Power BIを活用した事例8選!特徴や導入するメリットを解説

Power BIとはMicrosoftが提供するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。

BI(ビジネスインテリジェンス)とは?

事業上の意思決定に関わる情報を分析して得られる知見などを活用する仕組みや手法を意味します。

企業内にあるさまざまなデータを収集・分析・ビジュアル化し、経営層や管理職、人事、現場の職員に対して製品やサービス、業務の改善につながる情報を提供します。

引用:三井住友銀行

そこで、Power BIの活用例について次のような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

  • Power BIを導入するメリットを知りたい
  • Power BIの導入事例を知って参考にしたい
  • Power BIの特徴について知りたい

結論からいえば、Power BIを活用したデータの可視化や共有、他のデータと連携できるなどさまざまなメリットがあり、多くの企業が導入しています。

そこで、この記事では、Power BIを活用した事例や特徴、導入するメリットを解説していきます。

Power BIの活用例に興味を持っている方はぜひこの記事を参考にしてください。

目次

Power BIとは?5つの活用メリットを紹介

パソコン

Power BIとはMicrosoftが提供しているビジネスインテリジェンスツールです。

主な活用メリットは次の5つ。

  1. データをクレンジングできる
  2. データを可視化できる
  3. データを共有できる
  4. さまざまなデータと連携できる
  5. プログラミングの知識が不要である

それぞれを解説していきます。

1.データをクレンジングできる

Power BIを使ってデータをクレンジングできます。クレンジングとは、データが破損した場合や不正確な場合に問題を解決することです。

分散したデータをクレンジングすることで、より可視化しやすくなります。

そのため、データを把握するための時間や手間を減らすことができ、業務の効率化につながるのです。

2.データを可視化できる

Power BIを活用することでデータをグラフ化できます。また、可視化することで内容を理解しやすくなります。

近年ではデータのボリュームが大きく、すべてを管理するのは容易ではありません。

しかし、Power BIを使うことで膨大なデータであってもスムーズに可視化できます

3.データを共有できる

Power BIを使うとデータを共有できることから、誰でも可視化した内容を把握できます

ブラウザやアプリをはじめ、さまざまな方法で簡単にデータを共有することが可能なのです。

そのため、他の部署や担当者とデータを共有することで、業務をスムーズに進めやすくなるでしょう。

さらにデータを共有することで、データの意思決定をスムーズに進めることができ、生産性の向上にもつながります。

4.さまざまなデータと連携できる

オンプレミスのほかに、クラウドやSaaSなどさまざまなデータを扱うことが可能です。

それぞれに含まれているデータを連携することで編集しやすくなり、社内のすべてのデータを一元管理できます。

 必要なデータを検索する手間や時間を省けるほか、 集計するための業務負担を軽減できるようになりました。 

5.プログラミングの知識が不要である

Power BIを利用する際はプログラミングが不要なことから、スキルを持たない人でも利用できる点がメリットです。

専門知識がなくても最低限のITリテラシーを持っていれば、データ作成や共有、モデル化 などがしやすくなります。

さらに、使いやすいインターフェースであることから、初めて利用するユーザーでもデータを扱いやすいことが特徴です。

Power BIを活用した事例8選

ネットワークのイメージ

Power BIを活用した事例として主に以下の8社が挙げられます。

  1. KPI管理や予備品の管理に活用|トヨタ
  2. 渋谷区オフィスダッシュボードの構築|渋谷区
  3. さまざまなデータを集約して可視化|ヤマト運輸
  4. PowerBIによるビジネス改革|電通
  5. ユーザーインターフェースとして活用|NTTドコモ
  6. 作品を評価するプラットフォーム構築に活用|集英社
  7. 短期間で経営戦略を加速|日清食品ホールディングス
  8. 働き方見える化を実現|花王

 それぞれの事例について詳しく説明していくので参考にしてください。

1.KPI管理や予備品の管理に活用|トヨタ

corolla
出典:トヨタ自動車

トヨタ自動車では、KPI管理や予備品の管理を目的にPower BIを導入しています。

Power Appsでアプリを作ることで、スマートフォンから情報を編集できるような開発に成功。 

また、スマートフォンからリアルタイムにデータを反映させることで、課題を把握しやすくなったのです。

さらに、紙の資料を使うことが減ったため、コスト削減にもつながっています。

2.渋谷区オフィスダッシュボードの構築|渋谷区

渋谷区
出典:渋谷区

渋谷区では、Power BIを使って組織の業務時間や部署同士の関わりなどを可視化していることが特徴。

WordをExcelなどに入力されている情報や、他のシステムのデータをまとめてダッシュボードで確認できるようになりました。

データを検索する手間が減り、 従業員のウェルビーイング(個人や社会のよい状態)向上につながっています。 

3.さまざまなデータを集約して可視化|ヤマト運輸

ヤマト運輸
出典:ヤマト運輸

ヤマト運輸では、荷物の個数や時間帯などを確認するためにPower BIを使って把握しています。

これまでは、ドライバーごとに扱っている荷物の種類や時間帯、配達している数が違うため、現在の状況を把握することが困難でした。

そこで、Power BIを活用して現在の状況を把握し無事に配達が終わってるかどうかの確認をスムーズにできるようになったのです。

リアルタイムの状況を営業所だけではなく管理部門でもスムーズに把握できるようになり、 コミュニケーションの円滑化も実現しています。 

4.PowerBIによるビジネス改革|電通

日本の広告費2023
出典:電通

電通では、これまでExcelで管理していたデータをPower BIに置き換えることでビジネス改革につなげています

Power BIを導入することでレポートの拡張やデータウェアハウスの構築を進められ、 データ分析を目的としたSamuraiを開発。

同じくMicrosoftのクラウドコンピューティングサービスであるAzureと併用することで、スムーズなデータ分析が可能になったのです。

さらに、データを統合したり情報セキュリティの制御に利用したりするなど、さまざまな活用が可能になりました。 

5.ユーザーインターフェースとして活用|NTTドコモ

ドコモ未来ミュージアム
出典:NTTドコモ

NTTドコモでは、dスマホローンのユーザーインターフェースとしてPower BIを活用しています。

dスマホローンはAzureをクラウド基盤として、分析結果を戦略データに活かすことに成功

Power BIをユーザーインタフェースとしていることから、 スピーディーな対応ができるようになりました。 

6.作品を評価するプラットフォーム構築に活用|集英社

集英社
出典:集英社

集英社では、Power BIの導入によってデータの集計と分析がよりスムーズにできるようになりました。

Power BIを使ってデータを分析するだけでなく、 今後の需要予測にも活用しています。

日々の販売データや入出庫データをPower BIダッシュボードで解析することで、予測しやすくなったメリットも。 

今後、 重要予測のプロセスをさらにスムーズにするための取り組みが続けられており、さらに良い環境となるでしょう。

7.短期間で経営戦略を加速|日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングス
出典:日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングスでは、Power BIの導入後2か月間で経営におけるダッシュボード整備に成功しました。

日清食品はさまざまな国に事業会社があり、経営に関する報告書がバラバラであったことから、管理に時間と手間がかかっていました。

そこで、Power BIを導入することで報告書を全世界で統一でき、業務の負担を減らすことに成功

日清食品がグローバルカンパニーを加速させる要因となりました。

8.働き方見える化を実現|花王

花王
出典:花王

花王では、Power BIを使って社員の働く状況を可視化できるシステムを構築

Azure(Microsoftが提供するクラウドサービス)で社員一人ひとりの勤務状況や社内のPC利用履歴などを統合したうえで、Power BIを使って分析を進めています。

結果、社員一人ひとりの勤務状況をリアルタイムに可視化できるシステムの構築に成功

社員がより働きやすい環境づくりを実現しています。

Power BIを活用した事例に関するQ&A

Q&A

power biの活用例に関してよくある質問と回答をまとめました。

疑問をお持ちの方は参考にしてください。

  • Power BIとはどのようなものですか?
  • Power Pointでも使えますか?
  • Excelとはどのように違いますか?
  • PowerBIにはどのようなツールがありますか?
  • PowerBIの料金体系について教えてください
  • PowerBIを有効活用するためにすることとは?
  • Power BIが企業に与える影響とは?
  • Power BIのセキュリティ面において心配はないでしょうか?

Power BIとはどのようなものですか?

Powerとは、Microsoftが運用しているビジネスインテリジェンスツールです。

Excelや社内システムなどさまざまな場所に存在するデータを取り込んで、データを分析します。

グラフや表にまとめることで、膨大なデータを可視化、一元管理できるのです。

拠点がさまざまな場所にあったり、部署ごとに管理方法が異なったりするとデータの管理だけでも大変です。

そこで、Power BIを活用することで社内データの管理や分析がスムーズになりました。

一元管理することで、トラブルがあった場合でもリアルタイムに対処できるでしょう。

Excelとはどのように違いますか?

Power BIではExcelでは扱えないような大容量の処理が可能です。

また、データの可視化、他部署との共有などもできます。

Excelはデータの記録や集計に特化しているため、同時に活用することで生産性の向上や業務効率化が見込めるでしょう。

Power Pointでも使えますか?

データを活用した資料を作成したい場合、Power BIとPower Pointを併用するとよいでしょう。

Power Pointで入力したデータやグラフは自動的に更新されませんが、Power BIを活用すると最新データに更新されます。

併用することで、最新データを使ってスムーズなプレゼンテーションの実施が可能

また、Power BIで作成したレポートをPower Pointに埋め込めます。

このため、Power BIの活用によって常に最新のデータを使ったプレゼンテーションが可能になるでしょう。

PowerBIにはどのようなツールがありますか?

PowerBIには次の3つのツールがあります。

  • Power BI Desktop
  • Power BIサービス
  • Power BIモバイルアプリ

Power BI Desktopは、Windows向けのデスクトップで使うアプリケーションです。

データを使って作成したグラフや表などを配置しているレポートを作成したり、作成したレポートを編集することが目的。

さらに、レポートの作成に必要なデータの取得や編集はPower BI Desktopで進められます。

初期段階でサンプルデータが入ってるため、まだデータがないけれど試してみたいといった方におすすめです。 

Power BIサービスはPower BI Desktopで作成したレポートの管理やダッシュボードの作成が可能です。

また、Power BI Desktopと違って、Macやタブレットでも利用できます。

複数のレポートに記載されている表やグラフなどをまとめてダッシュボードで可視化。

一目でレポート全体を見ることができるため、 業務効率化が可能です。

有料ライセンスに変更することで作成したレポートの共有もできます。

Power BIモバイルアプリは、スマートフォンやiPad、Apple Watch などからレポートやダッシュボードを確認することが目的

レポートやダッシュボードの作成や編集はできませんが、 モバイルアプリを使って時間や場所にとらわれず内容を把握できます。

PowerBIのツールにはそれぞれ特徴があり、 目的に合わせて使いこなすことで、より業務をスムーズにできるでしょう。

PowerBIの料金体系について教えてください 

Power BIには、次のようにPower BIやProなど、以下4段階の料金体系が用意されています。

料金体系月額料金(1ユーザー)
無料アカウント無料
Power BI Pro¥1,499
Power BI Premium Per User¥2,998
Power BI Embedded変動制

PowerBIを有効活用するためにすることとは?

Power BIを有効活用するためには、導入目的を明確にすることが重要です。

Power BIには、複数の拠点におけるデータを集めたり顧客情報の分析を向上させたりするなどさまざまな目的があります。

それぞれの目的にあったデータ収集や分析が求められます。

また、導入後も定期的に効果を測定しましょう。

定期的にPower BI導入後の変化を把握することで、PDCAサイクルを回すことができ、より効率的な利用が可能です。

Power BIが企業に与える影響とは?

Power BIはさまざまなデータを活用しやすい点が特徴です。

消費者のニーズが常に変化していることから、リアルタイムにデータを分析することが求められます。

しかし、インターネットやSNSの普及で日々新しいデータが登場しており、管理や分析への負担が大きくなっているのが現状です。

そこで、Power BIの導入によってさまざまな形式でアウトプットできるようになり、今後の商品開発や営業方針の決定などに活かせます。

今後、マーケティングデータや顧客データなど、さまざまなデータを活かして判断するデータドリブンの需要が高まっていくことでしょう。

そのため、Power BIの必要性が今後さらに高まることが見込まれます。

Power BIのセキュリティ面において心配はないでしょうか?

Power BIはMicrosoftが運用しており、高度なセキュリティを提供しています。

例えば、エンドツーエンドでデータ保護をするために二重暗号化を導入

また、ユーザーがアクセスするタイミングでログイン資格情報が使われています。

リスクの高い行動が発見されると 迅速に行動分析することから、大きな問題を事前に防ぐことができるでしょう。 

まとめ

この記事では、Power BIの活用例について解説しました。

最後に重要な点をおさらいしておきましょう。

  • Power BIはプログラミングが不要である
  • Power BIでデータの可視化や共有が可能である
  • Power BIは他のデータと共有できる
  • Power BIはデータをクレンジングできる

Power BIは、Microsoftが運用しているビジネスインテリジェンスツールであり、さまざまな目的で導入されています。

データの可視化や共有、クレンジングが可能であることから、データを効率よく活用できます

Power BIを導入する企業は増えており、今後さまざまな活用事例が見られるでしょう。

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この記事を書いた人

「Metaland編集部」は、Web3.0、メタバース、AIといった最新のトピックを皆様にお届けします。専門知識がない方でもご心配は不要です。情報を深くかつ分かりやすく解説することを重視し、新しいデジタル時代への案内役となることを目指しています。一緒に新たなステップを踏み出しましょう!

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