過去のデータも必要である
頻繁に仮想通貨やNFTを購入している人は、取引件数ぶんのトランザクションデータを用意しなければなりません。
こうした手間を考えると、仮想通貨よりも株やFXのほうが投資しやすいと考えられる可能性は高いでしょう。
4.ハッキングなどの被害を受ける可能性がある
仮想通貨の界隈でよく耳にするのが、ハッキングなどの被害を受けた報告です。
以下のようなスキャム(詐欺)によって、多くの仮想通貨ユーザーが被害を受けています。
- 有名なプロジェクトになりすます
- ゲームなどに見せかけたウイルスプログラムをダウンロードするよう促す
- 使用すると資金が抜き取られるトークン(仮想通貨)が突然送られる
- ウォレットの秘密鍵を盗まれてしまうWebサイトに誘導する
仮想通貨はすべて自己管理しなければならない世界なので、失ってしまった資産が返ってくる確率はほぼゼロ。
仮想通貨取引所に預けていてもハッキングされるケースがあるため、仮想通貨の安全性は大きな課題といえるでしょう。
5.トランザクション手数料が高い
ビットコインを取引する際にかかるトランザクション手数料が高い点も、将来性がないと見られる原因とされています。
トランザクション手数料は送金者が自由に金額を設定できますが、高額の手数料が支払われた取引が優先的に処理される仕組みです。
つまり、早く送金してほしいユーザーが多いほど手数料が高騰していき、低い価格が設定された取引は後回しに。
時間ごとに処理できる件数の少ないビットコインはとくに手数料が上がりやすく、ほかのブロックチェーンと比べて高額になりやすいのです。
ビットコイン(Bitcoin) | およそ1,000円~ |
イーサリアム(Ethereum) | およそ100円~ |
ポリゴン(Polygon) | およそ1円~ |
ソラナ(Solana) | およそ0.0001円~ |
数百~数千円程度の幅で変動するトランザクション手数料を必要経費として払うのが難しいユーザーにとって、ビットコインを利用するハードルは高く感じるでしょう。
6.環境への負荷が大きい
ビットコインはプルーフオブワーク(PoW)の仕組みを採用しているため、環境へかける負荷が大きいと懸念されています。
プルーフオブワークとは、トランザクションの正当性をチェックして承認する方法(コンセンサスアルゴリズム)の一つです。
プルーフオブワークを実現するには処理速度の速いPCが必要で、世界中で数多くのマシンが24時間体制で稼働しています。
そのためビットコインのために使われている電気量はすさまじく、アメリカのケンブリッジ大学で公開されている電力消費量だけでも年間142TWhを超えています。
2023年における日本の年間電力消費量(909TWh)の約16%が一施設で使われている点から、全世界でいかに電力が消費されているかがわかるでしょう。
7.利用できる範囲が狭い
ビットコインはもともと送金目的で作られた仮想通貨なので、ほかのブロックチェーンと比べて利用できる範囲が限定的です。
イーサリアムなど別チェーンではスマートコントラクトという仕組みが利用されており、仲介者を必要としないサービスが提供されています。
いくつか例を挙げると、NFTを売買できるマーケットプレイスや、仮想通貨の交換などができるDeFi(分散型取引所)のようなサービスです。
提供されているサービスの多様性を比べると、スマートコントラクトを利用できる別チェーンのほうが将来性があるといえるかもしれません。
8.供給枚数の上限が決められている
ビットコインの供給枚数には2,100万枚という上限が設定されているため、新規発行が停止する日が来ます。
新規発行が停止すると希少性が高まるため高騰が期待できるものの、そのぶん経済活動や取引で使うのに不向きとなってしまいます。
個人的な買い物での支払いに高価な金のインゴットが使いづらいのと同じです。
そのためビットコインが市場で流通しにくくなり、仮想通貨としての利便性を損ねる可能性が考えられるでしょう。
ちなみに、2024年6月時点で1900万枚のビットコインが発行済み。将来的に2140年にすべての枚数が発行される予定です。
ビットコインの将来性が期待できる根拠8つ
ここまで挙げてきた将来性がないという理由に対して、将来性が期待できる8つの根拠を解説します。
- 大手企業が決済手段として導入している
- 取引量の増加によって安定しつつある
- 仮想通貨に関する制度が整備され始めている
- 資産を守るためのグッズやアプリが登場している
- レイヤー2ネットワークが開発されている
- 他チェーンとの相互運用性が高まっている
- 送金手段としての信頼性が高い
- 枚数上限によって希少性が担保される
1.大手企業が決済手段として導入している
近年になって大手企業がビットコインでの決済を導入しているため、仮想通貨の信頼性が高まりつつあります。
以下はビットコイン決済を導入した大手企業の一例です。
- テスラ
- バーガーキング
- コカ・コーラ
- ビックカメラ
- DMM.com
海外の一部地域でのみ導入されている企業が多いのですが、ビックカメラのように日本でも決済可能な店舗もあります。
こうした大手企業の参入は、ビットコインの普及と価格上昇に貢献し、将来性が高まる要因となるでしょう。
2.取引量の増加によって安定しつつある
仮想通貨の市場は年々拡大しており、価格の安定性も高まっています。
2024年の仮想通貨の取引量は108兆を超え、前年と比べると約42%増加しています。
その中でもビットコインは歴史が長く、ほかの仮想通貨と比べて価格変動が穏やかになりつつあります。
長期的に保有する資産として、ビットコインは魅力的であるといえるでしょう。
3.仮想通貨に関する制度が整備され始めている
仮想通貨に関する法律や制度は世界各国で整備が進んでいます。
日本でも法整備が進められており、2024年度には以下のような税制改定が実施されました。
- 第三者保有の暗号資産の期末時価評価課税からの除外
- 非居住者に係る暗号資産等取引情報の自動的交換のための報告制度の整備
さらに、以下の改正案も提出されており、今後認められる可能性があります。
- 期末時価評価課税における短期売買目的以外の暗号資産の除外
- 所得課税における税率20%での分離課税
こうした法整備が整えば、ビットコインを利用したビジネスや投資が普及し、仮想通貨全体の信頼性が高まるでしょう。
4.資産を守るためのグッズやアプリが登場している
スキャムの被害から身を守るためのグッズやアプリが登場しており、安全にビットコインを扱える環境が構築されています。
保有しているビットコインを確実に守りたいのであれば、Ledgerなどのハードウェアウォレットを使うのがおすすめです。
取引する際にスキャムかどうかを確認したいときは、KEKKAIなどのセキュリティアプリを利用するとよいでしょう。
使い方もわかりやすいため、初心者でも資産が抜き取られるリスクを最小限に抑えられるでしょう。
5.レイヤー2ネットワークが開発されている
手数料が高騰する原因となるスケーラビリティ問題を解決するため、レイヤー2ネットワークが開発されています。
ブロックチェーンが処理しきれないトランザクション量により、承認時間や手数料が高くなる問題。
レイヤー2ネットワークはメインとなるビットコインチェーンの負荷を軽減させる目的で作られており、トランザクションの処理速度を向上させるのに役立ちます。
また、ビットコインチェーンでは扱えない機能(スマートコントラクトなど)を搭載したレイヤー2ネットワークも存在しているため、利便性が大きく向上するメリットも。
ビットコインの将来性はレイヤー2ネットワークの発展にも左右されるといっていいでしょう。
以下は、ビットコインのレイヤー2として展開されているネットワークの例です。
- Bitcoin Lightning Network
- Liquid Network
- Stacks Network
- Rootstock
6.他チェーンとの相互運用性が高まっている
イーサリアムなど別チェーンとの相互運用性が高まっているため、ほかのブロックチェーンの発展がビットコインの将来性につながります。
たとえば、ウォレットに付属しているスワップ機能を利用して、ほかのチェーンの仮想通貨とビットコインを直接交換することが可能になりました。
こうした技術の発展により、ビットコイン以外のチェーンと役割を分担した運用も考えられます。
役割の分担が実現すれば、ビットコインを利用する機会を極力減らして環境への負担を軽減させながら、ブロックチェーンの発展を進められるでしょう。
7.送金手段としての信頼性が高い
ビットコインは、送金手段としての信頼性が高く評価されています。
その理由の一つに、スマートコントラクトを利用しない点が挙げられます。
スマートコントラクトが利用できるブロックチェーンでは、悪意あるユーザーがプログラムを組んでスキャムトークンを作る可能性があります。
その点においては、送金機能しか持たないビットコインチェーンは安全だといえるでしょう。
よって、ビットコインチェーンは送金手段としての将来性があると考えられます。
8.枚数上限によって希少性が担保される
ビットコインの最大供給量が2,100万枚に制限されている点は、高い希少性を担保できる重要な要因です。
どれだけビットコインの需要が増加しても供給量は一定のため、仮に流通しづらくなったとしても価格の上昇が期待できます。
実際に、変動しない供給上限の存在はビットコインのメリットとしてよく挙げられています。
また、供給数の制限にはインフレのリスクを防ぐ効果もあるので、価格の安定化にもつながるのです。
枚数上限があるデメリットもありますが、希少性が高まるほうが将来性に期待が持てるでしょう。
AIによるビットコインの価格予想
ビットコインが将来的にいくらまで価格を上昇させるかを、以下のAIプラットフォームで予想してもらいました。
- Coin Price Forecast
- Price Prediction
- Digital Coin Price
- CoinCodex
各プラットフォームの予想結果を見ていきましょう。
1.Coin Price Forecast
Coin Price Forecastは、機械学習やAIを使用して価格を予想するサイトです。
同サイトによると、2024年から2036年までビットコインの価格が年々上昇すると予測されています。
2024年7月15日の予測では、2030年末に193812ドル(約3703万円)、2036年末に314333ドル(約4984万円)に達するとのこと。
予測結果は15日ごとに更新されるので、現時点での予測はサイトで確認してみてください。
2.Price Prediction
Price Predictionは、日本語での表示もできる価格予測プラットフォームです。
予測表には最小価格、平均価格、最大価格が表示されており、価格変動の予測幅も確認できます。
ビットコインの予測表によると、2030年の平均価格は742793ドル(約1億1777万円)、2050年の平均価格は4536324ドル(約7億1926万円)と予測されています。
3.Digital Coin Price
Digital Coin Priceは仮想通貨の価格やチャートを確認できるサイトであり、各銘柄の価格予想もチェックできます。
2024年7月16日時点でのビットコインの価格予想は、2030年の平均価格は475997ドル(約7547万円)、2033年の平均価格は1248967ドル(約1億9803万円)です。
Digital Coin Priceでは日ごと、月ごとの価格予想も確認できるので、詳細な予測を知りたい方はサイトにアクセスしてみるとよいでしょう。
4.CoinCodex
CoinCodexは、Digital Coin Priceと同様に、仮想通貨の価格チャートや過去のデータを確認できるサイトです。
価格予測表には最小価格と最大価格が表示されており、2030年の最小価格は224961ドル(約3567万円)と予測されています。
また、CoinCodexにログインして確認できる予測チャートでは、2050年末にはおよそ1470000ドル(約2億3308万円)に及ぶようです。
チャートのほうが更新頻度が高いようなので、サイトで確認するときはチャートの価格を参考にするとよいでしょう。
ビットコインの将来性に関するQ&A
ビットコインの将来性に関する、よくある質問と回答を紹介します。
- ビットコインはこれから伸びますか?
- 今から買っても遅くないですか?
- 価格の高騰(暴落)はいつまで続きますか?
- ビットコインおよび仮想通貨は今後どうなりますか?
- ビットコインはこれから伸びますか?
-
長期的に見れば、ビットコインの価値はこれから上昇するでしょう。
上昇するという根拠は、ここまで本記事で解説してきました。
以下のような著名人もビットコインの価格が上がると予想しています。
- ティム・ドレイパー(ベンチャーキャピタリスト)
- マイケル・J・セイラー(MicroStrategy共同設立者)
- キャシー・ウッド(ARK Invest社CEO)
- ジャック・ドーシー(元Twitter社CEO)
ただし、短期的には価格変動が激しいため、リスクを伴うことを認識しなければなりません。
長期的な視点を持ち、自己責任で投資するか判断しましょう。
- 今から買っても遅くはないですか?
-
ビットコインは今からでも参入する価値はあると考えられるでしょう。
過去のデータからわかるとおり、ビットコインは長期的に価値を増し続けています。
AIによる予想でも今後の価格上昇が見込まれているので、購入するなら早い時期がおすすめです。
ただし、短期的には大きな変動によって損する可能性も。
自分の財務状況とリスク許容度を考慮し、無理のない範囲で投資するのが重要です。
- 価格の高騰(暴落)はいつまで続きますか?
-
ビットコインの価格がいつ高騰または暴落するかを正確に予測することは不可能です。
ビットコインの価格は、需要と供給、市場のセンチメント、規制の動向、ニュースなど、さまざまな要因に影響されます。
たとえば、有名な投資家によってビットコインが大量に購入されれば、価格が高騰するきっかけとなるでしょう。
反対に、いままでビットコインを保有していた著名人によって大量に売却されれば、価格が暴落してしまうかもしれません。
こうした価格変動のきっかけや転換点は突発的に発生する可能性があるので、常にニュースを確認する姿勢が大切です。
- ビットコインおよび仮想通貨は今後どうなりますか?
-
仮想通貨の将来について、多くの専門家は長期的な成長を予測しています。
ビットコインは価値の保存手段や決済手段としての役割を強化し、より広く受け入れられるようになるでしょう。
一方で、規制の強化や技術的な課題により、仮想通貨の市場全体が衰退する可能性も。
タイミングを逃して損しないよう、仮想通貨が社会に浸透していく中でどのような変化が起こるかチェックしていきましょう。
まとめ
本記事では、ビットコインの将来性について解説しました。
最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 信頼性の低さや税金の複雑さなどの要因によって、ビットコインの将来性がないといわれている
- 決済手段として導入されたり法整備が進んだりしているため、実際にはビットコインの将来性は期待できる
- AIや専門家の価格予想でも、ビットコインの価格は今後上昇するとされている
- 価格変動は正確に予測できないので、ニュースや動向をチェックするのが大切である
長期的に見れば価格上昇を期待できるビットコインですが、ときには暴落するリスクも考えられます。
ビットコインの購入を検討する際は、市場の動きを調べながら戦略を決め、自己責任で投資しましょう。
また、イーサリアムと比較しながら将来性を解説している記事もあるので、ぜひこちらも参考にしてください。