OpenAI Codexとは?CLIの使い方や料金まで徹底解説

2025 9/26
OpenAI Codexとは?CLIの使い方や料金まで徹底解説

プログラマーの作業効率を大きく向上させるAIツールとして注目を集めているのが、OpenAIが開発したCodex(コーデックス)です。

しかし、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。

  • OpenAI Codexの具体的な機能や特徴を知りたい
  • ChatGPTでの使い方やCLIの導入方法がわからない
  • 利用料金や無料で使える範囲が気になる

結論から言うと、OpenAI Codexは自然言語をプログラムコードに変換できるAIツールで、ChatGPTやCLI環境から利用できます。

今回は、OpenAI Codexの特徴から具体的な使い方、料金体系まで詳しく解説します。

GitHub Copilotとの違いやよくある質問についても触れているので、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

目次

【2025年9月15日】GPT-5-Codexがリリース

OpenAI公式サイトの画面
出典:OpenAI

2025年9月最新のアップデートとして、GPT-5をコーディング用途に最適化したGPT-5-Codexが公開されました

前バージョンと比較した主な改善点は以下のとおりです。

カテゴリ内容
動作効率化タスクの難易度に応じて処理時間を最適化し、軽い対話ではGPT-5比で約93%少ないトークンを使用
長時間タスク対応自律的に数時間以上作業を継続でき、社内検証では7時間超の大規模タスクを完了
コードレビュー精度向上不要な指摘が減少し、重要な不具合検出やテスト実行の精度が高まった
開発環境改善クラウドの処理時間を約90%短縮し、CLIは画像入力対応、IDE拡張はローカルとクラウドを行き来可能

API対応については段階的に拡大予定とされています。

詳細は公式発表や主要メディアの報道を確認してください。

(参考)https://openai.com/index/introducing-upgrades-to-codex/

OpenAI Codexとは?開発者向けAIツールの特徴4つ

開発者がプログラミングする様子

ここでは、OpenAI Codexの主要な特徴を4つ解説します。

  • 自然言語でコード生成ができる
  • 利用形態は3種類
  • レビュー機能が優れている
  • 利用料金は月20ドルから

1.自然言語でコード生成ができる|多言語対応で柔軟に出力

OpenAI Codexとは、自然言語による指示をプログラミングコードに変換するAIツールです。

既存のリポジトリを読み取ったり、複数のファイルを編集したりできるため、設計から仕様変更、バグ調査など幅広く活用できます。

たとえば、「ユーザーログイン機能を作って」と入力すれば、セキュリティを考慮したコードを自動生成します。

以下のように多くの言語が対応しているので、ほとんどの開発環境で導入しやすいでしょう。

言語カテゴリ対応言語
WebフロントエンドJavaScript、TypeScript、HTML/CSS
バックエンドPython、Java、Go、Ruby
システム開発C/C++、Rust、Swift

2.利用形態は3種類|場所を選ばず使える

OpenAI CodexはCodexは、ChatGPT(クラウド)、IDE拡張、CLIの3環境で利用できます

利用形態主な特徴利点
ChatGPT(Web/アプリ)ブラウザやモバイルから利用導入が簡単で即利用可能
IDE拡張(VS Codeなど)エディタ内で直接操作補完・修正をシームレスに実行
CLI(ターミナル)コマンドラインから利用高速・柔軟・画像入力対応

作業状態を共有できるため、ローカルで編集しているコードの続きをクラウドで書く、といった切り替えが可能です。

それぞれの利用形態をうまく組み合わせて活用できれば、コーディング時間をさらに短縮させられるでしょう。

3.レビュー機能が優れている|コード全体の読み取りが可能

Codexは、コード全体を読み取り設計意図やテスト結果を踏まえてレビューできます

それまでのコード差分や開発者の意図を理解し、重大な不具合に焦点をおいて改善案を提示します。

自動テストの実行結果も反映されるため、単なるコード補完では得られない実務的なレビューが可能です。

入力補助が中心である他サービスと比べても、コードの品質向上につながる優れた機能といえるでしょう。

4.利用料金は月20ドルから|有料プラン限定

OpenAI Codexの利用には、OpenAI有料プランへの加入が必要です。

プラン別の料金や使用制限は以下のとおり。

プラン名料金/月使用制限
Plus20ドル5時間ごとに30~150メッセージ(週制限あり)
Pro200ドル5時間ごとに300~1,500メッセージ(週制限あり)
Business(Team)25ドルPlusと同等(クレジット購入が可能)
Enterprise要問合せ・フレキシブル料金プラン:使用料に応じて共有クレジットプールから差し引き

・価格設定なし:Plusと同等(クレジット購入が可能)

個人で利用するのであれば、開発規模や利用時間に応じてPlusまたはProを選ぶとよいでしょう。

チームで開発する場合はBusinessプランを選択するのがおすすめです。

無料プランではCodexを利用できないので、いずれかのプランを選んで購入してください。

APIを使った従量課金制も存在する

ChatGPTアカウントを使った方法とは別に、APIを使ってOpenAI Codexを従量課金で利用する方法もあります。

APIを利用するにはOpenAIのAPIキーが必要ですが、ChatGPTアカウントを作成する必要がありません。

OpenAI Codexを数回試す程度であれば、ChatGPTで利用するよりも安く済むでしょう。

ログイン方法ChatGPTアカウントAPI
ChatGPTプラン加入必要不要
APIキー不要必要
料金形態月額(20ドル~)従量課金(5ドル~)

ChatGPTでの利用方法と手順

ChatGPTの操作画面

ここでは、ChatGPTでOpenAI Codexを利用する具体的な手順を解説します。

  1. ChatGPT Plusに加入する
  2. GItHubに接続する
  3. 環境を作成する
  4. 自然言語で指示を入力する
  5. 生成されたコードを調整する
STEP

ChatGPT Plusに加入する

ChatGPTで有料プランに加入していない場合は、まずPlus以上のプランを購入する必要があります

無料利用の場合、チャット画面に「現在のプランをアップグレードする」ボタンが表示されているはずです。

ChatGPTのプラン選択画面

ボタンを押すとプラン選択画面に移動するので、購入するプランを決めて決済してください。

ChatGPTの料金プラン画面

支払い方法はクレジットカードまたはPayPalが利用可能です。

有料プランに加入するとChatGPTのサイドバーに「Codex」が表示されます。

ChatGPTサイドバーのCodex表示
STEP

GItHubに接続する

「Codex」を選択してコーディング画面に移動し、GitHubに接続します。

GitHubはコードを管理する場所(リポジトリ)を提供しているサービスで、ChatGPTでCodexを利用する際は接続が必須です。

「GitHubに接続する」ボタンを押し、GitHubでログインしたうえで接続を完了させてください。

GitHub接続画面

GitHubのアカウントを持っていない場合は、Googleアカウントを接続して作成するとよいでしょう。

GitHubアカウント作成画面
STEP

環境を作成する

Codexでコードを生成するための環境を作成します。

環境を作成するには、Codexの設定画面で「環境を作成する」ボタンを押してください。

GitHubのリポジトリや名前などを設定して先に進めると、新しい環境が作成されます。

リポジトリの作成方法

Codexで作成したコードを保管するリポジトリが無い場合は、GItHub上で作成しなければなりません。

GitHubのアカウントメニューから「Repositories」を開き、「New」ボタンを押してリポジトリを作成してください。

GitHubリポジトリ作成画面

リポジトリを作成するには、少なくとも以下の2点を設定する必要があります。

  • Repository name(リポジトリの名前)
  • Choose visibillity(公開状態)

作成が完了すれば、Codexの環境作成時にリポジトリの一覧に表示されるようになります。

STEP

自然言語で指示を入力する

環境を作成できたらCodexの最初の画面に戻り、実行してほしい内容を自然言語で入力します。

たとえば「○○を作成して」「○○を追加して」「○○を修正して」といった形で指示を伝えてください。

指示を入力したら「コード」ボタンを押してコード生成を開始しましょう。

Codex指示入力画面

処理には通常1〜30分かかりますが、進捗はリアルタイムで確認できます。

STEP

生成されたコードを調整する

生成が完了したらコードを確認し、追加や修正の指示を出して完成を目指すしましょう。

生成されたコード確認画面

たとえば「○○エラーへの対応を追加して」「変数名を○○に修正して」といった指示が考えられます。

満足できる結果が得られたら右上の「PRを作成する」ボタンを押し、GitHubにプルリクエスト(Pull Request)を送りましょう

GitHub側でプルリクエストを承認すると、Codexで生成された内容がリポジトリに反映されます。

Codex CLIの導入方法と使い方

ターミナル画面
出典:OpenAI Developers

ここでは、Codex CLIを導入して使用する手順を解説します。

  1. 環境構築を行う
  2. Codex CLIをインストールする
  3. ChatGPTアカウントでログインする
  4. codexコマンドで指示を入力する
  5. 出力されたコードを調整する
STEP

環境構築を行う

Codex CLIを利用するには、Node.jsとnpmがインストールされている必要があります

ターミナルアプリを開いて以下のコマンドを入力し、それぞれインストールされているか確認してください。

  • node –version
  • npm –version

バージョンが表示されない場合は、Node.jsの公式サイトからダウンロードしましょう。

Node.js公式サイト
出典:Node.js

ダウンロードしたインストーラーを実行することで、ターミナルでnodeやnpmのコマンドが使えるようになります。

Windows OSを使う場合の手順

Codex CLIが対応しているOSはMacとLinuxであり、Windowsには対応していません。

そのため、Windows上で使うためには、Windowsに標準搭載されているLinux仮想マシンWSL2を利用する必要があります。

また、Windowsの代わりに動作するLinux用のOS、Ubuntuもインストールしなければなりません。

PowerShellを管理者として実行し、以下のコマンドを入力することで、WSL2を有効化してUbuntuをインストールできます。

  • dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
  • dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
  • wsl –install -d Ubuntu

Ubuntuインストール時にユーザー名とパスワードを聞かれるので、Linux用に新しく設定しましょう。

インストールしたUbuntuを管理者として実行するとターミナルが表示されるので、以下のコマンドを入力してNode.jsとnpmをインストールします。

  • sudo apt update && sudo apt upgrade -y
  • sudo apt install -y nodejs npm

以降は、MacやLinuxと同様の操作をUbuntuで実行してください。

STEP

Codex CLIをインストールする

npmコマンドを使ってCodex CLIをインストールします。

公式のCodex CLIは「@openai/codex」パッケージとして提供されているため、以下のコマンドでグローバルインストールを実行すればOKです。

  • npm install -g @openai/codex

インストール完了後、以下のコマンドで正常にインストールされたことを確認してください。

  • codex –version
STEP

ChatGPTアカウントでログインする

Codex CLIにChatGPTアカウントを紐づけるためログインします。

以下のコマンドを入力するとログイン画面が自動的に開くので、使用するChatGPTアカウントでログインしてください。

  • codex login

自動的にページが開かないときは、ターミナル上に表示されているURLをブラウザに入力しましょう。

ログインが完了したら、そのままページを閉じて構いません。

Codex CLIログイン画面
APIキーを使う方法

OpenAIのAPIキーを使う場合は、ログインの代わりに以下のコマンドを入力してください。

  • export OPENAI_API_KEY=”APIキー”

「APIキー」の部分には、sk-から始まる英数字が入ります。

なお、ChatGPTアカウントでログインしていてもOpenAIのAPIキーが優先されるため、両方有効である場合は従量課金となります。

APIキーを解除したい場合は以下のコマンドを実行しましょう。

  • unset OPENAI_API_KEY
STEP

codexコマンドで指示を入力する

Plusプラン以上のアカウントでログインしていれば、codexコマンドを実行してコードを生成できます

codexコマンドの使い方の例は以下のとおりです。

コマンド例処理内容
codexCodex用のUI(インタラクティブモード)に変更される
codex “指示”入力した指示に従ってコードが生成される
codex –full-auto “指示”途中で確認せずに指示内容を実行する
codex -i 画像名 “指示”画像を含めた指示を実行する

例として「codex “スタートボタンを押した3秒後にアラート音が鳴るアプリを作って”」と入力し実行してみました。

Codex CLIコマンド実行画面

コード生成に成功したらターミナルを開いた場所にファイルが作成されるので、実際に実行して確認してみてください。

生成されたファイル

WindowsでUbuntuを利用している場合は、以下の場所がデフォルトとなっています。

  • \\wsl.localhost\Ubuntu\home\(ユーザー名)
STEP

出力されたコードを調整する

出力結果を確認して、修正点などがあれば調整します。

ターミナル上で追加の指示を出し、機能や文章などを変更してください。

とくに修正点が思いつかない場合は「作られたアプリをレビューして」のような指示でCodexにレビューを依頼することも可能です。

Codexレビュー結果画面

CLIで生成されたファイルは直接編集できるため、手作業で修正するのもよいでしょう。

OpenAI Codexに関するよくある質問

よくある質問のイメージ

最後に、OpenAI Codexに関するよくある質問にお答えします。疑問をお持ちの方は参考にしてください。

  • Codexは無料でも使えますか?
  • Codexはどの言語に対応していますか?
  • Codexは日本語で使えますか?
  • VS Code(IDE拡張)で使うには?
  • GitHub Copilot Coding Agentとの違いは?
Codexは無料でも使えますか?

いいえ、2025年9月時点において、OpenAI Codexは有料プラン限定の機能です。

ChatGPT有料プランへの加入(20ドル~)またはAPI利用のためのチャージ(5ドル~)が必要となります。

ただし、無料プランでChatGPTを利用してコードを出力したり修正したりすることは可能です。

Codexはどの言語に対応していますか?

OpenAI Codexは10以上の主要プログラミング言語に対応しています。

  • Python
  • JavaScript
  • TypeScript
  • Go
  • Java

PHP、Ruby、Shell/Bash、Swift、Perl、C/C++、Rust、SQLなどにも対応しています。

Codexは日本語で使えますか?

Codexは日本語での指示入力に対応しています。

「ログイン機能を実装して」といった日本語の指示から、適切なコードを生成できます。

ただし、CLIなどのUIは日本語で表示できません

VS Code(IDE拡張)で使うには?

OpenAI CodexをVS Codeで使うには、専用の拡張機能をインストールします。

Visual Studio Codeの拡張機能マーケットプレイスでOpenAI Codexを検索し、インストールしてください。

VS Code拡張機能画面

インストールしたCodexを開き、ChatGPTアカウントでログインもしくはAPIキーを入力することで使えるようになります。

GitHub Copilot Coding Agentとの違いは?

OpenAI CodexとGitHub Copilot Coding Agentは、活用できる環境や設計思想に違いがあります

Codexは幅広い環境で使え、GitHubに依存せずローカルやクラウドでもプロジェクト全体の改善やレビューを実行できます。

一方Copilot Coding AgentはGitHubに特化したエージェントで、Issueを基点にコードを修正したり、プルリクエストを自動作成したりすることも可能です。

Codexは汎用的なAI開発パートナー、Copilot Coding AgentはGitHub利用者向けのタスク自動化エージェントといえます。

まとめ

本記事では、OpenAI Codexについて解説しました。

最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。

  • OpenAI Codexは自然言語をプログラムコードに変換できる開発支援AI
  • 利用形態はChatGPT、IDE拡張、CLIの3種類で柔軟に使い分けられる
  • コードレビューやリファクタリングにも対応し、実務的な改善が可能
  • 利用にはChatGPT有料プラン(20ドル~)またはAPI課金が必要

OpenAI Codexは単なる補完ツールではなく、自律的にコードを生成・レビューするエージェントです。

ぜひ開発効率を高めるために活用してみてください

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この記事を書いた人

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