出典:Udio
近年では、音楽生成AIツールを使って、楽曲制作するのが珍しくなくなりました。2025年現在は「Suno」が、主要なツールとして活用されています。
一方で、Udio(ユーディオ)にも注目が集まっています。
しかし、
- Udioはどのような楽曲生成AIツールなのか
- Sunoよりも使えるのだろうか
- どうやって使うのか
といった疑問を持っている人も多いでしょう。
Udioは、音楽生成AIツールのなかでもすぐれた機能を持っています。一方でAIツールがゆえの弱点を持っているのも事実。
そこで本記事では、Udioの概要や利用料金などを解説します。
Udioに興味がある方はぜひ参考にしてください。
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Udioの概要と利用料金
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まずはUdioの概要と利用料金、音楽生成サンプルを紹介します。
- Udio=優秀な楽曲生成AIツール
- Udioによる音楽生成サンプル
- Udioの利用料金
- 商用利用と著作権との兼ね合い
そして商用利用と著作権との兼ね合いに関しては、トラブルを避けるため、よく理解しておく必要があります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
Udio=優秀な楽曲生成AIツール
Udioは、冒頭で述べたとおり高性能かつ安価な音楽生成AIツールです。
簡単なプロンプトやジャンルを指定するだけで、簡単に楽曲制作できます。
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また以下のような詳細も設定できます。
- 歌詞の自動生成or手動入力
- 曲の長さやテンポの調整
- 楽器構成の変更
- AIによる自動でのアレンジ
さらに既存の楽曲をアップロードしてAIに調整してもらったり、生成した楽曲をシェアしたりする機能も搭載されています。
競合プロダクトとなるSuunoと同等、もしくはそれ以上の多機能性を有しています。
Udioによる音楽生成サンプル
Udioによる音楽生成のクオリティを確認するため、サンプルを聞いてみましょう。
コード進行やエフェクトがシンプルなロックやハードロック、メロコアなどのジャンルでは、特に高品質なものがアウトプットされる傾向にあります。
Udioの表現は幅広く、ファンクなどの音色も再現できます。
さらに、シャウトやスキャット、デスボイスなどの声質も再現可能。
また、アニメソングに近いものも出力できます。
このようにUdioは、あらゆるジャンルで、高品質な楽曲を生成できます。
Udioの利用料金
Udioの利用料金は以下のとおりです(2025年1月、Mac環境)。
Free | Standard | Pro | |
---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 10ドル | 30ドル |
クレジット(月額生成回数上限) | 100 | 1200 | 4800 |
標準処理キュー | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
同時生成 | 2 | 3 | 4 |
Stemダウンロード | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
オーディオアップロード | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
高度なトラック編集 | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
カスタムカバーアート | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
いわゆる無料プランに該当するFreeでも、基本的な楽曲生成は可能です。またこの段階でも、アウトプットの品質に大きな問題はありません。
Standardになると、Stemダウンロードやオーディオアップロードなどの機能が開放されます。ただし最低限の制作の範疇では、課金する必要はないでしょう。
ちなみに、カスタムカバーアートとは、いわゆるCDジャケットを意味します。
商用利用と著作権との兼ね合い
Udioの著作権は、ユーザーに帰属します。
したがって商用利用に関する制限はありません。
ただし商用利用する場合は、Udioによって生成されたことを、何らかの形で適切に表示しなければいけません。
たとえば楽曲のメタ情報や、商品説明欄などに記載する必要があります。
なお、Udioでほかのユーザーが生成した楽曲やリリックには著作権があるので、無断で利用できません。また一部の素材を使用する場合も同様です。
後述するように、生成した楽曲が、既存楽曲に偶然似通ってしまい、結果的に著作権を侵害してしまうケースもあります。この点には注意しましょう。
Udioを利用するメリット・デメリット
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Udioを利用するメリットとして、以下が挙げられます。
- 品質が安定している
- コストをおさえられる
- 練習や学習の補助になる
- 簡単に操作できる
一方でデメリットとして、独自性の不足があります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
品質が安定している
まず、品質が安定しているのがポイントです。
Udioが生成する楽曲は、一定以上のクオリティのプロンプトを入力した場合、ユーザーから高く評価されるほどの品質です。
少し聴いただけでは、Udioが出力したとはわからないかもしれません。
その品質の高さから、出力された楽曲を、そのまま商用利用することも可能。
また、アーティストや技術者が制作する場合と比較して微調整や修正も容易です。
ただ生成するだけでなく、生成される楽曲の品質が高いレベルで安定しているのは、大きなメリット。アウトプットしてただちにビジネスなどで利用しても問題ない水準です。
コストをおさえられる
また、コストをおさえられるのも大きなポイントです。
通常、楽曲制作を依頼するには、決してコストは安くありません。
著名なアーティストや技術者に依頼するなら、1曲で数十万円以上の費用がかかることも。
しかしUdioなら、無料ないし少額で、高いクオリティの楽曲を制作できます。
これまで高品質な楽曲を制作するには、高いハードルがありました。しかしUdio、もしくはSUNOをはじめとした音楽生成AIツールが登場したことで、そのハードルは低くなっています。
ただし注意したいのは、アーティストや技術者が作詞作曲した事実が得られない点。
楽曲制作では、楽曲のクオリティに次いで、誰が制作者なのかが、その価値を決めている側面があります。
つまりネームバリューが活かせない点が、少々心配なところです。
練習や学習の補助になる
また、楽曲制作の練習や学習の補助になるのも、大きなポイントです。
Udioで楽曲を生成するのを繰り返すだけで、楽曲制作に関するアイディアが得られるでしょう。また、ジャンルごとでどのような表現が使われるか、学習することも可能。
またアレンジや編集を通して、リミックスの練習に取り組む方法もあります。
ただし後述するように、Udioで生成される楽曲には独自性が不足するケースがあるのです。
その点を踏まえれば、Udioでの練習や学習に依存すると、自身の個性が楽曲に反映しにくくなるかもしれません。
簡単に操作できる
簡単に操作できるのも、Udioの強みです。
楽曲制作ソフトは、一般的に操作が難解です。これが原因で楽曲制作を断念するケースも少なくありません。
しかしUdioは、簡単なクリックやスクロール、プロンプトを入力できれば、誰でも楽曲をアウトプットできます。
また楽曲制作における難所をAIに代理してもらうことも可能。
これまで楽曲制作を諦めていた人でも、Udioなら問題なく扱えるでしょう。
また楽曲制作ソフトは、一般的に利用料が高額で、中には10万円近い費用がかかることも。Udioは無料もしくは月額10ドル程度で利用できるので、コストパフォーマンスが高いのです。
デメリットは独自性の不足
デメリットとして挙げられるのが独自性と著作権の問題です。
独自性の問題とは、生成した曲が他者の権利を侵害しうる可能性を示します。
Udioで生成した楽曲は、既存楽曲と、偶然にも類似する可能性があります。曲調は違っても、リリックやコード進行が共通するかもしれません。
結果、既存楽曲の制作者から、著作権を侵害されたとして、告訴ないし指摘される可能性があります。
相手が著作物に強いこだわりを持っている場合は、やっかいな法的トラブルに発展するかもしれません。
Udioを使う限り、偶然にも他者の著作権を侵す可能性はあります。その点を踏まえて、Udioによる楽曲を生成する必要があるでしょう。
Udioの基本的な使い方
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Udioの基本的な使い方は、おおむね以下のとおりです。
- Udioに会員登録する
- プロンプトを与える
- 楽曲のジャンルや方向性を示す
- 歌詞・リリックを指定する
- 楽曲を出力する
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
Udioに会員登録する
まずはUdioに登録しましょう。
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Create Profileに進み、プロフィールを入力します。
プロンプトを与える
続いて、Udioに対してプロンプトを与えましょう。
画面最上部のDescribe Your Songのボックスで入力できます。
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プロンプトは、詳細であるほど、出力される楽曲が意図したものに近くなります。
可能な限り詳しい指示を出しましょう。
逆に指示が多すぎたり、矛盾したりすると、AIが混乱します。この点にも注意しましょう。
楽曲のジャンルや方向性を示す
次に楽曲のジャンルや方向性を入力しましょう。
ボックス下部のジャンルを選択すると、自動的にプロンプトに反映されます。
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ジャンルの指示だけで不足がある場合、プロンプトで詳細に入力して補足する必要があります。
プロンプトが不足していても、ジャンルさえ指定すれば、一定水準の楽曲がアウトプットされます。
歌詞・リリックを指定する
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続いて、歌詞やリリックを設定しましょう。
これを入力すれば、ボーカルがそのとおりに歌ってくれます。
歌詞やリリックを指定せず、ボーカルをつけることも可能。Auto-Generateを使えば、自動生成されます。
楽曲を出力する
最後に画面下部のCreateをクリックしましょう。
そのあと、右側にアウトプットの結果が表示されます。
ジャケット部分をクリックすると、視聴できます。
これでUdioを通して楽曲を制作できました。
もちろん、再度プロンプトを入力するなどして、生成を試みることも可能。
一度で意図したものができないケースもあるので、不足があれば再トライしましょう。
Udioに関するFAQ
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本記事では、Udioの概要や使い方、メリットに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- Udioは何分までの曲を作れるか?
- Suno AIとどちらが優秀か?
- プロンプト例が欲しい
- Udioは日本語に対応している?
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
- Udioは何分までの曲を作れるか?
-
Udioでは、最大15分までの楽曲を制作できます。
Extend機能を使って、制作した楽曲を拡張することで可能に。
ただし、再生時間が長い曲の生成には時間がかかる点に留意してください。
長い曲であるほど、クオリティにやや低下が見られる部分もあります。
- Suno AIとどちらが優秀か?
-
楽曲制作のクオリティだけで考えれば、どちらも同程度かつ優秀です。
そのほかの機能は大部分が共通しており、また、どちらも多機能です。
最終的には細かい仕様の部分を比較し、使いやすいと感じたほうを選ぶのがよいでしょう。
ただ、Suno AIは無料プランだと、アウトプットした楽曲を商用利用できません。Udioは、無料プランでも自由に商用利用できます。
商用利用を前提にするなら、Udioのほうが使いやすいでしょう。
Suno AIにも、Udioで懸念される著作権の問題がある点に注意してください。
- プロンプト例が欲しい
-
プロンプト例は、以下のサイトなどで入手できます。
また、自身でChat GPTなどのAIチャットを使って生成することも可能。
プロンプトを設定する際のコツとして、以下が挙げられます。
- 具体的かつ詳細に指示する
- 形容表現ではなく、できる限り数字で指定する
- 「何をしてはいけないか」と「何をすべきか」の両方を記載する
これらを踏まえていれば、自身でも有効なプロトコルを入力できるでしょう。
ただしUdioが優秀な楽曲制作ツールとはいえ、一度のプロトコル入力で、意図したアウトプットを得られるとは限りません。
アウトプットとプロトコルの修正を繰り返し、少しずつ理想の楽曲に近づけていきましょう。
- Udioは日本語対応している?
-
Udioのインターフェース自体は日本語に対応していません。しかし翻訳することで、問題なく利用できます。
また、歌詞やリリックの出力に関しては日本語に対応しています。英語楽曲だけではなく日本語楽曲も生成可能。
ただし自動生成した場合、若干日本語が不自然な部分が残ります。
日本語の楽曲を生成する場合、歌詞やリリックの粗がわかりやすく、不自然な部分が楽曲のクオリティの低下を招くかもしれません。
歌詞やリリックに関しては、自身で用意するのを推奨します。
まとめ:Udioがあればサウンド面は万全になる
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本記事ではUdioに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- Udioは、Sunoに並ぶ強力な楽曲生成AIツール
- クオリティは高く、利用料金も安い
- 表現の幅が広く、特殊な音質も再現できる
- 特に声質の再現が得意で、スキャットやデスボイスも再現できる
- 歌詞やリリックの自動生成も魅力的な機能である
- コストカットや楽曲制作の補助に役立つ
- 操作方法も簡単で、初心者にも利用しやすい
Udioはきわめて高性能な楽曲生成AIツールです。クオリティはもちろん、多機能性や利用料金の安さは非常に魅力的。
現在、楽曲生成AIツールの象徴的存在であるSunoにも対抗できる性能を有しています。
Udioがあれば、ほとんどのビジネスや取り組みにおいて、サウンド面は万全に整えられるでしょう。うまくUdioを使い、サウンドにおける展開を強化していきましょう。