ChatGPTが文字数指定を守らないときの対処方法・プロンプトを解説

2025 7/22
ChatGPTが文字数指定を守らないときの対処方法・プロンプトを解説

ChatGPTで文章を作成する際、指定した文字数どおりに出力されず困っていませんか?

また、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。

  • なぜChatGPTは文字数指定を正確に守ってくれないの?
  • どうすれば、もっと意図したとおりの文字数で文章を生成できるの?
  • 効果的なプロンプトの書き方やコツはあるの?

結論からいうと、ChatGPTの文字数指定は、いくつかの具体的な対処法やプロンプトの工夫を理解することで、より精度高くコントロールできるようになります。

今回は、ChatGPTが文字数指定を守らない原因と、具体的な対処法、効果的なプロンプト作成のポイントについて詳しく解説します。

ChatGPTで文字数の調整に悩んでいる方や、より効率的に意図した文章を作成したい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

目次

ChatGPTで文字数指定する4つの方法

ChatGPTで文字数を指定して文章をコントロールしたい場合、以下のような方法が有効です

  1. プロンプトで明確に文字数を指定する
  2. 文字数範囲を指定して柔軟に対応させる
  3. 出力前に文字数をカウントさせる指示を出す
  4. コードインタープリターで正確な文字数を数える

これらの方法を使い分けることで、目的に応じた適切な長さの文章をより高い精度で生成できるようになります。目的や精度に応じて最適な手法を選びましょう

1.プロンプトで明確に文字数を指定する

ChatGPTに文章を作るときは、最初から「〇〇文字で」とはっきり伝えるのがおすすめです

文章の内容や使用目的を提示したうえで、「300文字以内で」「500文字程度で」などと短く指示を出すと理解されやすくなります。

特に、以下のような手順がよく挙げられます。

  • 箇条書きで要望をまとめる
  • 「SNS用に150文字で」といったように使用状況を合わせて伝える
  • 指定文字数以外の余計な設定を盛り込みすぎない

「〇〇文字で」という指示を含めるだけでも目標が示されるので、多少は精度が高まります。ただし、厳密に合うとは限らないため、出力後に修正を求めるとよいでしょう

以下は、文字数を150文字に指定した指示の例です。

文字数を150文字に指定した指示例

2.文字数範囲を指定して柔軟に対応させる

「正確に500文字」「ちょうど1000文字」のように厳密な指定をすると、思わぬズレが生じやすいものです。そこで、「500〜600文字」といった指定する文字数に幅を持たせることもおすすめです

このように範囲を設けると、内容の要点を無理なく盛り込みやすくなります。例えば「500〜600文字に抑えてください」と指定すれば、ChatGPTが多少調整しても文章の意味が損なわれにくくなります。

より正確に意図を伝えるために、範囲を設定する際は、最小値と最大値を明示するのがポイントです。

以下は、文字数を指定した指示の例です。

文字数範囲を指定した例1
文字数範囲を指定した例2

3.出力前に文字数をカウントさせる指示を出す

プロンプトのなかで「最終的に文章を出す前に文字数を数えてください」と書く方法があります。ChatGPTが疑似的に「現在の出力が何文字か」を自己評価してから、指定範囲に合うように修正を試みる流れです。

例えば、以下のようなプロンプト例があります。

  1. ユーザーから次の情報を入力してもらいます。
    – 入力する文章:(ここに文章入れる)
    – 文字数の下限:(文字数の下限入力)
    – 文字数の上限:(文字数の下限入力)
  2. 文字数が指定された範囲内に収まるように文章を要約します。
  3. 要約された文章の文字数が範囲内に収まっているか確認します。
  4. 文字数が範囲内に収まっていない場合、以下の処理を繰り返します。
    – 文字数が上限を超えている場合:文章から余分な単語やフレーズを削除します。
    – 文字数が下限を下回っている場合:言い換えたり、適切な単語やフレーズを追加して、文章を拡張します。
  5. 最終的な要約された文章を表示し、ユーザーが満足するまで、文章を調整します。

引用:限界助教|ChatGPT/Claude/Geminiで論文作成と科研費申請@genkAIjokyo

このように指示を段階的に示すと、ChatGPTが自己調整を行ないやすくなるようです。

一度で完璧に合わなくても、追加のリクエストをすれば徐々に近づく可能性があります。

4.コードインタープリターで正確な文字数を数える

ChatGPT Plusや一部の高度推論モードでは「Code Interpreter」が利用できます

これは、内部でPythonを動かして解析ができる機能です。コード上で文字列長を厳密にカウントし、条件に沿って文章を生成する手法がとられます。

利用方法としては「指定文字数内にまとめたい文章をあらかじめ入れて、それをCode Interpreter側で出力させる」イメージです。

コードを書くのはモデル側なので、自身でプログラミングをしなくても文字数調整が実施できます

o3モデルであれば自動的にプログラムで文字数をカウント

o3モデルは2025年頃に発表された新モデルで、内部で高度な推論を行えるといわれています

指示した文字数と出力する文字数を一致させるという点でも、力を発揮します。例えば、「文章を110文字で書いてください」と伝えた場合、誤差数文字以内にまとめる事例があるようです。

これは、ChatGPTの内部でPythonというプログラミング言語を使って、計算やデータの分析、文章の処理などを自動で行なってくれるためです。

利用プランやAPIの設定によっては制限があるようですが、実用上は文字数が正確に近いアウトプットを得られる可能性があります。

標準のGPT-4などでは完全に同じ動作をしないため、o3モデルを使うには環境の確認が必要です。Code Interpreterと組み合わせる方法も注目されています。

以下は、o3モデルで文字数を指定した指示の例です。この例では、正確に110文字で出力されるという結果が得られました。

o3モデルで110文字指定の例

文字数指定がうまくいかない場合の対処法

ChatGPTで文字数指定がうまくいかない場合は、以下のような対処法を試すことで精度を高めることができます

  1. プロンプトを簡潔かつ具体的にする
  2. 繰り返し指示を出す
  3. 長文を分割する
  4. ステップに分けて段階を踏ませる

一度で思いどおりの出力にならない場合でも、段階的な指示や分割処理を行なうことで、より正確な文字数に近づけられます。工夫しながら調整を重ねてみましょう。

1.プロンプトを簡潔かつ具体的にする

プロンプトが長すぎると、ChatGPTが本当に重要なポイントを見失いやすくなります。要件は短く整理し、まずは「〇〇文字でまとめてください」といった指示を最優先で伝えるのがおすすめです

背景情報や補足が多い場合は、一度にすべてを詰め込まず、内容を分割して順番に伝えると効果的です。箇条書きで要点を整理すれば、文字数指定の項目が埋もれず、伝わりやすくなります

2.繰り返し指示を出す

一度の指示だけで狙いどおりの結果が得られないのは、よくあることです。指示どおりの出力が得られない場合は、「もう少し削ってください」「追加してください」といった再度の指示を出す方法があります

例えば、最初に300文字を希望していたのに200文字以上になったときは、「300文字付近まで増やしてください」「100文字増やしてください」など、あらためて指示を出してみましょう。

ChatGPTは前回の出力を踏まえて調整するため、繰り返すほど近づきやすくなります

以下は、東京駅について300文字で説明してほしい場合に、繰り返し指示した例です。

1度目の指示では指定した300文字に100文字ほど足りない文章が出力されましたが、繰り返し指示を出したところ、295文字の文章が出力されるという結果を得られました。

繰り返し指示の例1
繰り返し指示の例2

3.長文を分割する

数千文字以上の長文を一度に要約させようとすると、途中で出力が途切れてしまうことがあります。これは、モデルの処理できるトークン数(文章の長さの目安)が上限に近づくと、文章の出力がカットされやすくなるためです

このような場合は、文章をいくつかのまとまりに分けて、それぞれを個別に処理する方法がおすすめです。

具体的には、分割した文章ごとに「200字で要約してください」と指示を出し、最後にそれらを一つにまとめます。こうすることで全体をスムーズに要約でき、指定の文字数にも収まりやすくなります

4.ステップに分けて段階を踏ませる

文章を一度に生成するのではなく、まずは全体の構成や見出しを作成し、その後、各セクションを指定した文字数で書かせると、希望に近い文章が得られやすくなります

例えば、「ステップ1で全体の流れを提案してください」「ステップ2で、各ポイントを100字以内にまとめてください」といったように段階を分けて指示することで、ChatGPTが順を追って思考し、文章を整えてくれます。

この方法を使えば、全体の文字数も把握しやすくなり、長文でも無理なくまとめられます

ChatGPTで文字数指定する際の注意点

ChatGPTで文字数指定を行う際には、以下のような注意点を押さえておくことが大切です

  1. 文字数にある程度の余裕をもたせる
  2. 文脈が正しいかチェックする
  3. ハルシネーション(嘘)に気をつける
  4. 入出力できる文字数に制限がある

文字数に気を配るだけでなく、内容の正確さや文の自然さ、モデルの制限も意識することで、より質の高い文章生成が可能になります。目的に応じて柔軟に調整しましょう。

1.文字数にある程度の余裕をもたせる

「500文字ぴったり」といった厳密な文字数指定は、ChatGPTにとって負担が大きくなります。無理に文字数を合わせようとすると、不自然な繰り返し表現や語尾の乱れが起きることがあります

自然な文章を生成するためには、「500〜550文字」や「500文字前後」といった幅を持たせるのがポイントです。より読みやすく、伝わりやすい文章に仕上げたい場合は、こうした余裕のある指示が適しています。

2.文脈が正しいかチェックする

文字数を合わせることに集中しすぎると、内容の大事な部分が抜け落ちてしまうことがあります。特に要約や論文の抜粋では、必要な情報が省かれてしまうと、元の意図や主旨がうまく伝わらなくなってしまいます。

最終的な出力を読んで、「重要な情報がきちんと含まれているか」「文の流れに不自然な点がないか」を確認しましょう。もし違和感がある場合は、微調整を繰り返して整えてください

たとえ文字数が条件どおりでも、内容がともなっていなければ目的に合った文章とはいえません。

3.ハルシネーション(嘘)に気をつける

文字数の調整を優先しすぎると、ChatGPTが誤った内容や存在しない情報を紛れ込ませることがあります。こうした現象は「ハルシネーション」と呼ばれています。

特に、数値や専門用語がかかわる分野では注意が必要です。文章をコンパクトにまとめようとする過程で、実際には正しくない例や表現が入り込むことがあります。

少しでも不自然に感じる部分があれば、必ず内容を検証し、必要に応じて再出力や修正を行ないましょう。文章の完成度を高めるためには、事実確認も欠かせません。

4.入出力できる文字数に制限がある

ChatGPTには、使用するモデルごとに「扱えるトークンの上限」が決まっています

一度に大量の文章を入力すると、後半が途中で切れてしまったり、動作が不安定になることがあります。文字数を指定して文章を生成させる際も、この上限を踏まえてプロンプトを設計することが大切です。

モデルごとのトークン数上限の推定値

  • GPT-3.5:約4,000トークン
  • GPT-4:約16,000トークン
  • o3モデル:数万トークンを扱えるとされるが、利用環境による

また、日本語は英語に比べてトークンの消費量が多くなりやすいため、同じトークン数でも扱える文章の長さが短くなる傾向があります。

長文の生成や要約を行なう場合は、使用するモデルとトークン数の関係を意識しておくと、安定した出力につながります。

ChatGPTの文字数指定に関するQ&A

ChatGPTで文字数指定を行なう際には、以下のようなよくある質問とそのポイントを押さえておくと便利です

  • 文字数指定に使えるプロンプトの例文を教えてください
  • 英語の文章を文字数指定できますか?
  • なぜ文字数のカウントがおかしいのですか?
  • 長文の要約でも指定文字数に収められますか?
  • コードインタープリターは無料で使えますか?

文字数指定を正確に反映させるには、「文字数のばらつきが出る理由」を理解し、段階的な調整や明確な条件提示を行なうことが大切です。特に要約時は、箇条書き+再指示の流れで精度を高めましょう

文字数指定に使えるプロンプトの例文を教えてください

まずは、「〇〇文字で書いてください」といったシンプルな指示からはじめてみましょう。このように伝えることで、ChatGPTに求める文章量が明確になり、出力の調整がしやすくなります。

さらに、希望する条件を箇条書きで整理して伝える方法もよく使われます。例えば、以下のような形式です。

  • テーマ:〇〇
  • 文字数:300〜400文字
  • 読み手:社会人向け
  • 備考:要点のみ簡潔にまとめる

このように具体的に伝えることで、ChatGPTはどのポイントに重点を置くべきか、どのくらいの長さでまとめるべきかを理解しやすくなります

より意図に沿った、質の高い文章を引き出したいときにおすすめの方法です。

ここで紹介したプロンプトを用いて実際に指示した例は、以下のとおりです。

箇条書きプロンプトの例
英語の文章を文字数指定できますか?

はい。英語でも日本語と同様に「500 characters(500文字)」「300 words(300語)」といった形式で指示することが可能です

ただし、英語の場合は「文字数」よりも「単語数」で指定するほうが一般的で、より自然な表現になります。これは、ChatGPTの内部で文章を「トークン」という単位で処理しており、英語では1単語=1トークンとなることが多いためです。

文字数指定そのものは英語でも対応していますが、日本語と同様に誤差が生じることがあります。そのため、「300 words」のように単語数で指定したほうが、より安定して意図したボリュームに近づけられるという意見もあります。

なぜ文字数のカウントがおかしいのですか?

ChatGPTは、文字を1つずつ数えて処理しているわけではなく、「トークン」と呼ばれる単位で文章を扱っています。このトークンは、言語や文字の種類によって分割のされ方が異なるため、日本語では特に文字数とトークン数のずれが生じやすくなります。

日本語にはひらがな、カタカナ、漢字など複数の文字種があるため、英語よりも細かく分割される傾向があり、それが指示した文字数と出力された文字数の不一致の一因となります。

また、ChatGPTは次にくる単語を予測しながら文章を組み立てていく仕組みのため、「500文字で」と指定しても、そのとおりにぴったり合わせるのは難しい場合があります。

指示した文字数と出力された文字数に多少のずれが生じるのは、このような処理の仕組みによるものです。

長文の要約でも指定文字数に収められますか?

長文を数百字に要約するときに課題となるのが、「要約の精度」と「文字数の調整」をどう両立させるかです。完全にコントロールするのは難しいものの、いくつかの工夫をすることで、精度を高めながら指定文字数に収めることが可能です

具体的な流れは以下のとおりです。

  1. 全体の要点を箇条書きにする
  2. 「300字以内で要約して」と指示する
  3. 長すぎる場合は「もう少し削ってほしい」と再度伝える

また、Code Interpreter が使える環境であれば、Pythonコードを使って実際の文字数を正確にカウントしながら要約を調整する方法もよく紹介されています。

文章を分割し、段階的に処理することで、より細かい調整が可能になります。こうした工夫を組み合わせることで、長文でも指定文字数に近い形での要約がしやすくなります。

コードインタープリターは無料で使えますか?

Code Interpreter(正式名称:Advanced Data Analysis)は、有料プランであるChatGPT Plus で利用できます。無料ユーザーにも一部機能が試験的に開放されることがありますが、機能制限がある場合が多いです。

安定して文字数を管理したい場合は、ChatGPT Plus や最新モデルの利用を検討するのがおすすめです。無料版だけで完全に対応できるとは限らないため、用途に応じて検討してみてください。

ChatGPT Plus(有料版)でファイルをアップロードする際の画面
ChatGPT Plus(有料版)でファイルをアップロードする際の画面

まとめ

本記事では、ChatGPTで文字数指定を守らないときの対処方法・プロンプトについて解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。

  • 文字数指定は、明確なプロンプト・範囲指定・事前カウント・Code Interpreterを活用
  • 失敗時は、簡潔な再指示・長文分割・段階的プロンプトで調整
  • 余裕を持たせつつ、文脈整合・ハルシネーション・制限値を確認
  • トークン処理のため日本語では文字数がズレる可能性がある
  • 有料Code Interpreterやo3モデルは文字数制御精度を高める

ChatGPTの文字数指定は、その特性を理解し適切なプロンプトや対処法を用いることで、より精度の高い文章生成を実現し、コンテンツ作成の効率を大幅に向上させる可能性を秘めています

ぜひ本記事で紹介したテクニックを参考に、ご自身の目的に合わせてChatGPTの文字数コントロールを試してみてください

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