出典:Novel AI
近年では、AIツールを使ってコンテンツを生成するケースが増えてきました。そのようなツールのひとつに、Novel AI(ノベルエーアイ)があります。
主に文章作成をサポートする目的で開発された優秀なツールです。しかし、
- Novel AIでは何ができるのか知りたい
- どれくらいのクオリティのアウトプットができるのか知りたい
- 具体的にどのように使うのか知りたい
といった疑問を持っている人は多いでしょう。結論から言うと、Novel AIは高性能なAI画像・ストーリー生成ツール。元々ストーリー生成AIツールとしてリリースされましたが、主にイラスト生成に使われています。
そこで本記事では、Novel AIの基本的な機能や特徴、活用方法などを解説します。Novel AIを使いこなしたい人はぜひ参考にしてください。
Novel AI(ノベルエーアイ)とは?基本的な特徴と主力機能を解説
まずはNovel AIの基本的な機能と主力機能を解説します。ポイントとして以下5点が挙げられるでしょう。
- 実質的には高性能な画像ストーリー生成ツール
- 有料だが無料トライアルで使用可能
- 画像生成ツールの高いカスタマイズ性能
- 日本語にもほぼ完全対応
- 著作権とセンシティブな表現に注意が必要
順番に解説します。
Novel AI=高性能な画像・ストーリー生成ツール
Novel AIは、Novelのネーミングからわかるとおり、ストーリーを生成するツールとしてリリースされました。物語の鍵となるワードをいくつか入力するだけで、文章がアウトプットされます。
ストーリー生成も活用されていますが、画像生成機能のほうが優秀であることでも知られています。特に以下のようなアニメ調のキャラクターの描写を得意としています。
それが多くのクリエイターに認識され、Novel AIは画像生成ツールとして活用されるようになりました。
基本的にはアニメ風のイラストを出力するためのツールだと考えましょう。
有料だが無料トライアルで使用可能
Novel AIは有料ツールであり、プランは以下のとおりです。
わかりやすくいうと、より多くの月額料金を支払うほど、細かな機能がアンロックされる、生成されるストーリーの精度が向上するなどします。
またNovel AIで画像生成を実施する際には、Anlasという内部通貨を必要としますが、その配布数が増えます。
ただしストーリー・画像どちらの生成も、無料トライアルの段階で使用可能。
まずは無料で、どのようなことができ、どの程度のアウトプットが得られるか試すのがおすすめです。
画像生成ツールの高いカスタマイズ性能
また、画像生成ツールが高いカスタマイズ性能を有しているのもポイントです。生成の際、通常のプロンプト以外に、以下のような指示を出すことが可能です。
- 除外したい要素/歯を見せてはいけない、素足を出してはいけないなどの否定的な指示
- サイズ選択/1px単位で指定可能
- 生成枚数/同時に出力する枚数を、少なくとも8枚まで指定可能
- ステップ数/ノイズ除去の強さ(ステップ数が多いほど鮮明になる)
- プロンプトに対する忠誠度/どの程度プロンプトを重視するか指定可能
- Seed値/画像ごとに割り当てられるシリアルナンバーのことetc.
また使用するAIモデルを指定し、参照用の画像を追加することも可能です。このように高いカスタマイズ性能を有していることから、高品質な画像を想定通りに出力しやすくなっています。
その性能の高さから、Wikiフォーラムが出来上がるほど普及しています。
日本語にもほぼ完全に対応
AI関係のツールは英語環境のものが多いですが、Novel AIは日本語に対応しています。ストーリー生成では、日本語で入力、出力することが可能です。
言語設定は、トップページ左上のガチョウのようなアイコンをタップしたあと、日本国旗を選択することで変更できます。
ただし画像生成のプロンプトは、日本語で入力すると精度が落ちます。
プロンプトだけは英単語で入力しましょう。
【補足】著作権とセンシティブな表現に注意
上記のとおり、Novel AIは優秀な画像生成ツールとして活用できます。ただし著作権とセンシティブな表現に注意しましょう。
まず著作権の問題ですが、Novel AIが生成する画像が、権利を侵害するケースがあります。これはNovel AIが、著作物の二次創作イラスト投稿サイトのDanbooruを学習してしまったことに起因します。
たとえばNovel AIで、ピンク色の髪で黒地に金色の模様が入った女の子を生成したとしましょう。しかしそれは、Danbooruに投稿された漫画SPY&FAMIRYの主人公、アーニャ・フォージャーのイラストに酷似しているかもしれません。
つまりその女の子の画像を無闇に商用利用するなどした場合、著作権侵害になる可能性があります。Novel AIで出力した画像をビジネスで利用する場合は注意しましょう。
また、センシティブな表現にも注意してください。Novel AIは、特にその意図がなくても、本来R-指定がなされるような画像を出力する傾向にあります。
著作権とセンシティブな表現、このふたつは大きなリスクになるため、特に注意が必要です。
Novel AIの使い方6ステップ
Novel AIの基本的な使い方は、以下6つのステップで説明できます。
- 無料会員登録
- 画像生成ページへアクセス
- プロンプトを入力
- サイズや枚数を設定
- 生成ボタンをクリック
- 生成された画像を保存or再度プロンプトを入力
やり方自体は簡単です。ただしプロンプトの入力だけは、時間をかけて研究する必要があるでしょう。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
画像生成ページへアクセス
続いて、画像生成ページに移動します。画面下部の「画像を生成」をクリックしましょう。
プロンプトを入力
画像生成ページに移動したら、まずはプロンプトを入力しましょう。
サイズや枚数を設定
さらにサイズや枚数などを設定しましょう。また知識がある場合は、ステップやサンプラーに関して設定しましょう。
ステップやサンプラーが何かわからなくても、現段階では問題ありません。
参照用画像を入れると効果的
プロンプトの入力や詳細を設定する際、参照用画像を入れるのも効果的です。
これを入れておけば、アウトプットのクオリティが大幅に高まります。
生成ボタンをクリック
続いて生成ボタンを押して、画像をアウトプットしましょう。
生成された画像を保存or再度プロンプトを入力
生成された画像を保存しましょう。
ただし一度の生成で、満足のいくアウトプットが得られるとは限りません。その場合はプロンプトなどを調整し、もう一度画像生成してみましょう。
基本的には生成と調整を繰り返し、理想的なアウトプットに近づけていく取り組みが必要になります。
Novel AIをうまく使いこなす方法
Novel AIは優秀な画像生成ツールですが、使い方を間違えると、思ったとおりのアウトプットを得られません。
うまく使いこなせるように、以下の点をおさえておきましょう。
- 基本構文を覚えて実践する
- プロンプトジェネレーターを使う
- 既存のプロンプトを流用する
- できるだけ厳密な指示を与える
- AIに緊張感を持たせる「呪文」を活用する
もちろんAIの操作に関しては他にもさまざまなポイントがあります。ただ、上記をおさえるだけでもアウトプットの品質は大きく向上するでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
基本構文を覚えて実践する
よりよいアウトプットを得るためには、以下の基本構文を覚えて実践するのが第一です。
- 全体的な方向性/どのような作風、タッチにするか
- テーマ/アウトプットされた画像から感じられるテーマは何か
- 作画/どのような人物、背景、画角、シチュエーションか
- (必要なら)作者/実在作者の作風を踏襲するなら、それは誰か
- 補足事項/グラレーション、明度など
- 除外要素/アウトプットしないで欲しい要素
このほかに「フレーバー」などを指定するユーザーもいますが、まずは上記をおさえておけば問題ありません。
特に初心者の場合、基本の構文に反したプロンプトを入力しがちです。
まずは上記の順序で、プロンプトを入力するようにしましょう。それだけでアウトプットの結果は大きく違うはずです。
プロンプトジェネレーターを使う
プロンプトジェネレーターを使うのもおすすめです。ジェネレーターとは、簡単に出力したい画像の傾向を設定するだけで、それに近しいプロンプトを排出するサービス。
たとえばGAZAIというサービスでは、品質や表現スタイルなどを細かく指定した形でプロンプトを出力できます。
このジェネレーターを使えば、求めるアウトプットに近いプロンプトを簡単に出力できます。ぜひ一度試してみましょう。
既存のプロンプトを利用する
また、既存のプロンプトを利用するのもおすすめです。Web上には、クリエイターたちが見つけた有効なプロンプトが多数公開されています。
たとえばクリエイターのNoteなどでプロンプト集が掲載されるなどしており、非常に参考となります。
すでに存在するサービスや情報を活用し、よりよいアウトプットが得られるように工夫しましょう。
できるだけ厳密な指示を与える
プロンプトを詳細化して、できるだけ厳密な指示を与えるようにしましょう。そうすることで、より正確なアウトプットを得られます。
例えば「ピンク色の髪の毛・女の子」というプロンプトでは、思い通りの画像をアウトプットさせるのは困難。しかし、「ピンク色の髪の毛、緑色の瞳、女の子、制服、ショートカット、年齢は10歳くらい、背景は西ヨーロッパ風」といった形で厳密に指定すれば、結果は大きく異なります。
プロンプトがシンプルすぎるときは、もう少し詳しくしてみましょう。その際は、上述した基本構文から逸脱しすぎないように注意してください。
一方でプロンプトが複雑すぎると、AIが混乱してしまって正しくアウトプットできないことも。その際はプロンプトを少しシンプルにして調整しましょう。
AIに緊張感を持たせる「呪文」を活用する
また、AIに緊張感を持たせる「呪文」を活用するのも有効です。特に以下は、幅広く活用されます。
- PlayStation5
- 4K
- 8K
- High Quality
- Ray tracing
- Power Graphicetc.
こういったプロンプトの入力があると、AIは「きれいな画像を生成しなければならない」と判断します。
Novel AIに限らず、AIは、ユーザーがどの程度のクオリティを求めているのか、その都度判断できません。しかし上記の呪文を用いることで、本来持っている生成能力をうまく引き出せます。
その他にもAIの能力を引き出す呪文が見つかることがあります。自分で色々試して、フィットする呪文を探してみましょう。
Novel AIに関するよくある質問
本記事ではNovel AIに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- スマートフォン版はありますか?
- コピーサイトがあるのは本当?
- ユーザーフォーラムはありますか?
- Novel AIで出力した画像の著作権は主張できますか?
- スマートフォン版はありますか?
-
スマートフォン版のNovel AIもあります。スマートフォンからNovel AIにアクセスすれば使用可能です。機能はPC版とほとんど変わりません。
ただしスマートフォンで操作すると少し使い勝手が悪くなるので注意してください。
なお、スマートフォンアプリ版はリリースされていません。
- コピーサイトがあるのは本当?
-
過去にNovel AIのコピーサイトがあったのは事実ですが、現在は利用できません。
仮にあったとしても、コピーサイトでは、個人情報を盗まれるなどのリスクがあります。本家にあたるNovel AIを使うようにしましょう。
コピーサイトが作られてしまった経緯として、Novel AIのサーバーがハッキングされたトラブルがあります。
- ユーザーフォーラムはありますか?
-
Seasaawikiに、活発に更新されているフォーラムがあります。ここでは以下のような情報が掲載されています。
- Novel AIの基本的な使い方
- 数多くのプロンプトとテクニック
- 用語集
- 実際に出力された画像
特に過去に出力された画像やそのプロンプトは、画像生成において役立ちそうです。
ただし一部のコンテンツはセンシティブな画像の出力を前提としているので、注意してください。
- Novel AIで出力した画像の著作権は主張できますか?
-
2024年2月現在の法制度において、著作権を主張するのは困難です。
一般社団法人生成AI活用普及協会は、以下の趣旨の見解を述べています。
- 著作物とは、作成者の何らかの思想や感情を表現がなされたものである
- AIツール(Novel AI)で画像を生成する際、プロンプトなどの指示はあっても、思想や感情の表現は関与していない
- つまり、AIツールで作られた画像は、著作物ではない
- 著作物ではないので、著作権を主張できない
つまり、「自分で考えたものではないから、著作権は認められない」とのことです。
ただし生成した画像を商用利用した場合、それが誰かや何かに酷似していて、肖像権や著作権を侵害することはあり得ます。ビジネスで活用する場合は、権利上の問題がないかきちんと確認しましょう。
ただし一般社団法人生成AI活用普及協会は「絶対に著作権が生じないとは言い切れず、最終的には司法の判断に委ねられる」とも述べています。このあたりに関しては同協会の見解を通読するとわかりやすいでしょう。
まとめ
本記事では、Novel AIに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- Novel AIは、主に小説的なストーリーを生成するツール
- しかしサブ機能である画像生成のほうが活発に利用されている
- 生成される画像のクオリティは十分に高い
- カスタマイズ機能も充実している
- 日本語にほぼ完全に対応しているのも魅力てく
- 使い方は非常に簡単で、誰でもただちに運用できるレベル
- ただし良質なプロンプトを入力するのは必須になる
元々は簡単に上質なストーリーを生成できる触れ込みでリリースされたNovel AI。もちろんその点でも優秀ですが、画像生成AIツールとしてもすぐれています。
MidjourneyやDALL-E3などとともに活用するのがよいでしょう。ただしほかのAIツール同様に、良質なプロンプトを入力できるよう工夫するのが重要になりそうです。