2022年にChatGPTがリリースされたことを皮切りに、さまざまなAIツールがリリースされています。議事録をAIで自動生成できるツールも登場しており、実際に活用して業務を効率化したいと考える方もいるでしょう。
しかし、
- AI議事録自動生成ツールでどのようなことができるか知りたい
- 使用するメリットが知りたい
- 無料で始められるツールがあるか知りたい
などの疑問をお持ちの方もいるかと思います。結論から言うと、AI議事録生成ツールは、録音データをAIに読み込ませることで自動で文字を起こして要約してくれるツールです。
議事録をとる手間を減らすだけでなく、タスクの振り分けや翻訳機能を使って業務を効率化できます。
本記事では、AI議事録自動生成ツールの特徴や無料で始められるおすすめツールを紹介していきます。
AI議事録自動生成ツールを無料で導入したいと思っている人はぜひ参考にしてください。
AI議事録自動作成ツールができること
AI議事録自動作成ツールができることは次の通り。
- 自動で文字起こしができる
- 議事録からタスクの割り振りができる
- 充実した編集機能を活用できる
- リアルタイムに翻訳できる
順番に解説します。
自動で文字起こしができる
AI議事録自動作成ツールを使うことで、リアルタイムで自動文字起こしが可能です。会議中に発言した内容をリアルタイムにテキスト化できるため、手書きで議事録を作成する必要がありません。
また、ツールによっては会話している人ごとに発言を分ける機能もあり、大人数が参加する会議でも利用可能です。
作成された議事録を編集する場合でも、発言者ごとに発言内容をまとめやすくなりました。
これまで録音データを聞きながら手動で文字起こししていた方であれば、大幅に業務を効率化できるでしょう。
議事録からタスクの割り振りができる
ツールによっては、議事録からタスクの割り振りができるものも存在します。例えば「〇月〇日に書類を発送する」「〇月〇日に連絡する」などのタスクを、会議中の発言から自動的にピックアップします。
従来では会議が終わってから人の手で議事録を作り、そのあとでタスクを抽出していました。
AI議事録自動生成ツールのタスク自動割り振り機能を使うことで、議事録の作成からタスク管理まで効率的に進められるでしょう。
また、人間がタスクまで管理するとどうしてもタスク漏れが発生する可能性があります。
AI議事録自動生成ツールの導入によってこのようなヒューマンエラーを減らすこともできるでしょう。
充実した編集機能を活用できる
AI議事録自動生成ツールは音声をテキスト化するだけではありません。例えば、複数の人が話す会議において、発言者ごとに識別できるツールがあります。
また、あらかじめ登録しておいたワードへのマーカーは、議事録を理解するうえで重要なポイントです。
議事録を共有したり編集したりできるなど、ツールに搭載している機能が増えています。
リアルタイムに翻訳できる
ツールによっては、日本語以外の言語をリアルタイムに翻訳できます。海外の取引先や拠点などと多言語で会議する機会のある企業におすすめです。
しかし、ツールによっては、複数の言語の文字起こしに対応しているだけで、翻訳できないタイプもあります。
複数の言語をリアルタイムに翻訳できるツールを探すのであれば、AI GIJIROKUやTIMO Meetingを選ぶようにしましょう。
リアルタイムに翻訳できる機能を活用することで、グローバルにビジネスチャンスを拡大することが可能です。
海外の拠点や取引先とのコミュニケーションを円滑化し、誤解によるトラブルを防止できます。
AI議事録自動作成ツールを使うメリット
AI議事録自動作成ツールを使うメリットは次の通り。
- 議事録をスムーズに作成できる
- 議事録を共有できる
- 効率的に会議できる
議事録をスムーズに作成できる
AI議事録自動作成ツールを使うことで、議事録をスムーズに作成できます。
リアルタイムで文字起こしできるツールであれば、会議が終わると同時に議事録が出来上がっている場合があるでしょう。
また、議事録に間違いがあった場合は会議中、もしくは会議が終わってすぐに訂正できるので修正もスムーズです。
フィラー除去機能とよばれる「あー」「えー」などの言葉を除去できる機能を含めたツールもあります。
このほかにも、長い会議であっても要約したり重要なポイントだけを書いてくれたりできるツールもあります。
議事録を共有できる
AI議事録自動作成ツールで作った議事録は、一般的にクラウド上で他のスタッフと共有可能です。
ツールによってはフォーマットの作成も可能なため、現在活用しているものを使える場合もあります。
議事録を会議後すぐに他のスタッフと共有することで、情報共有や意思決定を迅速化できます。
効率的に会議できる
AI議事録自動作成ツールによっては、レジュメを作成する、参加者に送付できるなど、さまざまな機能があります。
従来、レジュメの作成や参加者への送付などは人の手によって行われていました。
AI議事録自動作成ツールを使うことで、作業者の負担を減らせるでしょう。
AI議事録自動作成ツールの選び方
AI議事録自動作成ツールの選び方は次の通り。
- 目的を達成できる機能が備わっているか
- セキュリティ面で問題がないか
- 音声認識の精度が十分であるか
- 有料であればコストパフォーマンスの高いツールを選べるか
目的を達成できる機能が備わっているか
AI議事録自動作成ツールにはそれぞれ異なる特徴があります。そのため、目的を達成できる機能が備わっているか確認しましょう。
AI議事録自動作成ツールによっては、文字起こしに特化したタイプや、リアルタイム翻訳に特化したタイプが存在します。
まずは自社の会議で必要な項目を洗い出し、必要な機能を備えているツールを選ぶことが重要です。
セキュリティ面で問題がないか
AI議事録自動作成ツールによっては、アップロードした音声データをAIの学習に使用するものがあります。そのため、セキュリティ面において問題のないツールを選ぶことが重要です。
例えば、SecureMemoをはじめとした、端末にインストールするタイプはセキュリティ面で優れています。
また、オンプレミス型であればネットワークを使わず録音データが外部に漏れないように対応できるでしょう。
クラウド型を利用する場合は、専用のクラウドサーバーを使っているタイプが安心です。
会議を録音するにあたって、個人情報や機密事項が流出する可能性があることを認識しておきましょう。
音声認識の精度が十分であるか
AI議事録自動生成ツールの主な利用目的は、会議をはじめとした音声のテキスト化のため、認識した音声を学習する精度の高いツールを選ぶことが重要です。
音声認識の精度が十分でなければ手作業で修正する必要があり、結局手間がかかってしまいます。場合によっては初めから手入力するよりも大変になる場合もあるでしょう。
まずは無料体験トライアルを活用して実際の会議音声をアップロードし、実際の業務に役立つかを確認するのがおすすめです。
有料であればコストパフォーマンスの高いツールを選べるか
AI議事録自動作成ツールには、無料のものと有料のものがあります。そのため、有料であればコストパフォーマンスが高いツールを選ぶようにしましょう。
近年では無料でも十分機能が揃っているツールがあります。ツールを導入する前に機能の内容や効果などを確認することが重要です。
【無料】おすすめのAI議事録生成ツール5選
ここでは、無料で始められるおすすめのAI議事録生成ツールを5つ紹介します。
- ユーザーローカル音声議事録システム|ブラウザで利用可能
- Notta|1時間の音声を5分で文字起こし
- AI議事録取れる君|ミーティングツールと連携
- toruno|3週間無料利用可能
- AI GIJIROKU|30か国の言語をリアルタイム翻訳
1.ユーザーローカル音声議事録システム|ブラウザで利用可能
対応デバイス | Webブラウザ |
議事録の共有 | URLで可能 |
外国語対応 | × |
有料プラン | 無料 |
ユーザーローカル音声議事録システムは、ブラウザで利用できるAI議事録自動生成ツールです。有料プランは存在せず、完全無料で利用できる点が特徴です。
発言を時系列で把握できるほか、喜びや好き、怒り、恐れ、悲しみといった感情をグラフで表現できます。また、会議中の話題に関連する単語を認識してマーキングすることも可能。
しかし、文字起こしに特化したサービスのため、テキスト化した内容をツール上で編集できません。そのため、議事録を編集する場合はcsvファイルをダウンロードした後、ほかのサービスを利用する必要があります。
2.Notta|1時間の音声を5分で文字起こし
対応デバイス | Webブラウザ・スマホアプリ(iOS・Android) |
議事録の編集 | 可能 |
議事録の共有 | URL、ファイルでダウンロード |
外国語対応 | 日本語、英語、中国語、ベトナム語に対応 |
有料プラン | 月額2,200円〜 |
NottaはAIを活用した音声文字起こしツール。音声や動画ファイルをアップロードすることで文字起こしができる他、ZoomやGoogleMeetなどのWeb会議ツールとの連携も可能です。
メモ付けやハイライトなど編集機能が充実しており、会議における業務効率化につながります。
パソコン以外にタブレットやスマートフォンなどのデバイスに対応しており、幅広い活用方法があります。
1か月で120分、1回につき3分まで文字起こしできる無料トライアルを提供しているため、まずは利用してみるとよいでしょう。
3.AI議事録取れる君|ミーティングツールと連携
対応デバイス | Webブラウザ |
議事録の編集 | 可能 |
議事録の共有 | URL、ファイルでダウンロード |
外国語対応 | 90ヵ国以上 |
有料プラン | 月額980円〜 |
AI議事録取れる君は、Google MeetやZoomといったミーティングツールと連携できるAI議事録自動生成ツールです。
連携しておけば、ミーティングツールの立ち上げから議事録作成まで自動で進められます。セキュリティ面においても、ISO27001を取得しており安心です。
情報セキュリティ管理に関する国際規格。
企業や組織が保有する情報の価値に見合うよう適切に管理していることが認められている。
作成した議事録を要約したり小見出しを作成したりできるなど、さまざまな機能があるため効率的に会議の内容を把握できます。
単語登録機能が実装されており、単語をあらかじめ学習させておけば専門用語でもスムーズに文字起こしが可能です。
無料トライアルを利用するには、公式サイトから資料請求する必要があります。資料請求ページから申し込んでください。
4.toruno|3時間無料利用可能
対応デバイス | PC(Windows) |
議事録の編集 | 可能 |
議事録の共有 | URL |
外国語対応 | × |
有料プラン | 月額1,650円〜 |
toruno(トルノ)は、文字起こしや録音機能、画面キャプチャを使って会議をスムーズに記録できるツールです。
会議後に情報を共有したり、議事録を作成したりするなどさまざまな機能があります。会議音声を文字起こしするだけでなく画面も同時に記録しているため、後から資料を再度確認する手間が省ける点がメリットです。
アプリのダウンロード後、無料で3時間利用できるためまずは試してみるとよいでしょう。
5.AI GIJIROKU|30か国の言語をリアルタイム翻訳
対応デバイス | Webブラウザ・スマホアプリ(iOS・Android) |
議事録の編集 | 可能 |
議事録の共有 | URL |
外国語対応 | 30ヵ国 |
有料プラン | 月額1,500円〜 |
AI GIJIROKUは30か国の言語をリアルタイム翻訳できる自動生成ツール。AIを使った翻訳テキストを音声で読み上げることも可能です。
複数人が会話している内容を識別できるため、大人数が参加している会議にも対応します。公式YouTubeチャンネルでサービス紹介動画がアップロードされているため、参考にしてください。
無料でツールの閲覧とチュートリアルが体験できるので、気になる方は公式サイトからアカウント登録してみてください。
AI議事録ツールに関するよくあるQ&A
AI議事録ツールに関するよくある質問についてまとめました。疑問をお持ちの方は参考にしてください。
- 複数の言語に対応できるタイプはありますか?
- Web会議ツールと併用できますか?
- 専門用語に対応しているツールはありますか?
- AI議事録自動作成ツール導入時の注意点はありますか?
- 会議中の環境は集音に影響しますか?
- ツールに完全にまかせっきりでよいですか?
- 複数の言語に対応できるタイプはありますか?
-
本記事で紹介したAI議事録取れる君やAI GIJIROKUは、複数の言語に対応しているだけでなくリアルタイム翻訳が可能です。
英語や中国語、韓国語などに対応しているため、異なる言語を使う人が参加する会議でも利用できます。
言葉の壁をなくすことでスムーズに意思疎通できるほか、多言語で議事録を作成できます。
今後海外進出を考えている企業にとって、必要性が高まってくるでしょう。
- Web会議ツールと併用できますか?
-
ツールによっては、Web会議ツールで録画してもうまく読み込めない場合があります。そのため、前もってオンライン会議に特化しているツールを選ぶようにしましょう。
例えば、AI議事録取れる君はZOOMやMicrosoft Teams、Google Meetなどと連携できます。Web会議ツールでの会話内容を自動的に記録し、文字起こしまでしてくれます。
特定のメンバーだけが閲覧・編集できるような機能があるためセキュリティ面でも安心です。
- 専門用語に対応しているツールはありますか?
-
従来のAI議事録自動生成ツールであれば、希望する専門用語に対応していない可能性があります。AI議事録取れる君のように事前に単語登録できるものや、AIが修正履歴から自動で学習できるタイプを選びましょう。
正しい専門用語に修正を重ねることでAIが自動で学習してくれます。
- AI議事録自動作成ツール導入時の注意点はありますか?
-
AI議事録自動作成ツールは安いタイプは月額数千円ですが、中には数万円必要なタイプもあります。
また、初期費用として数万円必要な場合も。そのため、効果を十分に測定した上で導入するようにしましょう。
トライアルを活用して、実際の会議で利用してみてください。
また、現在の議事録作成までにかかっている費用や時間などを把握しておくことも重要。ツールを導入することで、コストや時間をどれほど削減できるかを把握できます。
さらに、導入してから定期的に効果測定するのもおすすめです。
例えば「議事録を作成する時間が50%削減できた」「会議の意思決定が迅速化できた」などの効果が期待できます。
もし効果が出ないようであれば、ツールの変更や利用停止など見直しが必要な場合もあるでしょう。
- 会議中の環境は集音に影響しますか?
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どれほど性能のいいAI議事録自動生成ツールを使ったとしても、会話が不鮮明な音声であれば正しく認識できません。
AI議事録自動生成ツールを最大限に活用するためには、会話がよりクリアに聞こえるような環境が必要です。
性能の良いマイクを使ったり、周辺の雑音が入ってこない環境にしたりするなど工夫しましょう。
- ツールに完全にまかせっきりでよいですか?
-
近年のAI議事録自動生成ツールは性能が高くなっています。しかし、ツールがテキスト化したものをそのままにするのではなく、最終的に人間が清書しましょう。
あまりにも修正に手間がかかってしまうようだとツールを導入する意味がないので、合格と言えるラインを明確にする必要があります。
また、学習機能のあるツールであれば言葉を覚えるごとに生成する文章の精度が高まってきます。
専門的な言葉であってもスムーズに理解できるようになるので、ツールを効率的に活用できるでしょう。
まとめ
この記事では、無料で導入できるAI議事録自動作成ツールについてまとめました。
最後に重要な点をおさらいしておきましょう。
- AI議事録自動作成ツールを活用すれば自動で文字起こしやタスクの割り振りができる
- 文字起こしした内容からタスクの割り振りが可能なツールがある
- URLを共有することで議事録をスムーズに共有できる
- 自社の用途に応じたツールを選ぶことが重要である
AI議事録自動作成ツールは、会議中に発言した言葉をリアルタイムにテキスト化できます。
さらに、発言者ごとに割り振りしたり、タスクだけを抜き出したり翻訳したりできるなど幅広く活用可能。
中には無料のAI議事録自動作成ツールがあるため、コスト面で負担なく導入できるでしょう。
本記事を参考に、AI議事録自動作成ツールを導入して業務効率化につなげてみてはいかがでしょうか。