2025年10月に発表されたApps in ChatGPTは、ChatGPTの画面から外部サービスを呼び出せる便利な機能です。
しかし、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。
- どんなアプリが使えるのか
- どのように使うのか
- 使えるアプリは今後も拡張されていくのか
結論から言うと、Apps in ChatGPTは会話の流れを保ったまま外部アプリを操作でき、どんなユーザーでも使えます。
今回は、Apps in ChatGPTでできることや使い方、アプリの実例などを解説します。
ChatGPTで調べ物をしながらアプリを利用している方は、ぜひ最後までご覧ください。
Apps in ChatGPTでできること5つ

ここでは、Apps in ChatGPTで実現できることを以下のポイントに分けて説明します。
- 外部アプリをチャットから直接操作できる
- アプリの操作や処理を自動化できる
- 利用するには接続が必要
- 無料ユーザーでも利用できる
- Apps SDKで独自アプリを追加できる
1.外部アプリをチャットから直接操作できる
Apps in ChatGPTとは、ChatGPT内から外部アプリを操作できる機能です。
「アプリ名+してほしいこと」を伝えるだけで、アプリで利用できる操作が実行できます。
ChatGPTでの普段の会話と同じようにアプリ操作の結果が出力されるため、サイトを移動しながら操作する手間が省けるでしょう。
操作の背景にある文脈が共有されるので、追加で操作するときは短い指示で通る点もメリットです。
2025年11月時点で対応しているアプリは10にも満たないですが、これから増えていくとされています。
2.アプリの操作や処理を自動化できる
アプリへの指示の仕方によっては、一連の動作を自動化させることも可能です。
たとえば、検索や整理といった処理を続けて実行する場合も、1つのプロンプトにまとめて記述できます。
進行中の状態はカードや拡張ビューで可視化され、結果の確認や再指示も同じ画面で続けられます。
よく使うタスクのテンプレート化にも向いているため、チームの作業時間を圧縮する使い方も考えられるでしょう。
3.利用するには接続が必要
Apps in ChatGPTの機能を利用するには、あらかじめアプリに接続させておく必要があります。
接続せずに機能を使おうとしても、通常の会話として返答されるだけです。
設定からアプリと接続できるので、使いたいものを探して事前に接続しましょう。
なお、Canvaなどの一部アプリでは、接続時にアカウント連携が求められる場合も。
4.無料ユーザーでも利用できる
Apps in ChatGPTは無料ユーザーでも利用できます。
有料プランを購入しなくても気軽に試せるので、気になるアプリがあれば使ってみるとよいでしょう。
ただし、国や地域によっては一部のアプリが使えなかったり、そもそも利用できなかったりする場合があります。
利用条件が今後変わる可能性もあるため注意してください。
5.Apps SDKで独自アプリを追加できる
公式から提供されているApps SDKを用いることで、チャット内で動作する独自アプリを構築できます。
専門的な作業は必要ですが、説明書に沿って準備することで、会話の中から社内ツールを呼び出せるようになります。
以下のようなアプリをChatGPTと接続することで、業務時間を短縮化できるでしょう。
- 社内のマニュアルやFAQを検索するアプリ
- 自社のフォーマットに合わせて議事録を整理するアプリ
- 社内ルールに統一された文章に整形するアプリ
- 部署や案件別にチェック項目を生成するアプリ
なお2025年中には、Apps SDKによって開発されたアプリの一般公開や収益化に関する詳細が共有されるとのことです。
(参照)OpenAI
Apps in ChatGPTの使い方

ここでは、ブラウザ上のApps in ChatGPTで画像生成する方法を、以下の手順で説明します。
- ChatGPTの設定からアプリに接続する
- チャットでアプリ名を指定して呼び出す
- 入力内容に応じてアプリの処理を実行する
- 不要になったアプリを切断する
ChatGPT自体の使い方については別記事を参照してください。

ChatGPTの設定からアプリに接続する
まずは、チャット時に利用するアプリとChatGPTを接続します。
ChatGPTの左に表示されるリストの最下部にあるユーザー名から設定画面を開いてください。
「アプリとコネクター」を選択すると、ChatGPTに接続できるアプリやコネクターが一覧表示されます。

アプリの一覧から利用したいものを選び、接続するボタンを押せば準備が完了します。

接続時にアカウント連携を求められた場合は、アプリごとに決められた方法でログインして接続を完了させましょう。

チャットでアプリ名を指定して呼び出す
アプリが接続できたら、チャットを開いてアプリを呼び出します。
呼び出す方法は、アプリ名と半角スペースを先頭に入力するだけです。
正しく入力できると、チャットウィンドウの下にアプリ名が表示されます。

ちなみに、入力欄の横にある「+」ボタンからアプリを呼び出すことも可能です。

入力内容に応じてアプリの処理を実行する
アプリに応じた指示を入力し、処理を実行します。
処理してほしい内容を自然文で伝えることで、処理した結果などが返ってきます。
アプリによって実行できる内容は異なるため、どのように使いたいかChatGPTに伝えるとよいでしょう。
使い方がわからないのであれば「(アプリ名)ChatGPT上で何ができますか?」のように聞いてみてください。

不要になったアプリを切断する
アプリを使わなくなったときは、接続を解除しておきましょう。
接続するときと同様、設定ウィンドウでアプリとコネクターを開いてください。
接続しているアプリが一覧表示されているので、不要なアプリを選択します。

あとは「切断する」ボタンを押すだけでOKです。

利用できるアプリ5つの実例

ここでは、2025年11月時点で日本ユーザーが接続できる以下アプリの使い方を紹介します。
- Booking.com|旅行予約プラットフォーム
- Canva|グラフィックデザインツール
- Figma|開発者向けの設計デザインツール
- Coursera|オンライン講座プラットフォーム
- AllTrails|アウトドア向けのアクティビティツール
Booking.com|旅行予約プラットフォーム

Booking.com(ブッキング・ドットコム)は、世界最大規模のオンライン旅行予約プラットフォームです。
宿泊施設だけでなく、航空券やレンタカー、アクティビティなども一括して予約できます。
ChatGPTで使う際は、目的地、日付、人数、予算などを自然文で伝えることで、条件に合ったカードが提示されます。

「もう少し安く」「空港近くに絞って」のように追記して再検索し、目的の宿泊施設を探しましょう。
ChatGPT上からは予約できないので、リンクから本サイトにアクセスして手続きしてください。
Canva|グラフィックデザインツール

Canva(キャンバ)は、プロ品質のデザインをオンラインで作成できる無料のグラフィックデザインツールです。
ChatGPT上では、Canvaで使われているAIエンジンを用いた画像生成やデザイン編集などを実行できます。
使用目的やテキスト、配色などを自然文で伝えることで、指示した要素を含んだ画像を出力してください。

出力されたデザインは、ChatGPT上で追加の指示を出したり、Canvaに直接移動したりして修正しましょう。
Figma|開発者向けの設計デザインツール

Figma(フィグマ)は、開発者向けに作られたクラウドベースのデザインツールです。
Webサイトやアプリをデザインしたり、フローチャート図やシーケンス図を設計したりできます。
ChatGPTからは新規アプリを設計できませんが、フローチャート図などは生成することが可能です。

また、ChatGPTの画像生成機能で出力したものをFigmaに取り込むといった使い方もできます。

Coursera|オンライン講座プラットフォーム

Coursera(コーセラ)は、世界中の有名大学や企業が提供するオンラインコースを受講できる学習プラットフォームです。
無料で受講できるトライアル講座から、修了証や学位を取得できる有料プログラムまで、幅広く受講できます。
ChatGPTに学びたい領域やレベル、時間などを伝えることで、候補となるコースが一覧表示されます。
海外の言語のみで公開されている講座も多いため、条件を絞る際は注意が必要です。

講座に登録するには、Courseraのサイトにアクセスしてください。
AllTrails|アウトドア向けのアクティビティツール

AllTrails(オールトレイルズ)は、ハイキングやランニングといったアウトドアでのアクティビティユーザーに向けたアプリです。
世界中のトレイル(登山道やランニングコース)が登録されており、写真や評価などが共有されています。
ChatGPTでは、地域を指定してトレイルを検索し、距離や天気などの情報を得る使い方がメインとなるでしょう。

リンクからAllTrailsのサイトにアクセスできますが、日本語表示に対応していないのが難点です。
Apps in ChatGPTに関するQ&A

Apps in ChatGPTに関する、よくある質問と回答を紹介します。
- Apps in ChatGPTを使うメリットは何ですか?
- iPhoneやAndroidでも使えますか?
- 今後アプリは追加されますか?
- 企業アカウントでの利用制限はありますか?
- アカウント連携時に共有されるデータは何ですか?
- 対応しているはずのアプリが表示されません
Apps in ChatGPTを使うメリットは何ですか?
Apps in ChatGPTを使う最大のメリットは、会話しながら外部アプリの操作をそのまま進められる点です。
検索や比較、確認といった工程を別タブに移動せずに完結できるため、作業の流れが分断されません。
また、自然文で指示するだけでアプリ固有の機能が呼び出せるので、操作方法を覚える負担が減ります。
条件の絞り込みや再検索を短い指示で続けられるため、情報収集にかかる時間を大きく削減できるでしょう。
iPhoneやAndroidでも使えますか?
はい、Apps in ChatGPT機能はスマートフォンからも利用できます。
iOSまたはAndroidのアプリからでも、PCと同様に外部アプリとの接続やチャット内での呼び出しが可能です。
ただし、スマホでは画面サイズが小さいため、カードの表示などが見にくくなるかもしれません。
今後アプリは追加されますか?
Apps in ChatGPTで使えるアプリは今後も順次追加されていく見込みです。
OpenAIの公式パートナー拡大や、Apps SDKを利用した開発者の参加によって、対応サービスの種類が少しずつ増えていくでしょう。
旅行、学習、デザインなどに加えて、業務効率化ツールや特定業界向けアプリが登場する可能性があります。
高頻度でアプリが更新されると予想されるので、新しいアプリが追加されていないか定期的にチェックしてみてください。
企業アカウントでの利用制限はありますか?
企業向けのBusinessやEnterprise、教育機関向けプランでは、管理者によって利用制限がかけられます。
データ保護やコンプライアンスの観点から、一部もしくはすべてのアプリが接続できなくなっているかもしれません。
接続できるアプリが少ないと感じたときは、社内のAIポリシーや制限状況を確認してみてください。
アカウント連携時に共有されるデータは何ですか?
アカウント連携の際には、認証に必要な情報や、アプリを動かすために必要な範囲のデータが共有されます。
具体的には、以下のような情報がサービス間でやり取りされていると考えられます。
- ユーザーID
- アクセストークン
- 利用中のプラン情報
- ストレージ内のデータ
ChatGPT内の会話内容などがアプリ側に取得されることはありません。
不安がある場合は、接続前に表示される権限の説明をよく読み、不要に感じる権限が含まれていないか必ず確認しましょう。
対応しているはずのアプリが表示されません
対応アプリが表示されない理由は、地域の違いが原因である可能性が高いです。
一部のアプリは特定の国でのみ提供されており、日本語環境では一覧に出てこないケースがあります。
また、Spotifyなどのように以前は対応していたアプリが接続できなくなる場合も。
現状対応しているアプリについては、実際にChatGPTの設定ウィンドウで確認するのが一番でしょう。
まとめ
本記事では、Apps in ChatGPTについて解説しました。
最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- Apps in ChatGPTとは、チャット内から外部アプリを直接操作する機能
- 結果の確認や再指示も同じ会話で完結できる
- 使い始めるにはアプリの接続が必要
- 無料アカウントでも利用できる
- 独自アプリを開発して接続することも可能
Apps in ChatGPTは、作業の起点を会話に集約し、意思決定から実行までの距離を縮める仕組みです。
まずは使いやすいアプリを1つ連携し、短い指示を試してみてください。






