出典:Genspark
2023年、新しいAI検索エンジン、Gensparkがリリースされました。AIツール業界に、新しい価値をもたらす技術として注目を集めています。しかし、
- 具体的に何ができるのか?
- どうやって使うのか?
- ほかのAI検索エンジンと比較してどのようなところがすぐれているのか?
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
Gensparkは、Open AIが提供するChatGPTなどを活用した、新しいAI検索エンジンです。
通常の検索エンジンよりも詳細かつ信憑性の高い情報を得られるのが、大きな特徴です。
本記事では、Gensparkの基本性能や使い方、使用上のメリットやデメリットに関して解説します。Gensparkに関心がある方はぜひ参考にしてください。

Gensparkの基本性能と特徴

Gensparkは、2024年6月にリリースされた比較的新しいAI検索エンジンです。カリフォルニア州パロアルトとシンガポールに本社があるMainFunc社によって開発されました。
キーワードを入力すると、検索結果上位を参照にしながら、独自にチューニングされたAIがアウトプットを返します。

基本的な使い方は、ChatGPTなどと比較して大きな違いはありません。
しかし、Gensparkには以下の特徴があります。
- Sparkpageを生成してほしい情報をすべてまとめる
- AIコパイロット機能でニーズを深掘りする
- ブックマーク機能でSparkpageを覚えておく
- Gensparkの利用料金と各種プラン
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
Sparkpageを生成してほしい情報をすべてまとめる
Gensparkの最大の特徴は、Sparkpageと呼ばれる検索情報やAI分析の結果を統合したページを生成する点です。

わかりやすくいえば、検索ニーズに応じたWebサイトを、その場で生成します。
これを用いることで、AIチャットに聞いたり、検索結果に表示されたサイトを開いたりしなくても、欲しい情報を網羅的に得られるようになります。
sparkpageでは、図解や動画も挿入され、視覚的にも理解しやすい内容で生成されます。
AIコパイロット機能でニーズを深掘りする
Gensparkでは、AIコパイロット機能でニーズを深掘りできます。
AIコパイロット機能とは、検索中に生じた新しい疑問点を、AIに対して質問できる仕組み。
これは「何らかのキーワードで検索した際、そのあとのサジェストワードで検索する作業」を省略するものです。

Sparkpageの下部には、関連するトピックが表示されます。これをクリックすると、AIコパイロット機能によって新しいSparkpageが生成されます。
チャットウィンドウでは、任意で新しい疑問を入力可能。内容に応じて、新しいSparkpageを生成できます。
通常の検索エンジンを使うよりも、はるかに効率的に情報を収集できます。
ブックマーク機能でSparkpageを覚えておく
ブックマーク機能を使えば、Sparkpageを消去せずにGensparkに覚えさせることができます。これを利用すれば、必要な情報を整理された状態で保持できます。
ChatGPTにもアウトプットの内容を保存する機能があります。例えば、会話履歴のエクスポート機能やChrome拡張機能を利用して、会話をファイルとして保存できます。
しかし、Gensparkの場合、あらかじめSparkpageでまとめられた情報をブックマークし、あとで参照できるため、情報の整理とアクセスがより直感的にできるのです。
さらに、Sparkpageの情報をダウンロードしたり、コピーしたりすることも可能です。
Gensparkの利用料金と各種プラン
Gensparkの利用料金と各種プランは以下のとおりです。
プラン | Free | Plus |
---|---|---|
料金 | $0 | 月額:$24.99/月年額:$239.88/年($19.99/月) |
無制限の検索 | ✓ | ✓ |
AIエージェントへのアクセス | 限定アクセス | すべてのAIエージェントへの優先アクセス、Freeから5倍の利用 |
トップティアモデルへのアクセス | – | ✓(OpenAI o1、o3-mini、GPT-4o、Anthropic Claude Sonnet、Google Gemini、DeepSeekなど) |
最新画像生成モデルへのアクセス | – | ✓(FLUX、Ideogram、Recraft、DALL-E、Gemini Imageなど) |
最新動画生成モデルへのアクセス | – | ✓(Kling、PixVerse、Lumalabsなど) |
1ドル=150円とした場合、月額料金はおよそ3,800円。年額料金は月額3,000円弱、年間36,000円です。
ただし、後述するようにGensparkは無料の範囲でもできることが十分にあるため、急いでアップグレードする必要はありません。
Gensparkの基本的な使い方

Gensparkの基本的な使い方を、画像つきで解説します。
- 検索キーワードを入れる
- AIによる回答を参照にする
- Sparkpageを参照する
- AIコパイロット機能に質問する
使い方は簡単です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
検索キーワードを入れる
最初に、Gensparkにアクセスし、検索キーワードを入力しましょう。

画面中央部の黒いボックスに検索キーワードを入力します。
AIによる回答を参照にする
検索を開始すると、AIによる回答とSparkpageが生成されます。

まずは上部に表示される、AIによる回答を参照しましょう。
また、ソース元も確認できます。
情報が不足した場合、コパイロット機能でさらに質問することも可能です。
エージェントの組み合わせについて
Aiによる回答に不足がある場合「エージェントの組み合わせを試す」を使うのがおすすめです。

これを利用すると、GPT-4o、Claude、Gemini、Reflectionそれぞれの回答が表示されます。また、それらのAIの回答を統合したアウトプットも生成されます。

AIの回答に不足がある場合は、これを利用しましょう。
Sparkpageを参照する
スクロールして、Sparkpageを参照しましょう。

タイトルをクリックすると、Sparkpage本文を参照できます。
このとき、本文が生成されるまで多少の待ち時間が生じます。

ここで、Sparkpage内に記載された情報を確認しましょう。
基本的には日本語で記載されますが、一部、中国語が入ったり日本語の表現が崩れたりします。ただし、読解するうえで支障となるレベルではありません。
AIコパイロット機能に質問する
回答が不足しているなら、AIコパイロット機能に質問して、さらなる情報を取得しましょう。

先述のとおり、関連トピックに関して質問したり新しいキーワードを入力したりして、次のSparkpageを生成できます。
新しいSparkpageを生成する前に、古いSparkpageをブックマークしておくと、あとで見比べられます。
Gensparkのメリットとデメリット

Gensparkには、以下のメリットとデメリットがあります。
- 基本的に無料で利用できる
- 簡単にソース付きの情報を検索できる
- 動画やイラストを含んだ情報を得られる
- 複数のAIを使ってアウトプットを得られる
- デメリットはSparkpage生成にかかる待ち時間
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
基本的に無料で利用できる
まず、基本的に無料で利用できる点がメリットです。
Gensparkのたいていの機能は、課金せず利用できます。
具体的には、Sparkpageの生成やコパイロット機能はすべて利用可能。
また、Googleアカウントなどがあれば、面倒な会員情報の入力も必要ありません。
まずは無料の範囲で、試してみるのがよいでしょう。
無料版で物足りなかったとき、有料版の利用を検討するのがおすすめです。
簡単にソース付きの情報を検索できる
また、簡単にソース付きの情報を検索できるのもポイントです。
Gensparkは、基本的にすべての情報に対してソースを使用します。
ソースは、AIの回答内容やSparkpagen内からリンクされ、簡単に確認可能です。

ほかのAI検索エンジンやAIチャットでは、ソースを使用しないことがあります。よって、AIがあやまった情報を提示する「ハルシネーション」が起こることも、珍しくありません。
しかし、Gensparkであれば、きちんとした裏付けのある情報を得られます。
ただし、ソース元が間違った情報を発信している場合もあります。したがって、ソース元の情報が正しいものかどうか、確認する作業が必要です。
動画やイラストを含んだ情報を得られる
Gensparkでは、動画やイラストを含んだ情報を得られます。
ほとんどの場合、解説文を補助する形で、これらが表示されます。

動画では、検索キーワードにおける疑問の解決に役立つYouTube動画が表示されます。

イラストも同様で、ソースとして利用したホームページから、関連性の高いものを表示します。
一般的なAI検索エンジンやAIチャットは、テキストベースでアウトプットを生成するのが一般的。
しかし、Gensparkでは、動画やイラストを使った、よりわかりやすい情報を得ることが可能です。
ただしイラストの著作権は、ソースとして利用したホームページに帰属します。間違えて無断で使用しないようにしましょう。
複数のAIを使ってアウトプットを得られる
先述のとおり、Gensparkでは複数のAIを使ってアウトプットを得られます。

一度の操作で、GPT-4oをはじめとした複数のAIがアウトプットします。さらにその下部には、すべてのAIのアウトプットを総合した情報が表示されます。
通常、複数AIのアウトプットを得るには、それぞれで質問やプロトコルを入力しなければいけません。また、それらを統合する機能もほとんどありません。
しかしGensparkを利用すれば、一度のクリックでそれらの情報を得られます。
各AIが述べている内容を比較したり照合したりすれば、より信頼性の高い情報が得られるでしょう。矛盾が生じたらリサーチするなどして、何が正しくて間違っているのかを判断できるようにもなります。
複数のAIが生成した各回答を統合し、アウトプットできるのはGensparkならではの強みです。
デメリットはSparkpage生成にかかる待ち時間
デメリットは、Sparkpageを生成するまでに、待ち時間が発生する点です。
検索を開始してから生成が完了するまで、およそ10秒待つ必要があります。
この点にストレスを感じるかもしれません。
ただ、今後Gensparkが運用されるなかで、改善する見込みもあります。
ただし、ほとんどのAI検索ツールには、ある程度の待ち時間があります。Gensparkの動作だけが、特別に遅いわけではありません。
Gensparkに関するよくある質問

本記事では、Gensparkの機能や使い方、料金などを解説しました。
ここでは、よくある質問に回答します。
- GensparkとPerplexity AIで何が違う?
- Gensparkファクトチェックするには?
- 有料版を使う必要はあるか?
- Android/iPhone版はリリースされていますか?
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
- GensparkとPerplexity AIで何が違う?
-
GensparkとPerplexity AIの違いは、大きく分けて以下のとおりです。
Genspark Perplexity AI アウトプットの内容 テキストベース テキストベースとSparkpage アウトプットの方法 複数のAIを使用 自然言語処理を使用 視覚情報(イラストなど) ほぼなし あり 開発者 元Baiduの幹部による 元Google、Meta、OpenAIの社員らによる ファイルアップロード あり なし API あり なし Gensparkは、多少の時間がかかるものの、Perplexity AIよりも充実した情報をアウトプットできます。
Perplexity AIは、Gensparkほど情報が充実していないものの、すばやくソースつきで情報のアウトプットが可能です。
いずれもソース付きの情報を得る際には、使い勝手のよいAI検索エンジン。状況に応じて使い分けるのがよいでしょう。
- Gensparkファクトチェックするには?
-
Gensparkでファクトチェックを実施する方法は、以下のとおりです。
- ファクトチェックを実施したい情報や主張を入力する
- 検索を開始し、関連するデータと信頼性を参照にする
- それぞれの情報元を参照にして、ファクトが出揃っているか確認する
- 情報をコピーまたはアウトプットし、共有する
Gensparkは、常に表示する情報に対して、最大で144のソースを参照してファクトチェックします。そのうえで、Sparkpageを詳しく確認すれば、相当なレベルでのファクトチェックが可能です。
- 有料版を使う必要はあるか?
-
2025年3月22日現在、慌てて有料版を使う必要はありません。
無料版でも、Genspark内にある主要な機能はすべて利用可能です。
つまり、AIの回答やSparkpageは無料で参照できます。
なお、有料版に登録すると、以下の機能がアンロックされます。
- 回数無制限での検索
- すべてのAIエージェントの利用
- すべてのAIエージェントのハイエンドモデルの使用
- すべての最新画像生成モデルの使用
AIエージェントのハイエンドモデルとは、たとえばChatGPTにおけるGPT-4oなどを指します。
つまり有料版に切り替えれば、AIエージェントそれぞれの最高モデルの性能を引き出せます。
無料版を使用している際に、回数制限に引っかかったり、情報のクオリティに不満を覚えたりしたとき、有料版への移行を検討するのがよいでしょう。
- Android/iPhone版はリリースされていますか?
-
2025年3月22日現在、Android、iPhone版のアプリはリリースされていません。
ただし、Gensparkが普及した場合、アプリ版のリリースがあると想定されます。
まとめ
本記事では、Gensparkに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- Gensparkは、AIの回答とSparkpageを参照できるAI検索エンジン
- これまでよりも、さらに充実した、信憑性の高い情報を得られる
- AIコパイロット機能や、ブックマーク機能も便利
- 利用方法も簡単で、日本語にも対応している
- ソースや動画、イラストありで情報が得られるのも魅力
- 複数のAIから、同じテーマに対して一括で回答が得られるのもポイント
- デメリットは待ち時間だが、許容範囲にあると考えられる
- 有料版も存在するが、無料版が優秀なので慌てて課金する必要はない
AI検索エンジンやAIチャットサービスは、たくさんあります。そのなかでGensparkは、もっとも充実した、信憑性の高い情報をアウトプットするサービスのひとつ。
うまく使いこなせれば、あらゆる場面でのリサーチが相当に楽になるでしょう。